アドラーの教え – 出生順位と性格

◆出生順位と性格

  • 第一子・兄の性格
    第一子、または一人っ子の場合、最大の特権は「親の愛をひとり占めしていた時代」を持っていることである。第二子以降に生まれた子どもは、親を「ひとり占め」する経験を持たない。常に先を行くライバルがいて、多くの場合が競争関係に置かれる。ただし、かつては親の愛をひとり占めしていた第一子も、弟や妹の誕生によって、その地位から転落せざるをえない。この挫折とうまく折り合いをつけられない第一子は、いつか自分が再び権力の座に返り咲くべきだと考える。「過去の崇拝者」となり、保守的な、未来について悲観的なライフスタイルを形成していく。力と権威の重要性をよく理解し、権力の行使を好み、法の支配に過大なる価値を置く。まさに保守的なライフスタイルである。ただし、弟や妹が生まれたとき、すでに協力や援助についての教育を受けていれば、第一子は優れたリーダーになっていく。両親の育児を模倣して、弟や妹の世話をすることに喜びを見出し、貢献の意味を知る。
  • 第二子の性格
    典型的な第二子はすぐにそれとわかる。第二子には、常に自分の前を走るペースメーカーがいる。そして第二子の根底には、「追いつきたい」との思いがある。兄や姉に追いつきたい。追いつくためには急がねばならない。絶え間なく自らを駆り立て、兄や姉に追いつき、追い越し、征服したいとさえ目論んでいる。法の支配を重んじる保守的な第一子と違って、誕生順位という自然法則さえ覆したいと願っている。ゆえに第二子は、革命を志向する。第一子のように既存の権力におさまろうとするのではなく、既存の権力を転覆することに価値を置く。
  • 末っ子の性格
    一般的に末っ子は、家族のほかの者とまったく違った道を選ぶ。もし科学者の家庭であれば、音楽家か商人になるだろう。商人の家庭であれば、詩人になってるかもしれない。いつも他の人とは違っていなければならないのである。
  • ひとりっ子
    上にも下にもライバルがおらず、ずっと権力の座にとどまり続ける。しかし、父親がライバルとなる。母親の愛を独占したいと願うあまり、父親をライバル視してしまう。いわゆる、マザーコンプレックスを発生させやすい環境にある。問題はひとりっ子の置かれる、心理的不安である。まず、周囲を見渡しながら、いつか自分にも弟や妹が生まれ、この地位を脅かされるのではないかという不安にさらされる。あらたな王子、あらたなお姫さまの誕生を、ことのほか怯えて暮らす。もっと気をつけるべきは、両親の臆病さである。ひとりっ子の両親には、「経済的にも、労力の面でも、自分たちにはこれ以上の子どもを育てる余裕がない」と考え、単独子のまま子どもをつくらない夫婦がいる。実際の経済状況がどうであるかにかかわらず。

    彼らの多くは人生に臆病で、悲観的である。家庭の雰囲気も不安に満ちていたり、たったひとりの子どもに過大な重圧をかけ、苦しめることになる。

book116

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする