強く生きるノート 考え方しだいで世界は変わる by 本田 直之, ちきりん,その他
本田直之[レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長兼CEO]
ちきりん [社会派ブログ「Chikirinの日記」運営者]
村上憲郎 [グーグル日本法人前名誉会長]
しなやかに、じぶんらしく…
考え方次第で世界は変わる!
今一番必要な「頭の使い方」を結集!
あたらしい「働き方・生き方」特別講義!
◆常識という名の「7つの制約」に縛られない生き方
- 常識とは何かを考える
多くの人が常識だと信じていることの正体は、他人が自分に都合のよいように作ったもの。そんな制約に縛られない自分らしいライフスタイルとは何かを考える。 - できないという「言い訳クセ」をやめる
クセは一瞬にして変えられる。できないという言い訳思考から、どうすればできるかを考える工夫行動思考へと変えていく。 - 制約されないための考え方、スキル、実践を学ぶ
1~2年の短期間では実現できない。長いスパンで、制約されないための考え方やスキルを身につけ、実践すべきことを行動に移していく。 - お金を払ってでもやりたいことを見つける
単に好きなことを仕事にするのではなく、楽しいと思える、面白いと思えることをいっぱい見つける。
◆「自分のアタマ」で考える力をつけるには?
- 知識や経験が「正しく考える」ことの邪魔をする場合があると、知っておく
過去の経験や知識で、思考にバイアスがかかることがある。知っていること(知識)と、考えること(思考)は別物であると認識しておくこと。 - 「判断基準」を明確にすると、考える力がつく
情報収集や分析だけで満足せず、それらの情報からいかに、判断するかについて考えること。自分のアタマで考えることにつながる。 - 「なぜ?」「だからなんなの?」を考えるクセをつける
問いかけるから、アタマが動きだす。他人のアタマを動かしたいときにも有効なマジック・ワード。 - 他社の思考や判断基準を知る
他者に「なぜ?」「どうして?」と聞いて、その思考経路を知ると、多彩な思考プロセスを学ぶことができる。
◆世界に通用する人になるために
- 英語は不可欠な必要条件
今、国際会議で同時通訳を必要としているのは日本人くらい - 「マンキュー経済学」を読む
何のために仕事をしているのか、原理原則を知っていると自分のやるべきことが明確になる。 - 宗教と歴史の勉強をする
相手の価値観を知れば「多様性」を理解しやすい - どんどん提案して、どんどん失敗する
完璧な状態で世の中に発表しなくても良い
目次
- はじめに
しなやかに自分らしく強く生きる方法 - Lecture1 私たちの「希望」のつくりかた
1 – 1 本田直之[レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長兼CEO] 7つの制約にしばられない生き方
1 – 2 ちきりん [社会派ブログ「Chikirinの日記」運営者] 「自分のアタマ」で考えるために - Lecture2 「心」とどう付き合うか
2 – 1 小池龍之介 [月読寺・正現寺住職] 感情をコントロールする方法
2 – 2 平田オリザ [劇作家・演出家] わかりあえないことから、はじめよう - Lecture3 もっと視野を広げる方法
3 – 1 竹中平蔵 [慶応義塾大学総合政策学部教授] 「問題解決スキル」としての経済古典 - Lecture4 これから「会社」「仕事」はどうなるか
4 – 1 原田泳幸 [日本マクドナルドホールディングス株式会社代表取締役会長兼社長兼CEO] V字回復──仕事で結果を出し続ける人になるために
4 – 2 村上憲郎 [グーグル日本法人前名誉会長] 世界中から求められる人材になるには
MEMO
➡世界中から求められる人材になるには
◆世界で成功している日本人ビジネスマンの特徴とは…
「地頭がいいこと」である。
自分は普通かもと思った場合は、
どうするか。
普通の人がとるべき戦略は、
地頭がいい人を雇うことである。
普通の人が起業するなら、
自分より優秀な人を雇うことである。
ただ、普通の人でも磨けることがある。
それは…「英語力」である。
◆今からじゃ…もう遅い…ことはない!
