世界のエリートはなぜ歩きながら本を読むのか? by 田村 耕太郎
田村 耕太郎
新日本海新聞社顧問、上海国際商工学院顧問、国立シンガポール大学リークワンユー公共政策大学院名誉顧問。
’02年から’10年まで2期参議院議員をつとめる。
エール大、ハーバード大、ランド研究所でも研究員をつとめた。
早稲田大学、慶応大学大学院(在学中にフランス高等経営大学院に単位交換留学)、デューク大学法律大学院、エール大学大学院国際経済及び開発経済学科を各卒業。
オックスフォード大学上級管理者養成課程(AMP)修了。
元国立シンガポール大学公共政策大学院研究員…
世界のリーダーたちが実践する、
最強のコンディショニング術!
日本を待ち受ける世界との競争に一番必要なのは、
実は英語だけでもMBAだけでもなく、
カラダ作りとコンディショニングだ!
最新のトレーニング理論も交えながら
世界のエリートが実践する
「最高のパフォーマンスを叩き出すコンディショニング術」とは?
グローバル化に直面し岐路に立つ日本で、
「世界との向きあい方」について最も的確に熱く語る…
- 文武両道のパワーエリートとは何か?
- 抜きん出た知力、体力でハーバードを席巻するミリタリーエリートたち!
- ワークアウトは週5回 ハーバードMBAを束ねるのは未来の女性大統領候補! ?
- 世界のエリートが実践するコンディショニング術
- カラダを鍛えれば脳の機能もよくなる!
- 「クロスフィット」が多忙なビジネスマンにいいワケ
- まずは月曜日だけ肉を食べるのをやめてみよう
- 世界のエリートは座禅に走る!
- 婚活もグローバル化の時代だ!
目次
- 文武両道のパワーエリートとは何か?
(抜きん出た知力、体力でハーバードを席巻するミリタリーエリートたち!―ロバート・カルピオ(ハーバードビジネススクール)/ワークアウトは週5回 ハーバードMBAを束ねるのは未来の女性大統領候補!?―ジャスティン・レルチャック(ハーバードビジネススクール)/“プレッシャーに勝つのは信仰心”ロースクールのトップをひた走る渉外弁護士の卵の精神力―アーサー・シュム(ハーバードロースクール) ほか) - 世界のエリートが実践するコンティショニング術
(運動―カラダを鍛えれば脳の機能もよくなる!/食事―ベジタリアン食の有効性をアメリカに学ぶ!/座禅―世界のエリートは座禅に走る!) - 世界の文武両道事情
(婚活もグローバル化の時代だ!/ジムを見ればお国柄がわかる!?世界のジム事情/日本はまだまだフィットネス小国である ほか)
MEMO
◆高齢化社会に備える
高齢化はそれ自体暗いことではなく、
多くのビジネスチャンスをもたらすが、
財政的には厳しい。
我々は
社会保障や企業の長期雇用に
頼ることはできなくなる。
一生現役で自分を養っていく時代が来る。
医療や創薬の発達で長くなるであろう人生を
自分で最後まで稼ぎながらまっとうしなくてはならない。
そのためには長期間に渡り安定したパフォーマンスを出せる
いいコンディションの維持が不可欠だ。
◆4つの変化に備える!
今後は、
- グローバル化
- テクノロジーの進化
- 高齢化
- 一生現役の時代
という4つの変化に備えるべきである。
◆高齢者こそ起業に向いている!
高齢者に何ができるだろうか?
高齢者にこそ起業が向いている。
起業というとFacebook、Twitterの創業者のような
20代の若者の特権と考えがちだが、それは違う。
高齢者こそアントレプレナーだ!
経営は体力があればできるものではない。
イノベーションと思いつきも似て非なるものだ。
経営やファイナンスやマーケティングの技術は
生まれついて獲得されるものではない。
それは経験を積んで学んでいくもので、
それが若者にはなく、シニアにはある。
成功する高齢起業家が起業する3大理由とは、
- 世界の問題を解決するアイデアがある
- リタイヤする前に資産を築きたい
- 自分以外のボスを持ちたくない
若者と違い、ある程度の資金力と広い人脈を持ち、
どんな場合に誰とコンタクトすべきかを熟知し、
営業・財務・マーケティング・人事等に
一定の知識を持っている高齢者こそ起業に向いている。
どんな世界でも、
真の新しいアイデアやイノベーションは、
若者の思いつきではなく、
シニアの経験から生み出されたものが多いのだ。
日本でも実は地味で堅実なBtoB(企業対企業)の
ビジネスでは、シニアの起業家が手堅く成功している。
◆高齢者の3大不安!
