「ラクして速い」が一番すごい by 松本 利明
松本 利明
人事・戦略コンサルタント。
HRストラテジー代表。
日本人材マネジメント協会(JSHRM)執行役員…
リストラされた5万人、選抜された6千人、その「差」は何なのか?
ズバ抜けて優秀な人がやっている仕事のコツ56。
目次
第1章:一発で決める
・「長い1回」ではなく、「短い10回」をスピーディに
・100点を目指すより、「60点の出来」で突っ込ませる
・ロジカルに話すより、「重要なことは何ですか?」と聞く
・報連相ではなく、〝ソラ・アメ・カサ〞で確認する
・じっくり考えるより、一字一句すぐ確認する
・〝自分の〞価値観より、〝会社の〞価値観を賢く利用する
・論理的に分析するより、逆張りで考える
・パワポは本文ではなく、「パンチラ」から着手する
・刺さるパワポのコツ:「打ち合わせ」「プレゼン」「講演」の場合
・パワポをきれいに見せる色使いとフォントの基本
・エクセルデータの確認は、この「2ステップ」で!
・エクセルは「11センチ×18センチ」の大きな電卓でチェック
・文章は目で追うより、声に出して音読する
第2章:スパッと割り切る
・「やりたい仕事」は捨て、「勝てる仕事」に注力する
・仕事は「緊急度」より、「成果が出る」を優先
・60分を超える会議には参加せず、重要アポを入れて堂々と出ていく
・うまくやるコツより、「普通の人と一番違うポイント」を聞く
・「自分1人の仕事」より、「相手がいる仕事」から着手する
・一生懸命やるより、先にしっかりゴールを描く
・「落としどころ」よりも、あえて「理想の姿」を追い求める
・仕事の依頼時は「作業」より、「作戦」を伝える
・「形容詞・動詞」より、「名詞・数字」をどんどん使う
・メールはすぐに返事せず、見れないようにして「チラ見」を防ぐ
・スマホは「フリック入力」より、音声入力の「Siri」を使う
・室温より、「二酸化炭素濃度」の調整で集中力アップ
第3章:抱え込まない
・苦手な仕事より、得意な仕事を人に振る
・どんなにイヤな仕事でも、まず「わかりました」と言う
・「やらせてください」と言わず、「過去・現在・未来」の3点セットで語る
・1日を8時間ではなく、6時間で考える
・〝昇る人〞は仕事ひと筋ではなく、「ムダ」を愛する
・整理整頓の前に、9割捨てる
・ファイル・フォルダをつくる前に、用語集をつくる
・〝水戸黄門作戦〞で上司の横やりに対処する
・打ち合わせはメモより、ホワイトボードにまとめる
・対面会議ではなく、電話会議を活用する
第4章:組織の「壁」を利用する
・「壁」を壊すより、安全地帯として利用する
・〝表の組織図〞にダマされずに、〝裏の組織図〞で本当のキーマンを見つける
・そのまま伝えるより、「欲」に訴えかけて動かす
・根回しはccメールではなく、直接送る
・仕事は「巻き込み」より、「共通の敵探し」でうまくいく
・「これでよろしいでしょうか?」より「こうしましょう! 」とはっきり言う
・根回しは「縦」だけでなく「横」もある
・仕事のできない3タイプにはこう対応する
・「自分がやった」とは言わず、〝ダチョウ倶楽部〞の法則でアピールする
・キーマンより、事務スタッフに頭を下げる
・ランチは1人で食べず、思い切って偉い人を誘う
第5章:自分で「できる」ようになる
・実力より先に、「できる人」という認知をつくる
・実績を積み上げる前に、〝虎の威〞を借りる
・やさしい人ではなく、気難しい人をメンターにする
・同業ではなく、異業種の成功法則をパクる
・自分の好きなところではなく、嫌いなところで差をつける
・月曜ではなく、水曜の昼にスケジュールを練る
・上司に確認する前に、「SL理論」を思い出す
・教わるのではなく、モノマネをする
・OJTは社内だけでなく、社外からも受ける
・行動計画は細かくではなく、小さく簡単に

MEMO
「ラクして速い」が一番すごい
◆整理整頓の前に、9割捨てる
「整理」とは、
必要なものと不必要なものを振り分け、
不必要なものを捨てること。
「整頓」とは、
必要なものを機能的に配置すること。
つまり、整頓の前に整理が必要となる。
週に1回は時間を決めて
資料やデータを整理する。
◆「昇る人」は仕事ひと筋ではなく、「ムダ」を愛する
一流の人は、
