「病は気から」を科学する

「病は気から」を科学する by ジョー・マーチャント

ジョー・マーチャント

ロンドン在住。
科学ジャーナリスト。

生物学を学び、医療微生物学で博士号を取得。
「ネイチャー」「ニュー・サイエンティスト」などの一流科学誌で記者、編集者をつとめたのち、独立。
海洋考古学から遺伝子工学の未来まで、先端科学の専門家として執筆活動をおこなう…

科学も心も、万能ではない!

エビデンスをもとに導き出された、
「西洋医学=絶対」でもなく、
「自然療法=インチキ」でもない
「第三の真実」とは?

最新医療における「心の役割」を
緻密な取材をもとに検証!

がん、自己免疫系疾患、過敏性腸症候群、
うつ、パーキンソン病、自閉症、
慢性疲労症候群などの病気に、
心がどのような役割を
果たしているかを解き明かす。

スピリチュアルブーム、
自然志向で「現代医学 VS 自然療法」という
対立が生まれた。

「代替療法はまったく根拠のないエセ科学だ」と断じ、
切り捨てる。

「心の力ですべての病は直る」と
極論を述べるヒーラーや、
スピリチュアルをお金に変える商売人。

真実は、両者のはざまに存在した!

  • プラセボ効果を利用して鎮痛剤の使用量を抑える
  • 催眠術を利用して過敏性腸症候群の腸収縮を抑える
  • 味覚と臭覚を訓練し、免疫系疾患の治療に役立てる
  • 心の状態と生涯にわたる病気リスクの関係
  • 遺伝子の活性化など、心の状態が体の物理的構造に与える影響

目次

第1章 偽薬――プラセボが効く理由
第2章 型破りな考え――効力こそすべて
第3章 パブロフの力――免疫系を手なずける方法
第4章 疲労との闘い――脳の「調教」
第5章 催眠術――消化管をイメージで整える
第6章 痛み――バーチャルリアルティと鎮痛剤
第7章 患者への話し方――気遣いと治癒
第8章 ストレス――格差と脳の配線
第9章 マインドフルネス瞑想法――うつと慢性疾患
第10章 健康長寿――老化と社会的つながり
第11章 電気の刺激――神経で病気を治す
第12章 神を探して――ルルドの奇跡と科学

「病は気から」を科学する

「病は気から」を科学する

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MEMO

◆健康長寿 ー 老化と社会的つながり

・たとえ貧しくても、強い社会的な絆が若さを維持させる

・社会的「つながり」が健康長寿のカギとなる

・社会からの孤立は、肥満、運動不足、喫煙と同じくらい、
健康に害を及ぼす

・強い社会的な絆がなければ、
あらゆる原因による死のリスクが2倍になる

・群衆の中の孤独が人を蝕む
まわりから拒絶されたり、
疎外感を抱いたりすると、
体に痛みを感じたときと同じような
脳内のある領域が活性化する

・誰かと一緒にいても、
相手から気遣われていないと思えば、
孤独を感じる

・孤独な人たちは、
社会的交流を否定的に捉え、
他者を信頼することなく、
厳しく評価する傾向がある

・「必要とされること」で高齢者は変わる

◆マインドフルネス瞑想法

・瞑想がストレスを減らし、心身の健康を向上させる

・注意しないと、心と体は互いを食い物にするという悪循環に陥る

・瞑想が新しい脳細胞を作り出す
ヨガの技法は、単に一時的な意識状態を起こすのではなく、
脳の働き方を永続的に変える。

瞑想は脳の物理的構造を変える。

瞑想を行うと、海馬など、学習、記憶、感情の
制御に関連する脳の領域の灰白質が増加する。

そしてあまりストレスを感じなくなり、
同時に扁桃体の灰白質の密度が低下する。

慢性的なストレスとうつ状態は海馬と前頭前皮質を萎縮させ、
扁桃体は肥大し、神経結合が増強する。

8週間の瞑想で逆の変化が起こる。

◆疲労は脳が作り出す感覚!

疲労は筋肉を限界まで追い込むことで
起こるという考えは真実ではない。

疲労感とは、脳により中枢性に
強いられたものである。

脳が筋肉の限界に先じて行動を起こし、
抹消部位から損傷を知らせる合図が
出されるずっと前に疲労を感じさせ、
強制的に運動を中止させる。

言い換えれば、
疲労は身体的な現象ではなく、
破壊的な損傷を防ぐために
脳が作り上げる「感覚」あるいは
「感情」である。

これを行う脳システムを
「セントラルガバナー」と呼ぶ。

どんなことのあとにも、
つねに別のことをする
エネルギーが要る。

たとえば、
突然、捕食者から逃げなくてはならない
かもしれない。

狩りに出れば、仕留めたあと、
必ず食べ物を家に持ち帰る必要がある。

身体能力の限界を決定するのは、
心像や肺や筋肉ではなく、
「脳」である。

疲労が脳によって制御されているなら、
意識が何らかの役割を果たしているのか?

心理的要因によって、
疲れたと感じるときは調整できる。

脳は、体温、酸素供給状態、体力、
運動レベルなどの身体的な変数だけでなく、
自信の程度、状況の緊急度といった
心理的な変数も取り込む。

そのうえで疲労感を利用し、
最大速度を設定する。

体力に不安がある、
あるいは走る距離がはっきりしていなければ、
脳は走る速度を遅くする。

しかし、先にある課題がはっきりわかっている、
あるいは生死がかかっているなら、
セントラルガバナーがそれを考慮し、
手綱を緩める。

これが「火事場の馬鹿力」の理由である。

さらに、状況が変われば、
疲労レベルも変わる。

レース中にゴールラインが見えれば、
突然、力がみなぎる。

危機的な状況にあれば、
危機が去ったとたんに、
疲労を感じる。

◆心は万能薬ではない!

心が体に対して、
即座に目を見張るような効果を
もたらす場合もある。

食餌療法やエクササイズなど、
時間をかけて健康を築いていく
多くの方法の中で、
心は重要でありながら、
気づかれにくい要素となって
いる場合もある。

まったく効果のない場合もある。

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