ヤバい日本経済

ヤバい日本経済 (山口 正洋, 山崎 元, 吉崎 達彦)

慶應義塾大学経済学部卒業。
丸紅を経てモルガン・スタンレー、ABNアムロ、
ベア・スターンズなど欧米の金融機関を経て、
ブティック型の投資銀行を開設した
経済評論家、投資銀行家の山口 正洋さん、

東京大学経済学部卒業で経済評論家の
山崎 元さん、

双日総合研究所副所長で国際情勢分析家でもある
吉崎 達彦さんに共著です。

脱デフレ後の日本経済と世界の行方を
今一番ヤバい面々が大胆に読み解く!

  • 女性の労働力を掘り起こすことで、もう一回労働力のボーナスを作れる
  • 中国の大都市圏の物件は手金で買っているので、中国バブルは崩壊しにくい
  • 10年続いた新興国バブルの後、もう一度先進国の時代がやってくる
  • 日本国債はバーゼルIIIが実現でもしない限り暴落しない
  • 観光産業は日本の有望な経営資源
  • カジノは関西経済復興の起爆剤になる
  • 本当にヤバイ中国経済 2010年に潮目は変わった!
  • 願望と未来予測がゴッチャになる韓国に経済危機到来! ?
  • 「付加価値」ではなく「希少価値」で勝負してしまうロシア人
  • ウラジオストックと新潟をパイプラインで結べ
  • インドネシア経済が崩れたらアジアの一大事
  • 接待して翌日注文をもらう金融業界の営業
  • 長期金利が2%を超えてきたら資産運用を見直せ
  • 医療保険はいらない金融商品の代表

目次

第1章 【日本経済編】 アベノミクスは首尾良くバブルを作れるか?
第2章 【アメリカ経済編】 オバマがこけてもアメリカ経済は世界最強になる
第3章 【中国経済編】 潮目が変わった中国経済、そのとき日本はどうするか?
第4章 【新興国編】 BRICsブームは完全に終わった
第5章 【マネー編】 自宅を持ってる人はインフレヘッジの必要なし

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book462

MEMO

◆中国語をもっと勉強しよう!

英語は完璧なバイリンガルになるには
アメリカで生まれていない限り無理である。

でも、中国語ならバイリンガルにかなり
近いところまで行ける。

日本人は漢字を使っているから
覚えるのが早いし、すぐ馴染む。

日本人は英語を10年勉強するのだったら
中国語を3年勉強したほうがはるかに効率がよい。

日本人は、日本語ができる中国人を
もっと大事にしたほうがいい。

彼らを反日にしたらもったいない。

◆シンガポールは移住先、移転先としてどうなの?

いろんな会社が本社をシンガポールに
移すというシミュレーションをやっている。

本社をシンガポールに移すとしたら、
シンガポールは基本的に中国人なので、
地道な仕事を10年もやれる人材がいない。

モルガン・スタンレーでさえ
東京支店をシンガポールに移すシミュレーションを
何回もやっている。

彼らはバックオフィスの一部はすでに移している。

バックオフィスを維持するための人材は
シンガポールでも採用できる。

ただ、営業をやらせたり、
実際トレーニングをしたり、
する人材がシンガポールでは雇えない。

それで支店を移転することをギブアップした。

お金の出入りと帳簿づけ、
バックオフィスのなどの機能は海外で
ローカル採用の日本人の女性を安く雇える。

東京で雇ったら、
庶務の女性で400万~500万円
プラス厚生年金だなんだと高くつく。

それがシンガポールだったら、
高いといっても3分の1ぐらいで
日本人の女性が雇えてしまう。

シンガポールが一見、
圧倒的に成長して、
すごくうまく行っているように見える。

でも、彼らは周りにインドネシア、マレーシア、
中国という強国がひしめいている。

常にものすごい危機感を感じている。

シンガポールは水の完全自給ができないので
マレーシアと協定を結んで輸入ぜざるを得ない。

マレーシアが水の供給を止めれば、
シンガポールは水がなくなってしまう状態である。

下水から水道水をつくるシステムを
日本から輸入したくらいである。

シンガポールは人口が少ない。

土地も狭い、周りに大国がひしめている、
いつやられるかわからない。

人口約540万人しかいないのに
徴兵制がある。

逆にいうと、
若年の労働者はいない。

千葉県が独立しているようなものである。

すごくいい国であると思うし、
見習うことろはたくさんある。

でも、日本のような豊かな自然が
あるわけではないし、
常にしびれながらやっている。

私なら美しい日本を捨ててまで
シンガポールに移住しようとは思わない。

◆住宅購入は超長期の信用取引である!

