1日36万円のかばん持ち(小山 昇)
株式会社武蔵野の社長である小山 昇さんの著書です。
〝経営の3種の神器〞
のエッセンスが身につく!
三流が一流に変わる40の心得!
真実は現場にしかない!
1日36万円のかばん持ちでわかった衝撃の事実!
三流・二流・一流の分かれ目を
「40の心得」として初公開!
三流は、「借金は悪」と考える。
二流は、「時には借金は必要」と考え、「すぐに」返す。
一流は、「とことん限界まで」借り、「なかなか返さない」。
三流は、「よいこと」にこだわる。
二流は、「損得」にこだわる。
一流は、「成果」にこだわる。
三流は、売上「額」が第一。
二流は、利益「率」が第一。
一流は、利益「額」が第一。
天国と地獄の分かれ目は
ほんのちょっとの着眼点!
「かばん持ち」で体感できる5つのこと…
- すき間時間の使い方、
- 情報の集め方、
- 社員のほめ方、叱り方、
- お金の見方、
- 健康の保ち方。
目次
【特別企画】初公開! 1日36万円の「かばん持ち」図鑑
【心得1】どんなに売上を上げても、手元に「現金」がなければ、「2年後」に黒字倒産する
【心得2】「社内不倫」の疑いがあれば、その情報を社内全員に一斉メールせよ
【心得5】「社長の実力=会社の実力」は大間違い! ナンバー2の実力こそ、会社の実力である
【心得6】ハウステンボス、ディズニーランド、旭山動物園……3つの共通点とは?
【心得8】「10種類」のメニューがあるラーメン屋より「1種類」のメニューしかないほうが、どうして儲かる?
【心得10】「月1回、1回20分、朝9時前から」の銀行訪問が融資を引き出す必殺技
【心得11】金利が高かろうと、使い道がなかろうと、「限界まで借金をして、なかなか返さない」が正しい
【心得15】社長がお歳暮を直接届ければ、30年間、ライバル会社からお客様を守ることができる
【心得18】パチンコと経営の非常識な関係! パチンコ勝率と社長の実力は比例する!?
【心得19】なぜ、ランチェスター戦略の本質は「ジャンケン」にあるのか?
【心得28】一般社員は「日」単位、幹部社員は「時間」単位、一流社長は「秒」単位
【心得29】「電車の乗り方」だけで、社長の実力が見抜ける理由
【心得30】「率」は主観、「額」は客観
【心得32】質より「スピード」! 〝テキトー〟に1秒でも速く決断する5つのコツ
【心得33】「8割右肩下がり」&「35%が赤字」でも、なぜ、「15年連続倒産ゼロ」なのか?
【心得34】30年以上風邪をひかない5つの健康法
【特別付録】三流が一流に一夜にして変身! 3日で108万円払った社長も知らない役立つ着眼点・習慣・秘録リスト24
【コラム】美人社長が「かばん持ち」を決断した「不純な動機」とは?
【コラム】車中の密談のすべてを知る謎の「タクシードライバー日誌」
MEMO
◆結果を出している人の習慣を真似る!
結果を出している人には必ず理由があって、
多くはその人の「習慣」になっている。
だとしたら、結果を出している人の習慣を学び、
マネをしたほうがいい。
◆天国と地獄の分かれ目は…
ほんの些細な着眼点にある。
◆経営は、現金に始まり、現金に終わる!
どんなに売上を上げても、
手元に「現金」がなければ黒字倒産する。
あるインターネットの広告代理店は、
グーグルやヤフーのPPC広告の費用を
全額「前払い」していた。
だから、お客からの入金はあとになり、
お金が足りなくなる。
現金が足りなくなるから、
社長は自分のクレジットカードを7枚も作って
1年間でなんと9億6000万円をカードで支払っていた。
クレジットカードで貯まったマイルが
700万マイルにもなった。
そこで、この社長はどうしたか?
