未来の働き方を考えよう

未来の働き方を考えよう by ちきりん

ちきりん

関西出身。
バブル最盛期に証券会社で働いた後、
米国での大学院留学を経て外資系企業に勤務。

2010年に退職してからは文筆活動や対談を中心に、
“楽しいことだけして暮らす”人生ふたつめの働き方を実践中…

変化を恐れて過去にしがみつくのではなく、
変化を前向きに受けとめ、
新しい時代の可能性を楽しもうとする姿勢が、
時代の変わり目には重要です。

社会が激変する次の10年を楽しくワクワク生き抜くために!

目次

〈序章〉 ”働き方本”ブームが示すモノ
〈第一章〉現状維持の先にある未来
〈第二章〉世界を変える3つの革命的変化
〈第三章〉新しい働き方を模索する若者たち
〈第四章〉「ふたつの人生を生きる」
〈第五章〉求められる発想の転換
〈終章〉 オリジナル人生を設計するために

未来の働き方を考えよう

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MEMO

未来の働き方を考えよう

◆市場が求めているものとは、
突き詰めれば時代が求めているもの。

それを提供しようとすれば、
自然と自分にも、
時代が求めるスキルが身につく。

土日だけでも副業として市場に向き合ってみれば、
その感覚を身につけるのに役立つはず。

成功報酬や、歩合制のアルバイトをやってもいいし、
フリーマーケットに売り手といして参加するのもいい。

◆これから社会に出る人には、
できるかぎり市場感覚を身につけられる仕事を選ぶことを、
お勧めする。

この感覚を身につければ、
時代が変わり、
所属していた組織が沈み、
人生が100年の時代になっても、
一生苦労しなくて済む。

市場から稼ぐ力がないと、
せっかく将来を見据えて複数のシナリオを考えても、
組織に守ってもらう以外に選択肢を選ぶことができない。

反対に、
市場が求めているものを提供する力と自身が身につけば、
未来に向けて選ぶことのできるシナリオは、
今よりずっと自由で多彩なものになる。

◆多くの人がお金のない人生を不安に思う。

でも、それよりつらいのは、
やりたいことの見つからない人生だ。

何かに熱中する子どもに、
とくかく勉強しろとか、
まずは大学に行けなどといって、
やりたいことを放棄させるのは
本当にバカげている。

誰の人生にとっても、
心からやりたいこと」が見つかるのは
僥倖(ぎょうこう)と言えるほど
ラッキーなこと。

それは、
能力があるとか、
お金があるなどという条件とは
比べられないほど恵まれたことなのだ。

◆自分がやりたいことが明確になれば、
人生はものすごく楽になる。

それが明確になれば、
世間の常識に自分を合わせる必要がなくなる

より有名な会社に入るとか、
より高い地位を目指すとか、
よりよい給料をもらうということに、
ほとんど意味がなくなる。

◆「いつか」ではなく「」やろう

大病をしなくても、
歯が悪くなって食べられるものに制限が出てきたり、
目が悪くなって長時間の読者やパソコン作業が
辛くなるかもしれない。

だから絶対やりたいことは、
「いつか」ではなく「」やっておくべき。

自分が心から楽しいと思える生活を封印し、
できるだけ節約して貯金を殖やしながら、
今の仕事と生活をあと何年も続ける
のが、
本当に唯一の、
もしくはベストな選択肢なのか?

人生はいつまで続くかわからない。

この意識をもつことが、
くだらない世間の「あるべき論」に汲々(きゅうきゅう)と従う生き方にたいして、
立ち向かう原動力になってくれる。

なんとなく過ぎていく日常は、
あたかも永久に続くかのように思える。

でも実際には、
終わりは突然(そして当然)やってくる。

◆本当の不安とは、
人生が終わるという瞬間が、
明日にもやってくるかもしれない、
ということ。

それに比べれば、
その他の不安など質的に全く及ばないところにある。

だから、
死の意識人生の有限感をもつ人は、
それ以外の細かい不安に怯えない。

最も大事なのは何なのかが、
わかっているから…。

人生が有限だと宣告された時に
生き方が変わるのだとしたら、
それまでの人生は、
自分が本当に望んでいる生き方では
なかったということ。

いつか人生が終わっても、
後悔しない、
本当に楽しい人生だった、
やりたいことはすべてできたと
思える生き方をしてはどうだろうか。

いつ「長くは生きられません」と言われても、
一通り取り乱し、
泣き叫んだ後には、
「でも、私はやりたいことを全部やってきた。
後悔することはない

と確信できる生き方をしたいと思う。

◆毎月の必要経費が人によって異なるように、
寿命も人によって異なる。

そして実は、
毎月の生活費なんかより、
寿命の差のほうが余程、
重要となる。

結局のところ、
自分のお金で死ぬまで(経済的に)
困らない人というのは、
少々年収が高いとか、
ちゃんと貯金をしているとか、
家のローンが終わっていたなどという人ではなく、
寿命が短い人である。

