これも修行のうち。 実践!あらゆる悩みに「反応しない」生活

これも修行のうち。 実践!あらゆる悩みに「反応しない」生活 by 草薙龍瞬

草薙 龍瞬

僧侶、興道の里代表。
1969年、奈良県生まれ。
中学中退後、16歳で家出・上京。
放浪ののち、大検(高認)を経て東大法学部卒業。

政策シンクタンクなどで働きながら「生き方」を探求しつづけ、インド仏教指導僧・佐々井秀嶺師のもとで得度出家。
ミャンマー国立仏教大学、タイの僧院に留学。

現在、インドで仏教徒とともに社会改善NGOと幼稚園を運営するほか、日本では宗派に属さず、実用的な仏教の「本質」を、仕事や人間関係、生き方全般にわたって伝える活動をしている…

人間関係、失敗、病気、心配事……
あらゆるツライことを「上手に消す」心の習慣がある。

それは、「これも修行のうち」と捉えてみること。

そのための簡単な方法(プチ修行)を50個、紹介…

目次

第1章「感覚」のプチ修行
――ストレス・モヤモヤが溜まったときは、「心の使い方」を練習するチャンスです
第2章「感情」のプチ修行
――憂鬱になりがちな毎日に“メリハリ”がつけられる
第3章「考え方」のプチ修行
――「使う言葉」を替えるだけで、悩みがスッと消えていく
第4章「意欲」のプチ修行
――気持ちがゲンナリしたときは、たとえば「作業をしてみる」

これも修行のうち。 実践!あらゆる悩みに「反応しない」生活

これも修行のうち。 実践!あらゆる悩みに「反応しない」生活

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MEMO

これも修行のうち

◆「何事かを成し遂げる」3つの方法

1)教えてもらう方法
2)経験によって学ぶ方法
3)自ら工夫していく方法

このうち優先順位として先に来るのは、
(1)の「教えてもうらう方法」である。

というのも、
新しい環境で求められる役割は、
やはりその場所独自のものが多いからである。

だから基本は、
無心に素直になって、
「教えてもらう」ことである。

次の3つの言葉をメインに使う。

・何をすればいいですか?
・どうすればいいですか?
・ありがとうございます。やってみます

「正しい方法」とは、
目的を達成できる・効果のある方法のこと。

それが果たせていれば、
客観的には問題ない。

だから、「方法を学ぶ」上で、
一番ムダなく、しかも効果が上がるのは、
(1)教えてもらう(学習する)
(2)経験する
(3)(その上で)工夫する、
という順番になる。

これら全部をひっくるめて、
ひとつの方法を「体験」として学んでいけば、
「優秀な」働きぶりということになる。

◆ヤル気(意欲)は、
情熱、意志、覚悟、モチベーションなど、
いろんな言葉で語られているが、
その正体には、いくつかある。

1)欲求を満たそうというヤル気(単純な欲求)
2)妄想を成就したいとうヤル気(いわゆる欲望・憧れ)
3)新しいことを体験したいというヤル気(ワクワク感)
4)とにかく頑張らねば・やらねば、というヤル気(気合い・根性)

こうしたヤル気にうまく乗ることができれば、
ある程度は快調に、前に進んでいける。

しかし、実際には、
そういかない現実が起きる。

いくら頑張ろうとしても、
うまくいかないときは、
「ひとつのヤル気に縛られている」
と考える。

つまり、「ヤル気の種類も出し方も、
本当はもっといろいろあるのに、
ひとつのヤル気しか知らないのでは?」
と考える。

◆心のトリセツ(その2)

○病気で仕事を休むことになったとき

▶普通の考え方
病気になってしまった。
迷惑をかけて申しわけない。
居場所がなくなるのでは。
こんな時期に病気なんて、ついてない…。

▶新しい考え方
ありがたい、これで休める。
この機会に溜まった疲れを取ろう。
昔の友だちに電話してみよう。
とことん休んで、回復したらまた頑張ろう。

○ミスがか重なった。大失敗をしたとき

▶普通の考え方
しまった。ちくしょう。
信用を落とした。
評価を下げた。
私、この仕事、向いてないかもしれない…。

▶新しい考え方
失敗は失敗、ミスはミス
(理解に留めて反応しない)。
今からできること(方法)は?
よしその方法に集中しよう。
今できることで貢献だ。
ここからベストにチャレンジだ。
(信用回復できるか?)
それは相手・人さましだいだ。

