黄金のアウトプット術: 大衆を脱出したけりゃ情報を吐き出せ by 成毛 眞
成毛 眞 (なるけ・まこと)
1955年北海道生まれ。
中央大学商学部卒業。
自動車部品メーカー、アスキーなどを経て日本マイクロソフト株式会社入社、1991年同社代表取締役社長。
2000年に退社後、投資コンサルティング会社・インスパイア設立。
早稲田大学客員教授ほか 書評サイト「HONZ」代表を務める…
知的生産の達人によるアウトプット活用法!
日本の大人にはアウトプットが不足している。
これからの時代、
知識と教養を溜め込むインプットばかりでは損するだけだ。
情報を吐き出すことで、
センスが磨かれ、
アイデアが生まれ、
人脈が広がり、
評価が上がり、
結果がついてくる。
そして、さらなる情報が自分のもとに集まってくる…
目次
第1章 アウトプット時代の到来 ~インプットは、もう終わりだね!~
第2章 書くアウトプットがいちばんラク ~書ければ、必ずお金になる!~
第3章 やるほど上手くなる! 話すアウトプット術 ~説得、プレゼン、雑談のコツ~
第4章 印象を操作する「見た目」のアウトプット術 ~戦略的ビジュアルの系のすすめ~
第5章 インプットするなら「知識」ではなく「技法」 ~日常に潜む優良インプットソース~
第6章 アウトプットを極上にする対話術 ~コミュ力は今からでも上げられる~

MEMO
黄金のアウトプット術
◆嫌々仕事をしているサラリーマンの子どもは伸びない。
子どもにはよくわからない会社という場所に出かけていって、
そこはどうも面白くなさそうで、
それでも金のために通っている親を持つ子は、
伸びないのだ。
仕事への真剣度が違うからだ。
一方、経営者の子どもは社会人になってぐっと伸びる。
経営者イコール金持ちという意味ではない。
食卓で生々しく、
やれ資金繰りがリストラがと話しながら、
必死に経営に取り組み、
その姿を子どもに見せてきたからだ。
子を持つサラリーマンの親はどうすべきか?
会社をやめるべきだと思う。
そして、自分の体を使って経営とは、
仕事はどういうものかを見せられるように、
起業すべきだと思う。
苦労もするだろうし、
上手くいかないこともあるだろう。
サラリーマン時代よりも収入は減るかもしれない。
でも、起業こそが最もリターンの期待できる
アウトプットと言える。
◆嫌な相手に売りに行って、
仮に売れたとして、
嫌な思いをするのならそれはマイナスだ。
苦手だけれど、
嫌いだけれど、
いつか役に立つかもしれないからとする勉強も同じ。
そんなもの、やらないほうがいい。
いつか役に立ったりお金を稼いだりできるかもしれないし、
できないかもしれないけれど、
していて楽しいから、
面白いからという動機がないと、
人付き合いもアウトプットも何もかも、
継続はできない。
なので、苦手な人には近づいてはならない。
◆マネタイズには工夫と手間が必要!
ディストレスアセットという言葉がある。
倒産間近の企業を破格の安さで買い取って、
その企業が持っていたもの、
土地、ディスク、椅子、照明などを売る。
これは、
インプットを探している人のために編集をして
アウトプットをするということだ。
マネタイズのためのアウトプットをするときには、
この意識が不可欠である。
たとえば、
「古い家、買いませんか」ではなく、
「レアで2つとない年季の入った建材買いませんか」
という提案をする。
これが、他人がスルーしている現象を
マネタイズしながらアウトプットする唯一の方法だ。
◆デバ地下がなぜ面白いのか?
今、デバ地下に何があるかではなく…
以前あったどの店がなくなり、
以前なかったどの店が新しく加わったのか、
その変化を見る。
デバ地下の面白さは、
その変化にこそある。
◆自分宛てにメールを送るスマホアプリ「Captio」有料(240円)
これアイデアや備忘録を
音声入力で自分にメールするのに便利。
◆売れている本の要約を載せたものはオススメできない。
なぜか?
現物を読まない人が、
読んだ気分になってしまうからである。
それから、
オーディオブックもあまりおすすめできない。
理由は要約と同じだから。
◆日本語のリズムを学ぶなら落語がいい
オススメは古今亭志ん朝さの落語!
