EQ 2.0 (「心の知能指数」を高める66のテクニック)

EQ 2.0 (「心の知能指数」を高める66のテクニック) by トラヴィス・ブラッドベリー, ジーン・グリーブス

トラヴィス・ブラッドベリー
タレント・スマートの共同創業者。著作家。臨床心理学と組織心理学の両方で博士号を取得。
臨床心理学の学士号はカリフォルニア大学サンディエゴ校にて取得。
リンクトインのインフルエンサーとしても有名…

ジーン・グリーブス
タレント・スマートの共同創業者で最高経営責任者(CEO)。著作家。
組織心理学の修士号および博士号をカリフォルニア大学にて取得。
心理学の学士号はスタンフォード大学にて取得。
上院の秘密会弁士、査定専門家であり、企業管理職(経営幹部レベル)の指導コーチ…

「自己認識力」「自己管理力」「社会的認識力」「人間関係管理力」
というEQの4つのスキルを理解し、
66のテクニックから、
適したEQ向上の戦略をたてていく…

目次

まえがき パトリック・レンシオーニ
第1章 EQへの旅
第2章 EQとはそもそも何か
第3章 EQの四つのスキルを理解する
第4章 EQを高めるための行動計画
第5章 自己認識力を高めるためのテクニック
第6章 自己管理力を高めるためのテクニック
第7章 社会的認識力を高めるためのテクニック
第8章 人間関係管理力を高めるためのテクニック
エピローグ EQ分野における最近の発見23

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MEMO

EQ 2.0

◆「人に釣竿を与えれば、
1週間に一匹魚が釣れる。

餌の使い方を教えれば、
1日1匹魚が釣れる。

どこでどう魚を釣ればいいかを教えれば、
一生食べ続けるだけの魚が釣れる

という中国の格言がある。

逆に言えば、
釣竿もなく、
餌もなく、
どこでどう魚を釣ったらいいかも
知らなければ、
飢えて死の危険に晒されるということだ。

それと同じで、
感情が自分たちの人生に
どこでどう影響するかがあまり理解できず、
感情を無視してしまう人たちは、
なかなか成功できない。

一方で、
正しいツールと戦略を使って感情を手なづけることができれば、
成功できる位置に自分を置くことができる。

個人でも、組織でも、国家でも、
それは同じだ。

◆中国の経済成長と、
グローバル市場での競争優位を支えていたのは、
自己管理能力だった。

アメリカのエグゼクティブは中国のエグゼクティブに比べて、
自己管理と人間関係管理のスキルが
15ポイントも低かった。

中国ではビジネスと私生活が一体となっている。

上司は部下と夕食を共にしながら
ビジネスのトレンドやキャリアの目標や家族
について語り合う。

◆人間関係管理スキル

社会的スキルのもうひとつの要素が
人間関係管理力で、
これにはEQの3つのスキルが必要になる。

すなわち、
自己認識、自己管理、社会的認識のスキルだ。

人間関係管理力とは、
自分と他人の感情を理解し、
その理解を利用して人との関わり合いうまく
マネジメントする力だ。

この力には、
意図を明確に伝え、
争いを上手に扱うスキルが必要になる。

人間関係の管理とは、
時間をかけて他者と絆を築くことでもある。

人間関係の管理に優れた人たちは、
自分の気にいらない人とでも
絆を築くことの利点をよく知っている。

あなたが他者をどのくらい理解しているか、
他者をどのように扱っているか、
あなたが自分の経験をどこまで共有できるかによって、
人間関係管理力が決まる。

▶人間関係管理力を高めるテクニック

  1. 心を開いて好奇心を持つ
  2. 自分なりの自然なコミュニケーションのスタイルを磨く
  3. 相手を混乱させない
  4. ちょっとした思いやりを示す言葉を使う
  5. フィードバックを素直に受け止める
  6. 信頼を築く
  7. オープンドア(門戸開放)政策を取り入れる
  8. 怒るときは意図的に
  9. 避けられないことは自然にまかせる
  10. 相手の気持ちを認める
  11. 相手の感情や状況を補う
  12. 気にかけていることを、行動で示す
  13. 決定の理由を説明する
  14. 率直に建設的なフィードバックを与える
  15. 意図と結果を一致させる
  16. ちぐはぐな会話を修復する
  17. 厳しい対話を交わす

