幸福の「資本」論

幸福の「資本」論―あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」 by 橘 玲

橘 玲(たちばな あきら)

作家。
2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。
メルマガ『世の中の仕組みと人生のデザイン』配信やダイヤモンド社との共同サイト『海外投資の歩き方』など精力的に活動の場を広げている…

ひとは幸福になるために生きているけれど、
幸福になるようにデザインされているわけではない。

「金融資産」「人的資本」「社会資本」という3つの資本から、
「幸福に生きるための土台(インフラストラクチャー)」の設計を提案。

超充、リア充、旦那、金持ち、退職者、
ソロ充、プア充、貧困の8つの人生パターンから
「幸福」のカタチを選択するヒント…

目次

プロローグ あなたが存在することがひとつの奇跡

PART0 「金持ち」と「貧乏」の三位一体幸福論

1 幸福の3つのインフラ
2 「最貧困」から人生を考える
3 人生の8つのパターン

PART1 自由のための金融資産

4 お金と幸福の関係
5 マイナス金利の世界

PART2 自己実現のための人的資本

6 人的資本は「富の源泉」
7 クリエイティブクラスとマックジョブ
8 サラリーマンという生き方
9 オンリーワンでナンバーワンの戦略
10 高齢化社会の唯一の戦略

PART3 幸福のための社会資本
11 友だちとはなんだろう?
12 個人と間人
13 うつは日本の風土病
14 フリーエージェント戦略
15 「ほんとうの自分」はどこにいる?

エピローグ それでも幸福になるのはむずかしい
あとがき

幸福の「資本」論

幸福の「資本」論

Amazonに移動する…

MEMO

幸福の「資本」論

◆おカネと幸福に関するシンプルな法則とは?

1)年収800万円(世帯年収1500万円)までは、収入が増えるほど幸福度は増す

2)金融資産1億円までは、資産の額が増えるほど幸福度は増す

3)収入と資産が一定額を超えると幸福度は変わらなくなる

◆収入の10-15%を貯蓄に回す倹約を続けていれば誰でも億万長者になれる! 本当か?

日本では、大卒の平均的なサラリーマンが
生涯に得る収入は3億から4億円とされている。

共働き夫婦の生涯年収を総額6億円として、
そのうち15%を貯蓄すれば、
それだけで9000万円になる。

仮に貯蓄率を10%(6000万円)としても、
年率3%程度で運用すれば、
退職時の資産は1億円を越えているはず。

特別な才能などなくても、
勤勉と倹約、
それに共稼ぎだけで、
誰でも億万長者になって
経済的独立というゴールに到達できる。

問題は、サラリーマンの給与体系では、
億万長者の夢は退職金を受け取るまで
待たなかればならない。

もっと早く経済的独立を達成するためには、
どこかに「近道」を見つける必要がある。

その近道とは…
自営業者か中小企業のオーナー社長に
なることである。

なぜか?

収入や資産の多寡にかかわらず
自営業者や中小企業はすべて
「社会的弱者」として優遇されている
からである。

年収600万円(月収35万円、ボーナス5ヶ月)の
平均的サラリーマンは、所得税・住民税に
社会保険料(介護保険料込)を加えると
年間114万円を日本国に収めている。

これは大変な金額だが、
実はそれだけではない。

社会保険料の2分の1は企業負担に
なっているが、会社はボランティアで
社員の保険料を払っているわけではない。

すべて人件費に織り込まれている。

これはサラリーマンの負担を
軽く見せるための「搾術」なので、
それを個人負担に引き直せば、
年収600万円のサラリーマンが
1年に支払う社会保険料の
総額は約173万円で、
所得税・住民税を加えた社会保障費の総額は
約173万円で、所得税・住民税を加えた
実質税負担は約200万円、
実質税負担率は30%近くにもなる。

しかし「個人」と「法人」の2つの人格を
使い分ければ、この税負担を
合法的に大きく軽減できる。

これが、成功した事業業者や中小企業の
オーナー社長が急速に富を蓄えていく秘密である。

◆備えあれば憂いなし(日本が破綻したときに備える)

日本は、1000兆円を超える天文学的な
借金を抱えているが、破綻するかどうかは
神のみぞ知るで誰にも分からない。

だからといって、
日本が破綻したときのために
なにもしなくてもよいということではない。

日本の未来は

1)楽観シナリオ(アベノミクスで経済が復活する)
2)悲観シナリオ(現在のデフレ不況がこれからも続く)
3)破滅シナリオ(財政が破綻して経済的は大混乱が起こる)

