調理場という戦場 by 斉須 政雄
斉須 政雄(さいすまさお)
1950年生まれ。
1973年よりフランスに渡り、
フランス料理界に12年間身を置く。
1986年、「コート・ドール」の料理長に就任。
1992年からはオーナー・シェフとして活躍…
日本のフレンチレストラン最高峰
「コート・ドール」オーナーシェフが、
全身でつかみとってきた経験を全部出した!
どんな年齢の人が、
どんな職業の人が読んでも、
身体の奥底から、
勇気が沸きおこってくる…
目次
フランス一店目
フランス二店目
フランス三店目
フランス四店目
フランス五店目
フランス六店目
東京コート・ドール

MEMO
調理場という戦場
◆運命という名前の楽譜を手にしても、
それぞれが独特の演奏をする…
演奏の価値は、
それぞれからにじみ出てくる
個性ひとつでガラッと変わる。
それを人は
「かけがいのないもの」
と呼ぶ。
◆愛しているものがあったら、
自由にしてあげなさい…
もし帰ってくればあなたのもの。
帰ってこなければ、
はじめからあなたのものでは
なかったのだ。
◆採用するかしないかを決める基準は…
「気立て」と「健康」の2つだけ!
◆攻撃は最大の防御!
いちばん旬のところで
仕事をするのが、
結果的にいちばん
防御することにもなる。
◆落ちるところまで落ちたら
あとは上がるだけ。
あとはもう、
中途半端に自分を崖っぷちに
しがみつかせないようにすればいい。
中途半端な位置にいるから、
上に昇りたい下に降りたいと
ブーブー言うことになる。
落ちる心配がないところまで落ちて、
不自由なら不自由で、
とことんにっちもさっちも
いかないとこまで行けばいい。
中途半端が
いちばん始末が悪い。
◆才能をどれだけ振り回してみても
あまり意味がない。
才能はそれを操縦する生き方が
あってのもの…
生きる姿勢が多くのものを生む。
たとえば、
点を線にしていくような生き方…
◆人生に近道はない!
まわり道をした人ほど
多くのものを得て、
滋養を含んだ人間性にたどりつく。
◆味は「加えるもの」というよりは
「わきでるもの」である。
味を超える飾りたては品格を失う。
飾りたては、
持ち味の一歩か二歩手前で
抑えておく。
◆資本がないから
事業が思わしくないという声を聞くが、
それは資本がないからではなく、
アイデアがないからである。
よいアイデアには国境がなく、
よい製品には国境がない。
どの時代にも残るものは、
独自の技術と製品だけだ。
そして、うまくいっていない会社には、
何よりも新規の開発や開拓がない。
by 本田宗一郎
◆ゴミを投げ捨てる人に
注意するのではなく、
自分に「ゴミを拾う」という
仕事を与えてくれたと思って拾う…
そういう意識を持っていれば
キレイが当たり前になる。
◆優れた人が他人を判断するときに
目を留めるところは
「ひとつひとつのことを
きちんと処理しているかどうか」
である。
◆35歳ぐらいまでは、
天真爛漫なまま、
能力や人格や器を
大きく育てていったほうがいい。
◆日本で生まれ育って
日本語でさえうまく表現できないことを、
外国語で伝えられるはずがない。
日本語での表現が的確になれば、
外国語も的確になる。
◆常識はしょせん人間の作ったものだら、
自分の常識を作ればいいじゃない?