▼三代目古今亭志ん朝 – 芝浜
https://www.youtube.com/watch?v=Su-zPNeZSns
◆時間がある人はJSTのメイキング動画を見てほしい…
https://www.youtube.com/channel/UCHpFyLQgg4h9VZuFyby7RbQ
▼THE MAKING(314)鋼球ができるまで
https://www.youtube.com/watch?v=Xn07ZJhIbM4
▼THE MAKING (300)ビー玉・おはじきができるまで
https://www.youtube.com/watch?v=Vshsp0GQE90
◆料理動画が人気なのは、
文字でレシプを読んだだけではわからない技法が、
目で見てわかるからだ。
これは禅などの修行にも言える。
この世には実際に体験しないと、
言葉では伝えられないことがある。
◆いい成果物をインプットとし、
それをアウトプットの糧とできるのは、
アウトプットの技法を持っている人だけだ。
◆もし講演会に行くなら、
知識を仕入れるためではなく、
登壇者と親しくなるために行くべきだ。
◆インプットするとき、
「知識」と「技法」とは異なることを意識する必要がある。
技法のインプットには2つの方法がある。
・そのやり方を言葉でインプットする。
・実際の技法を見ることによるインプット(観察によるインプット)。
多くの人は、
言葉によるインプットが過剰で、
観察によるインプットが足りていない。
◆会場に100人の聞き手がいるなら、
100人全員から好かれようとして、
聞こうとしていない人をなんとか聞かせようとするのは
やめたほうがいい。
間違いなく、
その努力は徒労に終わる。
全員にファンになってもらうのは、
不可能だ。
◆立って歩くことができるなら、
プレゼンは座ったままでやってはならない。
これは基本中の基本だ!
◆ビジネスでも個人的なものでも、
プレゼンではできるだけ、
資料は配付しないほうがいい。
なぜか?
・人は資料を配られると、先に最後まで目を通したくなってしまう。
すると話がはじまる頃には資料をすべて読み終わっている人も出てくる。
その人にとって、プレゼンは退屈になる。
・資料が1人歩きする可能性がある。
1人歩きした資料は誤解の元だ。
◆いい人と思われたいなら、
相手が「この人はいい人だ」
と判断しやすいよう、
情報を提供する必要がある。
◆ジャパネットたかたはどこがスゴイのか?
高田さんは、B2Cにプレゼンをもちこんで、
成功させた。
成功の要因は、
そのプレゼンが
「こんな素晴らしいものがあるので買ってください」
では終わらなかったところにある。
たとえば、
「デジカメがあれば、
はじめて行った土地の電車やバスの時刻表を撮れるので、帰りが安心」
とプレゼンする。
ボイスレコーダーを売るときは、
「ボイスレコーダーがあれば、
病院で医者に難しいことを言われても、
それを録音できるので、
あとで何度でも聞き返せる」
とプレゼンする。
◆プレゼンの目的は、
何かを伝えることだ。
しかし、最も伝えないことが伝わるとは限らない。
だから、そこを目標とはせず、
何かひとつでも伝えることを狙って、
いくつものネタをちりばめなくてはならない。
◆読んだ本、見た映画などの内容を上手に人に伝えられないときは、
たいてい、その内容を十分に理解していないときだ。
なので、自分がしっかり理解しているかどうかを判断したければ、
他人に話すのがいちばんだ。
◆あなたが、
文章を書くというアウトプットで
収入を得たいと考えているなら…
文章を売ろうを思わないことだ。
それよりも、
文章で何かを売り、
そこから収入(たとえばアフィリエイト)を得たほうがいい。
たとえば、
Amazonの本の紹介料は3%、
紹介によって1000円の本が売れたら30円が入る。
一方で、本を書いたらどうか。
出版社によって差があるが、
通常印税を8%から10%に設定している。
1000円の本が売れたら100円の著者の取り分となる。
本を1冊書く手間と、
レビューを1本書く手間とは、
雲泥の差だ。
それで100円と30円なら、30円でも悪くない。
だから、文章を売るのではなく、
文章で売ることをすすめる。
◆上手な文章を書こうとしてはいけない。
目指すのは、
わかりやすく、
誤読されない文章だ。
◆モニタは横長のLG製のウルトラワイド、湾曲タイプがおすすめ。
もしくは、モニタを2台用意して2画面にする。
LG モニター ディスプレイ 29UM59-P 29インチ/21:9 ウルトラワイド
https://www.amazon.co.jp/dp/B071CQZ7LK/
◆接続詞の使い方には癖が出るので…
繰り返しを防ぐため「しかし」「が」「だが」「ところが」の逆接の接続詞4点セット、
「だから」「なので」「したがって」「ゆえに」の順接の接続詞4点セットを心に備えておくといい。
◆文章のパターンは、
結論から入り、
それに「なぜならば」と続く文章がおすすめ。
◆ネット読まれる文章は、
漢字の割合は多くても3割になるように意識する。
そこまで減らすコツは、
まず、熟語を使わない。
老婆、老爺(ろうや)は、
おばあさん、おじいさんでよい。
ちなみに、漢字を「かな」にすることを
業界用語では「ひらく」という。
したがって、どんどんとひらいていく。
◆媒体を意識せよ!