PPC広告費を自社で払うのではなく、
顧客自身にクレジットカードを使って
グーグルやヤフーに直接支払ってもらうことにした。
この場合、売上は減るが、手数料収入のビジネスに
変えたことによって、立替金がなくなり、
安定的に現金が残るようになった。
会社には、できれば月商の2倍の現金を
用意しておくべきである。
少なくとも、月商と同じ現金は必ず用意すること。
現金は会社の血液である。
◆ハウステンボス、ディズニーランド、旭山動物園の共通点は?
お客さんが飽きないように
「利益を未来に投資」している。
この3社は、アトラクションや施設を常に新設している。
会社にとって重要なことは、
「これから先も、存在し続けること」である。
必要最低限な利益を確保したら、
あとは未来に投資する。
極論を言えば、今はどうでもいい。
たとえ、「今」儲かっていても、
3年後に会社が倒産したら意味がない。
◆飲食店ではクレジットカードではなく現金で払う!
なぜか?
たとえば、飲食店の支払いが50万円だとする。
これを現金でポンと50万円支払うと、
お店の人に覚えてもらいやすい。
そして、覚えてもらうと次回の接客が変わる。
飲食店の社長が挨拶にくるようになる。
◆資金に余裕があっても繰り上げ返済してはいけない!
金利は、会社が成長するための必要経費と考える。
金利をたくさん払っても、
たくさんのお金を借りて、
現金をたくさん持っておくべきである。
借りたお金は、お客を増やすため、
ライバルと差をつけるために使う。
繰り上げ返済がいけない3つの理由:
- 会社が赤字でも、現金があれば倒産しない
- 銀行が損をするから➡恩を仇で返すことになる
- 銀行は「緊急支払い能力の高い会社に貸す」から
◆自分の考えを捨てられない社長は、会社を危険にさらす!
人も会社も「実行して変わる」。
内心「自分の考えと、メンターの考えが違う」
と思っても、メンターの言うとおり実行する。
自分で考えても成果がでなかったのだから、
成果が出ているメンターのやり方を取り入れてみよう」
と考える。
◆経営は「仮説と検証」がすべて!
仮説と検証をして、
うまくいかなかったら、
「どうしてだろう?」と考える。
物事を一方向から見るのではなく、
「こっちの方向から考えるか、
あっちならどうか」を検証する。
仮説を立てない人は、
当たるか外れるかを「運」にまかせるしかない。
データをもとに「どうして」
「どうすれば」を繰り返し検証して、
「法則」や「原理原則」に目を向ける。
◆常に安いほうを選ぶのは…
経営者として間違っている。
◆6回失敗すれば、7回目には成功する!
新しいことにチャレンジするときに、
成功する確率は50%。
失敗する確率も50%である。
たとえ当てずっぽうでも、
50%の確率で当たる。
失敗したら、もう一度やり直す。
このときも、成功と失敗の確率は50%ずつであるが、
失敗確率の50%の半分は25%なので、
この時点で、成功確率は75%である。
このように考えていくと、
6回も失敗すれば成功の確率は99%となる。
多くの人は、1回で成功させようとするが、
大事なことは、失敗をしないことではない。
トライ&エラーを繰り返しながら、
少しずつ正解に近づいていけばよい。
◆今の若者はストレスに弱くなっている
人材の定着を図るためには、
社員のストレス耐性に留意しなければいけない。
今の若い人は、ストレスを忌避する傾向が
これまでの世代よりも強い。
特に、2015年の新卒者から、
圧倒的にストレス耐性が弱くなっている。
したがって、今の時代は
ストレスに弱い人を雇って、
少しずつストレス耐性を強くするしかない。
ストレスに負けない人をつくるには:
- 社長と幹部、幹部と社員のコミュニケーションを増やす
ストレスに弱くなった原因のひとつは、ゲームやスマホへの依存度が高まり、人とのコミュニケーションが少なくなったから。 - 傾聴に徹する
今の若い人は、上からの一方的な指示はストレスになるだけ。なので傾聴に徹する。「ああしろ、こうしろ」ではなく、「キミはこの会社でどうしたいのか、どうありたいのか」を本人から聞き出す。そして、本人の希望を実現するためのアドバイスを行う。そうすれば、若者はそれほどストレスを感じずに受け入れるようになる。
◆家庭と仕事、優先すべきはどっち?
