世界経済の激変を1時間で読み解く

世界経済の激変を1時間で読み解く by 渡邉哲也

渡邉 哲也

エコノミスト。
1969年生まれ。

日本大学法学部経営法学科卒業。

貿易会社に勤務した後、独立。
海外の経済情勢に精通すると同時に内外の経済・政治状況のリサーチと解析に定評があり、2009年に出版した『本当にヤバイ!欧州経済』(彩図社)で欧州危機を警告してベストセラーになる…

「金の流れ」から、
世界経済の動きを
わかりやすく解説する
目からウロコの1冊!

経済崩壊の瀬戸際まで追い詰められている中国、
外資の植民地と化した韓国、
移民問題・テロの恐怖・ウクライナ問題で崩壊寸前のEUとロシア、
そして貧富の差の拡大で国民意識が大きく内向きに変わろうとしているアメリカ。

これから世界はいったいどこに向かうのか…

目次

はじめに 世界の富裕層の闇を照らす「パナマ文書」

序章 今、世界は新たな戦争に突き進んでいる

第1章 バブルがはじけた中国の末路

第2章 先のない国、韓国

第3章 分裂に向かうEU

第4章 エゴイズムに走るアメリカ

第5章 日本が目指すべき未来

おわりに 日本は24時間連続「世界一の債権国」だ

世界経済の激変を1時間で読み解く

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MEMO

◆日本が耐えられる円高の臨界点とは?

この直近、円高が進んでいる。

今現在

102.072063 円

である。

現状での円高の臨界水準は

84円

あたりと言われている。

◆現在の韓国の財閥や金融機関は、
もはや自国民のために存在しているのではなく、
外資のために存在していると言ってもいい。

◆韓国経済はなぜ減速してしまったのか

韓国経済の凋落ぶりが目立っているが、
その最大の原因は、
韓国の経済モデルがGDPの8割近くを
十大財閥で占めるという非常に歪んだ
構造の上に成り立っていることにある。

これは1997年に始まったアジア通貨危機後
に多くの企業の倒産と整理・統合が進む中で
つくられた構造だが、その結果、
韓国が外資の植民地と化してしまった。

◆中国が犯した最大の過ちとは?

中国が犯した取り返しのつかない
最大の過ちとは何か?

それは…

人民に自由とお金という「蜜の味
を覚えさせてしまったことである。

自由というのは、
何も経済やお金だけにとどまらず、
価値観や文化、情報の自由化も伴う。

日本に爆買いの中国人がやってきているが、
彼らはエリート層ではなく、
中間層以下の人たちだと言われている。

そのような末端にまで
蜜の味を与えてしまったことによって、
中国は共産主義によってコントロール
できない状況に陥るのではないか。

工業化によって自然環境を破壊し、
その結果、農産物の十分な生産が不可能になり、
大気汚染を引き起こし、水の汚染も引き起こし、
地球規模の環境破壊の最大の
原因になっているのが中国だ。

中国の工業化とは、
農業生産可能な土地を枯渇させる発展
でしかなかったのである。

大量の人口を抱える中で
食べ物を確保できなくなったとき、
中国政府はどのような対応を取るつもりなのか。

◆通用しなくなった中国のビジネスモデル

中国経済を支えていた
ビジネスモデルは、
安い人件費をウリにしたものだ。

中国政府は中国人労働者の人件費の
安さを武器に積極的に外国企業を誘致し、
製品を加工・輸出することで
経済発展を遂げてきた。

しかし今では人件費が高騰して、
そのビジネスモデルが
通用しなくなっている。

なぜ中国人の人件費が上がったのか?

第一の原因は、
中国に進出した外国企業にある。

外国企業は、中国企業の一般的な賃金より
高い賃金を提示した。

労働者を確保するためであり、
それでも十分利益が出る賃金水準だった。

そして急激な経済発展を遂げることとなった。

その成功を実感した中国政府は、
内陸部のインフラ整備を積極的に進め、
各地に工場団地をつくっていった。

外国企業を誘致し、
それをきっかけに内陸部の工業化を進め、
沿岸部と内陸部の所得格差を是正しようとした。

その結果、それまで沿岸部まで出稼ぎに出ていた
農民工たちが内陸部で働けるようになり、
沿岸部では人出不足に陥って、
海外企業はさらに賃金を上げざろう得なくなった。

