自分のこころのトリセツ

学校では絶対に教えてくれない! 自分のこころのトリセツ (下園壮太, 柳本操)

陸上自衛隊衛生学校メンタルヘルス教官として、
衛生科隊員(医師・看護師など)にメンタルヘルス、
自殺防止、カウンセリングなどを教育する
下園壮太さんと、

広告制作プロダクション、
編集プロダクションを経て1993年に独立。

心と体、食、医療、農業、人物、
家族のルポルタージュを主なテーマとして、
雑誌や書籍の編集・取材・執筆を行う
柳本操さんの共著です。

学校では絶対に教えてくれない!

腹が立ったとき、つらいとき、
不安なとき―自分の心の扱い方を
知っていますか?

自衛隊でも使っている
修羅場の切り抜け方…

目次

はじめに
第1章 「原始人」に照らし合わせればすべての悩みのナゾが解ける
第2章 「サイアク」と思ったとき役立つ「こころのトリセツ」
第3章 「自分の弱さ」と向き合う
第4章 日々の生々しい感情をコントロールする
著者あとがき
おわりに

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book555

MEMO

◆ストレスとは

私たちのストレス反応は、
自分にとって有害な外部刺激に対する
正常な反応として起こるものである。

ストレス反応があるからこそ、
私たちは命を維持していくことができるのだ。

心の中で怒りや恐怖という感情がわきあがったとき、
同時に体でも、心拍や血圧が上がり、筋肉の緊張が高まる。

これも、外敵と戦うための原始的な自己防衛本能なのだ。

◆人間はネガティブ思考にできている

現代に生きる私たちは、
原始人のころとはまったく違う環境の中で生きている。

ところが、体と心は相変わらず生き物の「人間」そのまま。

種を存続させ、自分の命を守ろうとする本能は、
原始人時代のままである。

たとえば、よく、「自分がネガティブ思考だ」
と言う人がいるが、
もともと人間はネガティブにできている。

なぜなら、快感はすぐ忘れても命の危険はないが、
不快感は命を脅かす危険とつながっている可能性がある。

怖い、腹が立つ、傷ついた、というような体験をすると、
「また同じようなことが起こるかもしれないから、
しっかり備えておけ」と本能は常にメッセージを発している。

現代に生きる私たちも
「職場の嫌なこと、改善してほしいことは?」
と聞かれるといくつでも思い浮かぶが、
「良いところは?」と聞かれると、あまり答えられない。

このように、ネガティブなことが最初に心に浮かぶのは、
人間として命を守るためのごく自然な機能である。

◆Facebook依存症が多いワケ!

現代社会にあふれる「情報の多さ」が、
私たちの心を非常に疲れやすくしている。

体を張って生きていた原始人と異なり、
現代人はコンビニに行けば食料を手に入れることができるし、
この上ない快適な生活を享受している。

ところが、FacebookのようなSNSの普及により、
人は「慢性的な疲れ」にさらされている。

疲労とは、目の疲れや肩こりのことを言っているのではない。

あふれる情報に対して、常に感情を働かせることによる
精神疲労のことを言っているのである。

人間が関わることができる人の数は、
原始人時代からさほど変わっていない。

100人ぐらいの集落で暮らすのに
ちょうど適した情報処理能力しか
持ちあわせていない。

それなのに、現代では入ってくる情報は
あふれんばかりで私たちの処理能力をはるかに超えている。

メディアやネットからは、
人間が一番知りたい「他人に関する情報」
がどんどん入ってくる。

TwitterやFacebookにはクチコミがあふれている。

この「ホンネ情報」こそ、人の欲求をかきたてる。

人間が一番怖い相手は、
なんといっても人間である。

すぐそばで普通の顔をして笑っていても、
いつ自分を殺しにくるかわからない。

そんな疑心暗鬼のもとで暮らしていた
原始人は、常に人を警戒し、
人のホンネを知ろうとする。

現代人も「今、目の前で笑っている人は、
本心から笑っているのか。もしかしたら内心では
私を嫌っているのでは」と心の底で思ってしまう。

だから、Twitter、FacebookのようなSNSにはまってしまう。

見たくもないのに、「自分の悪口が言われていないか」
「嫌われていないか」を確認したい、
という欲求が止められない。

このような状況でネットと付き合っていると、
常に警戒モードを外すことができず、
じわじわと疲労が蓄積する。

今、アドラーの「嫌われる勇気」
という本が売れている。

なぜ、この本が売れているのか?