パソコンはアウトプットのためのツール、
スマホは今のところ、
インプットのためのツールである。
読む側はスマホで読むので、
これを前提に文章を書く。
なので字下げなどはほとんど意味がない。
◆本をすすめるときは…
この本は「社会人におすすめ」ではなく、
「仕事に慣れてきて、
新しいことに挑戦したいとうずうずしている
社会人におすすめ」といったように、
できるだけ具体に書く。
◆平易な言葉に置き換えればいいのに、
わざわざ目くらましのような言葉を使う文章には要注意だし、
そういった文章を書くことはまったくすすめられない。
使う言葉は一般的であればあるほどいい。
同じことが文章の構成にも言える。
端的に言えば、
一文の長さは短ければ短いほどいい。
その短い一文には、
難しい言葉を使わない。
幼稚園児でもわかるような、
または、日本語を勉強しはじめた外国人にもわかる文章、
あるいは、自分で英訳するつもりの文章を心がけると
自然と読みやすく、わかりやすくなる。
長い文章は、つかみどころのない話に似ている。
◆アウトプットの目的は、
読みにくくわかりにくい文章を書くことではない。
インプットを消化し、
形を変えて放出することだ。
そしてその結果として、
誰かに「あの人はこういう人なのか」
と思ってもらい、
フィードバックを得ることだ。
◆文章を書き終えたとき、
人は多少興奮気味で、
今、書き終えたばかりの文章に間違いや矛盾、
わかりにくい表現があるとは気づきにくい。
なので、原稿を寝かせる。
そして翌日になってから、
前日書いた文章を読み返す。
すると9割方、
誤字脱字、変換ミス、重複表現、
何が言いたいのかいまいちなセンテンスなどが、
恐ろしいほど見つかる。
書いた翌日に修正をする。
それを前提にしておくということは、
いきなり完璧なものを目指す必要はないということだ。
◆文章は、書いたものをすぐに公開する必要はない。
時間をかけていいし、
かけたほうがいい。
プロだって、
書いた文章を世に出すにはかなりの時間をかけている。
◆これからの時代、
アウトプットをしながら生き残っていくためには、
まず「書ける」ことが大前提になる。
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◆今の日本の大人は、
インプット過多である。
アウトプットがまったく足りていない一方で、
インプットばかりが過剰になっている。
◆自分がどんな人間なのか、
どう見えているのか、
どこが他人より秀でているのかは、
意外と自分より他人のほうがズバリと的確に
見抜いてくれるものだ。
◆自己評価と他人からの評価は隔たる。
才能に関しては、
他人の目で、
それもできるだけ多くの他人の目でジャッジして
もらったほうがいい。
◆インプットは知らず知らずのうちに行っていて、
だからこそ情報過多に陥るのだが、
アウトプットは知らず知らずのうちに行うことはできない。
しようと意識しなければ、
アウトプットはできないのだ。
◆アウトプット慣れしていない人は、
かたくなに英語を話そうとしない人である。
英語は中学高校で6年間、
インプットしている。
それだけインプットしておいて、
まったくアウトプットできない人はいないはずだ。
大学へ行った人ならなおのことだ。
アウトプットしないと、
英語は上達しないのだ。
◆ホリエモンは、
実際にはアウトプットばかりをしているのではない。
驚くほど、
いろんな人に会い、
いろいろな話を聞いている。
インプットも膨大にしているのだ。
その膨大なインプットを、
普通の人よりもかなり高性能な頭脳で処理し、
膨大なアウトプットにつなげている。
◆AIに奪われる仕事、奪われない仕事が、話題になっている。
奪われる仕事と奪われない仕事の違いはいろんなところで
議論されているが、要するに、
人間からインプットを受けて、
なんらかの「編集」をして、
アウトプットをする仕事は奪われない。
たとえば、
銀行窓口係の仕事は処理であって、
編集ではない。
処理とは、
与えられたルールに則って何かをすることであり、
編集とは、与えられたルールに則り、
その上で、その結果を受け取る側のことまで考えて、
アウトプット化することだ。
もし銀行窓口係が
「あなたの場合は10万円を1万円札5枚と1000札50枚とで
持っていたほうがいいですよ」とか、
「お小遣い用なら、珍しい2000円札もいかがですか」
といった提案もするなら、
その仕事は奪われないだろう。
なぜか?
そこに編集が働いているからだ。
◆AIが発達し、
「働き方」も大きく変革していく時代において、
意識的な「アウトプット」こそが、
成果や結果を出すための「ゴールデンルール」になる。
◆アウトプットを
意識的に行っているビジネスパーソンは極小だ。
たぶん、全体の0.1%にも満たない。
となるとアウトプットをするだけで、
圧倒的多数の他者と簡単に差別化が図れる。
◆今の時代、
情報収集、勉強をして、
知識、教養を溜め込んで満足しているようでは、
もうダメだ。
◆外食時の写真をSNSで公開するのは、
ただの記録であり、
また自慢にすぎない。