経済ってそういうことだったのか会議 by 佐藤 雅彦, 竹中 平蔵
佐藤 雅彦
1954年生まれ。
東京大学教育学部卒。
電通のクリエイティブ局を経て、94年独立。
現在、TOPICS代表。99年より慶応義塾大学教授。
90年クリエーター・オブ・ザ・イヤー賞、90、91、01年ADCグランプリ受賞。
99年「だんご3兄弟」でレコード大賞特別賞・企画賞、NHK会長賞、ゴールドディスク大賞。00年i‐mode公式サイト「うごくID」開始…
竹中 平蔵
1951年生まれ。
一橋大学経済学部卒。
日本開発銀行、ハーバード大学客員教授、大蔵省財政金融研究所主任研究官、大阪大学経済学部助教授、慶応義塾大学教授を経て、2001年4月経済財政・IT担当国務大臣に就任。
国務大臣経済財政政策担当大臣。
サントリー学芸賞、エコノミスト賞など数多く受賞…
竹中平蔵と藤雅彦が
この地球の経済をやさしくするどく解き明かす、
新・経済の入門書…
目次
第1章 お金の正体―貨幣と信用
第2章 経済のあやしい主役―株の話
第3章 払うのか取られるのか―税金の話
第4章 なにがアメリカをそうさせる―アメリカ経済
第5章 お金が国境をなくす―円・ドル・ユーロ
第6章 強いアジア、弱いアジア―アジア経済の裏表
第7章 いまを取るか、未来を取るか―投資と消費
第8章 お金儲けはクリエイティブな仕事―起業とビジネス
第9章 人間とは「労働力」なのか―労働と失業
終章 競争か共存か

MEMO
経済ってそういうことだったのか会議
◆20代は、
会社に投資していると考える。
本来の仕事より安い給料に甘んじて、
その差額分は会社に投資していると。
その代わり大きく返してくれよと思っているが、
その投資したものが今後は大きくなって
返ってこないかもしれない。
◆「自分に投資する」ということは、
経済学的には投資ではなく消費である。
消費というのは、
「費やして消えてしまう」こと。
お寿司を食べても英会話を習っても、
お金は消えてしまう。
経済学的に投資という場合は、
費やして消えるものではなくて、
将来リターンを得ることを目的として
お金を投下することをいう。
ちなみに、
自分が住むために買ったマンションでも
投資という。
なぜか?
将来そこに住めるという
リターンがあるから、
消えてなくならない。
3000万円のマンションを買ったといっても、
20年間くらいは、
そこに住めるというリターンがある。
◆人間が考えるということは
抽象化することである。
抽象化しないと、
本質を考えることはできない。
◆日本は、関税が高いと思われているが、
これは事実と違う。
日本は世界で最も関税の安い国である。
ただ、一部に目立つのがある。
たとえば、コメとか19品目。
これらがあるから、
関税が高いと思われている。
◆税金払ってない人には減税のしようがない。
だから、地域振興券という商品券減税になる。
◆サラリーマンのうち30%は、
所得税を1円も払っていない。
なぜか?
課税の最低限が非常に高いから。
◆一方に対しては、
いくら働いても税金をとられるということで
やる気をなくさせる。
もう一方に対しては、
そんなに働かなくても食べていけるということで、
まじめにやる気をなくさせる。
だから、
政府がお金を税金としてとって、
その所得を再分配するような社会の機能が大きくなりすぎると、
その国はダメになる。
◆アメリカは合衆国だから
州によって競争する。
アメリカが強くなった理由の一つは
この州の競争にある。
それぞれの州が商法と民法を持っている。
◆会社の価値は、
期待と金利で決まる。
◆株式と美人コンテスト
「美人投票」では、
誰を美人と思っているかというのは、
重要ではない。
「誰が美人だとみんなが思っているか」
ということを競い合って当てる。
そうすると、
本当は自分がこの人が素敵だと思っているとか、
そういうのとは全然関係ないところで
結果が決まってしまう。
株や為替のマーケットも同じである。
◆お金には3つの役割がある
- 価値尺度
- 交換手段
- 貯蓄手段
◆貨幣の価値は
たとえそえが紙だろうとゴミだろうと、
みんなの「信用」によって決まる。