それは、常に「嫌われていなか」心配している
人たちに対して、「すべての人から好かれる必要は
なんいんだよ!」と教えているからである。

あなたの周りに10人いるとすれば、
1人はどんなことがあってもあなたを嫌う、
そして2人はあなたを好きになってくれる。
残りの7人はどうてもよい人たちである。

このとき、あなたを嫌う1人にフォーカスするか
自分のことを好きになってくれる2人にフォーカス
するかで人生が変わってくる。

アドラーは、自分を嫌う1人にフォーカスするのではなく、
自分のことを好きになってくれる2人にフォーカス
しなさいと言っている。

「嫌われる勇気」とは、そういうことである。

だから、この本が売れているのである。

Facebook依存症を治すのは簡単である。

「嫌われる勇気」を持つことである。

◆現代人の4つの悩み!

地球上のあらゆる生命体と同じように、
原始時代の人間にとって、
最終目標は

  • 生き延びること(個の保存)
  • 子孫を残すこと(種の保存)

の2つである。

そこで、原始人は、
この最終目標を達成する可能性を高めるため、
4つの中間目標に向かって行動するようにした。

  1. 仲間を作ること
  2. 愛されること
  3. 能力をつけること
  4. 群れの中で一番になること

原始人が、外敵の襲撃に備えるためには
仲間が必要である。

また、子孫を残すには、
異性に愛されなければならない。

厳しい自然の中で常に食糧難に直面し、
生活する原始人は、狩りや釣り、
料理、衣服作りなど何かに秀でることが
自分と仲間の命をつなぐための重要な要素になる。

さらに、その能力が群れの中で一番であれば、
より仲間より尊重され、異性からも愛される。

現代人はどうか?

最終目標である、
生き延びることや、子孫を残すことは、
原始の時代と比べると、意外と簡単にできるようになった。

ところが相変わらず、
本能は「最終目標を達成するための中間目標」に
向けて行動してしまう。

その結果、現代人は不必要な悩みをかかえてしまう。

仲間を作ることができないと悩み、
愛されないと結婚をあきらめ、
自分には能力がないと不必要に悩み、
一番になれなくて落ち込んでしまう。

◆お金の不安を解消するには?

生きていく上で「自信」と「お金」が、
強くつながってしまいがちなのが現代。

お金がないとどうしても心が乱れ、
不安になってしまう。

給料が少ない、ボーナスが減った、
貯金額が少ない…
こんなことが話題に上がると暗くなる。

あるいは、お金のことを考えると
ネガティブになる。

「疲れたな」とか、
「むなしい」と感じているときに
お金のことを考えると、
どんどんネガティブになってしまう。

なぜなら、心身のエネルギーの低下と
自信の低下、そしてお金に対する不安は、
互いに密接に関わっている。

人が毎日、元気に生きるベースとなるのは
「この先、自分は生きていける」という自信である。

現代は、生きていくための糧も、
着る服も、すべて「お金」がないと手に入れられない。

人の自信や存在価値を「お金」が握るようになった。

極端にお金が足りないわけではないのに
「もっと欲しい。まだ足りない」と
不安を感じている人がとても多い。

お金がなくて不安になるのは当然だからこそ、
現実的な対処が必要になる。

「貯金ゼロ」では自信はしぼむ。

たとえ明日、仕事を失ったとしても、
しばらくは食べていけるぐらいのお金を確保したい。

まずは100万円を目標に、貯金をはじめてみる。

「お金がない」という不安の根底に
「自分を助けてくれる人がいない」という孤独感がる。

今、おひとりさまで将来のことが心配だという人は、
何かあったときに自分を助けてくれる人とのつながりを太くする。

困ったときに、サポートしあえる関係は、
お金には代えられない財産となる。

現実に頼りになるのは肉親である。

親や兄弟との関係が悪い人は、
少しでも修復しようと努めることが、
不安を小さくする助けになる。

◆決断したことを継続できないときは

ダイエットや英語の勉強などが続かなく、
自信をなくしている人がいるかもしれない。

継続は力なり、とにかく続けることが大事…
そんなふうに言われて育った人は、
特に落ち込みも強いはず。

しかし、いろいろ経験を積み、
少しずつ自信が芽生える中で
振り返ってみると、
「継続ってそんなに重要じゃないかもしれない」
と思うことも。

続けることがつらくなると人は、
「やめたら負け」と思う。

誰に負ける?