日本人の資産運用はすごく特殊である。

およそ8割ぐらいの人が
巨額な住宅ローンを抱えて住宅を買っている。

住宅という資産と、
それに見合う負債を抱え込んでしまっている。

借金をして住宅という名の
巨額なポジション(買い)を
とっているのと同じである。

しかも最長35年の信用取引である。

超長期の信用取引である。

借家住まいで、資産はすべて現金で持っている
という人ならば、インフレになったときの
備えで株を持っておくという論理が適用できる。

アメリカで語られるような投資理論が
当てはまる人が日本にはほとんどいない。

巨額な住宅ローンを30年~35年も抱えていて、
途中で失業したときのリスクを
どうやって負うつもりなのか。

アメリカみたいに家を明け渡してしまえば、
チャラにできるノンリコースローンならいいけど、
日本は違う。

日本では住宅を売り払って精算しても、
不足分(ローンの残債)があれば追いかけてくる。

そもそも、お金を借りている状態のまま
運用するというのは非合理である。

たとえば、住宅ローンの金利が2%で
運用できることと一緒である。

それは金融論的にいうと、
リスクとリターンの市場での均衡を示す
証券市場線の上に出ている運用である。

だから、ローン残高がゼロになるまで
返済することが最優先で、
それまでの間に別途リスク資産を買うようなことは
論理的には全然視界に入ってこない選択である。

◆家を買うのは投資に値するのか?

家賃を支払続けるというのは、
毎月それだけのフローが出ていくということで、
家を買うというのは、
いってみれば毎月支払うべき家賃を
まとめてストックしてしまうということである。

そしてストックしたときには、
ほとんどの場合、個人のバランスシートの反対側に
多額のローンというリスクを抱えてしまう。

購入した住宅がそのリスクに見合うだけの価値を
生むのかどうかで「買う・買わない」を判断
しないといけない。

ところが持ち家派の中には、
「自分が住む家なんだから、利回りだとか
リターンという概念は無関係だろう」
という人が結構いる。

でも、そこで「自分が不動産に対して投資している」
と発想を切り替えたほうがいい。

そう考えると、さまざまなリスクが見えてくる。

たとえば、空室リスク。

公務員でも、空室リスクがないとは言い切れない。

家族構成が変われば、
住んでいる住宅が生活にマッチ
しなくなることもある。

そうなったとき、
持ち家だとなかなか対応が難しい。

売却するにしても地価変動リスクもあるし、
仲介業者への手数料もかかる。

場合によっては、買い手がつかないこともある。

つまり、自分の資産を不動産という形で固定して
しまうのは、損得の問題もあるが、
資産の流動性を相当失うことになる。

それを忘れてはいけない。

◆女が住宅を買いたくなる本当の理由とは?

家庭の奥さんという立場からみれば、
住宅ローンには団体信用生命保険(団信)という
生命保険がついてるので、
「返済途中でもダンナが死亡すれば
この資産が私のものになる」という、
すごくわかりやすいメリットになっている。

なんとなく、
そのメリットを感じているのが女という
生き物である。

「その期待に応えたい、買ったらカミさんも
喜ぶんじゃないか」
なんて思いがちなのが男である。

購買心理としては、
「ダンナの気持ちが冷めないうちに
なんとか買わせよう」という奥さんと、
「買ったほうがいいのかな、
それとも賃貸のほうがいいのかな」
と揺れ動くダンナとのせめぎあい
みたいなものがある。

不動産の営業マンの立場としては、
迷っているダンナを攻めるよりも、
買うことにメリットを感じている
奥さんを攻めたほうが圧倒的に成約率が
高くなることは誰でも理解できる。

女にとって住宅を買うということは、
どっちに転んでもリスクのない投資なのである。

自分が亡くればローンのことはどうでもよい。
相手のダンナが亡くなれば団信が残額を支払ってくれる。

私が女なら住宅を購入することを前提に結婚する!
あなたならどうする?

◆合理的に説明できない住宅価格!

「ローンの金利よりも家賃利回りが高い、
だからこの家は経済価値を生む資産だ」
と考えがちだが、家には地価変動リスク、
災害リスク、空室リスクなどがあり、
株式投資と同じ程度のリスクがある。

そのリスクとローン金利に見合うリターンが
あるのかを見極めないといけない。

ただ「住宅は買うのがいいのか、
それとも賃貸がいいのか」という議論の結論は、
「それは値段によります」ということになる。

いったん買ってしまった家は、
事情が変わって売却しなければ
いけなくなったとき、
いくらで売却できるか予想できない。

マーケットには、
必ず上がり下がりがあるので、
売らなければいけないとき
運悪くボトムだったということがある。

そのリスクを何十年を抱えるというのは、
投資の鉄則上は絶対にやってはいけない。

不動産には
値段があってないようなものである。

不動産の営業マンというのは、
マンションが「即日完売」になったら、
普通は喜ぶだろうと思うが、
「しまった!もっと高く売れたかもしれない」
といって悔しがる。

どういう根拠で値段をつけているのか?

