◆セールスで成功するための10のカギ
- 好きでたまらないことをする
多くの人は、もって生まれた能力は、放っておいても表に出てくると誤解している。有能さというのは、何年間にも及ぶひたむきな努力の賜物である。努力に勝るものはない。 - 自分が何を望んでいるかを明確にする
優柔不断であやふやな生き方はいけない。自分が何を望んでいるかを明確にする。それを目標に定め、達成のために払う代価を決める。 - 忍耐力と決意をもって目標を追いかける
一度始めたら、投げ出すことなど考えない。石のような忍耐力と決意をもって、目標を追いかける。目標達成のために、全身全霊を尽くすことを心に誓う。 - 生涯をかけて学ぶ姿勢
心は、人間にとってもっとも価値ある財産である。上質な思考力をもっていれば、上質な人生を送ることができる。生涯をかけて学ぶ姿勢を忘れない。「原因と結果の法則」は、こと成功に関しては「学びと実行」である。新しいことを学び、実践するたびに、あなたは前進する。学びと実行を止めた時点で、前進も止まる。あなたがもっている知識やスキルの量は、バケツに入った水のようなもの。水位は、あなたの収入を示す。最初のうち、あなたのバケツのなかの知識とスキルは少量しかない。報酬もわずか。しかし、知識とスキルのレベルが上がるにつれ、バケツは満たされていく。報酬も評価も上がっていく。しかし、ひとつ落とし穴がある。このバケツには穴が空いている。新しい知識とスキルを注ぎ足すことを止めれば、その瞬間あなたは今の座を追われる。水位は急激に下がり、すべては元の黙阿弥となる。知識とスキルを磨き続けなければ、転落が待っている。今もっている知識やスキルは、あっという間に時代後れで価値のないものになってしまう。大半の人はこのことをわかっていない。絶えず学び、成長し続けていかなければ、知識は消えていく。今日学ぶことを止めれば、明日には役立たずの人間になる。 - 時間こそ、財産である
時間はあなたにとって貴重な財産である。時間をどう使うかで、どんな人生を送るかが決まる。だからこそ、時間をうまく使うことが大事である。毎日、前日の夜に翌日の「行動リスト」を書き出す。リストなしで動いてはいけない。前もって1日の計画を立てておけば、生産性が25%上がり、1日に2時間も浮く。リストが、あなたの時間と生活を管理する。リストができたら、それに優先順位をつける。ただの緊急の用事と本当に大事なことを区別する。最優先すべきことが何かわかれば、あとは実行あるのみ。優先順位を決めるとき、「今この瞬間の、もっとも価値ある使い方はどんなものだろう?」と自問してみる。これを、1時間ごとにやる。今やっていることが、この瞬間のもっとも価値ある使い方であることを確認する。 - 追従者ではなく、先導者に倣う
成功している人たちをお手本にする。追従者ではなく、先導者を倣(なら)う。業界の一流の人たちと同じことをする。あなたがいつか成し遂げたいと思うことを既に成し遂げている人たちの真似をする。 - 人格がすべて
高潔さは、死守すべき聖域である。 - 潜在能力を解き放つ
自分のことを天才だと思う。自分のなかには、これまで一度も使っていない大量の創造性が眠っていることに気づく。自分だけの特別の才能を見つけるには、そのサインを感知すること。サインの1つ目は、「やっていて楽しいこと」。2つ目は、「完全に没頭できること。3つ目は、「それについて学ぶことが楽しく、生涯を通じて向上していけること」。4つ目は、「それについて語りあったり、話しを聞いたり、同じことをやっている人と共同作業をすることが楽しいと思えること」。5つ目は、「難なく学べ、難なくできること」。おそらく、これが一番わかりやすいサインである。 - 黄金のルールを実践する