自分自信である。

でもつらくてやめてしまう。

その「やめた」という事実を「挫折」と受け止めると、
「自分はダメな人間だ」と自信を失う思考回路にはまってしまう。

アルコール依存症の人が
「お酒をやめられない」のがよい例である。

アルコール依存症の人が「お酒をやめる」と公言しても、
意思の通りにはできない。

いきなりやめようと思っても断酒は続かず、
あるとき再び飲んでします。

これを「スリップ」という。

スリップの何が怖いかといえば、
断酒が続かなかったことに落胆し、
自信を失い、大量飲酒し、
さらに依存度を深めてしまうことである。

これと同じ仕組がダイエットである。

ちょっと食べ過ぎただけで
「もうダメだ」とあきらめてドカ食いし、
リバウンドする。

本当は「あ、食べちゃった。でもまた運動すればいいか」
ぐらいに考えればいいのに、
続けなければという呪縛が強いがために、
やけっぱちになる。

「続けなければダメ」という気持ちが強すぎて、
結局うまくいかなくなる典型が、
不登校である。

何かが続けられないことで自信を失いそうなときは、
自分を応援することが大切。

続かないことを挫折ととらえず、
「中断」ととらえる。

苦しくなったのはなぜかを考え、
今の状況が自分に合っていないなら、
違う選択肢を考えてみる。

そして、短く期間を区切りながら再スタートしてみる。

◆集中できないときは

集中しなくてはいけないときに、
他のことに気が散ってできないときがある。

実は人間の本能からすれば、
集中することは「危険なこと」。

襲われてしまう。

そう考えれば、気が散るのも無理はない。

しかし、現実に何かに集中しなければならないときもある。

以前は集中できたのに、最近、全然集中できない。

すごくやりたい仕事なのにできない…

と感じたら、それは疲労が積み重なった結果、
うつ状態になりかけているかもしれない。

そんなときは「大丈夫、落ち着いていいんだ」
と無意識の自分を落ち着かせる。

最も効果的なのが深呼吸である。

徐々にゆっくりと呼吸を深くすることだけに集中する。

するとお腹の底から「自分は大丈夫」というどっしりした
感覚が湧いてくる。

こうやって準備大勢を整えることによって、
スムーズに仕事にとりかかれるようになる。

体の訓練と同じように、心の訓練を行うには
Googleの社員が実践している瞑想「マインドフルネス」
がオススメである。

集中が必要な作業は、
自分の1日をあらためて観察して
「一番作業がはかどる時間帯」を見つけて、
その時間帯に行うとよい。

一般に、午前中に集中が必要な作業を行うとよい。

注意したいのは、集中できても、頑張りすぎないこと。

人間は、たとえ好きなことだとしても、
集中力を持続できるのはせいぜい1時間程度である。

1時間たったら休憩を10分とり、また1時間頑張る、
というのが集中力を維持するために大切なことである。

◆親友をつくるには

現代人は「自分には本当の親友がいない」
と思っている人が多いのではないか。

社会の中で懸命に戦い、疲れ果ててしまったとき、
ふと誰かにつらい思いを吐き出したくなる。

でも、その受け皿となってくれるような親友がいない。

そもそも親友とは、どんな存在なのか?

困ったときに、すぐに駆けつけてくる人、
自分の内面をすべて打ち明けられる人…
だとしたら、現代は親友を作りにくい社会である。

つらくてひとりぼっちと感じるときには
「親友がいたらいいな」と思う。

ただ、注意したいのは、
本当に辛いときは、100点満点の親友を想像してしまう。

「こんな家族っていいな」
「こんな恋人がいたらいいな」
と思うのと同じで、テレビやドラマや小説に出てくるような、
完璧なイメージの親友像を作り上げてしまう。

でも、そのような親友は実際には見つからない。

そして「私には親友がいない…」と思い続けてしまう。

人は一人では生きていけない。

そして、生きる中で本当に役立つのは
「妄想の親友」ではなく、何人かの「つながり」である。

あなたの周囲でも、いろいろな個性、得意分野を持った人たちがいるはず。

その中で、いろんなジャンルの人とバランスよく付き合っていくことが、
いつかあなたを支える「つながり」に成長する。

つながりがあれば、困難に遭遇したときに、
誰かが力になってくれる。

お金のこと、仕事のこと、病気のこと、人間関係の悩み…
テーマごとに「あの人に聞こう!」と顔が思い浮かぶような
つながりがあれば、かなり心強い。

もう少し濃い人間関係を築きたいという人は、
「行動、特に苦難をともにする」ことである。

苦難をともにすると、
相手に対する警戒心が一気に薄れ、
深い信頼関係が生まれやすい。

苦しい課題を前にすると人はホンネを表しやすく、
互いに安心してその人と付き合うことができるようになる。

親友が欲しいと嘆いている人ほど、
弱みを見せるのが苦手で、
人と距離を縮めることに臆病になる。

警戒モードをゆるめて、
まずは相手に近づくことから始めてみる。

人は案外、優しいものである。

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