の3つのシナリオに分けることができる。

4年に及ぶ日銀の金融緩和政策でも
物価は一向に上昇せず、アベノミクスに
好景気を呼び込む力がないことがハッキリしたので
残っているのは「悲観シナリオ」と「破滅シナリオ」だけである。

低金利=マイナス金利では運用で大きな利益を出すのは
困難なので、金融資産は普通預金とドルやユーロなどの
外貨預金に分散しておけばよい。

なぜなら通貨の価値は相対的なものなので、
円が下がればドル(ユーロ)が上がり、
ドル(ユーロ)が下がれば円が上がる。

すべての通貨が一斉に下がることはないので、
適切に資産を国際分散しておけば、
円が紙くずになろうが、ドル経済が崩壊しようが、
全体の資産価値は影響を受けない。

市場経済の長期的な拡大を前提とすれば、
金融資産を株式市場に投資した方が有利という考えもある。

そんな人には、投資対象を選別する費用対効果も含めれば、
東証の「上場インデックス世界株式(1554)」に積立投資するのがよい。

これは円建てのETFだが、投資対象が(日本株を除く)
世界の株式なので特定の国や企業にリスクを集中させる
ことを避けられるし、円が下落するばその分だけ株価が上がる。

証券会社や銀行の店頭で販売されているファンドと違って
販売手数料は不要(株式の売買手数料のみ)で、
インデックスファンドなので運用手数料も安く、
海外株に投資する際の円から外貨への両替には
大口割引が適用される。

「タマゴをひとつのカゴに盛るな」の格言を実行するなら、
これほどすぐれた国際分散投資の金融商品はない。

しかしそれでも、「国家破産」という異常事態が
起きたら大切な資産が失われてしまうと不安に思う人が
いるかもしれない。

その場合は、海外の金融機関にあらかじめ口座を開設し、
いつでもワン・クリックで金融資産を移せるようにしておけば
「金融封鎖」も心配ない。

また財政破綻時は、円相場が乱高下したり、
金利が急上昇して株価が暴落するなど、
金融市場が大きな混乱に見舞われるのは確実。

そんなときにオプションや先物などデリバティブの
仕組みを知っていれば、リスクを一定の範囲に
抑えつつ一攫千金を狙う投資戦略も可能になる。

◆「老後問題」を解決するには

私たちが富を手に入れる方法は、
原理的に2つかない。

1)人的資本を労働市場に投資する。
つまり、働いておカネを稼ぐ。

2)金融資本を金融市場に投資する。
つまり、資産運用する。

ほとんどのサラリーマンは、
定年を迎えると年金以外の定期収入が
なくなって人的資本がゼロになる。

あとは金融市場(投資)から富を得るほかない。

ここで大事なのは、
「老後は自らの意志で長くすることも
短くすることもできる」ということである。

50代でリタイヤすれば、
その分長い老後を過ごすことになるし、
80歳まで現役で働けば、
当然、老後は短くなる。

長い老後を維持するためには、
より多くの金融資産(おカネ)が必要になる。

老後が短かければ、金融資産はそれほどたくさんいらない。

老後問題とは、人的資本(働いておカネを稼ぐ)
を失ってからの期間が長すぎることである。

だとすれば、老後の経済的な不安を解消する
もっともカンタンな方法は、
老後を短くすることである。

仮に、60歳以降もそれまで培った知識や技能で
年収200万円の収入があり、
80歳まで働き続けるとする。

そうすると(60歳から80歳までの)20年間で
4000万円の収入を獲得し、
老後は(81歳から100歳までの)20年間に縮まる。

この単純な例から分かるように
「生涯現役」なら老後問題そのものがなくなる。

健康寿命を80歳としても、
生涯現役ということは、
20歳から60年働くことになる。

そしてどんな人も、
60年間も嫌いなことをやり続けることはできない。

逆に「好きなこと」が明確なら、
これまでの経験や知識を活かして
定年後に起業し、
「第二の青春」を謳歌することもできる。

仮に日本の財政が破綻して年金が
受け取れなくなったとしても、
人的資本が生み出す富で生活を
支えることができる。

人生100年時代の人生戦略は、
いかに人的資本を長く維持するかにかかっている。

そのためには、
自分の大好きなことを見けること、
そして健康が大事になる。

60代、70代になっても人的資本を
維持できるかどうかで、
超高齢化社会の格差はさらに拡大する。

人生100歳の時代とは、
「好きを仕事にする」以外に
生き延びることのできない
残酷な世界なのである。

◆日本人は何歳まで生きるのか?