すべての他人との関わりにおいて、「黄金のルール」を実践する。それは「自分がして欲しいことを相手にもする」ことである。 - 成功の代償を支払う
もっとも重要なのが「努力」である。努力こそ、成功のカギ。億万長者たちの85%が、
自分は特に他人より頭がいいわけでも、才能があるわけでもないと認めている。ただ、誰よりも「努力した」成果だと語っている。セールスで成功するための秘訣、それは他人より少しだけ早い時間から、他人より少しだけ熱心に、他人より少しだけ遅い時間まで働くこと。
◆商談成立後を見越して話す
セールスには、「商談成立後を見越して話す」というテクニックがある。これは単純なテクニックで、お客がすでにあなたの商品を購入したかのように話す。実際に、購入の意思を確かめる必要はない。お客が購入したこの商品が、いかに素晴らしいかを話すだけでいい。
「私どもの提供するサービスなら、きっと満足していただけます。申し込んでいただけたら30分で手続きをして、3日以内にお届けします。どこよりも早いサービスです」
「この地域に住んだら、それは快適な暮らしができます。閑静でありながら、学校や店舗からも近いので大変便利です。こんなに暮らしやすい場所はありません」
「このコピー機がオフィスにあれば、100枚のコピーが1分間でできます。音も静かなので、稼働中であることに気づかないでしょう」
どの場合も、お客はあなたの語る商品のメリットを享受している自分の姿が鮮明に心に浮かび、胸を躍らせる。
あなたの仕事は、お客をワクワクさせるイメージを、できるだけたくさん作り出すことである。
◆反応を2倍に
不動産会社は、売り家の広告を新聞に載せて、さらに詳しい情報が欲しい場合は電話をかけるようお客に呼びかける。たいていのお客は、電話をかけて値下げ幅や契約条件などを聞き、
そのまま電話を切る。ほとんどの場合、不動産会社の人間は、こうした人たちと顔を合わす機会さえない。
反応を2倍にするには、お客にデータや情報を教える代わりに、単純な質問で応じる。
「お電話ありがとうございます。ひとつ伺ってよろしいですか? お客様は、静かな環境にある理想的な家に興味ございませんか?」この質問は巧妙に計算されたものである。
電話に出た相手からこの質問をされると、その瞬間、お客の心のなかには2つのイメージが浮かぶ。
1つ目は、その人にとっての「理想の家」のイメージ。
2つ目は、「静かな環境」の風景。
この2つのイメージが組み合わさることで、ほぼ例外なく「もちろんだ。そんな家があるのか?」という答えをお客から引き出すことができる。
不動産会社の人間は答える。「はい、実をいうとお客様のお気に召しそうな物件が、ただ今2件ございます。これは、まだ新聞広告にも載せていない物件です。見に行くのは、いつがよろしいですか?」このアプローチによって、実際に不動産会社のオフィスを訪ねてくるお客の数は倍増した。
◆感触を確かめるための質問
- ここまでの話しは、ご理解いただけましたか?
- お客様が探していらしたはこういう商品ですか?
- これまでお見せした商品は、気に入っていただけましたか?
- この商品は、お客様の役に立ちそうですか?
- それで間違いありませんか?