好奇心と探究心が半端なく旺盛である。
ムダですぐに成果が出ないようなことでも、
取り組んでいく中で価値を見出す。
◆「形容詞・動詞」より、「名詞・数字」を使う
話し言葉で使う形容詞は、
文章には不向きである。
形容詞を見つけたら、
名詞や数字に置き換えてみる。
例:
- 早く報告書を完成させる▶午前10時までに報告書を完成させる
- プレゼン資料を確認する▶プレゼン資料の誤字脱字を修正する
- 利益率を向上させる▶利益率を前年度3%アップさせる
このようにすれば誤解の余地がなくなる。
◆一生懸命やるより、先にしっかりゴールを描く
おおくの人は、
プランを考える順番が「逆」になっている。
ゴールにたどり着く道筋を最初に考え、
その通りにするための壁や課題を設定し、
クリアしていく手段を考えるのが
本当のプラン。
プランを立て、検証していくことで
PDCAサイクルがまわり、
検証するたびに正解に近づいていく。
人間の脳には、
「今やっていること」
「過去成功したこと」
を繰り返えそうとする性質がある。
この弊害を防ぐには、
現状を一旦無視し、
考える順番を「逆」にしてみる。
つまり、
ゴールを先に描き、
その次に「どうすれば実現するか?」
を考える。
◆仕事は「緊急度」より、「成果が出る」を優先する
あなたはTo Doリストの順番を決めるとき、
「緊急度」と「重要度」で決めていませんか?
現場では緊急度が最優先される。
ところが、
「緊急度が低く、重要度が高い仕事」の中に、
将来のメシのタネになる仕事、
あなたが本来やるべき仕事が多くある。
他人の「緊急度」に振り回されないこと。
あなたが「今すぐ」やるべきこと、
一番優先すべきことは、
「向いている」「成果が出る」ことである。
「向いている」「成果が出る」仕事を遠慮なく、
真っ先にスケジュールに入れる。
◆「やりたい仕事」は捨て、「勝てる仕事」に注力する
「勝てる仕事」とは、
自分に向いている仕事である。
では、自分に向いている仕事は
どうしたら見つかるか?
それは…
仕事上の「ありがとうの声」を聞けばいい。
この「ありがとうの声」があなたの
「提供価値」である。
あなたの職場で、
どんな「ありがとう」を言われているかを
素直に聞いてみる。
◆文章は目で追うより、声に出して音読する
資料の誤字脱字は意外と目立つ。
速く確実に文章のミスをチェックするには
どうすればいいか?
声に出して読み上げればいい。
音読して文章をチェックする。
人間の脳は、
文章を「ひとつの塊」として
認識してしまうが、
声に出すときは
1文字ずつ話すことになるので、
誤字や「てにをは」の間違いに気づく。
◆論理的に分析するより、逆張りで考える
企画やアイデアがイマイチなときは
どうやってクオリティを上げればいいか?
それは…
「逆」から見て発想すればいい。
コンサルタントの提唱する
難しいフレームワークや発想法はいらない。
固定概念を打ち破ったヒット商品は、
逆張り発想のものが大半である。
逆張りで発想する技術を身につけるのは簡単。
正しそうな話を逆の視点でとらえて反論してみる。
これを繰り返すだけ。
例:小さく見せるブラ(ワコール)
偽装して巨乳を見せたい女性がいる一方で、
巨乳に悩む女性の課題に応えて大ヒット。
◆ムダな努力の5パターン
- 一生懸命がんばるけれど、やり直しが多い▶一発で決める
- すべてに全力投球で、疲れ果てる▶スパッと割り切る
- 責任感を持ちすぎて、仕事を抱えすぎる▶抱え込まない
- 根回しに労力と時間をかけすぎ、疲弊する▶組織の「壁」を利用する
- 上司の指示通りやるが、結果が伴わない▶自分で「できる」ようになる
◆「ラクして速い」とは…
集中すべきものと、
捨てるべきものを正しく
取捨選択することである。
◆「ラクをする」とは
「手抜きをする」
「適当にする」
ということではない。
力の「入れ所」と「抜き所」を押さえ、
ムダな仕事を減らすことである。
◆「能力があり、仕事ができる」
から活躍しているのではない。
「ラクに速く仕事をしている」から
能力が上がり、
チャンスをつかんでいる。
◆「ラク」とは、
力の「入れ所」と「抜き所」を押さえ
ムダな仕事を減らすこと。
「速く」とは、
1秒でも早く
仕事を終わらせること。