働く幸せ~仕事でいちばん大切なこと~ by 大山 泰弘
大山 泰弘
1932年東京生まれ。
日本理化学工業(株)会長。
日本理化学工業は、1937年に父・要蔵が設立したチョーク製造会社。
中央大学法学部卒業後、病身の父の後を継ぐべく同社に入社。
1974年、社長に就任。
2008年から現職。1960年にはじめて知的障害者を雇用して以来、一貫して障害者雇用を推し進めてきた。
1975年には、川崎市に日本初の知的障害者多数雇用モデル工場を建設。
現在、74人の社員のうち53人が知的障害者(障害者雇用率約70%)…
知的障害者が社員の7割、50年間持続経営。
『日本でいちばん大切にしたい会社』で紹介された日本理化学工業。
なぜ、この会社は、
こんなに温かいのか?疲れた心に沁みるビジネス・ストーリー…
人間の究極の幸せは、
▶人に愛されること、
▶人にほめられること、
▶人の役にたつこと、
▶人から必要とされること、
の4つである
人は働くことによって幸せになれる。
ならば、会社は幸せをもたらす場所なんです…
「利益第一主義」の世の中で忘れられていた、
会社本来の存在意義が見えてくる。
そして、「働く」ことをもっと大事にすることで、
私たちは生き生きとした社会を取り戻すことができるはず…
目次
プロローグ 知的障害者に導かれたわが人生
第1章 「逆境」を最大限に活かす
第2章 働いてこそ幸せになれる
第3章 地域に支えられて
第4章 幸せを感じてこそ成長する
第5章 「働く幸せ」を広げるために
第6章 会社は、人に幸せをもたらす場所

MEMO
働く幸せ
◆お金のためでもない、
自分のためでもない、
人のために動くからこそ、
人は、ほめられ、人の役にたち、
必要とされる…
◆ユニクロは積極的に障害者雇用に取り組んでいる。
雇用率は約8%とづばぬけている。
なぜか?
障害者と一緒に働くことで、
彼らが苦手とする作業をフォローしたり、
できる仕事を上達させてあげようと、
他のスタッフたちが協力しあうようになった。
その気持が従業員同士、
さらにお客様に対しても向けられるようになり、
結局は売上げアップにもつながった。
◆「明日の日本を支える元気なモノ作り中小企業300社」
に選ばれた会社を徹底的に分析する。
経営者の経営方針、商品、など…
◆子育ては3歳までが勝負!
3歳までにいかに「感じる心」を呼び覚ますような
経験をさせてあげられるかが、
その子の成長を大きく左右する。
人間が美しいものを見、
きれいな音を聴き、
やさしいものに触れて、
「感じる心」「応える心」を呼び覚ます基礎回路は、
3歳ごとには大人の8割ほどに達している。
なので、この時期までに絶対的な愛情をかたむけることによって、
可能なかぎり、子どもが生来もっている
「感じる心の基本」を呼び覚ますことが重要。
◆働くことで人は幸せになれる。
ならば、会社は利益を出すとともに、
社員に幸せを提供する場でなければならないはずだ。
そして、この両方の目的を実現するために
働くのが経営者である。
◆住職の教え
人のために動くことを、
「働」くという。
人のために動いていると、
愛される人間になる。
だから一生懸命働きなさい…
◆動物園で育った動物は、
自分の生んだ子どもでも、
育てようとしない。
子育ての本能まで忘れてしまう。
なぜか?
動物園で決まった時間に食事を与えられ、
他の動物から子どもを守る必要もない環境に
慣らされると、いつしか子育ての本能まで失われてしまう。
◆利益第一主義で
「働く幸せ」を度外視してしまうと、
会社が永続的に発展する力が失われてしまう。
◆人間の究極の幸せ
▶人に愛されること
▶人にほめられること
▶人の役にたつこと
▶人から必要とされること