今後、英語を話さないで、
仕事をしているという人は思い浮かべられない。
10年後には、英語が話せない人は職にあぶれると思ってよい。
英語は不可欠な必要条件である。
「それでも英語は絶対に無理!」という人は、
英語ができないならば、
英語ができないなりにグローバル社会でどう生きるか
賢い作戦を立てておくこと。
現在、とても情けないことに国際会議で
同時通訳を必要とするのは、
見事に日本だけになった。
こういう状態でグローバルな世界を生き抜いていけるとは、
とても思えない。
英語は筋肉のようなもの。
知力ではなく筋肉なので、
鍛えようとすれば何歳からでも鍛えられる。
➡「自分のアタマ」で考えるために
◆自分のアタマで考えるための2つの方法
- 「なぜ(Why?)」と「だからなんなの(So What?)」
データ(情報)を渡されて「よく考えなさい」と言われても、何をどう考えればよいのか、まったく分からないことがある。そんなときは、「なぜ?」「だからなんなの?」というふたつの質問を問い続ける。たとえば、「売り上げが落ちている」➡「なぜ?」➡「男性の購入客が減っている」➡「なぜ?」➡「男性向けの広告を減らした」➡「なぜ?」➡といった具合に、一度ではなく、何度も問いかける。そのあとは、「だからなんなの? どうすればいいの?」と問う。「売り上げが急減した」➡「どうすればいいの?」➡「広告を増やす」➡「具体的にはどうすればいいの?」➡「チラシの量を倍にする」➡「増やすチラシは、どうすればいいの?」➡「今までとは異なるデザインを採用する」といった具合。
このふたつの質問を何度も自分に問うだけで、自然に思考が深まる。アタマを動かすための「マジック・ワード」である。余談だが、この「マジック・ワード」と「マインドストーミング」を活用すれば、ほとんどの課題(目標、問題)は解決する。
- 「考える時間」を物理的に確保する
もうひとつ大事なことは、考える時間を物理的に増やす。世の中には、「考える力が高い人」と「低い人」がいるわけではない。「よく考えている人」と、「何も考えていない人」がいるだけである。その違いは「考えることに使っている時間の差」である。強制的に考える時間を確保するには、キッチンタイマーを使うとよい。タイマーが鳴るまでの30分間、本を読んだり情報を集めたりせず、ひたすら考える。そうやって無理矢理にでも「考えるための専用時間を確保」しないと、すぐに資料を探したり計算を始めてしまって、純粋な思考時間を確保できない。考えることが苦手という人は、まずは1日1回30分でよいので、考えるための専用時間を確保すること。
◆現実社会では、
数多くの選択肢のどれもが一長一短という場合がよくある。
そんなとき、アレコレと数多くの観点(判断基準)を
持ちだしてしまうと、結論がだせなくなる。
数多くの判断基準の中から、
自分が最も重要だと思う判断基準をひとつかふたつ選択する。
それが、「自分のアタマで考える」ことでもある。
たとえば、住宅を購入するときは、
価格、場所、建物の構造、デザインなどいろんな判断基準がある。
この場合、絶対ゆずれない判断基準(たとえば、価格と場所)をふたつくらい選ぶ。
そうすれば、意外と簡単に決断することができる。
◆意思決定をする際には
「判断基準」と「情報」を分けて考えることが重要である。
たとえば、20代の若者から転職の相談を受けたとき、
あなたならどのように答えるか。
ここで重要なのは、
「どんなアドバイスをするか」
ではない。
あなたのアドバイスの内容を決める
「基準は何か?」である。
アドバイスの内容は、
「転職すべき」か、
「転職せず、もう少し考えるべき(もしくは今の場所にとどまる)」
のいずれかになる。
あなたがアドバイスすべきことは、
「判断基準」を教えてあげることである。
たとえば、
・今の仕事は楽しいか?
・今の仕事を通して、成長できているか?
の二つを判断基準にして自分で考えるように伝える。
なにかを決めるには、
「情報」と「判断基準」が必要になる。
ここでの転職の例では、
あなたが相談者に伝えるべきことは、
「どんな基準に基いて、自分はアドバイスの内容を決めているか」
という基準を、相談者である若者に伝えることである。
情報については、若者がいちばん知っているはず。
◆私たちは意識して、
情報収集や分析につかっている時間の一部を、
「考える」時間に回すべきである。
そのためには、
「どんな情報があれば判断ができるか」
ということを、
情報収集を始める前に考えておく必要がある。
◆情報収集やデータ分析も重要であるが、
それらは思考そのものではなく、
考えるための材料集めにすぎない。
その情報をどう判断するかが、
「考える」ということである。
◆自分で考えることの第一歩は、
自分が今、言おうとしていることは、
過去に得た知識(それはおそらく、誰か他の人が考えたこと)なのか、
自分自身が生のデータを見てゼロから考えたこと(思考)なのか、
きちんと区別することである。
➡常識という名の「7つの制約」に縛られない生き方
◆常識に縛られないために今からできること
- 考え方