- お金
- 健康
- 社会からの孤立
お金の不安とは、
「年人をもらっていてもそれを生活費として使っていたら
いつか大病した場合、治療費用を支払うことができるだろうか?」
「払えたとしても、その後生活できるだろうか?」
というものだ。
これが個人金融資産の6~7割を高齢者が保有しながら、
使わないことの背景にある理由でもある。
健康とは、いつ病気になるかわからないという不安。
社会からの孤立とは
「引退してしまえば、朝起きて行く場所がなくなり、
社会との交流が閉ざされてしまう」ことへの恐怖だ。
◆朝起きて10分か、
夜寝る前に10分座禅で心を鍛えて、
1日を過ごす。
◆認知症は脳の糖尿病とも言われ、
糖尿病を持つ人は認知症になるリスクが高い。
◆破綻寸前のアップルを、
強いリーダーシップと細部へのこだわりで、
世界一の時価総額の企業にまで復活させた
スティーブ・ジョブズは、
完璧なベジタリアン(ヴィーガン)であった。
◆クロスフィット(Crossfit)が多忙なビジネスマンにいいワケ!
- 短時間で効率よく鍛えられる
- 上半身・下半身、パワー、スタミナ、柔軟性など、バランスよく飽きのこないようにメニューが設計できる
- 時間との闘いでモチベーションアップ
- 数値を出すので仲間で競争できる
- 仲間と励まし合ってやれば効果大
例:
- 腕立て伏せ 6回
- 腹筋 6回
- スクワット 6回
これをワンセットとして5分間で
できる限りやってみる。
◆アメリカでは、
朝から教授も学生もビジネスマンも、
勉強しながら運動している。
たとえば、本を読みながらランニングマシンで歩いたりしている。
彼らに聞くと、そうしたほうが頭に入るという。
これなどは、脳の機能を知らずに活用している例である。
◆運動不足による弊害
運動不足がもたらす可能性がある脳の機能障害に記憶力低下がある。
理由を端的に言えば、
レプチンという満腹を通知するホルモンが効かなくなるから。
レプチンとは脂肪細胞から分泌されるホルモンのひとつで、
満腹になると分泌され、食欲を抑えるものだ。
このレプチンが肥満の人では効きが悪くなり、
そのため満腹でも食欲が落ちず、
さらに食べてさらに太ってしまうのだ。
正常なマウスにレプチンを投与して迷路を歩かせ記憶力や学習能力を確かめたところ、
記録力を含めた学習能力が向上した。
少なくてマウスではレプチンは脳に影響し、
記録力など広く学習能力に関与していると結論づけられている。
運動すれば脳機能が向上するが、
運動しないと肥満を通じて脳機能は劣化し、
記憶力を含めた学習能力全般が落ちてしまう。
それどころか認知症になるリスクをも高めてしまうかもしれない。
◆運動すると燃費の悪い脳にグルコースと
酸素を大量に送ることが可能になり、
神経細胞が増え、海馬の働きも活発になり、
論理的な思考能力や記憶力が高まる。
逆の研究もある。
運動しないと脳の機能が落ちる。
運動不足で肥満になると記憶力が落ち、
認知症となってしまうリスクがある。
◆全身に大量の血液を送り続けるには強い心臓と
丈夫な血管が必要である。
心臓と血管を鍛えるのは運動と食事である。
だから、知能をよくしようと思ったら
やはり運動をすべきなのだ。
◆現代になって食糧が豊富となり、
人は座りながら思考することができるようになったが、
それは人類の脳の歴史の中でまれな状態である。
本来人間は身体を動かさずに脳を機能させるのは苦手なのだ。
ユダヤ人は外国語の単語を記憶するとき、
カラダを動かしながら覚える。
これが脳の特徴を生かした記憶術である。
日本には二宮金次郎が背中に薪を背負って歩きながら
本を読んでいる銅像があるが、
実は脳の向上に合理的な動作でもある。
◆人類は運動するために脳を進化させた!
