これからの世界をつくる仲間たちへ

これからの世界をつくる仲間たちへ by 落合 陽一

落合 陽一

1987年生まれ。筑波大助教。メディアアーティスト。
東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)認定スーパークリエータ。

超音波を使って物体を宙に浮かせ、三次元的に自由自在に動かすことができる「三次元音響浮揚(ピクシーダスト)」で、経済産業省「Innovative Technologies賞」を受賞。
2015年には、米the WTNが世界最先端の研究者を選ぶ「ワールド・テクノロジー・アワード」(ITハードウェア部門)において、日本からただひとり、最も優秀な研究者として選ばれた…

人呼んで「現代の魔法使い」。

世界が注目する異能の研究者が語る「すべてが変わる近未来」―
「ほんとうの21世紀」がやってきた今こそ、
知っておくべきことがある。

目次

プロローグ
「魔法をかけられている人」になるか、「魔法をかける人」になるか

コンピュータと出会って二〇年、僕は「現代の魔法使い」になった/人間の生き方が根本的に変わる/人工知能が人間を越えるとき/親は子供に見当違いの教育を与えている/「人間だけにできること」は何か/出来の悪いウィキペディアになるな/
コンピュータの弱点

第一章 君は「絶滅危惧種」でいいのか

コンピュータは「総当たり戦」が得意/人件費を激減させる「クラウドソーシング」とは/オリジナル以外の「もどき」はコンピュータに負ける/人間がコンピュータの「下請け」になる/人間はコンピュータの「インターフェイス」になる/タクシードライバーの時給を三倍にした「Uber」/共産主義が失敗したのはコンピュータがなかったから?/もはやホワイトカラーは自立的でもかっこよくもない/コンピュータは資本主義をどう変えたのか/リソースは人間の脳の中にしかない/ほか

第二章 未来を戦うための「武器」

近代の「脱魔術化」とは何か/二一世紀は「再魔術化」の時代/コピーのできない「暗黙知」を自分のなかに貯めていく/「オンリーワン」で「ナンバーワン」になろう/暗黙知は拡大再生産される/「五つの問い」を自らに投げかけよう/日本の一億人ではなく世界の七〇億人を相手にしよう/解決したい「小さな問題」を探そう/みんなが同じ価値を共有しにくい時代に何がウケるか/コンピュータで何が解決できるかを考えよう/「デジタル・ネイティヴ」ではなく「デジタル・ネイチャー」を生きる/コンピュータに支配されない「思考体力」を備えよう/あなたの「市場価値」が最大化するのはいつか/ほか

第三章 「天才」ではない、「変態」だ

「変態」の将来は明るい/大人に否定されなかった好奇心/人生を変えた「鉛筆転がし」/「イメージとマテリアルの中間」に何があるのか/駅の改札をなくす技術/世の中の「継ぎ目」をなくしたい/「WOW!」を生み出すにはどうすればよいか

エピローグ 「魔法の世紀」のパラダイム

自分の価値を自己肯定する/人間とコンピュータが親和した先に生まれる文化/インターネットと人間の区別がつかない時代

これからの世界をつくる仲間たちへ
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MEMO

これからの世界をつくる仲間たちへ

◆人は歳を取れば取るほど
何のために生きるのか」を考えなくなり、
目の前の幸福や不幸に右往左往しながら暮らしていく。

だが信念を持っている人間は
その問への明確な答えを持つことができる。

それは…

いまできる人類の最高到達点に足跡を残す
ということ。

◆素人のように考え、玄人として実行する
https://www.amazon.co.jp/dp/4569662870/

◆これからの若い世代が考えなければいけないのは…

「年収1000万円の会社に入ること」ではなく、

年収1000万円の価値がある人間になること」である。

◆いま時代が変わろうとしているのに、
多くの就活生が
相変わらず時間を切り売りするホワイトカラーを目指すことで、
余った富を獲得するチャンスを自ら手放している。

◆ワークライフバランスを考える人達は、
いずれコンピュータが発達した世界で、
出来のいいロボット」として働くことになる。

それが近未来の姿である。

◆消費 vs 投資

消費とは、
使った瞬間にそのお金の価値がゼロになる行動のこと。

投資は、
お金を使っても価値が残る

時間を切り売りしたお金で余暇を楽しむのは…
基本的には「消費」行動である。

そこで消費されるのは、
お金だけでなく、
余暇として使った時間も消費されている。

◆ワークライフバランスが問題になるのは、
好きなこと」「やりたいこと」を仕事にしていないから。

理想は、時間を切り売りしてお金を稼ぐのはなく、
自由な時間をより多く得られる仕事を選ぶ。

そうすれば、
ワークライフバランスなんて考えない。

◆人生を考える際には大きく分けて
2つの基本方針がある。

  • 時間を切り売りしてお金を稼ぐ
  • 自由に使える時間を手に入れる

どちらを選ぶかはそれぞれの価値観次第だが、
少なくとも個人的には後者が幸せな生き方だと思う。

◆これからの世界で考えなければならないのは、
「お金」と「時間」のどっちを大事にするかという問題。

なぜか?