考え方を縛られないようにするには、まずは「覚悟」が必要になる。リスクをとる覚悟がなければ、制約を受け続けるしかない。次に、「捨てるもの、捨てることを決める」。何を大事にして何を捨てるのかを決められないまま、何でも得ようとすると、何も得られないことになる。何が自分にとっていらないことなのか、決める勇気が必要になる。アタマを柔らかくしておくこと、「思考のストレッチ」も大事になる。常識に縛られているのは、アタマが硬くなってしまっているのが原因である。アタマを常に柔らかくして、否定から入らない。
同じような考えにずっと留まらないということが大切。それには、「複業を持つ」のがおすすめである。これはサブの副業ではない。給料が下がったので、10万円ほど補填したいから本業以外の仕事をするという、副業ではない。あなたが働いている会社で、クライアントが1社しかないというのはありえない。クライアントは何十社、何百社とあるはずである。クライアントが1社だと、その会社が潰れてしまったら大変なことになる。それと同じで、個人も複数のクライアントならぬ、複数の仕事を確保しておく。
最近は就業規定も緩くなってきているので、これからの人生は自分で作っていく必要がある。これからは、誰もが皆、自営業者の社長として生きる時代なのである。誰かに雇われているという考え方は捨てる必要がある。
- スキル
スキルの中で大事なのが「セルフモチベーション」である。セフルモチベートできない人は、常に誰かが応援してあげないとできない。こういう人は、これからの時代は辛いと思う。そもそも、モチベーションがあるから行動するのではない、行動するからモチベーションが上がるのである。とりあえず行動してみる。そうすれば自然にやる気が湧いてくる。詳しいことは割愛するが、「パーソナルブランド」、「セルフマネージメント」、そして絶対に必要なスキルが「タイムマネージメント」である。仕事をするうえでも、人生を生きていくうえでもすごく大事なスキルである。タイムマネージメントとは、ライフマネージメントである。タイムマネージメントとは、簡単に言えば物事に優先順位をつけて、優先順位のいちばん高いものから順番にやるということである。ABCDEメソッドを活用すれば、効率よく行動できるようになる。
あと、1日の予定表(大人の時間割)を作っておくとよい。毎朝起きたら、洗顔したり、歯磨きしたりするような習慣化した行動は事前に大人の時間割に書き込んでおく。毎朝1時間の読書、30分~60分のウォーキング、英語の学習などは、ぜひ、大人の時間割に組み込んで習慣化してほしい。最後に次の質問に答えてほしい。
あなたが持っている資産でもっとも大事なものは何か?
それは…「お金を稼ぐ力」である。だから、あなたに与えられた貴重な「時間」を、この「お金を稼ぐ力」を伸ばすために使って欲しい。そのためにも「タイムマネージメント」が重要なスキルとなる。
- 実践方法
縛られない生き方をするためには、「住む場所を選ぶ」、「会社以外の仲間を作る」、「物を減らす」、「お金の使い方を学ぶ」、「複数のフローを作る」といったことを実践してほしい。これらの中で大事なのが「お金の使い方」である。お金にはパーキンソンの法則というのがあって、収入額に比例して支出が増える。収入が増えると、生活レベルが上がって自然に支出が増えるようになっている。これが、お金は稼ぐより貯めるのが難しいと言われている理由である。お金を貯めるのに有効なのが「楔(くさび)の法則」である。どんな法則かというと、収入が増えた分の半分(50%)を貯蓄するのである。増えた分の50%のお金を「特別の口座」を開設してその口座に貯金する。そして、この口座からは絶対お金を引き出さないと決断する。これなら、収入が増えたときは生活レベルを上げることができて、かつ貯蓄もできる。
複業(副業ではない)で、複数のフローを作って収入が増えてきたら、増えた分の半分(50%)を特別の口座に貯金する。複業による収入は、急には増えないので何年もかけて作っていく。いきなり月10万円を何かの複業で1社から稼ごうと思ってもできない。最初は微々たるものでもいいので、収入のフロー、つまりタネがたくさんあることが重要で、額の問題ではない。そういうもののどれかが育っていく可能性を秘めている。最初から大きい額を目指していくと失敗する。小さなものでいいので、タネをたくさん蒔いておくことが重要になる。
◆言い訳思考 VS 工夫行動思考
人間の考え方のクセにはこの2種類がある。
性格は変えられないし、
スキルも急には上げられない。
しかし、人間の考え方のクセは一瞬で変えられる。
今、この場で変えられる。
クセは自分で気がつくことさえできれば、
いつでも変えられる。
◆縛られたくない7つの制約
- 「時間」に縛られたくない
- 「場所」に縛られたくない
- 「人」に縛られたくない
- 「お金」に縛られたくない
- 「働き方」に縛られたくない
- 「服装」に縛られたくない
- 「考え方」に縛られたくない
もし自分がこういう常識に縛れたくないと思っているのであれば、
まずは、どうしたらいいか考えてみることが重要である。
どうしたらそこに至れるか、
足りない部分は何か、
今の会社だったらどうなのか、
多方面から考えてみる。
諦めてしまえば、
常識に縛られて他人の都合のいいように
生きざろう得なくなる。