定年まで待つな! 一生稼げる逆転のキャリア戦略 by 成毛 眞
成毛 眞(なるけ・まこと)
1955年、北海道生まれ。
79年、中央大学商学部卒。
自動車メーカー、アスキーなどを経て、86年、日本マイクロソフト(株)に入社。
91年、同社代表取締役社長に。
2000年に退社後、投資コンサルティング会社(株)インスパイアを設立、代表取締役社長に就任。
08年、取締役ファウンダーに。
10年、書評サイト「HONZ」を開設、代表を務める。
早稲田大学ビジネススクール客員教授…
いまの会社よりもっとラクで楽しい道がある!
★語学力がなくても海外で働ける
★ビジネススクールより地方の中小企業
★「食える趣味」をもつ
AI時代到来、「ゆとり世代」の台頭、老後不安…。
40代、50代のミドルエイジを取り巻く環境は、
今後いっそう厳しくなる。
しかし、下を向いていてはいけない。
これまであなたが培ってきた経験やスキルは、
少し視点をズラしたり、
活かす場所を変えるだけで、
唯一無二の「稼ぐ力」になる。
活躍のフィールドは会社だけとは限らない。
キーワードは「地方」と「海外」だ。
本書では、転職、副業、起業するうえで抑えておきたい、
著者ならではの思考術を余すことなく公開…
目次
第1章 老後に野垂れ死にたくなければ、一刻も早く会社を去れ
第2章 スキルアップする暇があったら地方に飛び込め! 一発逆転の転職術
第3章 語学は後回しでいい。さっさと海外で働いてしまえ
第4章 会社を辞められないなら、一つの趣味に全精力を傾けよ
第5章 勤めながらでもOK! 超速で自分の会社を設立せよ
第6章 自分を縛りつける「壁」を壊して、賢く生きろ

MEMO
定年まで待つな
◆「大手金融・証券」「国」をありがたがるな
◆普段は身の丈に合った生活を心がける
◆東大、早慶なんてめざすな。熟なんて行かせなくていい
◆年をとると、広い家が苦痛になる!
◆「マンションはいまが買い」に騙されるな!
◆持ち家はいますぐ売ってしまえ
一刻も早く捨てたほうが良いと思うのは
「持ち家信仰」だ。
持ち家は、
いますぐ売ってしまえ。
なぜか?
夢のマイホームだったはずのその家が、
将来、あなたや家族の足を引っ張る可能性が高いからだ。
とくに、
中年で20年、30年の住宅ローンを組み、
定年後まで払い続けなければならない人は、
一刻も早く家を売ってしまったほうがいい。
◆旧来の価値観や固定観念が、
あなたの可能性を狭めている
・地方の中小企業に転職する
・東南アジアの企業に転職する
・仕事に全力投球するのをやめ、その分の時間とコストを趣味に費やす
古い価値観を大切にするのは自由だが、
それに縛られると、
思考停止に陥り、
自分の可能性を狭めてしまう。
◆物販を始めるために1円で自分の会社を設立する
海外の商品を扱うにしても、
国内の商品を扱うにしても、
稼ぐチャンスを少しでも増やしたいなら、
やっておくべきことがある。
それは、
副業用に、
自分の会社を設立することだ。
なぜか?
