今度こそ読み通せる名著 スマイルズの「自助論」 by S.スマイルズ
スマイルズ,サミュエル
イギリスの著述家、医者。
1812年スコットランド生まれ
私たちは「私たちの力」でしか、
幸福になれない。
なぜ私たちは働かなければならないのか?
意志の力があれば、
失ったものは取り返せる。
努力家のみがつくりあげる「情報の倉庫」。
今日の仕事を明日に残すな…
あなたの人生は、
あなたが決める!
目次
はじめに
第1章 「自助」とは何か?
第2章 産業界のリーダーたちの栄光
第3章 「最高の陶器」に生涯をかけた人たち
第4章 努力と忍耐によって偉業を達成した人たち
第5章 真実を見抜いてチャンスをつかんだ人たち
第6章 才能を努力によって磨く芸術家たち
第7章 彼らはいかにして、その地位を手に入れたか?
第8章 「やる気」と「勇気」を奮い立たせる法
第9章 仕事を成功に導くためにやるべきこと
第10章 金に振り回されるな、金を支配せよ
第11章 自分を鍛え続ける人たち
第12章 最高の「模範」を見つけるには
第13章 品格ある人間になるために私たちがやるべきこと
おわりに

MEMO
スマイルズの「自助論」
◆高度成長の時代、
あるいはバブルの時代、
日本は「努力すれば必ず報われる世の中」
になっていたかもしれない。
しかし、
そんな時代が終わり、
「努力してもなかなか報われない時代」
になると、
むしろ私たちは
「少ない努力でうまくいく生き方」
を模索するようになる。
ところが、
結局はそれでもうまくいかない。
そして、
やる気が夢を失い、
流れのままに生きるような
考え方が蔓延してきた…
ただ、
世界は「努力してもなかなか報われない時代」
を何度も迎えてきた。
そして、
そんな時代でも立ち上がり、
時代そのものを変えてきたのは、
「報われなくても、
それでも努力を続けた人々」だった。
◆誠実さと、高潔さと、善意。
この3つこそ、
品格の要素となる。
◆よくも悪くも、
困難に直面したときに、
私たちの本性はさらけ出される。
困難に遭遇することで
私たちの強さは鍛えられ、
腕も磨かれ、
将来の困難に対処する力もつく。
◆人を成長させるのは、
安楽ではなく努力。
快適なものではなく、
困難が人をつくる。
どんな立場の人間であっても、
困難に立ち向かってそれを打ち壊していかない限り、
成功を掴むことはできない。
困難は私たちにとって最高の教師であり、
失敗もまた、
学ぶための最高の経験になる。
成功より失敗からのほうが、
私たちは多くを学ぶことができる。
それは「何をすべきでないか」を知れば、
「何をすべきか」がわかるからだ。
一度も失敗したことがなければ、
それに気づくこともない。
◆私たちにとって重要なのは、
「どれだけのことを知っているか?」ではなく、
「知っていることで何ができるか?」だ。
知識の目的は、
知恵を豊かにし、
人格を高めることにある。
◆実際に体験したことや、
実際に素晴らしい人に会うことに比べれば、
読んで学ぶ勉強が人生に与える影響は少ない。
◆読書をすることで教養を深めていると
過信している人は多いが、
何も行動を変えなければ、
ただ時間を潰しているだけになる。
本で読んだことは、
本質的には頭に入れたことでしかない。
これに対して、
実生活で得た経験は、
使える知恵になる。
それがどんな些細なものであっても、
読んだだけの経験よりも
はるかに高い価値を持っている。
◆読書というのは、
しばしば他人の考えを受け入れるだけの
作業になりがちで、
自身の頭で考えて行動することが伴わない。
◆私たちが身につけるべきは、
実践的な知恵であり、
人生において大切なことを理解する力である。
◆正しく耕された土壌にタネを植え、
その根を育てていかない限り、
あらゆる教育は害になってしまう。
◆本を読むだけで賢くなる人など、
どこにもいない。
知識というのは、
それを人のために使ってこそ、
「知恵」と呼ばれるものになる。
ただ、大量に役立たない知識を頭に
詰め込んでも意味がない。
◆成功の秘訣は、
自分自身の力に自信を持つことだ。
◆決断力と行動力も、
私たちが自己研鑽によって
身につけなければならない能力である。
◆もっとも効率のよい学習とは、
目標や目的をはっきりさせること。
◆偉大な人物は、
メンタルだけではなく、
体のほうも優れている。
◆健康であるかどうかは、
一般的に考えられているよりずっと、
成功するのに重要なことだ。
どんな職業であっても、
仕事をずっと続けるのであれば、
健康は欠かせない。
◆賢明な人間は必要以上にお金を貯め込まない。
◆どんな人間も現状にしっかりと目を向け、
収入と支出をしっかりと記録しておく必要がある。
この単純な計算の積み重ねが、
人生において大きな価値を持つ。
◆借金しないと手に入らないような楽しみを、
決して追い求めてはいけない。
借金をするな、
それは身を滅ぼすもとになる。
とにかく何があっても、
借金だけはしてはいけない。
◆借金は不幸の始まり
◆ウソは借金の背中に乗る
◆私たちは、
まず自分の収入の範囲内で生活できるように
しなければならない。
そうでなければ、
誰かのお金を当てにすることになってしまう。
◆世の中には2種類の人間がいる。
お金を貯める人間と、
使ってしまう人間。
つまり、
倹約家と浪費家だ。
◆世界を変えたければ、
まず自分を変えよ!
