貧血大国・日本

貧血大国・日本 放置されてきた国民病の原因と対策 by 山本 佳奈

山本 佳奈

1989年滋賀県生まれ。医師。
私立四天王寺中学・高等学校卒業。
2015年3月、滋賀医科大学卒業、医師免許取得。
同年4月より福島県の南相馬市立総合病院に勤務。
大学時代から、医学博士・上昌広氏の下で貧血を中心に医療全般について研究している…

世間であまり認知されていない
貧血の実態、危険性、対処法など、
これまで見過ごされてきた問題の現状を概観しその対策を述べている。

貧血は、
主に体内の鉄が欠乏することによって生じるが、
鉄は人間の体にとって極めて重要な栄養素。

このことから、
世界各国では鉄の欠乏を予防する対策がとられている。

一方、
日本では「ほぼ無策」の状況が続いている。

特に妊婦の貧血は深刻で、
その数は先進諸国の平均値を大きく上回る。

女性の社会進出が加速し、
出産の高齢化に拍車がかかるなか、
貧血の問題を放置したままにしておくとどうなるか。

健康面への影響は?

貧血大国・日本

貧血大国・日本

目次

まえがき
【貧血チェックリスト】
<第一章>「何となく体調が悪い」理由
<第二章> 貧血のメカニズム
<第三章> 体内に不可欠な元素「鉄」
<第四章> 美容と貧血
<第五章> 妊婦と貧血
<第六章> 成人女性と貧血
<第七章> 子どもの成長と貧血
<第八章> 中高生と貧血
<第九章> アスリートと貧血
<第十章> 高齢者と貧血
<第十一章> 血液検査の読み方
<第十二章> 何を食べ、どう気をつけるか?
<第十三章> ベジタリアンと貧血
<第十四章> 世界の貧血
あとがき

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MEMO

貧血大国・日本

◆非ヘム鉄を多く含む植物性食品

大豆、きな粉(8.0mg)、油揚げ生(3.2mg)、生湯葉(なまゆば: 3.6mg)、納豆(3.3mg)。

豆類以外では、パセリ(100gあたり7.5mg)、小松菜(2.8mg)、ほうれん草(2.0mg)。

ほうれん草の「えぐみ」の正体は、ショウ酸でこれが胃の中で
鉄とくっつくと、吸収されずに、そのまま体外に排出される。

なので鉄分を補給するという意味では、
ほうれん草より小松菜がおすすめ。

◆レバー

貧血の予防に効果がある食品として、
名前が上がるのはレバー

レバーがヘム鉄だけでなく、
造血に必要な葉酸やビタミンB12、
鉄の利用を高める効果のある銅などを含んでいるから。

さらに、ビタミンA、B1、B2、B6、ナイアシンも豊富。

◆カルシウムは鉄の吸収を阻害する

鉄欠乏性貧血を改善、予防したい場合には、
カルシウムを多く含む食品(牛乳・チーズなど)を食べるのを、
メインの食事から30分から1時間後くらいにする
のが理想的。

◆ヘム鉄 vs 非ヘム鉄

「ヘム鉄」とは「ヘム」に含まれる鉄のこと。
ヘム鉄を含んでいるのは、
肉、魚、卵、乳製品などの動物性食品。

ヘム鉄は、小腸で消化吸収され、体内で利用される。

一方の「非ヘム鉄」は、
野菜、海藻、大豆といった植物性食品に含まれている。
非ヘム鉄は消化吸収されにくい鉄。

消化管から吸収されるには、
動物性タンパク質に含まれる消化酵素やビタミンC、胃酸といった
ものの助けを借りてヘム鉄に変換される。

吸収率はヘム鉄が15~20%、非ヘム鉄が2~5%となっている。

非ヘム鉄をヘム鉄に変換し、
吸収効率を上げるには、
ビタミンCを多く含む食品を一緒に食べること。

ビタミンCは、パセリ、ブロッコリー、赤ピーマン、黄ピーマン、
ゴーヤなどの緑黄色野菜、バイナップル、パパイヤ、柿、
グレープフルーツ、アセロラなどの果物に豊富に含まれている。

◆鉄の食事摂取基準(mg/日)

18-29歳 男(7) 女(6:10.5) ※月経ありは右側の10.5

30-49歳 男(7.5) 女(6.5:10.5)

50-69歳 男(7.5) 女(6.5:10.5)

70歳以上 男(7) 女(6)

◆貧血は、その原因によって、
いくつかの種類に分類されるが、
どのタイプにも共通して現れる症状がある。

1)組織の酸素欠乏による症状(頭痛、めまい、耳鳴り、ふらつきが起こる)
2)酸素欠乏の対償作用による症状(息切れや動悸、頻脈など)
3)赤血球量の減少による症状(顔色が悪いなど)

◆貧血の指標として使うのは、

・ヘモグロビン濃度
・ヘマトクリット値
・赤血球数

とりわけヘモグロビン濃度を重視している。

◆起立性低血圧

安静にしている状態から急に立ち上がると、
立ちくらみを起こすことがある。

これは脳の血流が減少するために起こる
起立性低血圧」で、
血液中のヘモグロビン濃度が低い、
という意味での貧血とは異なる。

私たちの体には、
急に立ち上がったり、起き上がったりすると、
下半身の血液を上半身へと押し上げ、
脳の血液を一定に保つように調整する仕組みが備わっているが、
出血による循環血液量の減少や自律神経失調などで、
その調節機能が十分に働かなくなることがある。

結果として、起立時に脳への血液供給が減り、
めまいや立ちくらみ、ふらつきなどが起こってしまう。

◆めまい

鉄の不足により、
脳の細胞が酸欠状態になると、
めまいや立ちくらみが引起される。

◆肩こりの三大要因は

・姿勢の悪さ
・悪い姿勢をつくる生活習慣
・ストレス

と言われているが、
貧血が絡んでいることも少なくない。

◆貧血チェックリスト

・疲れやすい。眠っても疲れがとれない
・階段で息切れがする
・爪が弱くなり、割れる、へこむ
・顔色が悪いと言われる
・飲み物などに入っている氷を食べてしまう
・生理の時の出血量が多い
・胃の切除の経験がある
・食事の偏りがある。肉を食べることが少ない

2つ以上該当すれば貧血の可能性が高い。


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