高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版

高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 by 一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会 ガイドライン改訂委員会

改訂第3版では、
第2章として、
診療上重要度の高いクリニカルクエスチョン7個を設け、
それぞれのエビデンスと推奨を示した。

第3章の診療マニュアルでは、
アップデートに加え、
高尿酸血症の新規病型分類、
小児の高尿酸血症を追加し、
医療者のベストプラクティスと
患者の意思決定支援に役立つ診療ツールをめざした。

目次

●発刊に寄せて
●執筆者一覧

序章
Drug Information
●治療ガイドラインのスウィフトリファレンス
1本治療ガイドライン作成の背景と目的
2本治療ガイドラインの使い方
3治療アルゴリズム・クリニカルクエスチョンと推奨
4高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版の主な変更点
●重要用語の定義,略語一覧

第1章 作成組織・作成方針
1 背景・目的・スコープおよび使用上の注意
2 治療ガイドライン改訂組織
3 重要臨床課題・アウトカムとクリニカルクエスチョン
4 システマティックレビュー,エビデンスの質の評価と推奨作成
5 治療ガイドラインの公開と普及のために

第2章 クリニカルクエスチョンと推奨

CQ1 急性痛風関節炎(痛風発作)を起こしている患者において,NSAID ・グルココルチコイド・コルヒチンは非投薬に比して推奨できるか?
CQ2 腎障害を有する高尿酸血症の患者に対して,尿酸降下薬は非投薬に比して推奨できるか?
CQ3 高尿酸血症合併高血圧患者に対して,尿酸降下薬は非投薬に比して推奨できるか?
CQ4 痛風結節を有する患者に対して,薬物治療により血清尿酸値を6.0 mg/dL以下にすることは推奨できるか?
CQ5 高尿酸血症合併心不全患者に対して,尿酸降下薬は非投薬に比して推奨できるか?
CQ6 尿酸降下薬投与開始後の痛風患者に対して,痛風発作予防のためのコルヒチン長期投与は短期投与に比して推奨できるか?
CQ7 無症候性高尿酸血症の患者に対して,食事指導は食事指導をしない場合に比して推奨できるか?

第3章 高尿尿酸血症・痛風の治療マニュアル
A トレンドとリスク
1 高尿酸血症の定義
2 高尿酸血症のリスク
1)痛風
2)腎障害
3)尿路結石
4)メタボリックシンドローム関連
5)高血圧と脳・心血管病
6)総死亡(含悪性腫瘍)

B 診断
1 尿酸の測定
2 高尿酸血症の病型分類
3 痛風
4 二次性高尿酸血症・痛風

C 治療
1 痛風関節炎と痛風結節
2 尿酸降下薬の種類と選択
3 高尿酸血症
4 腎障害
5 尿路結石
6 高血圧
7 動脈硬化
8 心不全
9 メタボリックシンドローム
10 腫瘍崩壊症候群における高尿酸血症
11 生活指導
12 小児の高尿酸血症
13 医療経済の視点と高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン

付録
1 プリン体含量 食品中
2 プリン体含量 酒類中
3 尿酸降下薬一覧表(2018年11月現在)

索 引

高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版
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MEMO

高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版

◆高尿酸血症の病型分類

腎臓から尿への尿酸排泄動態により、
排泄不全や排泄過剰の高尿酸血症の存在が指摘され、
いくつかのカットオフ値が提唱されている。

高尿酸血症は尿酸排泄低下型、
尿酸産生過剰型そして両者の特徴を持つ
混合型に分類されてきた。

高尿酸血症のなkで、
尿酸排泄低下型が約60%、混合型が約30%、
尿酸産生過剰型が約10%であり、
排泄低下型の特徴をもった高尿酸血症が大多数を占めている。

近年、尿酸排泄に働くトランスポーターであるABCG2が腎臓や腸管からの
尿酸排泄に関与し、
ABCG2の機能低下により尿酸の腸管排泄が減少する結果、
腎臓からの尿酸排泄が増加しやすくなることが明らかになった。

つまり、尿中の尿酸排泄量からは、
見かけ上、尿酸産生過剰の所見を呈する。

そこで、
この尿酸の腸管排泄減少による高尿酸血症は、
腎外排泄低下型高尿酸血症として病型に
新たに追加された。

腎外排泄低下型高尿酸血症は、
おもにABCG2の機能低下が関与している。

病型に関与する環境要因としては、
過激なダイエット、
プリン体過剰摂取、果糖過剰摂取、
肥満、激しい運動や飲酒などの
生活習慣の影響がある。

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