これからを稼ごう

これからを稼ごう: 仮想通貨と未来のお金の話 by 堀江貴文

堀江貴文 (ホリエモン)

1972年、福岡県生まれ。
実業家。SNSmedia&consulting株式会社ファウンダー。

東京大学在学中に有限会社オン・ザ・エッヂを設立。
元株式会社ライブドア代表取締役CEO。

現在は宇宙ロケット開発事業を中心に、作家活動、ビジネスコンサルティング業務のほか、スマホアプリ「TERIYAKI」「755」のプロデュース、和牛アンバサダーユニット「WAGYUMAFIA」など、多ジャンルで活動…

ビットコインが目指した自由、
イーサリアムがもたらす大変革、
そして新しく訪れる個人と会社・国家との関係性とは?

仮想通貨から学ぶ「これからの経済学」…

目次

第1章 僕らは1000年に1度の転換期を迎えた
・マウント・ゴックス事件で学んだこと
・盗難NEMと日本銀行券
・通貨の歴史で最大級のインパクト
・「投機」はなぜ必要なのか
・ビッグ・マネーという経験
・世界中にお金が余っている

第2章 ビットコインと自由
・初めてビットコインを知った時
・ブロックチェインとマイニング
・リバタリアンの思想
・資産防衛としての仮想通貨
・お金を作るということ
・干渉させない仕組み

第3章 イーサリアム革命
・ヴイタリック・ブテリンという異能
・スマートコントラクトとは
・社会のすべてが変わる時
・DAOが提示する未来の組織
・ICOとは何か
・ICO、その本当の価値

第4章 国家と通貨と仮想通貨
・リップル人気の理由
・銀行コインと共通ポイント
・リスクを取るということ
・デジタル法定通貨の可能性
・テクノロジーは超越する
・規制とイノベーションのいたちごっこ

第5章 トークンエコノミーの中で
・シェアリング2.0時代
・クラウドファンディングの可能性
・評価経済社会の指針
・お金が要らなくなる社会
・君はどう生きるのか
・評価経済の不安
・すべては「これから」のこと

これからを稼ごう
これからを稼ごう

Amazonに移動する…

MEMO

これからを稼ごう

◆お金がなくて不安だとか、
資産を少しでも残したいとか、
そんな小さな悩みにとらわれていると、
「これから」を見失う。

◆いつまであなたは、円建てて、人生を考えているのか?

お金について考えるとき、
多くの人々は、
日本円と結びつけた思考しかできない。

だから損得勘定から、
抜け出せない。

仮想通貨の中で経済取引ができるようになると、
人はひとつの通貨の多寡だけに惑わされることがなくなる。

仮想通貨と法定通貨、
あるいは仮想通貨同士の相互関係を前提といsて、
複眼的に経済の動態を捉えることができる。

持っているそれぞれの通貨が増えた減ったはどうでもいい。

自分が選択し、納得できる特定の経済圏で、
いかに「自分の富」を構築していくか、
というフェーズで思考できるようになる。

日本円の貯金は1円もないのに、
仮想通貨や信用の貯金だけで、
遊びを仕事にして円建ての生活とまったく
変わらないレベルで暮らしている。

そういう人が、
これからもっと増えるだろう。

◆時給いくらとか年収いくらとか、
それは高い、こっちは安くて得…など、
お金換算で物事を考えがちな人ほど、
モテない属性に固定される。

モテない属性の思考は、
モテない現実を呼び込む、
よけいモテなくなるという悪循環に陥っていく。

貧乏人が、
さらに貧乏になるのと同じメカニズムだ。

◆通貨の縛りから解放されて
自分の時間を楽しむ…

◆辛いことはAIに躊躇なく任せ、
自分の時間を生きよう。

そういう人が、
お金ではない「評価」を高められる。

それがひいては、
「信用」となるのだ。

社会は今、
急速に「評価経済社会」に舵をきっている。

お金にできない評価を多く集めた人が残っていく。

お金より、信用稼ぎだ!