だから、
十分な(=死ぬまで食べていける)お金が貯まるまで働こう
と考えるのではなく、
元気な限りそこそこ稼げる態勢を、
一定年齢(40代)をめどに整えよう

と考えるほうがよほど現実的であり、
それが40代で働き方を再設計するという考え方である。

◆たとえば300万円の車を買えば、
年間40万円の維持費がかかる。

10年間、車を買い換えなくても、
購入費と維持費で合計700万円が必要になる。

これは、
1年を230万円で暮らせる人にとっては、
3年分の生活費にあたる。

したがって、
車を買うという選択は、
車のために生涯で3年間は長く働く
という選択をしているのと同じである。

車を10年間保有して65歳まで働く人は、
車を保有せずに62歳まで働くという
選択肢ももっている。
———————————–
◆これからの仕事、
そして「働くこと」とは、
「人生におけるすべての欲求を満たしてくれる土台となるもの」
ではなく、
人生にとって重要なもののひとつ」という位置づけに変わっていく。

「仕事=人生の土台」などという世界観を、
全員が共有できる時代は既に終わってしまったのだ。

◆日本人のどれだけの人が
ミニマムな生活を選ぶかは分からない。

ただ、100人に数人が
「不動産も子どももいらない。
その代わり、あまり長い期間、
働きたくない」という社会を、
不健全だとは思わない。

そういう人が一定数、
現れることはごく自然だし、
それを望む人がそう生きられる社会は、
豊かな社会だとさえ思う。

今までは、
一生懸命働き、
よりたくさん稼いで、
より豊かな生活を目指すことが
一種の「常識」だった。

しかしこれからは、
必要生活費をできるだけ抑え、
働く期間を最短化するという逆転の発想で
人生を設計する
ことも、
ひとつの選択肢となる。

たとえば、
若い頃にまとめて働いたうえで早期引退を目指す、
最初から生活費をミニマムにし、
短期のアルバイトだけで食べていくことを目指す、
もしくは生活費がより安い国に移住して、
さらに少ないコストで食べていこうとするなど、
様々なバリエーションがありえる。

働く時間をできる限り少なくしようとする人は、
これから確実に増えていく
と思う。

◆お金がなくても生きていける日本

ざっくり言って、
私たちが一生に必要な費用は次の4つである。

  1. 基礎生活費
  2. 住宅購入費
  3. 育児、教育費
  4. 老後費用

それぞれどの程度の額が必要かは
人によって異なるが、
生涯年収が数億円とすれば、
1~4のそれぞれに数千万円ずつ
使うのが一般的なお金の使い方になる。

しかし、ミニマムに暮らしたいと考える人たちには、
このうち2と3が最初から不要となる。

それはつまり、
人生において1から4までのすべてが必要な人の、
半分ほど稼げば(=約半分の年数だけ働けば)
生きていける
ということになる。

1の基礎生活費が安い人は、
4の老後費用も低い水準のままになる。

さらに大きいのが税や社会保障費、
医療費の負担の違いで、
アルバイトで月に8万円(年96万円)程度を稼ぐだけなら、
所得税も住民税もかからない。

国民年金と健康保険が必要だが、
これらも減免が認められる場合がある。

万が一の場合も高額医療費制度があるため、
病気に備えて多額のお金を貯めておく必要もない。

所得が最低ランクの範囲内であれば、
医療費も最大負担月額は3万5400円となる。

これなら大病で3ヶ月入院しても10万円ほどなので、
突発的な事態に備えて100万円ほどの貯蓄をつくり、
あとは、毎月必要な最低限度の額を稼ぐという
ミニマムな生活でも、
他人に迷惑をかけることはない。

医療費の上限額は、
病気になりやすい70歳以上では、
さらに下がる。

◆ミニマムに暮らすという選択

いまは、
これまでの常識とはかけ離れた生き方を
選ぶ若者もいる。

たとえば、
生きることにかかる費用を最小化することにより、
人生において働かなければならない時間も、
最小化
しようとする生き方。

◆一部の若者は、
市場が成長し続ける分野、
需要に供給が追いつかない分野を選び、
自由度と柔軟性を確保して、
働く」と「働かない」を
繰り返す働き方を選んでいる。

◆「手に職」の罠

いまや難関資格さえ取れば、
一生食べるに困らないという考えは通用しない。

医療や介護関係の仕事をしている人が
職探しに困らないのは、
彼らが資格を持っているからではなく、
労働市場において供給を大きく超える
需要
があるからである。

大事なのは「資格の有無」ではなく
市場のニーズの有無」である。

◆大組織に一生囲われて生きる
「安泰だけれど40年以上中断できないキャリア」と、
「5年働いて数ヶ月休む」、
「10年働いて2年間留学する」、
「3年働いて、半年は専業主夫」といった
自由度がある間欠泉的キャリア。

あなたならどちらを、
好ましい働き方だと思うか。

◆再就職に不安のない仕事を得ると、
「何年か働いたら、
何ヶ月かは休みを取る」
という働き方が可能になるのだと気づく。

◆これまでは、
お金にしろ人的ネットワークにしろ、
過去に貯めたものの多さ(=ストックの量)が
人生の豊かさを規定
していた。

だからみんな必死で働き、
頑張ってストックを増やそうとしてきた。

でも100歳まで生きるかもしれない時代に、
過去に貯めた資産を後生大事に握りしめ、
資産が減らないか、
これで十分か、
と心配しながら生きる人生は、
楽しいものではない。

そうではなく、
組織を離れても稼げる力や、
年齢を重ねても楽しいものに挑戦できる
好奇心や前向きな姿勢、
見知らぬ人とも良好な関係を
築ける人付き合いの能力
などが、
人生の豊かさを決める。

過去に貯めたものだけでは
もたないほど人生が長くなると、
たくさん資産を持つ人から
生きる力のある人への、
パワーシフト
が起こる。

—————————————–
◆人間関係もストックよりフロー

今後大事なのは、
「頼りになる家族がいる」というストック型の人的ネットワークではなく、
高齢になってからでも近隣や趣味の仲間、
もしくはネット上で知り合った人たちと新たな関係性を
作っていくというフローの人的ネットワークの形成能力。

過去に築いた人的資産の質と量ではなく、
何歳になっても新たな人的関係を構築していく能力が
問われる時代となる。

◆パワーシフト(その3):ストックからフローへ by 人生の長期化

これからはみんな、
ストック型からフロー型にシフトしていく必要がある。

これまでの社会では、
できるだけ多くのストック、
すなわち資産をもつことが有利な立場だとされていた。

資産とは貯金のことでもあり、
家族や同級生などの人的ネットワークや、
大学の卒業証書や資格などの肩書も含め、
過去において手に入れ「ストックしてあるモノ」という意味。

今の社会では、
ストックをたくさんもっている人ほど
豊かに暮らせる。

でも今後、
人生100年の時代になれば、
ストックが多いことより、
その時々になんらかの価値を生み出し続ける
「フローの力」の方が重要
になる。

たとえば、
貯金はあるけれど自分で稼ぐ力のない人と、
貯金はないけれど、
自分で稼ぐ能力のある人の対比が、
わかりやすい。

前者は長期間にわたり大企業で働いてきたような人。

毎月、給与が振り込まれ、
年に2回はボーナスも出るし、
退職金ももらえて、
貯金をたっぷりもっている。

でも、長らく組織から給料をもらうだけだった人には、
自分で稼ぐ力がない。

こういう人は人生が長くなると、
いくら貯金があっても、
毎月毎年それが減り続けるという不安に怯えながら
暮らすことになる。

彼らは、
自分にあるのは貯金であって稼ぐ力ではない
と自覚している。

だから、
「もし100歳まで生きたらどうしよう!?」、
「大きな病気をしたらこんな額では全く足りない!」
などと計算ばかりして、
できるだけお金を使わず生活しようと、
どんどん後ろ向きの老後を送ることになる。

一方、ストックは少ないけどフローの力はもっている人もいる。

貯金は少なくても、
最低限の生活費を自分で稼げる人ならば、
もしも長生きしても、
なんとか食べていけるだろう
」と考えることができる。

こういう人の多くは、
机に座っているだけで、
給与が振り込まれる大組織で働いてきたわけではない。

そのため常に自分で、
どうやって稼ぐべきか考えている。

彼らにとって自分でちょこちょこと稼ぐことは、
ごくあたりまえのことである。

長生きの可能性が高まると、
いくら貯金=ストックをもっていても不安は尽きないけど、
稼ぐ力=フローを得る力がある人は、
ストック型の人より安楽に構えていることができる。