自分の会社を持っていると、
国内外の旅行先などで良さげな商材を見つけたとき、
「サンプルとしていくつか仕入れたい」と交渉できるからだ。
すると、
店頭価格よりも安い卸値で、
あるいは無料でサンプルを譲ってもらえることがある。
これは法人格だからできることで、
個人事業主では交渉に応じてもらえない。
また、日本の場合、個人に卸すと、
税務署に脱税の疑いをかけられることがあるので、
個人事業主との取引は敬遠されがちだ。
経営者と出資者が同一の形態をとるLLC(合同会社)にすれば、
株式会社よりも初期費用を抑えて、
会社を設立することが可能だ。
◆YouTubeやブログで儲けるという発想は捨てる
YouTubeで儲けるという発想は捨てたほうがいい。
本気でやっている「プロユーチューバー」
に割って入るのは並大抵ではない。
相当な才能が必要だし、
仕事を辞めて1日中動画の制作に没頭する必要もある。
頑張っても、
せいぜい月数千円といったところが関の山だ。
ブログに関しても同じことが言える。
いまさらGoogleのアドセンスやアフィリエイトなどで
月何万円も稼ぐのはきわめて厳しい。
「コンビニでアルバイトする」というように、
時間を切り売りするようなことをしていたら、
いつまで経っても儲からないし、
体が擦り切れていくだけだ。
では、どうするか?
サイトビジネスで稼ぎたいなら、
他の人がやっていないことをするのが鉄則だ。
希少価値のあるものを根気よく探して、
それを見つけ出し、
ヤフオクやメルカリなどで転売する。
これは面倒なうえ、
頑張っても成果がでるかわからないので、
多くの人は手を出さない。
しかし、
そうした隠れた財宝は国内に驚くほど多く存在する。
問題は、
どんな「希少価値のあるもの」を探すかだが、
商売のタネは、手の届くところに、
意外なほどたくさん転がっている。
◆ランチや結婚式を断って、趣味の時間を確保
自分のリソースを最大限に費やすのではなく、
クビにならない程度に、
適度にやるというのもアリだ。
自分の生活を見直して、
「時間がかかることをすべて断る」のも
ひとつの手だ。
余計な人付き合いを一切しなと決断してはどうか。
飲み会もランチの誘いも、
結婚式も葬式もすべて断る。
他人から「冷たい」と言われようが、
まったく気にしない。
「自分の人生で何が大事か」を考えれば、
すっぱり断れるようになる。
こうやって割り切れば、
想像以上に時間を作り出せる。
時間を作れたら、
あとは趣味に集中して臨むこと。
◆テーマをズラせば、ライバルはいなくなる
趣味でお金を稼ぐには、
「できるだけ競争相手が少ないジャンルを探すこと」
がポイントだ。
たとえば、
「写真」を趣味にしている人は山ほどいるから、
漫然とやっていてもお金は稼げないが、
「日本百名山が見える神社だけを撮影している」
としたら、ライバルはほとんどいなくなる。
◆好きなことを趣味にして、「副業」にする
どの程度やればお金が稼げるようになるかは、
趣味によって異なるが、
3000時間を費やせば、
ある程度、モノになると思われる。
1日1時間を9年弱行えば3000時間に到達するから、
40代のうちに始めれば、
役職定年までには十分間に合う。
しかし、
仕事や家庭をもちながら、
毎日1時間、9年にわたって趣味を続けるのは、
かなり大変だ。
やはり、継続するには、
好きで楽しめる趣味であることが大前提となる。
◆雑談と異なり、
ビジネスの英会話は、
その分野の専門用語などがわかっていれば、
英語が苦手な人でもやり取りができる。
だから、
雑談を捨てて、
自分の仕事の分野だけを集中して勉強すれば、
最小の努力で必要最低限なビジネス英会話が身につく。
◆転職するなら海外に目を向けよ
転職しようと考えている大部分の人は、
「日本で働く」ことを前提にしているのではないか。
無意識のうちに、
「日本でしか働けない」
と決めつけていないか。
転職するなら、
「海外で働く」ことも選択肢に入れるべきだ。
なぜか?
そのほうが、
生涯にわたって良い条件で
働き続けられる可能性が高いから。
とくにおすすめなのは、
東南アジアの新興国だ。
たとえば、
インドネシア、タイ、マレーシア、ベトナムなど…
これらの新興国は、
人口も増加傾向にあり、
それにともない、GDPも右肩上がりで増えている。
◆定年後まで稼ぎ続けられる人になりたいのなら、
目の前の小さなプライドなど捨てて、
自ら手をあげてでも「傍流」に進むことをすすめる。
できるだけ早い時期が望ましい。
45歳になったらもう手遅れ、
できれば40歳までには
本流を離れるべきだ。
◆中途半端に頭がキレル人はつまづく
地方の中小企業に転職するときに、
つまづく人がいる。
それは、
「中途半端に頭がキレるタイプ」だ。
なぜか?