○人と別れた・フラれた・裏切られた

▶普通の考え方
ひどい。ショックだ。
淋しい。悲しい。
戻ってきて。
裏切られた。
恩を仇で返された。
腹立たしい。
許せない。
仕返ししてやる…。

▶新しい考え方
悲しい・淋しい。
でも仕方がない。
出会い・関わり事態が授かりもの。
それがリセットされて元に戻ったということ。
ここから新しく作り直そう。
これまでもらった時間に感謝しよう…。

○お金を落とした・損をした

▶普通の考え方
しまった。
損をした。
もっと安く買えたのに。
ああ、ついてない。
がっかり。
あのおカネがあれば、
あんなことやこんなこともできたのに…。

▶新しい考え方
仕方ない。
誰か拾って、役に立てているだろう。
お役に立ちますように。
寄付した(お布施した)と考えよう。
落とせるくらい人から授かっているということ、
ありがたい話。
また頑張ろう。

◆「自分を知っている」人は孤独に強い

仏教では「孤独」がイケナイことだとは考えない。

そもそも人は、
持っている肉体も、脳も違う。

物理的には、
生まれたときから「独り」である。

その状態が「孤独」として忌(い)み嫌われているのは、
ひとつは「理解してもらいたい…
認められたい・愛されたい」
という願いがあるからである。

ただ、理解してもらえるかは、
あくまで「他人の領域」である。

これはアドラーも語っている。

つまり、他人が理解してくれるかどうかは、
他人が決めることで、
自分自身が選べることではない。

自分が選べるのは、
自分自身の心の持ち方。

そして、自分自身が誰よりも
自分を理解しているかどうかである。

自分をよく理解すること…
その心、満たしきれない欲や、
捨てきれない怒りや慢(まん)が、
どれほどあるか。

もしあるなら、
それを浄化することが、
自分の務め(テーマ)になる。

今の自分を、
もしかしたら誰かが認めてくれるかもしれないし、
いつまでも認めてもらえないかもしれない。

ただそれは「人さまの領域」である。

わかってもらえたら、ありがたいし、
わかってもらえなくても、
それはそれでよい。

究極のところ、
自分の心の状態…
満足か不満足かを決めるのは、
他人ではなく、自分である。

孤独を恐れないこと。

理解してもらえなくても、
苦痛を感じないこと。

それは、自分の心の動きや、
心の深くにある自分の動機を理解することで、
可能になる。

まずは、自分の心を理解することに努め、
心の苦しみを減らして、
喜びを増やしていく「心の使い方」を学ぶ。

その道のりが、孤独に負けない強さになる。

◆心は「ニュートラル」が基本

人は快を追いかけ、不快を遠ざけたがる。

しかし実際は「快に追い立てられ、
不快に振り回されて生きている」。

それが現実。

決して幸せになっていない。

たとえば、多くの人は、
快を「欲の満足」だと思っている。

そして今の時代は
「欲を刺激してくる情報」
が氾濫していて、
「こんなモノがあります」
「これもオススメです」
「こんな刺激的な映像が」と、
頼みもしないモノが
目の前に現れ、反応を追ってくる。

欲の満足が快だと思う「心」は、
こうした刺激の瞬時に飛びついてしまう。

また「怒ってはいけない」とわかっていても、
現実の相手の声や表情についイラッとしたり、
ふとイヤな記憶を思い出したりして、
心がザワザワした感情から逃げられないでいる。

こうした悩ましい日常は、
どこから来るのか。

それは「反応すればイイコトがある」
「反応すること以外に、心の使い方を知らない」
という「心の習慣(ライフスタイル)」からくる。

反応し続ける生き方しか知らず、
反応するなら快か不快かという
二者択一しか知らないために、
すぐ感情で反応し続けてしまう。

◆人生は「心の使い方」によって決まる。

すべては、心から生まれ、
心の影響を受け、
心によって作られる。

心に振り回されて終わるな。

心の主(≒心を巧みに操れる者)となりなさい。

by ダンマパタ

◆心のトリセツ

「心の使い方」がわかると、
日頃のいろいろな悩みに応用が効く。

たとえば、次のような状況なら、
こんな考え方をしてみる。

▶最近、ストレスが溜まっている

(考え方)これは不快な「感情」が続いている状態だ。
とすれば意識を「感覚」に向けかえて、感情をリセットしよう。
食べようか、音楽を聴こうか、週末に旅に出ようか。

▶アタマがモヤモヤする。考えがまとまらない

(考え方)これはムダな「思考」が溜まった状態だ。
となると、意識の先を「感覚」に切り替えて、
思考を解消しよう。ひと休みして、散歩にでも出るか…

▶近ごろ元気がでない。ヤル気が湧かない

(考え方)これは「意欲」が減退している状態だから、
喜びの「感情」を上げるようにしよう。
好きなことをやれという合図だな。

こうした発想ができるようになると、
「心が(特定の反応に)引っかかる」ことが
少なくなる。

たとえば、車ならギヤを入れ替えることで、
滑らかに走り続けようとする。

心も同じように、
感覚・感情・思考・意欲をうまく使いながら、
不快を溜め込まないようにする。

結果的に、ストレスが溜まらず、
気持ちの切り替えが早くなり、
人生を楽しむことが上手になり、
作業のスピードも速くなり、
周囲に振り回されずに、
自分の大切なモノゴトのみに
心を使える状態になる。

◆心には5つの領域がある

世間では、「心」を曖昧にとらえている。

心理学でも、生物学でも、
その他の分野でも、「心」そのものを
明快に定義した言葉は、ほとんど見当たらない。

仏教では、生命の本質を、
心・体・関係性の3つでとらえている。

このうち心とは、
一言でいえば「反応」のこと。

この反応は、5つの種類に分けられる。

1) 感覚
2) 感情
3) 思考
4) 意欲
5) 意識

このうち「意識」は、
心の底を流れ続けるエネルギー。

まだ感情や思考などの反応が生まれる前の
「反応の素」みたいなもの。

ニュートラルで、まだ怒りや妄想といった
「煩悩」になる前の、
きれいな状態の流れ。

この「意識」が外の刺激に触れたときに、
感覚・感情・思考・意欲という4つの反応を
作り出す。

私たちの日頃の悩みは、
この4つのいずれかに属する。

「感覚」とは、目・耳・鼻・舌・肌の5官を
通して生まれるもの。

映像(視覚)、音楽(聴覚)、食事(味覚)、
香り(嗅覚)、ぬくもりや触覚や、
カラダを動かして感じる感覚など。

「感情」は、「快」か「不快」かという反応。

悲しみや楽しさなど、さまざまな反応がある。

「思考」とは、脳で考えることすべて…
仕事の段取りを考える。

過去を思い出す。

余計な妄想をして、不安や心配を作り出す。

これらはすべて「思考」の産物。

「意欲」は、何かを手に入れたい・行動したい
というエネルギー。

食欲などの単純な欲求のほか、
ヤル気や願望・情熱などの前向きな
モチベーション、さらには、
つい腹を立てて言葉や行動に出してしまう、
といったネガティブな衝動も含まれる。

この「5つの心の領域」こそが、
ふだんの「私」と「心」の正体である。

▶「感覚」をどう使って、ストレスやモヤモヤをすっきり解消するか

▶「感情」をどう活かして、マンネリ気味の毎日にメリハリをつけるか

▶「思考」をどう働かせて、悩みを増やさず、正しい判断をするか

▶「意欲」をどう盛り上げて、毎日を楽しく充実したものにしていくか

◆日頃の悩みを増やさないポイントは?

一切の悩みは、心の「反応」が作り出している。

だからムダに反応しなければ、
多くの悩みを解消できる。

たとえば、「腹の立つ出来事」があったときに、
具体的にどう考えて、怒り、不満をきれいに
洗い流すか。

「先が見えない不安・心配」に襲われたときに、
どう考えを組み立てて気持ちをリセットし、
目の前のモノゴトに集中しなおすか。

日々直面する人間やモノゴトに、
どんな心で向き合い、
どのように心を使って、
ベストの成果を作っていくか…

私たちに必要なのは
「具体的な心の使い方」。

それがわかれば、
毎日のあらゆる出来事を
「正しく心使うための練習」
に活かすことができる。

それができれば、
イヤなことがあっても、
ツラいことに遭遇しても
「これも修行のうち」と、
何事も、自分にプラスの体験として
受け止めることも可能になる。

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