脳は燃費が悪い。
重さは全体重の2%しかないのに、
人間が使う全エネルギーの20%を消費する。
他の筋肉や臓器よりも10倍も効率が悪いのが脳だ。
脳を使うと他の臓器にエネルギーを回せなくなる。
脳は他の臓器に比べて格段に精密にできている。
多くの複雑な化学物質を生成し、
それらの濃度を一定に保つという難しい作業を担っているのが脳だなのだ。
人類の進化はなんでこんな燃費の悪い臓器を発達させる戦略をとったのか?
それは人間の生死に関わる時に頼る臓器と決めたからである。
◆心の状態をよくするには?
心は身体体感であり、
それは感覚に応じた行動を身体に起こさせるための反射であり、
それを脳経由でやっている。
裏を返せば、いい身体感覚を持てば心の状態もよくなる。
適度にカラダを動かせば、
気分がよくなることは誰でも知っている。
適度にカラダを動かすと倦怠感や嫌な感情を
爽快感に変えることができる。
◆上智大学名誉教授の渡部昇一さんは、
「知的生活を送る上で役に立つこと」として、
「散歩の効用」挙げる。
散歩の時間は、
「日常の時間間隔から離れて、
過去や未来の時間に自由に出入りできるものだ」
と言う。
渡辺さんのような人たちは、
「何歳になろうが一生現役」
と心に決めて頭も身体も鍛えている。
だから若い。
そして心身とも健康。
彼らは社会の財産である。
彼らに共通しているのが運動。
運動しながら本を読むと頭によく入ると言う。
最新の科学でも、
適度な運動によって脳の血流を活性化させると
記憶をつかさどる海馬の機能が増すという報告がある。
新しい研究では、シナプスの結合を促すというものもある。
運動は脳のアンチエイジングになるのは間違いない。
◆米国の投資家クリス・アンダーソンの日常…
早朝から自分をコントロールしようと頑張る。
5時半に起床。
起きると20分間瞑想。
瞑想の仕方はマサチューセッツ州にある
瞑想重視のアンチエイジングスパで行われているもの。
このスパは東洋思想を取り入れたスピリチュアルな施術が有名で、
数学的な市場を分析しているアンダーソンが、
同時にスピリチュアルなのが面白い。
市場にはやはり人間が予測できない、
「神の手」があるのか?
ちなみに就寝前にも20分の瞑想を毎日欠かさないという。
◆深く眠る3つの秘訣!
睡眠は5時間。
0時には必ず寝て5時に起きる。
深く眠る秘訣は3つ。
- 運動
- 食事
- テレビを見ないこと
運動して炭水化物とタンパク質のバランスを取った
食事をすれば1秒で眠れる。
炭水化物(2):タンパク質(1):脂肪(1)の割合。
寝る前にテレビを見ないことも大事。
◆日本はこれから未曾有の超高齢化社会を迎える。
活力ある持続可能な高齢社会を設計するためには、
多くの日本人が長い人生を最高のコンディションで送ることが欠かせない。
◆食事や栄養補給のオプションの多さでは、
日本はまだまだ後進国である。
◆単にカラダを鍛えるだけでなく、
瞑想やヨーガや禅をやっている人も多い。
競争が激しく遠距離の移動の多いアメリカのリーダーたちは
心のケアも怠らない。
◆脳を鍛えるには肉体を鍛える!
早朝ワークアウトは、
まず脳にいい。
朝から大きな筋肉を適度に動かすと
記憶をつかさどる海馬の血流がよくなる。
血流がよくなると神経細胞が増える。
神経細胞と神経細胞の接点であるシナプスがつながる。
記憶力も頭の回転もよくなる。
脳と身体は連動している。
最新の脳科学によると
そもそもに肉体機能の反射が脳の原点なのだ。
肉体を鍛えることと
脳を鍛えることは切っても切り離せない。