WHYから始めよ!

WHYから始めよ!―インスパイア型リーダーはここが違う by サイモン・シネック

サイモン・シネック

リーダーや企業、非営利組織に対して「人々をインスパイアする方法」を伝授してきたコンサルタント。
これまでアメリカ連邦議会議員、外交官、国連、国防総省、マイクロソフト、アメリカン・エキスプレスなどでWHYの力を伝授してきた。
コロンビア大学で戦略的コミュニケーションプログラムの講師を務めるほか、ランド・コーポレーションの非常勤研究員も務める…

理念と大義を掲げてみんなを巻き込み、
奮起させ感激させる企業とリーダーには意外な共通点があった!

アメリカで大人気のコンサルタントが、
組織の内外の人たちに感銘を与え、
やる気を起こさせ、
アイディアやビジョンを発展させる手助けができる
“インスパイア型リーダー”になる方法を伝授…

目次

はじめに なぜ、WHYから始めるのか?
第1部 WHYから始まらない世界
第2部 WHYから始まる世界
第3部 リーダーには信奉者が必要
第4部 信じる人間をどう集結させるか
第5部 成功は最大の難関なり
第6部 WHYを発見する

WHYから始めよ!
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MEMO

WHYから始めよ!

◆決断はWHY(感情)を起点に生じている。

そのあと、それを買う決断をくだした理由を、
論理的思考をつかさどる部位が言葉に置き換える。

勝者はこの順番でものごとを考えている。

は感情をつかさどる大脳辺縁系をあらわし、
頭脳は論理思考や言語能力をつかさどる新皮質をあらわす。

意思決定にいたる自然な経緯を考えればまず「心」があり、
次に「頭脳」がくるはずだ

◆消費者は企業のWHATを買うわけではない。

企業がそれをしているWHYを買う。

WHYをうまく伝えられないと、
ストレスと疑念だけが生じる。

◆直感による決断

ゴールデン・サークルの原理は、
単なるコミュニケーションのモデルではない。

この原理は、
人類の行動の進化に深く根ざしている。

というのもWHYのパワーは生物学であるからだ。

なぜ生物学なのかといえば、
それは人間の脳の断面図を見ればわかる。

ゴールデン・サークルが描く円が、
脳のおもな3つの部位に相当することがわかる。

脳のなかで、もっとも新しく出現した部位は、
新皮質である。

新皮質は、
ゴールデン・サークルでいえばWHATの部分に相当する。

新皮質は、
合理的で分析的な思考や言語機能をつかさどる。

脳の中央のふたつの円の部分は、
大脳辺縁系に相当する。

大脳辺縁系は、
信頼や忠誠心といった感情の機能をつかさどる。

そしてまた行動や意思決定などの機能もつかさどるが、
言語をつかさどる能力はない。

円の外側から内側に向かう順番でコミュニケーションをはかると、
最初に自分がしているWHATを説明する
ことになる。

すると事実や特徴など、
複雑で大量の情報を相手に理解してもらうことはできるが、
行動を起こすよう相手を駆り立てることはできない。

いっぽう、内側から外側に向かう順でコミュニケーションをはかれば、
相手の意思決定をつかさどる脳の部位に、
最初に訴えかける
ことができる。

そのあとで、
言語をつかさどる脳の部位に情報を伝えれば、
感情による決定が合理的なものになる。

—————————————————–
◆アップルのWHAT、つまり製品は、
かれらの信念が具現化したものだ。

かれらのWHATと、
それをしているWHYのあいだに明確な
相互関係があるからこそ、
アップルは傑出した存在となっている。

◆人々はあなたのWHATではなく、
それをしているWHYを買う。

それが、アップルが見事な適応性を身につけた理由だ。

◆その反対に、
円の内側から外側へと(WHY▶HOW▶WHAT)コミュニケーションをはかると、
消費者が買い物をする理由がWHYとなり、
社の信条を具体的に立証したものがWHATとなる。