◆先の予想や心配なんて、
何の意味もない。

誰もが、
永遠の時間を持っているわけではない。

まず「いまここ」の時間の使い方を
大事に考えないとダメだ。

◆ベストセラーとなった
「サピエンス全史」には、
「人間はかつて穀物の家畜だった」
という記述がある。

狩猟採集生活をしていた頃、
人々は喜び勇んで、
狩りに取り組んでいたはずだった。

しかし農耕生活を始めたことで、
生きるために、
嫌でも畑を耕さなければならなくなった。

人々は集団=家族で暮らし、
土地に根を張って生きていく選択を強いられた。

その果に、
住む地域を移動したり、
仕事を選ぶ自由を失ってしまった。

そもそも産業革命によって、
機械化が進んでからは、
人は生きるために働く必要がなくなったはず。

しかし市場原理のなせるワザなのか、
産業革命以降も安い仕事でも渋々働いてきた人たちが、
ほとんどだ。

「食べていくために」
安い仕事でも我慢している人たちが、
実は経済発展において、
大きなネックだ。

低い待遇で働こうという集団がいる以上、
労働単価は上がらないのだ。

「こうあるべき」という妄想に、
意味もなくとらわれている人が多すぎる。

働くとは、辛いこと。

そんなこと誰が決めたのだ?

遊んで暮らしてもいいし、
遊んで食べていける環境は
もう整っているのだと、
どうして気づかないのか?

決まったオフィスで働き、
毎日決まった家に帰らなければ生きていく必要なんてないのだ。

安い賃金で、
いやいや仕事している人は極端な話、
社会の発展を邪魔していると思ってくれた方がいい。

コンビニやスーパーのレジにしても、
不満が出るような安い時給でも、
その仕事を選ぶ人がまだたくさんいるから、
全体的な機械化が進まないわけだ。

不満のある仕事を選ぶ人がいなければ、
その仕事の動労単価は上がり、
人件費が機械化のためのシステム開発コストを超える。

そうなれば不満を言いながら働いていた人たちは、
好きな別の仕事に就くことができる。

やりたい仕事で楽しく、
笑いながら働く人たちは、
もっと増えるだろう。

仕事観も家族観も、
もっと合理的に自分を解放しよう。

◆よく
「生活のために働いている」
「家族を食べさせるために働いている」
という言葉を聞く。

それとは反対に、
「生活のために遊んでいる」
「家族を食べさせるために遊んでいる」
人生は…

夢想ではないと、
気づいてほいし。

生きるための仕事なんていうものは、
なくなったのだ。

◆今後は、
お金などの資本に変換される前の価値を中心とした世界へ変わっていく。

「資本主義」から「価値主義」への流れが起きている。

人々の働き方は、
根本から変わっていく。

労働の大半をロボットが請け負う、
本物のAI時代が到来する。

その変化を、
より意識しながら、
お金を使っていかねばならない。

◆AIによってすべてのインフラが無料で済み、
人々が職に就かなくても一生、
楽に暮らしていける世の中は、
きっと到来する。

いわゆる技術的特異点(テクノロジカル・シンギュラリティ)の到来は、
人工知能研究者の間では2045年と推測されている。

わずか4半世紀と少し。

そんな遠い未来ではない。

そんな社会で、
豊かになれる人は、
どんな人だろうか?

お金との交換ができない
独自の価値基準を持っている人だ。

◆これまでの歴史では、
働く対価として、
お金は機能してきた。

お金の対価を求めて働き続けたせいで、
「お金のために働く」
「働かないと生活できない」
「幸せになれない」
といった誤った常識が、
固定化してしまった。

ところが、
テクノロジーのおかげで、
人間が汗水垂らして働かないといけない場面は、
どんどん減っている。

ということはお金の出番が減っている。

以前ほどには、
ありがたくなく、
投じた手間や苦労を、
ねぎらってくれるものでは、
なくなっている。

◆私たちは、
何かやることがないと、
何かを生産し続けていないと、
「不幸になる」と思いこんでいる。

仕事をしていないと、
満足できなくなっているのが、
現代人だ。

さらには、
働いていないと金は得られないという
常識にとらわれている。

Google創始者の2人の賢人は、
その常識は単なる幻想だと気づいた。

仕事や機会を奪うのは、
テクノロジーではなく、
人々が勝手に作り出した幻想なのだ。

テクノロジーは人間から何かを奪ったりしない。

金も仕事も、
奪うのは人間の思考だ。

◆お金が要らなくなる社会

これからは、
「遊びが仕事になる」。

要は「働かなくてもいい世界」が、
現実のものになりつつある。

Googleのペイジ氏は、次のように語った。

今はもう充分に「豊かな時代」なのだから、
必死になって働く必要はないのでは?

我々が幸せになるために必要な資源は、
かなり少ない。

今ある資源の1%以下じゃないかと思うくらいだ。

多くの不必要な活動が、
忙しさや環境破壊の元区になっている。

◆メルカリにしろ、VALUにしろ、
タイムバンクやCASHといったサービスにしろ、
それこそビットコインをはじめとした仮想通貨も同じだ。

これまで値段がつかないと思われていたものに値段がついた。

隠れていた「価値」を可視化させ、
あるいは新たに生み出してしまった。

◆自費出版したいなら▶クラウドファンディングの購入型

たとえば、あなたが本を出版したいなら、
クラウドファンディングの購入型を利用して
本を執筆する前に「予約販売」するという手法がある。

2000人から5000人ぐらい予約販売できれば、
出版社と交渉するときあなたが
2000冊から5000冊買い取りますといえば
即刻出版OKになる。

◆クラウドファンディングの可能性

クラウドファンディングには、

・寄付型
・投資型
・購入型

の3つの種類がある。

投資型と寄付型の利用率は、
現在のところ全体の数%程度しかなく、
圧倒的に購入型が多い。

◆カジュアルな通貨発行

トークンエコノミーでは、
カジュアルに「通貨」が発行できる。

誰でも発行できる
カウンターパーティー(Counterparty※)
などを使えば、
コーディングの技術がなくても
比較的簡単にトークンを出せる。

※カウンターパーティーとは、
ビットコインのブロックチェーン上に構成されたプラットホームのうちのひとつ。

独自のブロックチェーンを持つ他の仮想通貨とは違い、
ビットコインのシステムを「間借り」するような形で存在している。

ビットコインのシステムを「間借り」している、
というのは簡単に言うと
「ビットコインの取引データに意味をプラスする」
という方法を利用している。

なのでカウンターパーティーを利用する際は
ビットコイン(BTC)が必要になる。

さらに、
カウンターパーティーというプラットホームを利用するには、
XCPという通貨が必要になる。

したがって、
ビットコインのシステムを「間借り」し、
このプラットホームを利用するためには
BTCとXCPが必要になる。

なお、XCPはZaif(ザイフ)などの取引所から買うことができる。

◆現在、
英語圏のオンライン決済インフラを握るのはペイパル(PayPal)だが、
なぜペイパルが伸びたかといえば、
世界最大のオークションサイトであるeBayに買収されたからだ。

なぜ、日本でPayPalが流行らなかったかといえば、
eBayが流行らなかったからだ。

eBayは日本市場でヤフオクに完敗した。

だから、本来ならばPayPal的なモバイル決済サービスは、
ヤフー・ジャパンがやるべきだったのだ。

今ならば、メルカリだ。

◆お金がある人はZOZOTOWNで洋服を買って、
インスタに写真を上げたあと、
メルカリに流すという行動に出る。

お金がない人は、
メルカリに流れた服を買って、
やっぱりインスタに上げて、
再びメルカリに流す。

これは、
結果的にシェア経済ということだ。

投資と消費の差がなくなり、
凄まじい勢いでリセールマーケットが拡大していく。

◆衛星ネットワークは、
グレートファイアウォールを破壊するのではなく、
遥か上空から超えていく。

東ドイツは人工衛星を規制できなかった。

そして、どの時代にも法の目をかいくぐって
世の中を変えてやろうという勢力や、
そもそも法を意識しないアウトローが現れる。

規制はその性質上、
先回りができない。

何か統治側にとって都合の悪い問題が起き、
世論が盛り上がり始めたときに、
初めて対応に動き始める。

それでは遅い。

すでに一定の規模でグローバルに浸透していった
イノベーションを一国の都合で潰すことは、
絶対にできない。

テクノロジーは常に優越するのだ。

テクノロジーの持つ力をもってすれば、
国家の通貨発行権ぐらいは、
当然将来的にはなきものになるだろう。

ただ、こうしたことはある日、
突然すべてが一変するものではない。

徐々に、静かに変わっていく。

規制は決して技術に対抗できない。

守る側の方が、遅い。

◆実際に、
バイナンス社が日本・香港・中国から警告を受けた後、
会社の移転先として選んだのは、
法人税が安く、外国人でも容易に会社が設立できる
地中海のマルタだ。