家庭の平安あってこそ、
充実した仕事ができる。
会社がどれほど儲かっても、
社員の家庭が幸せでなければ意味がない。
家族仲を健全に保てないと、
仕事のパフォーマンスが下がる。
そのためには、家族を犠牲にしない。
家族と過ごすコミュニケーション
の時間を持つことが大切である。
少なくとも1週間に1度は、
家族のための時間を取る。
家族に支えられているからこそ、
充実した仕事ができる。
グロービス経営大学院大学学長の
堀義人さんは、1週間に4回子どもと
いっしょに食事する約束をしている。
そして、それを守っている。
◆隙間時間は「秒単位で管理」
デキる人は、細切れ時間をムダにしない。
1分1秒でも時間があれば、
少しでも仕事を進める。
スキマ時間を有効に活用するには、
いつ、どこで何をやるのか予め決めておく。
まとまった時間があるときはこれをしよう。
スキマ時間にはこれをしよう。
電車に座れたらこれをしよう。
座れなかったらこれをしよう。
と予め仕事(やること)を準備しておく。
だから、手持ち無沙汰に過ごすことがなくなる。
外出先での細切れ時間を活用するコツは、
「いつ、どこで、どの仕事をするのか」
を予め決めておくことである。
◆経営を「率」で考えると、判断を間違える!
たとえば、次の2社があるとする。
どっちの社長が優秀か?
A社:前期の売上が1000万円、今期は200%の成長率
B社:前期の売上が1億円、今期は150%の成長率
経営には、粗利益率、労働分配率、成長率など
さまざまな「率」がある。
社長の多くは、経営を「率」で考えるクセがある。
でも、それは間違いである。
「率」にこだわり過ぎると、会社の実態を見誤る。
売上も、仕入れも、経費も、
会社はすべて「額=現金」で経営している。
成長率がどれだけ上がろうと、
「現金」がなければ、社員に給料を払うことができない。
経営における正しさとは、
利益目標を「100%達成すること」ではない。
「率ではなく額で考える」。
達成率よりも重要なのは、達成額である。
したがって、質問に挙げたA社とB社では、
B社の社長が優秀である。
A社は、成長率200%だが、
今期の売上は2000万円(増加額は1000万円)。
一方のB社は、成長率が150%だが、
今期の売上は5000万円増えている。
つまり、B社はA社の5倍も「額」を増やしたことになる。
「率」だけで考えればA社のほうが優秀に思えるが、
「額」で考えると、実績を上げているのはB社だと分る。
◆決定の正しさは、悩んだ時間と無関係!
稼げない人は、決断するのが遅い。
「ああでもない、こうでもない」
「どっちが得で、どっちが損か」
とグズグズ考えてしまい、
大切な時間を失っている。
1時間で出した結論と、
1週間かけて出した結論が同じなら、
1週間という時間をムダにしたことになる。
決断に時間をかけない。
即断即決がよい。
即断即決の「5つ」のコツ:
- 損することを怖れない
物事を決められない人は、「損をしたくない」と考えている。でも、新しい決定をすれば失うものもあるが、得られるもののほうが多い。 - 正しさを求めない
正しさよりも「速さ」を大切にする。極論を言えば、適当でもいいから、スタートして、途中で間違いに気がついたら、そのときに修正すればいい。実行するのが速いほど、間違いに気づくのも速くなり、修正も速くなる。 - 先に結論を決めておく
- 自分に都合の悪い方を選ぶ
自分に都合の悪いことを見ようとしなかったり、自分に都合よく解釈すると、その場しのぎの判断はできても、根本的な問題解決にはならない。 - 体験から判断する
悩んでも悩まなくても、
結果は変わらないことが多い。
決定の正しさは、
悩んだ時間とは無関係である。
長時間悩んでも正解率は上がらない。
とくに社長の決定は、スピードが命である。
◆P/LよりB/Sを常に見る!(転売者必見)
P/L(損益計算書)は1年間の業績をまとめて