さらに中国政府が打ち出した所得倍増計画も
人件費の高騰に拍車をかけることになった。

だが当然のことながら、
中国人労働者の賃金が高くなれば、
外国企業にとって中国でモノをつくるメリット
はなくなる。

その結果、外国企業の中国からの撤退が始まった。

それは外国企業ばかりではない。

中国国有企業もまた、
雪崩を打って労働力の安い東南アジア諸国に
生産拠点を移し始めざるを得なくなった。

中国の企業経営者は賃金をもとに戻したい
ところだろう。

しかし、中国国民が豊かさを知ってしまった今、
それは無理な話だ。

人件費の高騰は中国だけの問題ではない。

日本の企業経営者も同じ悩みを抱えていた。

日本は小泉内閣のとき、
賃金を下げるために「非正規雇用」という
制度を導入した。

正社員の給料を高額なままにしておいて、
非正規雇用の賃金を半額くらいまで下げたのである。

日本政府は、中国政府もできなかった賃下げを
見事に実行したのである

なぜ、日本の労働者が
この制度をすんなり認めてしまったのか
不思議である。

国民が政治に無関心だからか?

それとも国民が無知だからなのか?

日本人というのは不思議な国民である。

◆成立するはずがない社会主義市場経済

実際の中国は
社会主義経済でも
共産主義経済でもない。

中国共産党独裁えせ自由主義経済である。

◆「中進国の罠」にハマった中国

開発途上国から中進国になるのは
比較的カンタンである。

資源がある国なら資源を売れば
成長するし、人件費が安い国なら、
設備投資さえすれば成長できる。

中国は人件費の安さで一気に中進国まで
駆け上ってきたが、
そこからさらに成長を続けて先進国になるのが
実は難しい。

中進国の罠を抜けるための方策とは
何かを突き詰めていくと、
いわゆる特殊技術などのオンリーワンを
どれだけ持っているかというところに行き着く。

他国には作れない高付加価値の商品を
つくれるかどうかということだ。

しかし中国の場合、
経済発展したとは言うものの、
その実相は組み立て型のいわゆる
人口集約型産業構造だ。

実際、中国でしかつくれないものは
ほぼないに等しい。

そのため、より人件費の安い他国との
価格競争に敗れ、中国では生産することが
困難になりつつある。

中国が中進国の地位を脱却するには、
どこかで産業構造を変革させていく必要がある。

しかし、日本と中国では決定的に違う面があった。

なにか?

日本は大規模は技術革新を推し進める潜在力を有していたが、
中国にはそれがない。

2016年2月、鴻海精密工業が約7000億円(途中で3888億に減額)
を出資して経営再建を目指していたシャープを支援することとなり、
シャープは鴻海精密工業を中心とするフォークスコン・グループ
入りすることになった。

なぜ、鴻海がシャープを買いたいのか。

そこには中国型企業の事情が透けて見える。

鴻海精密工業は台湾に本社を構えている企業だが、
生産拠点は人件費の安かった中国本土に置いており、
基本的にはアップル、ヒューレット・パッカード、
ソフトバンクグループ、ソニーなどの製品
(スマホ、液晶テレビ)を受託生産することで
成長してきた。

つまり、自社ブランドではなく、
あくまでも他社ブランドの商品である。

ところが中国の人件費が上がるとともに
収益性が落ちてきて、
そのビジネスモデルにも限界が見えてきた。

それを打破するために、
どうしても自社ブランドの製品が欲しい。

しかし、自社ブランドをつくるだけの
技術はないし、工場にある生産機械も、
製品に組み込むための部品や材料も
ほぼ100%日本製というのが現状だ。

だからこそ3888億を投資してでも
シャープの技術開発力を自分のものに
したかったのである。

◆なぜ中国の製造業がダメになったのか?

中国経済が行き詰った大きな要因として、
これまで中国経済を強く牽引していた
製造業が壊滅的な状態になっていることが
挙げられるが、
そもそも計画経済の国である中国は、
世界市場の動きに応じて生産調整を
行う能力に欠けていた。

自由主義経済を取り入れたものの、
計画に基いてモノをつくるという習性が抜け切らず、
生産調整ができないまま、
生産を拡大させる一方だったために、
多くの在庫を抱え、
次々と破綻することになった。