いわば、
過去に貯めた資産を持つ人から、
稼げる人へのパワーシフト
」が起こる。

◆つい最近まで私たちの住む世界は、
数億人が住む先進国と、
それ以外の数十億人が住む非先進国に分かれていた。

先進国の総人口は、
北米3億人、西欧先進国3億人、
日本1億人と一部のお金持ち(中東やアジアの富裕層)の、
合計8億人程度である。

これらの人たちの優雅な生活は、
他の大多数の人たちが、
エネルギーも食料もろくに消費せず、
安価な労働力を提供してくれるという前提のともに
成り立っていた。

今、その構造は大きく崩れようとしている。

◆工場が海外に移ったように、
これからのホワイトカラー業務が丸ごと海外に移転することも、
もはや時間の問題とさえ言える。

◆年功序列型の賃金体系は、
「単身者や共働きの20代と、
妻子の生活費や教育費、親の介護に住宅ローンまで抱えた50代では、
生活に必要な額がまったく違う。

両者の仕事のデキが同じだからといって、
同じ給与にする必要はない。

給与はそれぞれの生活に必要な額を支払うべきだ」
という考えを反映して、
設計されている。

だからどんなに仕事ができても、
若いうちは低賃金で我慢し、
どんなに仕事の能力が衰えても、
50歳の人にはそれなりの額を払うというのが、
今までの約束だった。

しかし、
世界規模での同一労働・同一賃金という原則は、
「給与は仕事の対価である」という考え方に基づいており、
今まで日本の組織が維持しようとしてきた
年功序列型の賃金秩序(=給与額は必要な生活費も勘案して決められるべきものだ)と、
真っ向からぶつかる。

「中高年は家族を養わないといけないから、
給与を高く設定する」などという国内限定ルールは、
維持できなくなる。

◆これまで先進国では、
同一労働・同一賃金という言葉(論理)を、
国内の格差解消につながるポジティブな概念として使用してきた。

しかし、グローバルに見ればこの言葉は、
新興国が先進国から雇用を奪うことを
正当化する論理である。

国内だけにこの原則を適用するなどという身勝手な選択肢は、
もはや残されていない。

◆工場を海外移転するメーカーの理屈は、
「ベトナム工場での人件費は日本の10分の1だ。
だから日本の工場は閉鎖する。
同一労働には同一賃金しか払えない。
そうでないと世界では戦えない」
というもの。

◆パワーシフト(その2):先進国から新興国へ by グローバリゼーション

これまでの格差は国と国の間にあり、
それは南北問題と呼ばれていた。

でも今、
国家間の格差は急速に縮小し、
個人と個人の格差に置き換えられようとしている。

この現象は、
「先進国生れ」という既得権に守られ、
子どもの頃から豊かな生活を享受してきた人たちには、
受け入れ難いこと。

だから先進国のあちこちで、
抵抗運動(デモ)が起こった。

※米国のトランプ大統領は反グローバリズムを掲げている。

◆パワーシフト(その1):大組織から個人へ by IT革命

技術がスゴイというだけでは、
革命とは呼ばれない。

飛行機革命という言葉が存在しないのは、
飛行機がパワーをもつ層の逆転を起こしていないからである。

では、IT革命は、
何から何へのパワーシフトを実現したのか?

ITの進化は、
これまで圧倒的な力を持っていた国や大企業などの大きな組織から、
今まではそれに従属するしかなかった個人や、
個人が集まっただけのネットワーク
へ、
パワーシフトを起こした。

◆日本全体で見れば、
20歳から39歳の人たちが使うお金の総額は、
人口減少スピードとほぼ同じ勢いで減っていく。

そしてそれは、
2010年から2050年までで、
45%(ほぼ半減!)にも及ぶ劇的な減少率となる。

◆年金の支給開始年齢が70歳まで延長された時
あなたは本当にその年齢まで、
今の職場で今の仕事を続けていたいと思うか。

もう一度、考えてみてほしい。

◆これから起こる社会、
そして働き方の変化の中には、
望ましいこともそうではないこともある。

しかし重要なことは、
政府や企業が決めたルールを
黙って受け入れるのではなく、
ひとりひとりが自分で自分の働き方を
選んでいく
という気持ちをもつことが大事。

◆これからは、
働く場所も仕事内容も、
否応なく変わっていく。

そんな中、
「いつまで、
どのように働くのか」
ということが、
国籍や年齢にかかわらず、
先進国で生きる人全員に問われている。

◆変化を恐れて過去にしがみつくのではなく、
変化を前向きに受けとめ、
新しい時代の可能性を楽しもうとする姿勢が、
時代の変わり目には重要である。

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