ハーバードの人生を変える授業 by タル・ベン・シャハー
タル・ベン・シャハー
ハーバード大学で哲学と心理学を学び、組織行動論で博士号を取得。
ハーバード大学で受け持った授業には、学生が殺到し、『ニューヨーク・タイムズ』紙、『ボストン・グローブ』紙などで大きく取り上げられた…
「幸せ」研究の第一人者が授ける
52のレッスンで人生は劇的に変わる…
▶感謝ノートをつくる
▶変化するために、新しい習慣を取り入れる
▶最も深いところにある感情や思いと向き合う
▶するべきことを減らして生活をシンプルにする
▶目標に到達している様子をイメージし、成功までの道筋をつくる
目次
感謝する
習慣化する
運動をする
仕事への考え方を変える
意義を見いだす
思いやりの心をもつ
困難から学ぶ
すべてをシンプルにする
プロセスを楽しむ
理解し、理解される〔ほか〕

MEMO
ハーバードの人生を変える授業
◆天職を見つける
人は仕事を「労働」「キャリア」「天職」の
3つのうちのひとつとしてとらえている。
▶労働
労働は基本的に退屈なものであり、個人の充足感よりも金銭的な報酬に関心がおかれている。朝、仕事に行くのは「そうしたいから」というよりも、「そうしなければならないから」だ。仕事を「労働」と捉えている人たちは、仕事に対して給料以外には、何の期待も抱いていない。そして金曜日の夜や休みを心待ちにしている
▶キャリア
仕事を「キャリア」と捉えている人たちは、お金や昇進といった外的要因や、権力や特権を獲得することが働くための主な動機となっている。彼らは、出世して職業上の階層を上がっていくことを望んでいる。
▶天職
働くことを「天職」と感じている人たちにとっては、働くこと自体が目的だ。給料や昇進もたしかに重要だが、彼らは働きたいから働いている。自己の成長や向上などの内的な動機付けから仕事をし、精神的に充実している。
◆お金を理解する
富と幸福の間の関連性は低い。
高収入があると幸せになれると広く思われているが、
それは幻想にすぎない。
収入が人生の満足度にあたえる影響は
一時的なものにすぎない。
人はいったん物質的な富を手に入れると、
それを手に入れようと興奮していいたときに
比べて精神的にずっと落ち込んでしまう。
平均以上の収入のある人は
比較的人生に満足してはいるが、
そのときどきの体験において他の人と比べるより
幸せを感じるというわけではない。
◆決断をする
ビジネスとは決断だ。
決断をしなければ失敗もない。
リスクを冒さなければ成長はあり得ない。
成功している会社はどこも、
山のような失敗をしている。
◆やる気が最大となるのは、
成功する可能性が五分五分の場合である。
◆マインドフルネス瞑想する
マインドフルネスとは、
自分がしていることを十分に理解し、
判断や評価なしにいまの瞬間をできるかぎり
受け入れるようにすること。
「いま、ここ」に焦点をあて、
やっていることを体感し、
好き嫌いにかかわらず湧きあがる感情を味わって
いることがマインドフルな状態だ。
瞑想によって生活の質を大きく向上させるためには、
定期的に行うことが大切。
◆解釈を変える
人は出来事そのものに対し反応するというより、
その出来事への自分の解釈に反応する。
ある出来事をどう解釈するかによって、
思考が生まれ、その思考によって感情が生まれる。
◆自然の要求を無視して体と心を酷使し続ければ、
個人としても社会としても
その代償を支払うことになる。
定期的に休憩し回復する時間をとるだけで、
精神科でもらう薬と同じような効果がある。
◆1本のろうそくから何千本ものそうろくに
火をつけることができる。
かといって、
それで最初のろうそくの寿命が短くなることはない。
幸福は、分かちあうことで決して減らない。
◆自分という人間について考える最良の方法は、
どんな精神的、道義的考え方をしたとき、
一番いきいきと生きていることを実感できるかを探ることである。
人はそうした瞬間、
心の中の声が聞こえる…
これこそが本当の自分だ、と。
◆価値ある行動をする(80対20の法則)
