ミライの授業

ミライの授業 by 瀧本 哲史

瀧本 哲史

京都大学産官学連携本部イノベーション・マネジメント・サイエンス研究部門客員准教授。
東京大学法学部卒業、同大学大学院法学政治学研究科助手を経て、マッキンゼー&カンパニーでおもにエレクトロニクス業界のコンサルティングに従事。
その後独立。エンジェル投資家として活動しながら京都大学で教鞭をとる…

学校は、未来と希望の工場である…

きみたちは「魔法」を学んでいる。

未来をつくる5つの法則

法則1 変革の旅は「?」からはじまる
法則2 冒険には「?」が必要だ
法則3 一行の「?」が世界を変える
法則4 すべての冒険には「?」がいる
法則5 ミライは「?」の向こうにある

目次

14歳のきみたちへ
「メイド・イン・ジャパン」から「メイド・イン・世界へ」/現在進行形の未来に備えようほか

ガイダンス――きみたちはなぜ学ぶのか?/きみたちが学んでいるものの正体/魔法はどこから生まれるのか/世界を変えた数学者、ニュートン/哲学ではない「あたらしい真理」へ/最大のキーワード「知は力なり」/人間を惑わす4つの「思い込み」ほか

1時限目 世界を変える旅は「違和感」からはじまる
きみが「冒険」に出る理由/問題解決から「問題発見」の時代へ/「戦場の天使」の意外な素顔とは!?/偉大なる統計学者、ナイチンゲール/頑固な医学者、森鴎外/未知の課題には「論より証拠」で取り組む/世界をひっくり返した男の正体/コペルニクスはなぜ30年も沈黙したのか? ほか

2時限目 冒険には「地図」が必要だ
自分だけの「仮説」を証明しよう/仮説の旗は「空白地帯」に立てる/ごくふつうの高校教師だった世界的化学者/あえて選んだイバラの道/空白地帯から大逆転のノーベル賞へ/中学一年生で起業を考えたビル・ゲイツ/マイクロソフトの社名に込められた想いほか

3時限目 一行の「ルール」が世界を変える
柔道が世界で愛されるたったひとつの理由/22歳の女性が日本社会を変えた/第二の故郷で憲法をつくる/日本の女性を救うために/世界にも類を見ない先進的な憲法/孤児院から世界的デザイナーへほか

4時限目 すべての冒険には「影の主役」がいる
勇者は仲間と「パーティ」をつくる/星を見上げる男、伊能忠敬/日本地図をつくったほんとうの理由/仲間と共有すべき「目的」と「手段」/忠敬の遺志を継いだ弟子たち/「鉄の女」と呼ばれた女性リーダー/サッチャーを陰で支えた「もうひとりの主人公」ほか

5時限目 ミライは「逆風」の向こうにある
変革者はいつも「新人」である/世界一の小説家になった「新人」/ハリー・ポッターが生まれた魔法の列車/逆境のなかで下したふたつ決断/8歳の少女に救われたハリー・ポッター/「小さな巨人」と呼ばれた日本人女性/困難に直面したら基本原則に立ち返る/誰からも期待されなかった国連難民高等弁務官ほか

ミライのきみたちへ

ミライの授業
ミライの授業

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MEMO

ミライの授業

◆おすすめ本

▶人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの by 松尾 豊
https://www.amazon.co.jp/dp/4040800206/

▶予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 by ダン アリエリ
https://www.amazon.co.jp/dp/4150503915/

▶勉強革命!「音読」と「なぜ」と「納得」が勉強力とビジネス力をアップさせる by 上田 渉
https://www.amazon.co.jp/dp/4838721145/

▶巨大な夢をかなえる方法 世界を変えた12人の卒業式スピーチ by ジェフ・ベゾス, ディック・コストロ, トム・ハンクス, その他
https://www.amazon.co.jp/dp/4163902279/

◆あなたが世界を変えようとするとき、
あなたの夢をかなえようとするとき、
周囲の人たちが応援してくれると思ったら大間違い。

◆パラダイム・シフトは世代交代のときに起きる

古い世代の人たちは、
どれだけたしかな新事実を突きつけても、
一生変わらない。

なにがあっても自説を曲げようとしない。

新事実が世の中の「常識」になるのは、
古い世代の大人たちが年老いてこの世を去り、
新しい世代が時代の中心に立ったときである。

つまり、「世代交代」だけが、
世の中を変える

これをパラダイム・シフトと呼ぶ。

パラダイムとは、
簡単に言うと
「ある時代に共有された常識」
といった意味である。

◆仮説は「空白地帯」を狙って立てる

そして仮説は、
時代や状況の変化に応じて柔軟に修正していく。

◆仮説の旗は「空白地帯」に立てる!

まず頭に入れてほしいのが
「仮説を立てようとしているのは、
あなただけじゃない」という事実。

たくさんのライバルがひしめく分野に
参入しても「その他大勢」になってしまうだけ。

あなたより優秀な人たちがいる可能性も高い。

だから、仮説とは「空白地帯」に立てることが大切。

それが世の中を変える鉄則である。

◆未知の課題には
「論より証拠」で取り組む!

まったく新しい課題に取り組むとき、
考えても考えても答えが見つからないときには、
目の前にある「事実」を拾っていく

たくさんの事実を積み重ねていった先に、
答えは見えてくる。

つまり、
「エビデンス・ベース」
で課題に取り組む。

◆「課題解決」から「課題発見」へ!

「なんの疑いももたず、
与えられた課題をガンガンこなす人」は、
いまやアジアやアフリカにもたくさんいる。

しかも彼らなら、
日本人よりもずっと安い給料で働いてくれる。

さらに、コンピュータやロボットを使えば、
人間よりずっと速く、
たくさんの課題をこなしてくれる。

こうして昔ながらの「課題解決」の仕事は、
もはや日本人には回ってこなくしまった。

では、これからどんな力が求められているのか?

それは「課題発見」の力である。

◆変革者たちは、
自分のなかに芽生えた「小さな違和感」を掘り下げ、
常識を疑い、ウソを見破ることから、
冒険をスタートさせてきた。

◆知は力なり

ほんとうの「知」は、
「疑うこと」からはじまる。

世の中にあふれる常識、
権威、限界、慣習など、
さまざまな「あたりまえ」に
疑問の目を向けること。

多くの人がスルーしている疑問を、
自分の頭で考えること。

それが「知」の第一歩である。

◆大人になっていくと、
仕事が忙しくて、
余計なことを考える時間がない。

仕事に直接関係しないような疑問は
「余計なこと」として切り捨ててしまう。

たしかな答えを知っているわけでもないのに、
疑問を感じることができなくなる。

なんとなく「わかったつもり」になっている。

つまり、
「思い込み」の罠にはまった状態になる。

——————————————
◆愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ

自分だけの経験、
自分だけのアイデア、
自分だけの方法にこだわるのは、
愚かなことである。

歴史を学ぶのは、
「過去になにがあったか」
を知るためではない。

「これからどうするか」
を考えるために歴史を学び、
過去の変革者たちを学ぶ。

本気で未来をつくろうと思うなら、
過去を知る必要がある。

◆人間を惑わす4つの「思い込み」

  1. 人間のからだや脳のしくみなどからくる「人間の思い込み」
  2. 自分の考えはすべて正しいと勘違いしてしまう「個人の思い込み」
  3. まわりの評判やうわさ話を鵜呑みにする「言葉の思い込み」
  4. 偉い人や有名な人の言うことを信じてしまう「権威の思い込み」

こうした思い込みの鎖を断ち切るには、
どうすればいいのか?

答えは「観察と実験」だ。

ただ考えるだけで、
思い込みに縛られてしまう。

もっと客観的に世界を眺めて、
思い込みでない、
事実(データ)を集める。

そして自分の考えを正解だと決めつけず、
何度となく実験してみる。

観察と実験をくりかえすことで、
少しずつ真理に近づいていく。

  1. 種族の思い込み(人間の思い込み)
    人間は、身体的な特徴、あるいは脳のしくみなどによって、なにかを知るうえでさまざまな制約を受ける。こうした「人間であること」に基づく思い込みを「種族の思い込み」と呼ぶ。
  2. 洞窟の思い込み(個人の思い込み)
    自己中な思い込みのことを「洞窟の思い込み」と呼ぶ。狭い洞窟のなかから世のなかを眺めているようなもの、という意味である。
  3. 市場の思い込み(言葉の思い込み)
    うわさ話など、伝聞にまつわる思い込みのことを「市場の思い込み」と呼ぶ。
  4. 劇場の思い込み(権威の思い込み)
    人間は「偉い人」や「社会的に認められている人」などの話を、つい鵜呑みにしてしまう。こうした思い込みのことを「劇場の思い込み」と呼ぶ。

◆学問の目標は、
地位や名声を得ることでも、
いばることでも、
誰かを言い負かすことでもない。

ほんとうの目的は、
人類の未来を変えるような、
発明と発見にある。

◆多くの人は、勉強そのものが嫌いなのではない。

勉強という、
「やる意味がわからないもの」
をやらされることが嫌いなのだ。

◆未来をつくる5つの法則

  1. 世界を変える旅は「違和感」からはじまる
  2. 冒険には「地図」が必要だ
  3. 1行の「ルール」が世界を変える
  4. すべての冒険には「影の主役」がいる
  5. ミライは「逆風」の向こうにある

◆世界全体を巻き込んだ
「安い人が選ばれる時代」。

人間さえも必要としない
「ロボットに仕事を奪われる時代」。

これは、
「現在進行形の未来」
なのだ。

◆このまま「安い人が選べる時代」
が進んでいった場合、
最終的に選ばれるのはどんな人たちか?

アジアの人たちより安く働いてくれる、
アフリカの人?

ボランディアで働く人?

正解は…

「ロボット」だ。

24時間、ひと言も言わずに働いて、
風邪で休んだり、寝坊したりすることもない。

しかも人間のような育成期間もいらず、
雇った(導入した)その日から
即戦力として働いてくれる。

当然、給料はゼロ。

こんなありがたい「社員」はいない。

この先10~20年のあいだに、
働く人の約半分がロボットに仕事を奪われかねない。

◆安い人が選ばれる時代!

現在、日本人が誇ってきた職人的な技術や手先の器用さは
必要とされなくなり、
多くのの仕事が「誰がやっても同じ」になってきた。

誰がやっても同じなら、
企業は「より給料が安い人」を選ぶ。

具体的には、
アジア各国に工場を作り、
現地の人たちに働いてもらう。

もはや「メイドインジャパン」であることに意味がなく、
わざわざ日本人を雇う理由もなくなった。

誰がやっても同じ仕事である限り、
「安い人が選ばれる時代」になった。

投稿者: book reviews

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