そうなったとき初めて、
ある製品、ある会社、あるアイディアに
惹かれる理由を、
消費者はきちんと説明できるようになる。

◆企業は自分たちのWHATを買わせようとするが、
私たちは企業がそれをしているWHYを買う。

ところが大半の企業は、
外側から内側への順番(WHAT▶HOW▶WHY)で
コミュニケーションをはかっている。

WHATとHOWで人々を導こうとしているのだ。

◆アップルのメッセージはWHYから始まっている。

つまりそれは目的、大義、理念であり、
WHATとはなんの関係もない。

彼らのしていることは、
もはや購入理由としては機能しない。

製品は、彼らの信条や大義を具現化したものにすぎない。

人々は、
あなたのWHATを買うわけではない。

あなたがそれをしているWHYを買う。

◆ゴールデンサークル

ゴールデン・サークルは、
円の中心から始まる。

すべてがWHY(なぜ)から始まるのだ。

WHAT:
企業や組織は、
自分のWHAT(していること)がわかっている。

大企業であろうが中小企業であろうが、
どんな産業であろうが、
だれもがわかっている。

自社が扱っている製品やサービスのことなら
だれだってすらすらと説明できるし、
会社や組織のなかで自分がどんな職務についているかも
簡潔に説明できるはずだ。

このようにWHATは、
明確に説明することができる。

HOW:
自分がしていることのHOW(手法)を知っている企業も、
なかにはある。

「価値観に差異をもたせる」
「独自の工程」
「ユニークな販売計画」
など、よそとは違う方法、
よりよい方法をとるのだ。

これをHOWと呼ぶ。

HOWはたいてい、
WHATほど明確ではない。

ひとつの決断をくだすうえで、
よそと差異化をはかり、
人にやる気を起こさせるのはHOWのはずだと
考える人は多いだろう。

だが、HOWさえわかっていればそれでいいと
考えるのは間違っている。

ひとつ、見逃している点がある。

WHY:
自分がいましていることを、
しているWHY(理由)。

これを明言できる人や企業は少ない。

ここで留意してほしいのは、
このWHYには「お金を稼ぐため」という理由は含まれない。

それは結果にすぎない。

WHYと問うとき、
それは、あなたの目的はなにか、
大義や理念はなにかと尋ねているのだ。

なぜ、あなたの会社は存在しているのか?

なぜあなたは毎朝、
ベッドから這い出し、
出勤しているのか?

なぜ、そんなことを気にかけねばならないのか?

大半の組織や人間が、
円の外側から内側に向かう順番で、
つまりWHATからWHYの順番で考え、
行動し、コミュニケーションをはかっている。

ところが、傑出した企業は違う。

傑出したリーダーも違う。

かれらは、
内側から外側へと向かう順(WHY▶HOW▶WHAT)に考え、
行動し、コミュニケーションをはかっている。

例1:外側から内側(WHAT▶HOW▶WHY)

我々は、すばらしいコンピュータをつくっています。
美しいデザイン、シンプルな操作法、取扱も簡単。
一台、いかがですか?

例2:内側から外側(WHY▶HOW▶WHAT)

現状に挑戦し、
他者とは違う考え方をする。
それが私たちの信条です。

製品を美しくデザインし、
操作法をシンプルにし、
取扱を簡単にすることで、
私たちは現状に挑戦しています。

その結果、すばらしいコンピュータが誕生しました。
一台、いかがですか?

◆人間の行動に影響を及ぼす方法は、
ふたつしかない。

操作するか、鼓舞するか、だ。

◆アップルを特別な存在にしたのは、
これほど急成長をとげた企業をつくりあげた
ふたり(ジョブズ&ウォズニアック)の能力ではなかった。

パソコンに関して同業者とは異なる考え方をする
才能でもなかった。

かれらがひとつの行動パターンを繰り返し
おこなったからこそ、
アップルは特別な存在になったのだ。

アップルは固定観念に挑戦し、
成功した。

その理由はいたってシンプル。

アップルは人々をインスパイア(鼓舞)するから…
アップルはWHYから始めるからだ。

Start with why — how great leaders inspire action | Simon Sinek | TEDxPugetSound

TEDxMaastricht – Simon Sinek – “First why and then trust”

投稿者: book reviews

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