20%の時間に努力を注ぐことで、
期待する80%の結果は得られる、
それにより時間をもっと有効に使えるようになる。
◆完璧主義者と最善主義者の違い
完璧主義者:
・失敗を拒否する
・つらい感情を拒否する
・成功を拒否する
・現実を拒否する
最善主義者:
・失敗を受け入れる
・つらい感情を受け入れる
・成功を受け入れる
・現実を受け入れる
現実を拒否していると、
永久に幸せにはなれない。
◆失敗から学ぶ
諦めずに立ち向かうことは、
勝ち負けや、失敗か成功かという結果よりも、
自尊心にとって、
長期的にいい結果をもたらす。
実際に失敗したときのつらさよりも、
失敗するかもしれないと感じるときの恐怖のほうが、
実は私たちを痛めつける。
失敗からより賢く、
強くなったということに気づけば、
これからもずっと生き延びていけると
自信を持つことができる。
人は逆境で試されて初めて、
真の自分自身や人間関係の強さを知る。
実際に失敗を経験し、
それを超えることによってのみ、
失敗にどう対処するかを学ぶことができる。
困難や障害と向き合うのが早ければ早いほど、
人生の避けられない障害にうまく対処できるようになる。
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◆プロセスを楽しむ
たとえ現在の利益を将来のより大きな利益のために
諦めることになっても、
できるだけ将来の役に立つ活動に時間をかける。
◆すべてをシンプルにする
私たちの多くが、
多忙な競争社会の中で暮らしている。
では、その中でどうしたら生活を
より楽しむことができのか?
残念ながらこれを解決する特効薬のようなものはない。
私たちは生活を簡素化し、テンポを遅くするしかない。
嬉しいことに、
するべきことを減らして
生活をシンプルにしても、
成功は妨げられるわけではない。
◆困難から学ぶ
本当に幸福になるためには、
ある種の自己啓発本や精神科の薬が回避しようとするような、
不快な感情やつらい体験が必要だ。
人は困難を克服することで幸福になれる。
人は困難な時期があるからこそ、
より大きな喜びを感じられるようになる。
困難こそが、
人生におけるすべての喜びへの感謝の気持ちをつくり、
この感謝の気持ちこそが、
真の生きがいや喜びの源になる。
◆瞑想(マインドフルネス)
を習慣化する
◆思いやりの心をもつ
自分の利益と他者の利益のどちらかを
選ばなくてはいけないという考え方は間違っている。
人を助けることと自分のために行動すること、
その2つは密接に絡みあっている。
つまり、他者の役に立てば立つほど、
私たちの幸福感は大きくなっていく。
そして自分が幸せになればなるほど、
さらに他人のためにも何かしたいと思うようになる。
◆運動をする
うつ病と診断された患者の大半にとって、
週3回、1回30分間の運動を行うことは、
抗うつ剤を服用するのと同じような効果がある。
別の言い方をすれば、
「運動しない」ことは
「憂うつになる薬を服用しているのと同じようなもの」
である。
運動は医者にとって
夢のような治療法である。
運動には、
自己評価や思考力・免疫力を高める、
寿命をのばす、
よりよい睡眠が得られる、
よりよい性生活を行えるといった
副次的効果がある。
◆習慣化する
変化するために必要なのは、
自制心を養うことではなく、
習慣を取り入れることだ。
習慣をつくるには、
確固たる価値観に基いて決められた行動を、
特定の時間に行うことが必要である。
◆感謝する
毎日1~2分、感謝する時間をとると
思いもかけない効果をもたらす。
人生をもっと肯定的に評価できるように
なるだけでなく、
幸福感が高くなり、
ポジティブな気分を味わえるようになる。
最終的に、感謝をするとよく眠れるようになり、
より多く運動するようになり、
身体的な不調も減る。
◆生産的知識とは?
単なる知識ではなく、
自分たちをとりまく世界をよく理解して、
状況にうまく対処するための知識。
◆リフラクション ▶ 反映させて行動する