本当の価値は誰にも分からない。

◆不動産屋というのは自分たちの欲しくないものしか売らない!

新築マンションだと、
売り出し価格の3割ぐらいは
不動産会社の利潤である。

不動産というのは
自分たちが欲しくないものしか売らない。

賃貸に回して十分儲かるような物件だったら
絶対に手放さない。

「この物件は長く持っているよりも、
さっさと売ってしまったほうがいい」
と判断しているから売るのである。

とかく不動産屋は自分たちが
いらないものは売るけれど、
欲しいものは絶対に手放さない。

それが経済原則である。

だから不動産市場に出ているマンションは、
業者がいらないと思っているものだけである。

ここに不動産投資で稼げない理由がある。

若いサラリーマンがわりと堅実に貯金して
賃貸住まいの人が多いが、
そのくせ住居用ではなく、
投資用にワンルームマンション
なんかを買う人もいる。

これだけ住宅ローンの金利が下がって、
買ってしまうほうが得みたいな状況があり、
しかも若い人口はこれから減るというのに、
いったい、マンション投資って何を考えているのか。

売り手側は自分たちで持ちたくないから
セールをしているわけである。

本当に売るのに困らないような
マンションだったら、
誰も売らない。

岩手なんかだと、
月15万円もあれば食えてしまう。

家賃はタダどころじゃなくて
「維持費は払うから住んでくれ」
という家がいくらでもある。

でかい家にひとりで住んでいる
お年寄りなんかは、
そのままでは不用心なんで、
一緒に住まないかという人もいる。

東京だって、
これから10年経ったらわからない。

本当に住宅は余ってくると思う。

そうなると若いころに
無理して家を買ったことが
取り返しのつかない失敗だった
という結果になりかねない。

家を売却して、
収入が減ってもいいから
田舎に移住しようと考えても、
家が売れないと移住することもできない。

経済的に切羽詰まってきても、
せいぜい移動の自由は確保しておきたい。

◆日本の保険に入ってはいけない

民間の保険は無駄である。

特に日本の保険はひどい制度である。

アメリカの保険と全然違う。

たとえば、死亡保険金1億円の生命保険に加入し、
賭け金を20年払い込んでいるとする。

20年払い込んで50歳でガンになり「余命半年」の
宣告を受けたとする。

だけど、死んでから保険金受取人に1億円を残すよりも、
死ぬ前に自分で保険金を手にしたいと思ったらどうするか。

日本の生命保険なら解約するしかない。

先ほどのケースで解約すると、
手元に戻ってくるのが800万円ぐらいである。

微々たるものである。

ところが、アメリカの場合だと、
「ライフ・セツルメント」という保険の
セカンダリー・マーケットがあるので、
自分が加入している生命保険を売ることができる。

1億円の生命保険なら、
たとえば5000万円くらいで売れたりする。

買い手は、本当に半年後に売った人が死ねば、
そこで1億円を手にすることができる。

そういう仕組みである。

買い手は保険加入者の健康状態や年齢などを
シビアにチェックして価格を決める。

中には、「余命半年といわれているけど、
本当は2ヶ月ぐらいしかもたないと思うから、
うちは8000万円で買います」
なんていうところも出てくる。

そうしたら、8000万円の現金をもらって、
残りわずかな人生、遊び回って過ごすことができる。

その仕組が日本の保険にはない。

その原因は、受取人には
赤の他人はなれないという法律があるからである。

受け取り人には、
配偶者や自分の子どもしかなることができない。

正確には、配偶者と2親等以内の血族。

祖母や祖父、兄弟、孫も受取人になれる。

アメリカの場合、受取人は誰でもいい。

愛人でもいい。

そうなると、
すごい保険金詐欺が起こりそうな気がする。

日本の有名なIT企業経営者などは、
愛人を受取人にしてアメリカの保険に入っている。

TPPで一番にアメリカから
狙われるのがおそらくここである。

ライフ・セツルメントはアメリカの大きな
メシのタネになっているので、
これは日本にも絶対に出てくる。

そもそも保険には絶対入る必要がない。

例外的に保険が必要なのは、
若くて親を頼ることもできないような状態で
夫婦に子どもができたときだけである。

たとえば、子どもと嫁さんだとすると、
1人頭1000万円分くらいの死亡保険に入る。

それも極めてシンプルなネット生命の保険にする。

期間は10年程度、長くて20年。

そして積立型ではなく、掛け捨てがいい。

保険というのは、競馬とおなじくらい
「確実に損する」賭けなのである。

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