野心のすすめ

野心のすすめ by 林 真理子

林 真理子

1954年山梨県生まれ。
日本大学芸術学部卒。

82年エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』が大ベストセラーに。
86年『最終便に間に合えば/京都まで』で第九四回直木賞を受賞。
95年『白蓮れんれん』で第八回柴田錬三郎賞を、98年『みんなの秘密』で第三二回吉川英治文学賞を受賞。

小説のみならず、週刊文春やan・anの長期連載エッセイでも変わらぬ人気を誇っている。

直木賞など数多くの文学賞で選考委員を務めている…

お金、コネ、資格、美貌…

ないない尽くしのどん底から
どうやって階段を上っていったのか?

林真理子初の人生論新書…

  • 有名になりたい
  • 作家になりたい
  • 結婚したい
  • 子どもが欲しい

無理と言われた願望を
すべて叶えてきた人気作家による
「夢を実現させるヒント!」

やってしまったことの後悔は
日々小さくなるが、
やらなかったことの後悔は
日々大きくなる…

目次

第一章 野心が足りない
屈辱感は野心の入り口/無知の知/「テクノルック」で糸井さんに突撃/
若い作家が消えてしまう理由/「一生ユニクロと松屋でオッケーじゃん」 ほか

第二章 野心のモチベーション
友人同士の「タイタニック」格差/ファーストクラス入門/
自分に投資すると「人気」がついてくる/野心と強運の不思議な関係 ほか

第三章 野心の履歴書
不採用通知の束を宝物に/「新規まき直し」作戦/
小さな成功体験を大切にする/「マイジャー」ではなく「メジャー」/
カリスマ編集者・見城徹氏の登場/スランプ――霧の中の十年 ほか

第四章 野心と女の一生
ママチャリの罪/“絶対安全専業主婦”の存在/オス度の高い男性ほど美しいメスを選ぶ/
自己完結の「美魔女」、美人の有効利用「女子アナ」/女性経営者の野心のバネは「悔しさ」/
働く女性がウサギからトラへと変わる時/いま振り返る「アグネス論争」 ほか

第五章 野心の幸福論
欲望の「大食漢」/「妄想力」が野心のバネになる/「止まっている不幸」の恐ろしさ/
野心の日常的な心得とは/野心という山登り

野心のすすめ
野心のすすめ

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MEMO

◆野心を持って努力し続けるのは、
本を読むことにも似ている。

本を読み始めると、
自分はどれだけ無知なんだろうとか、
この分野を知らないのはまずいとか、
この先また別の本を読んでみたいと思う。

努力する人には
いろいろなページが開いてくる。

反対に、本をまったく読まない人は、
何を読めばいいかわからないし、
そもそも本の存在すら意識化に入ってこない。

◆野心の日常的な3つの心得

  1. 時間は2倍に使う(ながら族)
  2. まずはぐっすり眠ってから考える
  3. 運の強い、楽しい友だちと付き合う

◆子どもを育て上げた
専業主婦が生き甲斐を失い、

「夫と子どもに捧げただけの
不幸な人生だった」

と口にする。

それも世の中のせい、
男性社会のせいで不幸になったと、
なぜか自分の不幸を
社会制度と結びつけて
愚痴を言ったりする。

こんな人には、
「夫選びを間違えたのは誰ですか。
結婚したいと願っていたのは
誰ですか」
と問いたくなる。

自分が何を欲しているかが
わからないまま、
「こんなはずじゃなかった」
と世の中を呪う寂しさほど
惨めなことはない。

◆ドイツ人の劇作家、
コッツェブーの名言に、

「貧困は恥にあらず」

というのがある。

これはすべての人が口にしながら、
誰ひとり心では納得していない
ことわざである。

やはり、お金は大事である。

好奇心の赴くままに行動したり、
ここぞというときに前へ
進んで行くためにも、
人生を豊かにしてくれる
お金は不可欠である。

◆人は年を取るのに比例して、
残酷なまでに格差という
現実を突き付けられるようになる。

それは、
ときには友情さえ
引き裂くことがある。

◆やってしまったことの後悔は、
日々小さくなるが、
やらなかったことの後悔は、
日々大きくなる。

やってみる価値がある、
面白そうだと思ったことは、
恥をかいてでも、
とりあえずやってみる。

◆無知の知

現状が嫌だと思ったら、
とことん自分と向き合うこと。

ときにはひとりで思い切り泣いたり、
徹底的に落ち込んでみる必要がある。

落ちるところまで落ちては初めて、
「自分はどうしたいのか」
が見えてくる。

そうして、
次にどんなアクションを
起こせばいいのかも
わかってくる。

「無知の知」とは
ソクラテスの教えである。

自分が何も知らない、
ということを知っている人間は、
自分が無知であることを自覚していない
人間よりも、
もっといろいろなことを知りたい、
学ばなければならない、
と思える点で勝っている。

◆野心

なぜ野心が
希薄な時代になってしまったのか?

景気がずっと悪かったという
考え方もある。

でも、
「とりあえず食べていくことはできる、
まだまだ簡単に飢え死にしない世の中」
が、その大前提にあるのではないか。

「まあ、なんとかなるさ」と、
自分の将来さえ真剣に考えようとしない
人々ばかりが暮らす国の未来は
いったいどうなるのか?

投稿者: book reviews

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