◆日本の3倍速で進む中国の少子高齢化

よく「中国人が最も信用していないのは中国人」
と言われるが、事実、彼らは共産党一党支配の政治を
決して信用してはいない。

むしろ、
国に搾取されているという感覚を持ち始めている。

中国経済が急激に減速している原因として
「人口限界の問題」が挙げられる。

中国では日本以上に少子高齢化が進み、
経済に深刻な影響を与えている。

それは元はと言えば、
中国政府が主導した「一人っ子政策」によって
引き起こされた事態である。

中国が1979年に導入した「一人っ子政策」は、
確かに効果はあった。

中国は出生率の低下と人口増加のベースの抑制に成功し、
「人口ボーナス」を享受することとなった。

人口ボーナスとは、
その国の人口構成の変化が経済にとって
プラスに作用する状態のことである。

わかりやすく言えば、
生産年齢人口(15歳以上65歳未満の人口)が多く、
扶養すべき子どもや老齢者が少なければ、
経済成長できるという理屈である。

日本では、1950~1970年頃が人口ボーナス期に
当たるとされ、高度成長の一因となった。

この人口ボーナスとは逆に、
人口構成の変化が経済にとって
マイナスに作用する状態が「人口オーナス」だ。

人口オーナスとは労働人口の減少や引退世代の増加により
長期的な成長力が低下することだ。

社会保証費等が増大し、貯蓄率が低下し、
ひいては投資率が低下し、
経済成長率が引き下げることになる。

日本では90年頃から、
この人口オーナス期に入ったとされている。

中国では2013年前後にその入口に到達したと
見られている。

中国では、1人の子どもに2人の親、その2人の親に
2人ずつの親がいる状況となっている。

単純に計算すると、
1人の子どもが6人の高齢者を支えなければならなくなる。

一人っ子政策という強制的な政策の結果、
人口ボーナスから人口オーナスへの人口構成の変化が
一気に起きることになり、
それが日本の3倍以上の速度で進んでいる。

それに加え、中国には社会保証制度がないに
等しいのが大きな問題だ。

日本では、公的年金で老後の生活が最低限保証されている。

最悪でも生活保護制度などによって
一定の範囲で生活が送れる施策が取られている。

中国では、セーフティネット的なものは
まだまだ整備されていない。

年金制度も議論が始まったばかりで、
今のところ皆無に等しい。

中国政府は2015年になって
一人っ子政策をやめると言い出したが、
もはや手遅れである。

実際、中国の若者たちは、
子どもは一人で十分だと考えている。

◆日本は24年間連続「世界一の債権国」だ!

景気が良くても悪くても、
儲けている人は儲けているし、
活躍している人は活躍している。

突破口は必ずある。

そして景気が良くなれば
その恩恵を与れる人が増えるし、
儲けている人が増えれば自ずから
経済は拡大して日本全体が潤っていく。

貧乏は伝染る

それは金銭面だけではない。

周りに辛気臭い(しんきくさい)ことを言う人がいれば、
買い物意欲も落ちる。

別に無駄遣いをしろとは言わないが、
無意味な批判はまったく意味がない。

24年連続世界一の純債権国であり、
先進国第2位の人口を持つ民主主義国家…
それが日本だ。

偉ぶる必要はないが、
もっと自信を持つべきである。

そして、それこそが日本を豊かにする
最大の方策である。
◆お金が儲かっても、
お金が儲からなくても、
仲間割れが起こる。

あるいは、
離婚や一家離散の原因の多くも
お金がらみだ。

それは政治も同じだ。

政治家がクビになる原因の
ほぼ100%がお金である。

お金は足跡が残るのだ。

お金の流れを丁寧に読み解くことによって、
今、世界で何が起きているかがよくわかる。

お金は正直だ。

お金の流れがすべてを
動かしていると言っても
言い過ぎではない。

◆現代社会において
富の動きを仲介しているのがお金である。

それと同時に、
国の強さを評価する物差しとなっているのもお金だ。

現代社会において
お金以外に評価の基準となるものはない。

お金の動きこそが人の動き、
政治の動きを表す、
もっともわかりやすい
羅針盤になっている。

◆中国の人口は
13億5000万人プラスアルファだが、
その中国人が日本人と同じ食生活をすると
地球が3つ必要だと言われている。

◆世界の飢餓人口が
7億9500万人にのぼっているのは、
人口で言うと2割程度に過ぎない先進国が
世界で生産されている穀物の
半分以上を消費しているからである。

◆貧しい国が
豊かになると戦争が起こる。

豊かな国が
貧しくなると政変が起こる。

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