近藤誠の家庭の医学 by 近藤誠
近藤 誠
1948年東京都生まれ。
73年、慶應義塾大学を卒業し、同医学部放射線科に入局。
79~80年、米国留学。
83年より2014年まで同医学部講師。
2012年、「乳房温存療法のパイオニアとして、抗がん剤の毒性、拡大手術の危険性などがん治療における先駆的な意見を一般のかたにもわかりやすく発表し、啓蒙を続けてきた功績」に対して「第60回菊池寛賞」受賞。現在は東京・渋谷の「近藤誠セカンドオピニオン外来」で、年間2000組以上の相談に応える
医者やクスリをできるだけ遠ざけて、
赤ちゃんから100歳のお年寄り、
ペットまで、
みんなが元気に過ごすための「家庭の医学」。
自分と家族の体をどう守るか、
まざまな症状に答える知恵が満載…
目次
■はじめに
■第1章 よくある症状とのつきあいかた
1 病気の9割は、医者もクスリも治せない
2 熱や咳をクスリで抑えない。これが病気に強くなる第一歩
3 気軽に「目薬一滴」「点鼻薬シュッ」のワナ
4 胸焼けに重曹。胃もたれに炭酸水
5 便秘は朝のお湯飲み、フルーツヨーグルト、スクワットで解消
6 傷はガーゼでなくラップで治す
7 塩が足りないと病気になる
8 高コレステロールは長寿のもと
9 血圧は年齢プラス110までクスリで下げるな
10 ペットの病気と看取り
■第2章 医者から逃げきるルール
11 予防接種で、インフルエンザは防げない
12 予防医学は「患者を呼ぼう医学」
13 治療のベルトコンベアに乗せられる前に
14 すぐ余命を言う医者から逃げろ
15 危ない医師が「野放し」の日本。遺書を書いて受診を
16 早期発見で5年生存率が延びるというトリック
17 「免疫療法」のウソ
18 安らかに死ぬ心得。「無理に食べさせない」知恵
■第3章 がんを暴れさせない知恵
19 「がんもどき」はしょっちゅう消える。人を殺さない
20 本物のがんでも、すぐには死なない。切るとがんが暴れる
21 抗がん剤は猛毒。固形がんに対しては、命を縮めるだけ
22 治療しなけりゃ、大往生できる
23 がんを放置して痛みが出たら
■第4章 栄養と運動が元気のクスリ
24 野菜ジュースの糖分は砂糖水と同じ。よくお茶する人は長生き
25 玄米菜食、断食で早死にする。元気な100歳は肉食系
26 弱ったらおかゆでなく半熟卵を、眠れぬ夜はホットミルクを
27 夕方のガム噛みラジオ体操でボケ払い
28 湯上りの水シャワーで体ポカポカ
■第5章 近藤誠のセカンドオピニオンQ & A 1 0 0
■あとがき

MEMO
家庭の医学
◆漢方薬は体にやさしいのか?
漢方薬の副作用で死者が出た事件は無数にある。
原料は植物を乾燥させたものや
エキスなので品質が不安定で、
抗がん剤の材料になるほど毒性の強い
成分が含まれているものもある。
また、効能についての科学的なデータがない。
◆病院で殺されない7つの心得
- まずは自分でせっせと情報収集する
- あいさつしない医者、患者の顔を見ない医者、患者を見下す医者からは逃げる
- いきなり3種類以上のクスリを出す医者は避ける
- 医者の誘導にのらない、説明をうのみにしない
- 医者にはどんどん質問する。説明がわからなかったら率直にそう伝える
- 手術の後遺症、クスリの副作用、生存率とその根拠をしっかりと聞く(※)
- セカンドオピニオン、サードオピニオンをとる
※たとえば「余命3ヶ月」と言われたら「それはどんなデータでわかるんですか」と聞き、答えがなかったり「そういう例を見てきた」などのあいまいな回答だったら、見限る。
◆胃酸を抑えたいときは…
コップ1杯の水かぬるま湯に
重曹1~2グラム(小さじ半分弱)
を入れて混ぜて飲むと効果がある。
◆疲れ目、ドライアイ、疑似老眼などの対処法…
TVにパソコン、スマホ、ゲームなど…
いま多くの人が、
暇さえあれば「近くの画面」を見つめて、
目をこき使っている。
その結果、大人はもちろん小学生にも
疲れ目、ドライアイ、疑似老眼(ピント調整力の衰え)
などが急増している。
目薬などで一瞬スッキリするのは、
メントールなどの清涼剤や、
血管を収縮させる成分のせいで
「その場しのぎ」。
逆に回復をさまたげることもある。
最良の目薬は「涙」で、
目に必要な成分がすべて含まれている。
目が疲れると白目が赤く「充血」するのは、
体が眼球の血管を広げて血流を増やし、
酸素と栄養を届けて回復を
助けようとしているからである。
なのに目薬には、
血管を収縮させる成分が入っているので、
見た目は「白目」に戻っても
目の疲れはかえって長引く。
また、スッとするメントール成分入りの
目薬には防腐剤や保存料が使われていることが多く、
目の負担になる。
目の疲れをスクリなしで改善する方法として、
まず「温めてみる」こと。
クスリは「症状をたたく」発想。
それに対して、温めることは
「体に備わった自然治癒力が働きやすいように
手助けする」ことが目的。
目が疲れる根本的な原因は、
同じ姿勢で同じ画面ばかり見て、
目のまわりの筋肉がガチガチに
「凝って」いるせい。
血行をよくして、
こわばりをほぐすことが大切。
タオルを水でぬらして絞り、
四つ折りにして電子レンジでほどよく温めて、
目を覆うようにのせる。
目の疲れには、時計の1時から12時までを
順に見て眼球をグルグル回したり、
遠近を見るのも即効性がある。
また、頭皮や頭頂のマッサージ、
肩の上げ下げや背伸び、
屈伸など「頭のてっぺんからつま先まで、
全身をほぐして血行をよくする」
ストレッチをすること。
オフィスなら、
階段を上がり下りするのも効果的。
とにかく「ほぐし、動かす」
ことが大事である。
◆健康に生きるための心得
- 病気の9割は、医者に治せない
- クスリは毒だから飲むな
- 検診は百害あって一利なし
- がんは切らずに治る…
◆元気に100歳を超える生き方
医者にも行かず
クスリも飲まず
健診もワクチンも受けぬ
自分の考えを持ち
欲はひかえめ
あまり怒らず
いつものんきに笑っている
1日に肉・魚、牛乳、卵と
味噌を少しの野菜と食べ
カロリーや血圧を
いちいち勘定しないで
よく働きよく眠り
そしてクヨクヨせず
のんびり落ちつける
わが家にいて
がんや不調があっても
年だものとつぶやき
手術と言われたら
「様子を見ます」と時間をかせぎ
抗がん剤もホルモン剤も
副作用がこわいと拒み
病院好きの友には
早死にするからやめろと言い
日照りのときは散歩せず
寒いときも無理せず
みんなにマイペースと言われ
今日を楽しんで
余命は天にまかせる