モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書 by 尾原 和啓
尾原 和啓
IT批評家・藤原投資顧問シニアアドバイザー。
1970年生まれ。
京都大学大学院工学研究科応用人工知能論講座修了。
阪神・淡路大震災時の避難所ボランティアの経験から、仕組みやプラットフォームに強い興味を抱く。
マッキンゼー・アンド・カンパニー、リクルート、Google、楽天などを経て現職。
インドネシア・バリ島在住…
なぜ、あなたは稼ぐために頑張れないのか?
あなたは「上の世代」と違い、
生まれたころから何もかもが揃っていたので、
金や物や地位などのために頑張ることができない。
埋めるべき空白が、
そもそもない「乾けない世代」である。
しかし、仕事がなくなっていく時代には、
この「乾けない世代」こそが希望になる…
目次
第1章 「乾けない世代」とは何か?
(何もなかった世代と「すでにある世代」/
自己成長と社会貢献がつながっていた「乾いている世代」 ほか)
第2章 偏愛こそが人間の価値になる
(ビジネスはプロデューサーの時代へ/アイデアの次は「インサイト」 ほか)
第3章 異なる「強み」を掛け算する最強チームの作り方
(「いざ関ヶ原」は昔の戦い方、「VUCA」の時代の戦い方は?/現場の変化に敏感に対応できる、瞬発系チームを作れ ほか)
第4章 個人の働き方
(月に100時間しか働かない/「ご縁(人に人を紹介し、つなぐこと)」はお金に換えない ほか)

MEMO
モチベーション革命
◆ライスワーク VS ライフワーク
自分が食べていく(家族を養っていく)ためにやるべき仕事を
「ライスワーク」という。
「ライフワーク」の部分を広げていくには、
まず自分のなかで「ライスワーク」と「ライフワーク」を
明確に使い分けることが大事。
「ライスワーク」を、
「ライフワークに自分が没頭できるためのお金と時間とリソースを生み出すもの」
と捉えてもいい。
平日は目の前の仕事に集中して、
お金を稼ぐ。
そして、帰宅後や週末になったら、
「ここからはライフワークの時間だ」と切り替え、
好きなことや自分が得意なことに時間を投資し、磨いていく。
そうしていくうちに、「好き」が「得意」になり、
「お金」になり、「世界が求めること」と合致したとき、
4つの点が重なり、「生きがい」で稼げるようになっていく。
◆生きがい
生きがい(Ikigai)とは、
▶あなたが大好きなこと(That which you love)、
▶世界が必要としていること(That which the world needs)、
▶あなたが稼げること(That which you can be paid for)、
▶あなたが得意なこと(That which you are good at)
の4つの点が交わるところに生み出されるものである。
◆日本人は、小さいころから「他人に迷惑をかけないように」と言われて育ってきた。
そんな人々にとって、誰かに迷惑をかけることは「悪」。
だから、常に「他人から見てどうか(迷惑になっていないか)」を
気にして生きている。
やがて他人の目線や他人の評価軸を取り込むことに慣れきった人々は、
何か行動を起こすときも、自分がどうしたいかより、
他人から見てどうか、他人に迷惑をかけないかをいちばん気にしてしまう。
◆思い切って引きこもって、
ひたすら好きなことをやり続けるのもアリ!
◆ワークライフバランス▶ライフワークバランス
これからは仕事と私生活が分離した
「ワークライフバランス」ではなく、
生きがいをお金に換えていく「ライフワークバランス」の時代である。
◆月に100時間しか働かない!
生活費を稼ぐことに関しては月に100時間しか働かない。
残りの時間はすべて自分の好きなことに使う!
◆クリエイティブなチームの特徴とは?
お互いの心遣い、配慮や共感がある。
◆VUCAの時代とは?
▶Volatility(変動が大きく)
▶Uncertainty(不確実で)
▶Complexity(複雑に絡み合い)
▶Ambiguity(曖昧)
な時代…
◆現物支給のベーシック・インカム社会 バリ島
バリ島は温暖な気候で水に恵まれ、
米を三期作で育てたりできる。
さらにバナナ、ヤシ、マンゴーがそこかしこに生えていて、
ニワトリは放し飼いにしていれば自然と成長する。
まるでバリ島は現物支給によるベーシック・インカムがすでに
整っている環境のように見える。
◆変化を生き抜く3つの選択肢
1)変化していくことをチャンスと捉えて、ずっと最先端を走り続ける生き方
2)宮大工のように、伝統職のなかで、コツコツと働く生き方
3)永遠のフリーターを楽しむ生き方