政府はもう嘘をつけない

政府はもう嘘をつけない by 堤 未果

堤 未果

国際ジャーナリスト。
東京都生まれ。
ニューヨーク市立大学大学院国際関係論学科修士号取得。

国連、アムネスティ・インターナショナルNY支局員、米国野村證券を経て現職。
日米を行き来し、各種メディアで発言、執筆・講演活動を続けている。多数の著書は海外で翻訳されている。

『報道が教えてくれないアメリカ弱者革命』で日本ジャーナリスト会議黒田清新人賞、『ルポ 貧困大国アメリカ』(3部作、岩波新書)で日本エッセイストクラブ賞、新書大賞受賞、『政府は必ず嘘をつく』で早稲田大学理事長賞受賞…

「大統領選」「憲法改正」「監視社会」「保育に介護に若者世代」…
全てがビジネスにされる今、
嘘を見破り未来を取り戻す秘策を気鋭の国際ジャーナリストが明かす!

カネの流れを辿れば見えてくるアメリカ大統領選の本質、
憲法改正の入り口としての緊急事態条項をはじめ
日本に忍びよる強権的「ファシズム」の怖さ、
ISDS条項をはじめTPPに埋め込まれたた罠…

世界でも日本でも、
違和感だらけの世界が広がっている!

政府がシステムで国民を縛るなら、
私たちはシステムの外で動き出せばいい。

世界でも日本でも、
新しいうねりが動き始めている。

今こそ、脳内世界地図を更新し、
取るべき行動があなたにはある…

目次

プロローグ:パナマ文書の何が悪い? 〜慌てるアホウに笑うアホウ〜
第1章:金の流れで「アメリカ大統領選挙」が見える!
第2章:日本に忍びよる「ファシズムの甘い香り」
第3章:違和感だらけの海外ニュースも、「金の流れ」で腑に落ちる
第4章:「脳内世界地図」をアップデートせよ!
エピローグ:18歳選挙〜どんな未来にしたいですか?

政府はもう嘘をつけない

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MEMO

◆日本がタックスヘイブンランキング12位のワケ!

  1. スイス
  2. 香港
  3. 米国
  4. シンガポール
  5. ケイマン諸島
  6. ルクセンブルク
  7. レバノン
  8. ドイツ
  9. バーレーン
  10. アラブ首長国連邦(ドバイ)
  11. マカオ
  12. 日本
  13. パナマ
  14. 英国

2015年にTJNが発表した最新の
「金融秘密指数」ランキングでは、
1位はスイス、2位は香港、3位は米国である。

米国政府は2010年に、
FATCAを導入した。

FATCAとは、他国の金融機関に米国国民の口座情報の
提出を義務づけるルールである。

これによって米国政府は、米国民の動きや
各地のタックスヘイブンに対する監視を
強めることができるようになった。

だが、米国はFATCAを外国に押しつけておいて、
自分たちは適用外にした。

OECDに加盟する98ヶ国のうち、
4ヶ国だけFATCAのルールが適用されない国がある。

どこか?

バヌアツ共和国、バーレーン、ナウル共和国、
そして4つ目が米国である。

なんというしたたかさか!

ちなみに日本の政府は、
パナマ文書に関する調査はしないと
すぐに公言した。

日本政府の姿勢はずっと一貫している。

2013年に日米間でFATCAが締結されたとき、
日本政府は他のOECD諸国のように米国人の
口座情報を自動的に提供するやり方ではなく、
「米国国税庁に直接監査はさせず、
あくまでも個別に要請があった場合だけ情報を提供する」
という限定条件をつける形で協定を結んだ。

日本国内の大手銀行は、
これで日本政府に感謝したことだろう。

情報を要請するにはその違法行為の事実を立証しなければならず、
情報が入手できなければ立証できない。

つまり「ザル法」である。

「世界一ビジネスしやすい国を目指す」と語っている、
安倍総理の掲げるスローガンもまた、
1ミリたりともブレていなかった。

◆パナマ文書問題の今後!

日本は、法人税率自体は35%と高めだが、
収支決算の利益額を大きくしなければ、
高額な法人税から逃れることが可能など、
様々な抜け穴がある。

国外のタックスヘイブン使用に関しては
1978年に「タックスヘイブン対策税制」が導入され、
法人税が20%以下の地域にペーバー会社を置く場合は
その差額を日本に納めなければならなくなった。

ただし税率が20%以上でも、
税制優遇処置を使えば実際は20%を切る場合や、
そこで納税した額をそっくり貸しつけてくれる
地域もあるなど、ここにも抜け穴はある。

2016年5月23日。

日本政府は、問題になったパナマにある
日本人の口座情報を共有する
「2国間協定」に合意したと発表した。

次々にタックスヘイブンの外堀を埋める、
こうした国際的連携は、
果たして歯止めになるのか?

これはある意味「もぐらたたき」であり、
タックスヘイブンの利用者はなくならない。

◆米国の離婚とタックスヘイブンの関係について

16秒に1組が離婚することになる米国では、
かかる費用も莫大だ。

米国では離婚のとき、
夫婦の財産はきっちり50:50に分けられる。

浮気がバレたケースなら、
単純に財産を2分した額と、
ビジネスの収入、子どもが成人になるまでの
教育費、妻側が申し立ててくるであろう
精神的苦痛への損害倍賞など、
ざっと計算し、月に1万ドル(約100万円)
ほど支払うことになる。

このくらいの額は珍しくない。

つい最近も西海岸で、
50歳の医者が毎月1万ドルを60歳で退職
するまでの10年間、
120万ドル(約1億2000万年)と
退職金の半分を支払う判決がでた。

元配偶者への支払いが滞るとどうなるか。

米国政府は容赦ない。

たとえば、元妻が家庭裁判所に訴えて勝訴したら最後、
あっという間に給与は差し押さえられ、
自動引き落としで彼女の口座に振り込まれてしまう。

さらに、パスポートや運転免許証の停止など、
ありとあらゆるヘビーな罰則が追いかけてくる。

それでも支払いがされなければ、
政府が追いかけてきて居場所を突き止められ逮捕される。

だから、米国の男性は
自分の財産を少なく見せかけるために
タックスヘイブン(租税回避地)に資産を隠す。

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