アドラーの教え – 愛とは? 自立とは?

◆愛とは? 自立とは?

愛とは「ふたりで成し遂げる課題」である。

愛によってふたりは、
幸福なる生を成し遂げる。

愛は幸福につながるのか?

それは、愛が「わたし」からの解放だから。

この世に生を受けた当初、
われわれは「世界の中心」に君臨している。

周囲の誰もが「わたし」を気にかけ、
昼夜を問わずあやし、食事を与え、
排泄の世話されしてくれる。

「わたし」が笑えば世界が笑い、
「わたし」が泣けが世界が動く。

ほとんど、家庭という王国に君臨する
独裁者のような状態である。

この独裁者にも似た圧倒的な「力」。

その力の源泉はどこにあるのか?

それは「弱さ」である。

子ども時代のわれわれは、
己の「弱さ」によって、
大人たちを支配している。

「弱さ」とは、対人関係において
恐ろしく強力な武器になる

多くの大人たちもまた、
自分の弱さや不幸、傷、不遇なる環境、
そしてトラウマを「武器」として、
他者をコントロールしようと目論む。

心配させ、言葉を束縛し、支配しようとする。

原則として子どもたちは、
自活することができない。

泣くことも、つまり己の弱さをアピールする
ことによって周囲の大人を支配し、
自分の望みどおりに動いてもらわないと、
明日の命さえ危うい。

彼らは甘えやわがままで泣いているのではない。

生きるためには、
「世界の中心」に君臨せざるをえないのである。

すべての人間は、
過剰なほどの「自己中心」から出発する。

そうでなくては生きていけない。

いつまでも「世界の中心」に君臨することはできない。

世界と和解し、
自分は世界の一部なのだと了解しなければならない。

自立という言葉には、
どんな意味が込められているのか。

われわれは頑迷なる自己中心性から抜け出し
「世界の中心」であることをやめなければならない。

「わたし」から脱却しなければならない。

甘やかされた子ども時代のライフスタイルから、
脱却しなければならない。

自己中心性から脱却できたとき、
ようやくわれわれは自立を果たす。

人間は、変わることができる。

ライフスタイルを、世界観や人生観を、
変えることができる。

そして愛は、「わたし」だった人生の主語を、
「わたしたち」に変える。

われわれは愛によって「わたし」から解放され、
自立を果たし、ほんとうの意味で世界を受け入れる。

愛を知り、人生の主語が「わたしたち」に変わること。

これは人生の、あらたなスタートである。

たったふたりからはじまった「わたしたち」は、
やがて共同体全体に、そして人類全体にまでその範囲を広げていく。

book116

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