地方の中小企業の従業員に対して、
上から目線で接するからだ。
◆プライドを捨てて、ダウングレードせよ!
大した実績がなくても、
転職に成功することは十分可能だ。
その方法はシンプル…
仕事を「ダウングレード」すればいい。
具体的には、
いま勤めている会社より、
規模の小さな会社、
都心ではなく地方の会社に、
あえて狙いを定めて、転職する。
—————————————
◆起業セミナーに参加しても起業家にはなれない
なぜか?
「そもそも、
起業のために人の話を聞きに来るなんて頭が悪い。
こんなムダな時間の使い方をするヤツが成功するはずがない」
これはビル・ゲイツの言葉だ。
最近は、
「オンラインサロン」といって、
著名人のもとに集まるコミュニティのようなものが
たくさん出てきたが、
そんなものに入会したところで、
活躍できる人になれるのはほとんどいない。
ビジネススクールも、
セミナーも、オンラインサロンも、
すべてに共通するのは…
結局は、
何もしていないのに、
何かしているように錯覚してしまうことだ。
世の中のセミナーなどというものは、
所詮、参加者を食い物にしているにすぎないということを、
そろそろ自覚したほうがいい。
◆MBAを取って成功した起業家はいない
働きながら、
日本の大学などが運営するビジネススクールに通って、
経営学修士を取得するのは意味がない。
なぜか?
世界的に見ても、
成功した起業家で、
MBAホルダーはほとんどいない。
論理的思考やフレームワークを使った
分析のようなビジネススキルにしても、
ほかの人との差別化にはまったくつながらないし、
現場でも大して役にたたない。
◆社会人の「学び直し」はほとんど無意味
いたずらに学び直す必要などない。
少なくとも転職をするための学び直しは、
ほとんど意味がない。
何を学び直そうが、
転職にはまったく役に立たない。
◆早期退職制度は大チャンス!
中年になった人がこの先、
お金を稼ぎ続けるにはどうしたらよいか?
答えはシンプルだ。
「今の会社を辞めて、
長い間、
稼ぎ続けられる職場を見つけ出す」
ことだ。
「会社を辞める」ことをすすめるのは、
今、退職金をもらわないと、
損するからだ。
◆このまま漫然と老後を迎えれば、
その先には地獄が待っている
どは、どうすればいいのか?
まずは、
稼いだお金を貯めて、
それを資産運用に回すこと。
そして、
最も重要なのは、
お金を稼げる人であり続けること。
60代になっても、
70代になっても稼ぐことができれば、
年金に頼らなくても、
インフレが来ても、
食いっぱぐれることはない。
◆消費税が20%から30%も?
これからは人口減少によって、
さらに税収が減る…
そして、
国としても税金を上げるのは避けられない。
そうなると、
税収を上げるには、
消費税の増税以外にありえない。
2019年10月に10%に上がる消費税を
さらに、20%、30%、40%と上げざるをえなくなる。
◆医療費5割負担が当たり前になる
今の医療費の負担割合は
70歳までが3割
70~74歳が2割
75歳以上が1割
となっている。
これが、
70歳までは5-6割
75歳以上は3-4割
を負担するという未来が想像できる。
◆「人口の4割が高齢者」は100%やってくる未来
日本に、
100%やってくる未来が、
人口減少と少子高齢化だ。
◆今はネット全盛の時代
定年を待たずに会社を飛び出しても、
やり方しだいで、
「ラクに稼ぐ」ことは十分できる。
むしろ、
「今の会社にずっとお世話になる」
という発想は危険だ。
なぜか?