日本人の平均寿命は
男性80.79歳、女性87.05歳である。

平均寿命は、出産後に死亡した乳幼児も
含めたすべての日本人の寿命の平均である。

50歳まで生き延びたということは、
それ以前の死亡率は無視してかまわない。

だから当然、
平均寿命よりも長生きすることになる。

これが平均余命で、50歳の男性は32.39歳、
女性は38.13歳が平均的な人生の残り時間になる。

ちなみに65歳の男性の平均余命は19.46なので
85歳くらいまで生きることになる。

50歳以降の平均余命:

年齢(50)▶男(32.39)、女(38.13)
年齢(55)▶男(27.89)、女(33.45)
年齢(60)▶男(23.55)、女(28.83)
年齢(65)▶男(19.46)、女(24.31)
年齢(70)▶男(15.64)、女(19.92)
年齢(75)▶男(12.09)、女(15.71)
年齢(80)▶男(8.89)、女(11.79)
年齢(85)▶男(6.31)、女(8.40)
年齢(90)▶男(4.38)、女(5.70)

ところで何歳までの計画を立てればよいのか?

ここで50歳以降の5年間の生存率をみてみる。

50歳の男性が55歳まで生きる確率は98.06%、
女性は98.99%となっている。

生存率が9割を切るのは男性で65歳、
女性で70歳を過ぎてからで、
その後、生存率は急速に下がって、
男性で80歳、女性で85歳で半分以下になり、
100歳を超えるとほぼゼロになる。

50歳以降の5年間の生存率:

年齢(50)▶男(98.06%)、女(98.99%)
年齢(55)▶男(95.08%)、女(97.54%)
年齢(60)▶男(90.60%)、女(95.53%)
年齢(65)▶男(83.95%)、女(92.59%)
年齢(70)▶男(74.87%)、女(88.09%)
年齢(75)▶男(61.24%)、女(80.40%)
年齢(80)▶男(42.45%)、女(67.21%)
年齢(85)▶男(22.46%)、女(46.93%)
年齢(90)▶男(7.17%)、女(22.90%)
年齢(95)▶男(1.06%)、女(5.94%)
年齢(100)▶男(0.03%)、女(0.41%)

◆幸福な人生を目指して頑張っているときが、もっとも幸福である

つまり、幸福とは日々の日常生活の中にある…

◆アメリカに台頭する新上流階級ボボス(BOBOS)の特徴

ボボスとは、ブルジョアとボヘミアンを組み合わせた造語で、
典型的なBOBOSは夫婦とも高学歴で、
リベラル(自由主義)な都市かその郊外に住み、
経済的には恵まれているもののブルジョアのような
華美な暮らしを軽蔑し、かといってヒッピーのような
体制に反対するわけでもなく、
最先端のハイテク技術に囲まれながら
自然で素朴なものに最高の価値を見出す。

BOBOSの多くは弁護士やコンサルタントなどの専門家か、
独立したプロジェクトを任された会社内の
クリエイティブクラスで、
自分たちをスペシャリストよりも
クリエイターだと考えている。

◆多くの研究で、自営業と公務員が幸福度が高いことが知られている。なぜか?

▶時間(いつどれだけ働くか)と人間関係(誰と働くか)が選べればそれだけ幸福度は大きく上がる。

▶私たちは自己実現と同時に安定も求めている

◆離婚や愛する人との死別より、毎日の満員電車の長時間通勤の方が人を不幸にする

◆究極のソロ充は仏教の悟りと同じである

欧米や日本のような先進国では、
お金とテクノロジーによって、
いっさいの修行なしに誰でも「悟り」の
境地に達することができるようになった。

◆ソロ充って知ってる?

現実の生活(=リアル)が充実している人を指す「リア充」という言葉がまず誕生し、
そこから、1人でものごとを楽しむ人を指す「ソロ充」や、
他人の目を気にしつつも、
自分の学生生活がリア充であることや、
行動を共にするグループの一員であることを確認せずにはいられない人を指す「キョロ充」などに派生していった…

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする