すべての疲労は脳が原因 by 梶本 修身
梶本 修身
医学博士。
大阪市立大学大学院疲労医学講座特任教授。
東京疲労・睡眠クリニック院長。1962年生まれ。
大阪大学大学院医学研究科修了。
2003年より産官学連携「疲労定量化及び抗疲労食薬開発プロジェクト」統括責任者。
ニンテンドーDS「アタマスキャン」をプログラムして「脳年齢」ブームを起こす…
疲労回復物質の存在が明らかになって以来、
疲労に関する科学的調査が進んでいる。
その結果、
私たちが日常的に使う「体が疲れている」とは、
実は「脳の疲労」にほかならないことがわかった。
疲労のメカニズムとは何か、
最新のエビデンスをもとに解説する。
また、真に有効な疲労対策や乳酸、活性酸素、
紫外線、睡眠との関係なども明らかにし、
疲労解消の実践術を提示する…
- 運動疲労の正体は脳だった
- 「疲労」と「疲労感」は別の現象
- 「飽きた」は脳疲労の最初のサイン
- もっとも疲れているのは自律神経
- 疲労が蓄積すると視野が狭くなる
- 乳酸は疲労の原因ではない
- 疲れの直接の原因となるのは活性酸素である
- サングラスで紫外線による疲労を最小限にとどめる
- 睡眠中は疲労回復因子FRの働きが疲労因子FFを上回る
- 疲労回復の決め手は睡眠開始の3時間
- 栄養ドリンクを飲みすぎると疲れはむしろ溜まる
- 世界初のプロジェクトで判明した疲労回復成分「イミダペプチド」
- イミダペプチドの抗酸化作用が抗疲労効果をもたらす
- 「クエン酸」にも疲労回復効果があることが判明
- ビタミンCとBCAAに疲労軽減作用があるというのは間違い
目次
第1章 疲労の原因は脳にあり
第2章 疲労の原因物質とは
第3章 日常的な疲労の原因はいびきにあった
第4章 科学で判明した脳疲労を改善する食事成分
第5章 「ゆらぎ」のある生活で脳疲労を軽減する
第6章 脳疲労を軽減するためにワーキングメモリを鍛える

MEMO
◆いびきがある人は…
「疲労回復CPAP」で疲労回復効果がある。
◆疲労を回復するには…
毎日100グラムの鶏の胸肉を食べる。
鶏の胸肉にはイミダペプチドが豊富に
含まれている。
イミダペプチドは、
細胞レベルで酸化と損損を抑えて
作業効率の低下を防ぎ、
疲労感の軽減に役立つ。
さらに、レモン、グレープフルーツなどの柑橘類、
梅干し、酢などを食べてクエン酸を摂取すると
さらに効果があがる。
クエン酸で疲労を回復したい場合は、
1日にレモンなら2個、
黒酢なら大さじ1枚、
梅干しなら2個を摂取の
目安とする。
◆脳疲労が溜まっているか調べるチェックリスト
- ものごとはきりのいいところまでやらないと気がすまない
- ストレス解消のために体を動かすのが習慣である
- 責任感があり、遅くまで残業しても苦にならない
- 日中に眠気があり、大きないびきをかくと言われる
- 集中力が高く、何かに没頭するとまわりがみえなくなる
- 疲れたら栄養ドリンクをよく飲む
- 屋外ですごす時間が長い
- 長時間のドライブでも途中休憩をあまりとらない
- 熱めのお風呂に長湯をするのが好きである
- 休日は遠くのテーマパークやアウトレットに足を延ばす
以上10項目のうち、
ひとつでも思いあたることがあれば、
脳疲労が蓄積している可能性がある。