90歳まで働く! – こうすれば実現できる! by 郡山史郎
郡山史郎(こおりやま・しろう)
1935年生まれ。
「シーフォーム」社長。
1958年一橋大学経済学部卒業。
伊藤忠商事を経て、1959年ソニー入社。
1973年米国のシンガー社に転職後、1981年ソニーに再入社。
1985年取締役、1990年常務取締役。
その後、1995年ソニーPCL社長、2000年同社会長、2002年ソニー顧問を歴任。
2004年2月CEAFOMを設立し、代表取締役に就任…
誰も気付かなかった人生哲学の書!
ビジネスマンの人生は、
20代から定年(60歳)までの40年と、
定年後の60代から百歳(少なくとも90歳)までの40年とに分けられる。
前半戦と後半戦の人生、
どちらも「勝ち戦」にするにはどう働くべきか…
目次
序章「わがソニー時代」を振り返れば……
英国ゴルフ場で知らされた社長人事/大賀はフィクションの名人/老人に絶望はありえない/闇から闇に葬られた失敗事業
第一章「下り線」の窓からの景色
社長は「忘年会の幹事」程度のもの/もしもソニーの社長になっていたら……/「さらばソニー」とはならず?/愛しき「子会社」で給与削減に?/ソニーの元常務がハローワークに日参?/キリストとしての井深大の下に/会津出身の井深は薩摩人を嫌ったか?/「会社は入るところで、やめるところではない」/人間にも会社にも「国籍」がある
第二章「還暦」&「古稀」からの人生再稼働
「さくら」としてヘッドハンターお狩場に参加?/「古稀」間近の私は見向きもされなくなった/日本には役立つ「ビジネス・スクール」がない/「年寄り労働者」は「体」より「頭」を使え/松下幸之助は成功した「ビジネスマン」?/シルバー世代には選択肢がない?
第三章「シルバー男」が「新入社員」として入社し試行錯誤の日々
「新入社員は口を慎むべし」/パソコンにギブアップ?/新入社員二年目で「子会社社長」「監査役」に抜擢される?/やはり「新入社員」は無理だった…/もう一度「集中排除法」を作りたい/「お払い箱」になる寸前に光明が…/「組織的転職凍結」から「組織的転職解放」へ/「ひとのやらないこと」は「もうからない仕事」だった/「高齢者の再就職に関する、組織的、効果的活動は不可能である」/人材紹介業では、受注は極めてやさしい/「社長ができる」あるいは「社長をやりたい」人ばかり/学歴と転職回数を重視する愚かさ/かくて私は、また受注に成功し、納入に失敗する
第四章「傘寿」を超えて「米寿」「白寿」「百寿」まで働くために
役立たない「健康食品」の数々/悪しき家父長制の名残り/高齢者に「金」と「友人」は不要か?/なぜ六十歳以上の「ビジネスマン」はいないのか?/人材紹介は不動産の紹介とは違う/「求職者」が金を払う例外とは/高齢者は「社長」になるのが一番だ?/「高齢」だから偉いのではない/高齢者には「教養」「教育」が必要?/高齢者にとって「十の戒め」とは/十の薦め/「あせらない、おそれない、あきらめない、笑顔でやること」
あとがきに代えて

MEMO
90歳まで働く!
◆頭と体を忙しくいておく。
使っている筋肉と脳細胞は衰えにくい。
どう使うか?
やっぱり仕事をしているのがいい。
理想は生涯現役!
◆表人生と裏人生
表人生:20代から50代まで
裏人生:60代から100歳まで
表人生は「守り」である。
失点をしてはならない。
裏人生は「攻め」である。
人生の勝負がきまるのは、
もちろん裏人生である。
表人生で出世して、
大金持ちになり、
家族にも恵まれたとしても、
そこで人生が終わっていない、
まだ勝負がついていない。
◆高齢者にとっての「10の薦め」
- 図書館
- 散歩
- 趣味
- おしゃれ
- 家事
- 病院
- 交際
- 車
- 住まい(集合住宅がいい)
- 仕事(個人事業者がいい)
◆高齢者にとっての「10の戒め」
- 学校に行く
- 資格を取る
- 語学の勉強をする
- ジムに行く
- 本を書く
- 葬式(高齢者は義理・礼儀を欠いてもいい)
- 勲章
- NPO参加
- 会社を創る
- 勝負事
◆高齢者には、
「教養」と「教育」が必要だ!