そして、同社の従業員は世界中に
散らばっている。

元々は中国・上海を拠点にしていた同社だが、
すでに組織自体が分散化している。

◆仮想通貨の取引所が全面禁止されれば、
今度はDEX(分散型取引所)や
アトミックスワップといった技術が生まれる。

中央管理者が不在で、
規制の及ばない国にサーバを置かれてしまえば、
政府は対処しようがない。

◆G20の結論は、
仮想通貨に一定の資産価値を認めながらも、
通貨としては認めないというものだ。

これは当然の結論といえる。

通貨発行権と、
それに伴う利益は、
長らく国家が国家を形作るために、
大きな力のひとつだった。

日本をはじめとする先進国が、
進んでこれを手放すことはない。

◆モンゴルでは国民のソーシャルセキュリティナンバーから
ウォレットの配布を計画している。

◆日本でキャッシュレス化が遅れた理由は、
飲食店の責任もあると思う。

現金払いの飲食店は、
クレジット決済だと数%のカード会社への
手数料が発生するのを理由が挙げるが、
現金を扱う管理コストを考えてみた方がいい。

◆テクノロジーと金融の融合において、
日本は致命的に後れを取っている。

その最たる例が、
いまだに現金での決済率が8割を占めているという
異常な事実である。

◆2018年3月20日に閉幕したG20で、
各国の財務相・中央銀行総裁たちは、
仮想通貨を「クリプトカレンシー(暗号通貨)」ではなく、
「クリプトアセット(暗号資産)」と位置づけた。

ビットコインは価値の尺度・保存・交換の3要素を満たす
「通貨」ではなく、
貨幣を通じて価値が評価可能な「資産」だというのが、
各国のコンセンサスになる。

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◆金融庁の思惑

コインチェク社は金融庁から業務改善命令を受けた。

事件後、金融庁は仮想通貨交換業の登録事業者、
みなし業者に対して、
それこそ銀行並のセキュリティを求めている。

システム部門だけではなく、
コールセンターなどの対応も含めてだ。

おそらく金融庁は、
トークンやアルトコインひとつひとつに対して、
証券取引法に準じた形で規制をかけたいのだろう。

ビットコイン、ビットコインキャッシュ、モナコインといった
オーソライスされているものは別として、
新規で「上場」する、取引所で扱って誰でも買えるようにするためには、
じっくりと上場審査のようなことをしたいのだと思う。

そうすると、バイナンスのような海外の取引所は、
自分たちが取り扱うコインの一部だけしか、
日本居住者向けには提供できないということになり、
日本国内で免許を取得するメリットは薄くなる。

実際、事件後のコインチェックでは、匿名通貨の取扱を中止した。

◆ビットフライヤーなど、
仮想通貨と取り扱う大手事業者は一般的に
「仮想通貨取引所」と呼ばれていた。

「取引所」とは、
売り板と買い板、つまり「この金額で売りたい」「この金額で買いたい」
というマッチングの場だ。

コインチェックも慣例にならって「取引所」と呼ばれることが多かったが、
売りと買いの板が立っていたのはビットコインだけ。

ネム(NEM)やリップル(XRP)、ライトコン(LTC)など、
ハッキング当時取り扱っていた全13銘柄のアルトコインについては、
「販売所」だった。

「取引所」の収益は、
売りと買いの成立した際の手数料だが、
「販売所」の場合は、販売所が売りの値段と買いの値段をそれぞれ決めている。

売値は市場価格よりも高く、買値は安い。
売買差益、スプレットというやつだ。

ネム(NEM)のようなボラティリティが大きいコインはスプレットも非常に高い。

だから、580億円のネムがハッキングされても利益が出せたのだ。

ちなみに、マネックスがコインチェクを買収してから
匿名通貨(Monero/モネロ、Dash/ダッシュ、Zcash/ジーキャッシュ、Augur/オーガー)
の取扱を廃止した。

これにより収益率がかなり落ちると思われる。

◆銀行の最大の武器は、
ブランド力による「信用」と中央管理による「安全性」だが、
ビットコインは、取引相手を必ずしも信用してなくても成立する
仕組みを作り上げた。

テクノロジーの面だけでいえば、
最高峰の安全性を持っている。

仮想通貨を貯めておくウォレットは、
銀行口座と違って、
いくらでも持つことができるし、
ビットコインの世界では週末の夜中にコンビニの
ATMが使えず、途方に暮れることもない。

