ただめしを食べさせる食堂が今日も黒字の理由 by 小林 せかい
小林 せかい
東京工業大学理学部数学科卒業。
日本IBM、クックパッドで計6年間エンジニアとして勤務後、
さまざまな厨房での1年4ヶ月の修業期間を経て2015年9月、
東京都千代田区一ツ橋に「未来食堂」開業。
「日経WOMAN」ウーマン・オブ・ザ・イヤー2017受賞…
メニューは1日1種だけ。
決算、事業書は公開。
店主1人、客席12席の小さな定食屋から、未来の“ふつう”が生まれている。
その超・合理的な運営システムと、ちょっとした非常識。
削ぎ落とした果てに見えてきた、業種を超えて注目される“起業”の形。
目次
第1章 未来食堂ってどんな店?(神保町の小さな定食屋/メニューは日替わり1種だけ ほか)
第2章 懐かしくて新しい、未来食堂のシステム(まかない―50分の手伝いで1食無料 マンガでわかる“まかない”/ただめし―壁に貼られた1食券を剥がしてもってくれば無料 マンガでわかる“ただめし” ほか)
第3章 見たことがないものを生み出す力(アイデアが現実になるまでの流れ/利益はお客様からの投票。お金は悪ではない ほか)
第4章 未来食堂のあれこれ(“サロン18禁”とは/未来食堂の“ほっておく”接客の原型 ほか)

MEMO
ただめしを食べさせる食堂が今日も黒字の理由
◆ビジネスはターゲットを絞るのが大事…
なのに「誰もが受け入れられる場所」なんてありえない。
どうすればよいのか?
「救うこと自体をシステム化し運営に組み込めばいい」
この気づきが「まなかい」を生み出すきっかけになった。
◆未来食堂の「まかない」はいわば、
飲食業界におけるクラウドリソース。
タスクを細分化し参加しやしい仕組みを作ることで
参加する負荷を極力下げ、
結果としてたくさんの労力が集まる仕組みなのだ。
◆未来食堂の事業計画書
http://miraishokudo.hatenablog.com/entry/plan
この事業計画書は、
中小企業庁が主催する創業促進補助金に2015年度に採択され、
200万円の助成金が下りた計画書である。
これから事業を始めたい人にとって格好のサンプルだ!
Google Document
https://docs.google.com/document/d/1lRpDb-LxH2uFSHuQT3nj58P_KtjKT6YXpVvK85SPFmY/edit
◆未来食堂の決算報告
http://miraishokudo.hatenablog.com/archive/category/決算書
◆未来食堂は毎月の決算をブログ上で公開している。
売上高、原価を誰でも見ることができる。
なぜ公開しているのか?
飲食ビジネスをやりたい人に
参考になるから…
未来食堂の原価率目標値は売上の25~28%。
飲食店の平均原価は3割と言われている。
◆未来食堂は12席の小さなお店。
ひとりでやっているのでお客様を無理に取り込む必要がない。
その日のメニューに惹かれて来るお客様やリピーターだけで
十分採算が取れる。
◆未来食堂のメニューは日替わり1種だけ!
◆未来食堂の定食は900円。
一度来店すると永久に使える100円割引券がもらえるので、
2回目以降は800円。
提供メニューを1種類に絞り効率化することで、
お客様が着席してから5秒で定食が出てくる。
「限られた昼の時間の中でおいしい物を早く食べたい」
を実現している。
◆未来食堂とは?
誰でも50分お手伝いすると1食無料になる「まかない」。
未来食堂はこの「まなかい」で運営され、
従って従業員はゼロ人。
また、そうやって得た1食を無料券として壁に貼っていき、
剥がした人が1食無料になる「ただめし」。
お酒の持ち込みは自由だが、
持ち込んだ量の半分をお店に置いていく「さしいれ」。
これらを組み合わせることで無理なく黒字を実現している。
◆未来食堂は「ただめし」が食べられたり、
50分のお手伝いで1食無料になったりと、
一見、「どうやって儲けてるの?」と不思議に思われる定食屋である。
でも、お店の持ち出しで負担しているのではなく、
「まかない」などのお客様が手伝うしくみと組み合わせることによって
無理なく実現している。
◆未来食堂
http://miraishokudo.com/