ただし、ここでは
「今日用(きょうよう)」がある、
「今日行く(きょういく)」ところがある
という意味である。
家でぶらぶらして、
何もすることがないと、
家族にも邪魔にされ、
不幸の極みになる。
◆敬老日のは…
「年寄りが尊敬されるように
努力する日」
だと思うこと。
◆求人サイトに登録すると
貴重な個人情報が他人の手にわたる。
それだけでなく、
その「自分」をどこかの紹介会社が
紹介すると手数料が発生するようになっていることがある。
「自分」が知らないうちに商品化されている。
サイトに登録する人は、
かまわないと思っているかもしれないが、
「自分」が商品化されていて、
しかも高い手数料がついていると、
逆に転職がしにくいかも知れない。
そのような裏事情は正確に理解しておくべきだ。
◆高年齢者には「個人事業者」がおすすめ!
なぜか?
雇用関係だと、
どうしても「上下関係」になり、
気まずい思いをすることが多い。
個人事業者は、
実際上、社長なのだから、
どのような仕事をしても、
上司はいない。
少なくとも対等である。
◆なぜ高年齢者に就業機会がないのか?
理由は簡単で、
その価値が無いからである。
高年齢者は伸びしろは無いから、
その仕事ができなければならない。
若い者にはまけないと言っても、
ほとんどの場合、高年齢者は、
若い者と体力的に同じ仕事はできない。
スピード、耐久力、最新のツール、
機材を使う能力など、
若者には勝てない。
知恵や経験が生きる職場は
ビジネスの現場にはほとんどない。
知恵が経験があっても
それを活かして活躍できるのは、
せいぜい50代までだから、
どうしようもない。
◆60歳以上の実年齢を書くと、
まず、どの求人案件に応募しても、
合格しない。
これは通常のビジネスマンの話で、
たとえば道路工事の旗を振っている人(警備員)は別である。
単純労働の職務は、
年齢に関係なくたくさんあり、
基本的には労働力不足である。
ただ、高年齢者に肉体労働をせよ、
というのは少し無理だと思う。
◆現在法律で、
求人案内に年齢を入れるのは原則禁止されているが、
実際には、年齢不問で求人すると、
無駄な応募が増えて、
人材紹介ができなくなるので、
無視されている。
◆巷では「孤独」の本が売れている。
たしかに、
高齢者は友を持つのは難しい。
それだけの情熱も、
体力もない。
孤独になってよいとは言わないが、
友は不要である。
周りに人がいる環境だけは維持したい。
◆お金はあるに越したことは無いが、
無くても平気な生活を常に心がけているのがいい。
◆高齢者が幸福になる条件とは…
- 仕事
- 健康
- 家庭
- お金
- 交際
◆今は、転職回数3回以上の人は、
すべて書類審査で無条件に落とす。
なぜか?
3回以上転職した人は、
辞め癖がある、
我慢ができない、
協調性がない…
から。
◆10年前と今では、
キャリアー採用の基準が180度違う。
なぜか?
日本経済が成長しなくなって、
余裕がないからだ。
今の日本経済には、
余裕も成長もない。
国自体が借金漬けで、
人口減少中(少子化)だから、
企業が楽なはずはない。
そこ何が起こるかというと、
確実にリターンが得られる
即戦力化と安全な人材のみの採用である。
◆45歳以上の人に新しいスキルを
マスターしてもらうのは不可能だと
明確な結論が出ている。
高齢者相手の教育は
税金の無駄使いである。
◆誰もやっていないビジネスというのは…
誰もアイデアが浮かばないからではない。
誰かがすでに考えていて…
やる人がいないのは、
それが儲からないという
単純な理由からだ。
◆人生の尺度は「幸福」
お金と幸福とは
何の関係もない。
◆還暦、古希、傘寿、米寿、白寿、百寿とは?
還暦(かんれき)=60歳
古希(こき)=70歳
傘寿(さんじゅ)=80歳
米寿(べいじゅ)=88歳
白寿(はくじゅ)=99歳
百寿(ひゃくじゅ)=100歳
理想は、
個人事業主として
90歳まで働く…
アンドレ・ジッド
◆幸福になる秘訣は、快楽を得ようと努力することではない。
努力そのものの中に、快楽を見出すことである
◆平凡なことを、毎日に平凡に実行する。
これを非凡と呼ぶ
◆自分に理解力がないことを苦痛に感じるためには、
すでに相当の理解力がなければならない。
馬鹿ほどうぬぼれの強いものはない
◆偽りの自分を愛されるより、
ありのままの自分を憎まれる方がましだ
◆過ぎ去ったことを悔やむのはやめましょう。
もう頁(ページ)はめくられてしまったのですもの
◆美しく死ぬのは、
さほど難しいことではない。
しかし、美しく老いることは至難の業(わざ)だ。
◆いくら自由があり、
好きなことができる時間があっても、
人は幸せにはならない。
「人の幸福は、
したいことができることの中には無い、
しなければならないことを受け入れる中にある」