ぼったくりの手数料ビジネスもない。

◆リップルは、
コンセンサスアルゴリズムにPoC(Proof of Consensus)を使用しており、
トランザクションの承認は、
あらかじめリップル社が承認したノードのみによって行われる。

これが「中央集権的」だという批判受ける理由だ。

Bitcoinの思想はディセントライズドされた未来にある。

PoWの合意形成アルゴリズムにより、
運営主体がないということが、
お金に対するフェアネスにつながるという考え方だ。

それに対してリップルの思想は、
とても現実的ともいえる。

◆リップルが人気を博した背景には、
権威に対しての無自覚な「安心感」というものがある。

「大企業が認めている仮想通貨」という安心感もそうだし、
リップルが既存の国家や通貨、
銀行と共存する存在、
つまり、通貨発行や金融システムという、
国の既得権益を脅かさない存在というのも、
安心感につながる。

◆リップル人気の理由

リップル社がミッションとして掲げるのは、
銀行などの金融機関による国際間送金という分野だ。

手数料が高く、着金までに時間のかかる現在の国際間送金を、
リップルという分散型ネットワークを用いることで劇的に改善させる。

XRPはリップルネットワーク内の通貨となるが、
その主たる機能は、
たとえば日本円とドルなど、
2種の法定通貨の両替の手間を減らすために間に入る「ブリッジ通貨」というものだ。

また、ネットワークを使った送金を行う際に、
決済手数料としてXRPを消費する。

◆イーサリアムやビットコインをはじめとする
仮想通貨の考え方は、
DAO(※)の考え方に基づいている。

中心にブロックチェインがあり、
それは誰からの干渉も受けず、
自動的に執行される。

プログラムに従い、
ブロクチェインのメンテナンスを続けていくことで、
人は報酬を得ることができる。

※DAOとは「Decentralized Autonomous Organization」の略で自律分散型組織という概念。

◆The DAOは、
ドイツのスタートアップである「Slock.it」によって始められた
投資ファンドのプロジェクトだった。

一般的な投資ファンドは、
特定の運営母体が資金を集めて投資先を決定し、
利益を出資者たちに配分する。

それに対してThe DAOは、
イーサリアムのスマートコントラクトを利用して
自律分散型の投資ファンドを目指していた。

プロジェクト内で使用されたのが、
トークンの「DAO」である。

投資家として参加するには、
ETHベースのDAOトークンを保有する必要があった。

保有者は、投資先を決定する投票に参加できる。

原資はDAOトークンが購入された際の資金が一括でプールされており、
運用収益は出資比率に応じてトークン(要はETHだ)で支払われる。

このファンドは世界中から注目を集め、
ICOは歴代最高額の150億円以上を調達する。

しかし、その直後、The DAOからは364ETH(当時のレートで約65億円分」が盗み出されてしまう。

ところがハードフォークにより「盗まれたことがなかった」ことにされた。
この決定はハードフォーク反対派に遺恨を残すことになる、
そしてイーサリアム・クラシック(ETC)が生まれた。

◆トークンは「ブロックチェイン上で発行した独自コイン」だ。

イーサリアムのプラットフォーム上で作成されたトークンは、
ETHと同様に送金などができる。

これを定義したのがERC20という規格だ。

ERC20がサポートされているウォレットで保管・取引が可能となる。

ウォレットの代表的なものだと
「MyEtherWallet」がある。

ERC20はイーサリアムのネットワーク上のすべてのトークンが
使用する共通言語であるたえ、
ウォレットを持つ人同士でれば、
自分が保持しているトークンと別のトークンと交換することも可能だ。

これを利用すると、
「Airdrop」という投げ銭的なこともできる。

あるERC20トークンを持つ人が、
イーサリアム所有者に対して自分の持つトークンを一方的に送信して、
新サービスのプロモーションを行ったり、
早くからトークンの流動性を上げたりと、
いろいろな活用法が考えられる。

◆日本だろうとアメリカだろうと、
国なんていうものは、
案外信じられないものだ。

◆お金というのは、
人の共同幻想の産物なのだ。

◆今の世の中は完全な
「金余り」が起きている。

◆はっきり言えば、
Bitcoinが流行るために必要だったのは
「投機」だった…

「儲かるだろう」という投機目的で、
多くの人がは入ってくることが必要だった。

投稿者: book reviews

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