「いくら儲かったか」「いくら損をしたか」
を知るための決算書である。
いくら売上があって、いくら経費を使って、
最終的にいくら利益(損失)が出たかを示す。
P/Lを見て「これだけ利益が出ている」
と喜んでも、それは在庫や売掛金になっていることが多い。
「現金が社内にどれだけあるか」は、
P/Lを見てもわからない。
どんなに利益が出ていても、
現金がなければ会社は潰れてしまう。
B/S(貸借対照表)は、決算日現在の
会社の財産状況をまとめたものである。
資本金や利益余剰金(純資産)がいくらあって、
いくらお金を借りていて(負債)、
どのように運用されているか(資産)を示している。
日常の損益の計算と、現実的なお金のやりくりを
一緒に考えてはいけない。
現実的なお金のやりくりは、
すべてB/Sに記載されている。
社員と社長が力を合わせた結果
(売上、利益など)を正しく計算するのはP/L。
お金がどういうふうに動いたか
(どのように調達して、どのように使ったか)
を示しているのはB/Sである。
「P/Lは社員」が関わっていて、
「B/Sは銀行」が関わっている。
B/Sをベースに、
「長期的にどのようにお金を調達し、
どのように使うか」を見ていくと、
事業構造を変えないと、現金が回らないことに気がつく。
Amazonなどで転売をしている人は、
P/Lだけを意識している。
特に、利益額ではなく利益率が大切だと思っている。
クレジットカードで仕入れていると
現金がいくらあるかあまり意識しない。
そしてクレジットカードの支払いがきたときに
現金がなくて支払いができないといったことになる。
また、P/Lだけに注目していると
在庫(棚卸し資産)がたくさんあることに気がつかないで
現金が不足することになる。
◆健康管理
50歳過ぎたら「体力を上げる」とか
「取り戻す」とう考え方を捨てる必要がある。
あくまでも「今ある体力を維持する」ことを目標にする。
加齢とともに体力が衰えるのは自然の理なので、
「なるべく去年の体力を維持しよう」と努める。
5つの健康法:
- よく寝る
基本は21時~4時(7時)の睡眠をとる。 - 食事に気をつける(お米:無農薬、魚:天然モノ、野菜:無農薬)
少しくらい値段が高くても、おいしくて健康なものを食べる。食費を切り詰めて栄養バランスが崩れ、健康が害してしまったら、本末転倒である。医者にかかる費用より、食事代のほうが安い。 - 夕食時は適度なお酒を飲んでもよい
- 夏は厚着、冬は薄着
- たくさん歩く (1日 8000歩~1万歩)
エスカレーターは使わず、階段を使う。
◆社長が借金すべき「3つ」の理由
借金は善、借金をする社長=優秀な社長である。
なぜか?
お金を持っていれば持っているほど、
経営の安全につながる。
設備投資するために…、
ライバルに差をつけるために…、
お客様へのサービスを向上させるために…、
新規顧客を獲得するために…
未来への投資は欠かせない。
では、投資の原資はどこから確保するのか?
中小企業には、すべてを自己資本でまかなうほどの体力はない。
したがって、「銀行から借りる」以外にない。
「融資を受けない」ということは、
「会社を成長させない」ことと同じである。
借金すべき理由は、次の「3つ」:
- 不測の事態を乗り切ることができる
- 借り入れと返済実績があれば、継続的な融資が受けられる
- 事業に専念できる
◆弱点克服 VS 長所強化
人も会社も、欠点をなくしたとたん、失速する。
おおくの人は、
「自分の欠点や弱点をなくしたい」と考え、
試行錯誤を繰り返す。
もちろん、それは大切なことである。
でも、自分の欠点をつぶすこと以上にもっと大切なことがある。
それは、「自分のよいところを伸ばすこと」である。
人も、会社も、欠点をなくしてはダメである。
なぜか?
欠点を取り除くと活力がなくなる。
欠点を直すよりも、自分、会社の強みを伸ばしていくほうがよい。