◆お客に情報を伝えるには、質問の形で投げかける
情報を伝えるうえでもっとも有効なのが、質問の形で投げかける方法である。
「一人295ドルです」という代わりに、「こうしたものが、普通は一人いくらぐらいするとものかご存知ですか?」と言えばよい。質問として問いかければ、相手の関心を100%惹きつけることができる。
◆質のより聞き手になる
質のよい聞き方をするためには、5つのカギがある。
- あなたの視線は「太陽光線」である
真摯に耳を傾けること。相手の話しを遮って、自分の意見を述べたりしない。相手の顔をまっすぐ見て、身を乗り出す。頷き、微笑み、賛同する。受動的な聞き手ではなく、能動的な聞き手になる。話している相手の口と目に、意識を集中させる。自分の目を「太陽光線」だと思う。お客の顔を日焼けさせたいと思うこと。話に耳を傾けながら、お客の顔を満遍なく眺める。 - 答える前に一呼吸おく
答える、または話しを続ける前に一呼吸おく。お客が話し終わったら、3~5秒の間をおいてから口を開く。お客から何かを質問されて、その答えがわかっているときでも、はやる心を抑えて一呼吸おくようにする。一呼吸おくことには、3つのメリットがある。ひとつ目は、間をおくことで、相手の言葉を慎重に考慮しているという印象を与える。2つ目は、心の深いレベルでお客の話しを聞ける。3つ目は、相手が考えを整理してからもう一度喋ろうとするのを、邪魔しないで済む。会話の沈黙を恐れない。モノを売る人は、沈黙に慣れなくてはいけない。セールスの成功には、これは不可欠である。モノを売る人の大半は、商品を売ろうと幾分神経質になったり、躍起になったりする傾向がある。そのせいで、会話の最中に沈黙が訪れると、何か喋らなくてはと思ってしまう。「販売は言葉とともに成立するが、購入は沈黙とともに成立する」ということを覚えておく。 - 質問には、相手をコントロールする力がある
お客の言葉から、勝手に相手の真意を読み取ってはいけない。少しでも不明瞭な点があったら、間をおいてから「それはつまり?」で追求ができる。
「値段が高すぎる」。それはつまり?
「我々には無理だ」。それはつまり?
「今の製品で満足しているんだ」。それはつまり?
「予算がないんだ」。それはつまり?
あなたが「それはつまり?」と聞くたびに、相手は言葉を補足して、より詳細な情報を提供してくれる。そして情報が増えれば増えるほど、相手に購入を決意させるために必要なことが何なのかが見えてくる。質問には、相手をコントロールする力がある。「質問をする側が主導権を握る」。 - お客の言葉を別の言葉で言い換える
お客が言った言葉を、あなた自身の言葉に換えてフィードバックする。お客のコメントや質問を、別の言葉で言い換える。これは、聞く技術における「アシッド・テスト」と呼ばれるものである。お客の言葉をフィードバックすることは、あなたが相手に対して注意を払っていることの証明になる。 - 「はい」「いいえ」では答えられない質問をする
制約のない質問とは、「はい」や「いいえ」では答えられない問いかけのこと。「誰が」「どうして」「いつ」「どうやって」「何が」「どちらが」で始まる質問をすることで、お客から、商談成立に役立つ詳細な情報をより多く引き出すことができる。会話を終わらせたいときは、「制約のある質問」をする。これは「はい」か「いいえ」でしか答えられない質問である。「今日は決断を下していただけますか?」「お客様のお探しの商品はこれですか?」「すぐに始めますか?」といった質問が、それに当たる。
◆価格提示は必ず最後に行う
面白いことに、どのお客も商談がまとまったあとに、にわかに警戒心を強めてこう聞いてきる。「ちょっと待ってくれ。このプログラムはいくらなんだ?」このように、商談がまとまったあとに価格に関する質問が出てくるのは、セールス・プレゼンが効果的に機能した証である。
商品がもたらすメリットについてあなたが話す前に、お客が価格のことを聞いてきても、その時点では教えてはいけない。
「その点については、あとでお話します」と答える。
◆満足保証
商談の締めくくりに、「○○様。このプログラムを受けて売上が10~20%伸びない方がいらしたら、その方の分のお代はいただきません。○○様から見て、社員全体に売上の伸びがないということでしたら、お代は一切結構です。いかがですか?」
商品がもたらす具体的なメリットを数字で提示するこのやり方で、何百万もの研修プログラムを売り上げることができる。
◆投資額の費用対策を、お客の頭のなかではじき出させる
「○○様、もし最初のひと月で売上が10%上がれば、年間を通じて上がり続けるはずです。違いますか?」お客は頷く。「○○様、売上が最初のひと月で確実に上がれば、年間を通じて平均20~30%くらいは簡単に上昇するでしょう。今後1年で売上が20~30%上がるということは、具体的な金額にしていくら上がることになりますか?」
お客は即座に、商品またはサービスへの投資額が、10倍になって戻ることを頭のなかではじき出す。この計算をさせるところまでいけば、商談をまとめるのは比較的容易である。
