他人をバカにしたがる男たち by 河合 薫
河合 薫
東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。
千葉大学教育学部を卒業後、全日本空輸に入社。
気象予報士としてテレビ朝日系「ニュースステーション」などに出演。
その後、東京大学大学院医学系研究科に進学し、現在に至る。
「人の働き方は環境がつくる」をテーマに学術研究に関わるとともに、講演や執筆活動を行っている。
フィールドワークとして600人超のビジネスマンをインタビュー…
駅やコンビニで暴言を吐く、
上だけを見て仕事する、
反論してこない人にだけ高圧的、
相手の肩書き・学歴で態度で別人…
こんな人、気になりませんか?
女性の中でも進む、
現代人の「ジジイ化」に焦点を当て、
健康社会学の視点から、
わが国にはびこる「ジジイ」と「粘土層」の生態を分析!
70歳現役社会で男女が輝くヒントを紹介…
目次
第1章 老害はどこから発生するか―他人をバカにする「ジジイ」と「粘土層」
第2章 勝ち負けが気になる心理―社会的評価という魔物
第3章 「偉そうなオジさん」はなぜ存在するのか―見下し行動にひそむ不安
第4章 女をバカにする男たち―組織にみる性差のジレンマ
第5章 しかし、オジさんたちが日本を救う―「個の確立」という幻想の向こうへ
終章 オジさんオバさんが輝く社会のために―フェイクSOCからやる気SOCへ

MEMO
他人をバカにしたがる男たち
◆とにかく「動く」こと!
▶いろいろな面で成長したい
▶新しいことにチャレンジしたい
▶新たな自分を発見したい
こういった気持ちになったら、動く。
とにかく動く。
アレコレ考えずにとにかく動く。
◆人を幸福にし、健康にするのは、
「人間関係」である
◆日本は「他者を信頼しない国」へ
そして、「他人を信じられない」日本がたどり着いたのが、「孤独社会」である。
これが今の日本の姿である。
物理的に「孤立」すれば、
「あなたは大切な人」というメッセージを受け止める機会は激減する。
心も身体も健康でいたければ、
「つながり」を大切にすることが肝心である。
◆高度成長期の日本企業の強みとは何だったのか?
日本企業の特徴は、終身雇用に代表される心理的契約にある。
この「心理的契約」、
つまり「私は会社から大切にされている」と
従業員が思える企業との関係性こそが、
高度成長期の日本企業の強みだった。
ところが、1980年後半から「アメリカを見習え!」とばかりに、
日本の経営者たちは「成果主義」や、
契約社員制度を導入。
さらにバブル崩壊以降、
いとも簡単に「人」を「コスト」とし、
心理的契約の不履行(ふりこう)を平然と行うようになった。
◆人生で遭遇する困難やストレスは「雨」だと考える
にわか雨であれば折りたたみの傘、
土砂降りの雨であれば骨組みのしっかりした傘、
防風雨のときはレインコードといった具合に、
雨の降り方に合った傘を選べば首尾よく雨をやり過ごせる。
◆死を目前にした人が挙げる5つの後悔
1)他人が自分に期待する人生ではなく、自分自身に正直な人生を生きる勇気があればよかった
2)あれほど働かなければよかった
3)自分の気持ちを率直に表現するだけの勇気があればよかった
4)もっと友達づきあいをしておくべきだった
5)もっと幸せな人生を送ればよかった
幸福とは選択の問題である!
◆自分の本意ではない環境に身を置くことになっても、
他者の評価や社会の価値観ではなく、
自分の絶対的価値を信じ、
大切なものとそうでないもののすみわけをする。
その作業さえ怠らなければ、
無用な不安を感じることはない。
不安の反対は安心ではなく、
前を向くこと。
一歩踏み出すこと。
◆自分にとって価値あるものとは何か?
それを決めるのが「境界線」である。
境界線とは、自分の人生にとって重要であることと
そうでないことの境目のことで、
私たちは境界線の内側にある
「自分の人生にとって大切なもの」に対しては、
それがそこにあることに感謝し、
慈しむことができる。
いかなる困難や苦悩に遭遇しても乗り越えようと最善を尽くしことができ、
その大切なものが、境界内にちゃんとあり、
うまく回っていることで、
幸福感は高まってくる。
◆「たくさん稼ぐ」より「周囲より稼ぐ」を人は好む!
お金の価値を決めるのは絶対的な金額ではなく、
相対的な金額であり、
「いくら稼ぐか」ではなく
「周囲より稼ぐ」ことを人は好む。
◆ジジイ化を防ぐために何が必要か?
評価され続けている人、
勝ち続けている人、
モテ続けている人、
かっこよく生き続けている人にあって、
他人をバカにするジジイたちに欠けているモノ。
それは「SOC=Sense of Coherence」。
平たくいうと、人生のつじつま合わせ、
困難をやる気に変える力。
◆「ジジイ」とは「自分の保身のため」だけを考えている人
組織内で権力を持ち、
その権力を組織のためではなく
「自分のため」に使う人。
「会社のため」「キミのため」というウソを
「自分のため」につき、
自己の正当化に長けている人物。