◆お金の稼ぎ方、貯め方、使い方、
与え方、受け取り方、貸し方、借り方、相続の仕方は、
その人の完成度を測るモノサシになる。
◆お金の貸し借りに手を出してはいけない。
貸せば友人を失うことになるし、
借りれば倹約の心が鈍ってしまう。
◆嘘つきは、
相手ではなく、
自分の良心を騙す。
◆利益はまず、
相手の側に与えてしまえ…
そうすればあとでちゃんと、
自分のところに戻ってくる。
◆注意力、勤勉さ、正確さ、手際のよさ、時間厳守、
スピートという6つの要素に加え、
状況判断力と遂行力と臨機応変さを持っている人間は、
間違いなく仕事において目標を達成し、
大きな成功を掴むことができる。
◆失った富は努力すれば取り返せる、
失った知識は勉強すれば取り戻せる、
失った健康も節制や薬で取り返せることがある。
しかし、
失った時間だけは、
永久に取り戻すことはできない。
◆「時は金なり」という格言があるが…
時間というのは、
実際はお金よりもずっと価値がある。
◆時間をやりくりする秘訣は…
今日やるべきことを
明日に延ばさない。
◆多くの仕事を速くこなす一番の方法は、
一度にひとつのことしかしないことだ。
ただし、
その仕事を速くやることが重要で、
その仕事が終わるまでは、
他の仕事に手をつけない。
◆小さなことを丁寧にやったほうが、
結局は早く終る。
◆どんな仕事も大成させる6つの要素とは…
1)注意力
2)勤勉さ
3)正確さ
4)手際のよさ
5)時間厳守
6)スピード
◆成功する条件について…
才能で成功する人間もいれば、
コネで成功する人間も、
あるいは奇跡で成功する人間もいる。
でも大多数は、
わずかなお金しか持っていない状態から
努力のみで這い上がってきている。
◆ビジネスにおいては、
最も困難な道が、
最も成功に近い道である。
もし成功への道を選びたいなら、
あなたは回り道をしなければならない。
◆仕事に必要なものとは
・才能
・勉強
・実践
◆仕事で成功する道は、
たいていの場合、
「当たり前のことを
当たり前にする」
ことである。
◆仕事が人の価値を決めるのではなく、
人が仕事に価値を与える。
◆ビジネスを成功に導くのに必要な資質を考えれば、
その仕事にふさわしい適正とは…
・緊急事態が起こったときに対処する能力
・巨大な数にもなる部下たちを率いる能力
・人間心理に対する深い知識
・絶え間ない自己研鑽
・経験に学び自分を成長させる力
ということになる。
◆成功するために必要なのは、
才能に恵まれることではなく、
やり抜こうと頑張れる意志があるかどうか。
だからこそ、意志の力は、
人間にとっての中核になる。
言い換えると、
意志こそが、
その人自身になる。
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◆天才とは…
忍耐である。
ビュフォン
◆人は体と心を労働で酷使しない限り、
甘いパンにはありつけない…
◆私たちは素晴らしい知恵やよい影響を
他人から受けることができるが、
最終的に私たち自身を助けるのは、
「自分自身による助け」にほかならない。
◆人が協力し合うことと、
独力で成し遂げること。
他人を信じることと、
自分を信じること。
これら2つは相対するもののように見えるが、
本当は合致させていくべきものである。
◆多くの人間は、自分が所有する富と、
自分の内面の強さについて、
取り違えて考えている。
富をほしがる人間は多くいても、
自身を磨いて強くなろうとする人間はあまりいない。
しかし、
井戸から水を汲み上げて飲めるのも、
自身でパンを焼いて食べられるにも、
生きるために学び働き、
正しいものにお金を使うのも、
自分を信じ、
自分の欲望を抑えられる強さを持った
人間だけなのだ。
◆土地は家(祖先)から相続できるかもしれないが、
知識や知恵を相続することはできない。
裕福な人間は他人を雇って働かせることができるが、
考えることを他人に代行してもらうことはできないし、
どんな教養も人から買うことはできない。
◆勤勉に励むこと、
真面目に働き続けること、
自分がしてほしいことを他人に対してし続けること…
この3つこそ、
成功できた理由だ…
リンゼー
◆「若いころ困難に遭遇し、
逆境を乗り越えること」は、
成功に不可欠な絶対条件とさえ、
言えるかもしれない…
◆そのときの貧困こそ、
のちの名声と幸福を得るための糧になったのではないか?
ラグランジュ
◆読むことよりも働くことで、
文学より実体験で、
学問より行動で、
伝記より生身の人間とのふれあいで、
人は己を完成させていく…
◆学問はそれ自体の使い方を
教えてはくれない。
しかし私たちが日常をよく観察すれば、
学問を学ばなくても、
それ以上の知恵を勝ち取ることはできる。
フランシス・ベーコン
◆国の発展とは、
まさに個々人の努力と、
活力と、正義感を合計したものだ。
逆に個々人の怠慢と、
わがままと、悪徳が積み重なれば、
国は崩壊に向けて進んでいく。
◆自らを変えようとする心が、
世の中をも変える!
どんなに厳格な法を整えたところで、
怠け者を勤勉な人間に変えたり、
浪費家を慎ましい生活を営む人間に変えたり、
酒に溺れる者を真面目な人間に
生まれ変わらせたりすることはできない。
人間が生まれ変わるのは、
それぞれの人間が自発的に
行動を変えたときだけだ。
◆私たちは「私たちの力」でしか、
幸福になれない…
自らの努力で、
自らを救う…
これが「自助」である。
誰かからいつも
助けられ続けていると、
いつのまにか人は
自分で自分を助けようとする意欲を失い、
そうすべき必要性すら忘れてしまう。
その結果、
自立心や克己心は失われ、
救いようのない人間へと転落させる。
もしかしたら…
人を助ける最善の方法とは、
その人を完全に放置しておき、
自らの力で自分を成長させる気持ちを起こさせ、
いまの困難な状況を打開させることかもしれない。