今後の世界を支配するコンピュータにとって、
時間」はきわめて重要な概念だから。

◆自分にとって何が幸福かを明確にしていれば、
他人と自分を比較して落ち込むことはない。

言い換えれば、
それは「経済感覚」ひいては「時間感覚」を
しっかりと持つということ。

◆自分にとっての「幸福」が何なのかが曖昧だと、
つい他人の幸福に目を奪われてしまい、
「こいつらと比べて自分はなんて不幸なんだ」
と嫉妬しているだけの状態になりかねない。

◆外国人との会話も、
まずはその内容を自分の母語で
きちんとロジカルに話せることが大事。

◆これからの時代、
コミュニケーションで大事なのは、
語学的な正しさではなく、
ロジックの正しさ」である。

◆英語だけのために外国にいるのは無駄!

フィリピンのセブ島あたりに留学したら
生活のための日常会話はできるようになるかもしれないが、
専門性は高まらない。

そんなところに留学するよりは、
海外の企業にインターンとして行ったほうが
はるかに役立つ。

その世界のプロたちが仕事で使う英語を
聞くことができる。

◆重要なのは語学力ではなく、
相手が「こいつの話は聞く価値がある
と思えるだけの知性。

◆日本人が日本の国内で勝負するしかなかった時代は、
それなりに大きなマーケットのシェアを締めなければ
勝負にならなかった。

人口が1億人ぐらいないので、
その中の少数派を狙うニッチな
ビジネスは成り立ちにくかった。

でも世界には70億人もの人が暮らしている。

だから少数派にしか受け入れられない
アイデアでも、
世界を相手にすれば十分に戦うことができる

◆テーマと決めるときの「5つの問い」

  1. それによって誰が幸せになるのか
  2. なぜいま、その問題なのか。なぜ先人たちはそれができなかったのか
  3. 過去の何を受け継いでそのアイデアに到達したのか
  4. どこに行けばそれができるのか
  5. 実現のためのスキルはほかの人が到達しにくいものか

◆情報がシェアされる時代に
自分の価値を高めるには、
簡単にはシェアできない、
そしてイメージすることのできない
暗黙知を自分の中で深く彫り込んでいくしかない。

◆いまはインターネットで一瞬にして情報がシェアされ、
世界に拡散していく時代だが、
そういう誰でも知っている情報を
たくさん持っていることには何の価値もない。

◆多くの大人たちは、
しばしば子どもたちに
成功者の存在を教えて、
「この人みたいになりなさい」
とロールモデルを提示する。

しかし大事なのは、
成功した人をそのまま目標にすることではなく、
その人が「なぜ、いまの時代に価値を持っているのか
を考えること。

◆これからの資本主義は
暗黙知※」が重視される世界になる。

※経験的に使っている知識だが簡単に言葉で説明できない知識のことで、経験知と身体知の中に含まれている概念。

◆これまで労働者は、
ホワイトカラーとブルーカラーに
分けられていたが…

いま、新たにクリエイティブ・クラスという
新しい階層が生まれた。

◆誰も持っていないリソースを
独占できる者が勝つ!

コンピュータが発達したいま、
ホワイトカラー的な処理能力は
「誰も持っていないリソース」にはなり得ない。

◆誰にでも作り出せる情報の中には、
価値のあるリソースはない。

その人にしかわからない「暗黙知」や
「専門知識」にこそリソースとしての
値打ちがある。

それをどれだけ
資本として取り込むことができるか。

IT世界では、
そこが勝負になる。

◆資本主義とは…

「お金がお金を生むシステム」のこと。

情報で商売をするIT企業には、
資本主義における従来の企業と
根本的に違う特徴がある。

IT企業には、
物理的なリソース(資源)が
ほとんど必要ない。

IT企業に必要な資本はただひとつ、
「人間」だけ。

◆クラウドソーシング

  • アップワーク(Upwork)
  • クラウドワークス
  • ランサーズ

◆人が努力したり、
嫌々ながらやったりするような
単純で辛い作業や
誰がやっても同じ作業は
コンピュータにどんどんとって代わられる。

人間は努力の仕方を変えることが
求められている。

◆ガッツはレッドオーシャンだから、
そこで勝負をしても無駄である。

◆人間が持っていてコンピュータが持っていないものは何か?

それは…

モチベーションである。

コンピュータには
「これがやりたい」
という動機がない。

逆に言えば、
何かに対する強いモチベーションのない人間は、
コンピュータに「使われる」側にしか立てない。

◆平均顔は美人を作るが、
平均知能人間はウィキペディアの
劣化コピーにしかならない。

◆いま成功している資本家や上流階層たちは
自分の人生を肯定したいがために、
当然ルール作りを自分たちの流儀で行おうとする。

その「自己流のビジネスルール」が書かれたのが、
多くの自己啓発本である。

◆子どものときから単にプログラミングが
書けること自体にはあまり価値はない。

IT関係の仕事で価値があるのは
システムを作れる
こと。

プログラミングは、
自分が論理的に考えたシステムを
表現するための手段にすぎない。

「プログラミングができる」というのは、
いわば「算数ができる」ぐらいの話。

大事なのは、
算数を使って何をするかということ。

それと同様に、
プログラミングができるだけでは意味がない。

それよりも重要なのは、
自分の考えをロジカルに説明して、
ロジカルにシステムを作る能力である。

◆大事なのは英語力ではない

たとえばコンピュータが翻訳しやすい
論理的な言葉遣いが母語でちゃんとできること、
つまりそのような母語の論理的言語能力、
考えを明確に伝える能力が高いことのほうが、
はるかに重要である。

投稿者: book reviews

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