◆社会的認識スキル

社会的認識力は社会的なスキルの
ひとつ目の要素であり、
人間関係の土台になるスキルである。

これは、
他者の感情を正確に読み取り、
相手の心の中で何が起きているかを理解する力である。

つまり、
他人が考えていることや
感じていることが自分と違っていても、
相手の立場に立てる能力と言ってもいい。

自分の感情に囚われて、
つい他人の人たちの視点に立てなくなることはある。

社会的認識スキルがあれば、
周囲への目配りと気配りができ、
重要な情報を読み取ることが可能になる。

社会的認識スキルを構成する
最も重要な要素は、
「聞く」ことと「観察」することだ。

他人の意見にしっかりと耳を傾け、
周囲で何が起きているかを観察するには、
どうしたらいいか?

それには、
話すことをやめ、
心の中にいつも浮かび上がってくるひとり言をやめ、
相手の結論を勝手に推測するのをやめ、
次に何を言おうかと考えるのをやめなければならない。

目の前の相手を本当に観察し、
その人が何を考えどう感じているかを読み取るには、
練習がいる。

▶社会的認識力を高めるテクニック

  1. 挨拶するときに相手の名前を呼ぶ
  2. ボティー・ランゲージを観察する
  3. 正しいタイミングを見計らう
  4. 質問を準備しておく
  5. ミーティングでメモを取らない
  6. 集まりに前もって備える
  7. 頭の中を片付ける
  8. 今に集中する
  9. 15分の旅に出る
  10. 映画の中にEQを見る
  11. 傾聴の練習をする
  12. ピープル・ウォチングに出かける
  13. 文化的な規範を理解する
  14. 読みを確かめる
  15. 他人の立場に立つ
  16. 全体像を見る
  17. その場の雰囲気を読み取る

◆自己管理スキル

人が行動を起こすときや、
あえて行動を起こさないときに表に出るのが、
自己管理力だ。

個人スキルの第2の側面である
自己管理スキルの高さは、
自己認識力に左右される。

自分の心の動きを知ることによって、
柔軟性を保ち行動を前向きにな方向へ
変えられる能力が、
自己管理スキルである。

それはつまり、
状況や人に対する感情的な反応を
コントロールする力だ。

自己管理とは、
単に衝動や問題行動を抑えることではない。

何よりも難しいのは、
長期にわたって自分の傾向をコントロールし、
さまざまな状況でこの力を実践することだ。

一時的な欲求を脇に置いて、
いつも自分の傾向をコントロールできる人に、
成功は訪れる。

▶自己管理力を高めるためのテクニック

  1. 正しい呼吸をする
  2. 感情と理性のリストを作る
  3. 目標を公開する
  4. 10まで数える
  5. とりあえず放っておく
  6. 自己管理の達人と話す
  7. 笑顔や笑い声を増やす
  8. 毎日、問題解決の時間を取る
  9. ひとりごとをコントロールする
  10. 新しいスキルを身につけた自分の姿を思い描く
  11. いい睡眠を取る
  12. 制約より自由に目を向ける
  13. 行為に集中する
  14. 関係者でない人と話す
  15. あなたが出会うすべての人から学ぶ
  16. スケジュールの中に充電時間を入れる
  17. 変化がすぐそこまできていることを認める

◆自己認識スキル

自己認識力とは
その瞬間の自分の心の動きを把握し、
さまざまな状況での自分の傾向を理解する力である。

自分の傾向を
正確に知っておくっことは特に重要だ。

そうすれば
自分の心の動きがすぐに察知できるようになる。

自己認識スキルを高めるには、
いやでもネガティブな感情に
目を向けることが必要になる。

心の動きを本当に理解するためには、
どこからその感情が生まれ、
なぜそう感じるのかを
時間をかけてじっくりと
考えなければならない。

あなたがそう感じるのは
かならず理由がある。

その場の状況へのあなたの反応が
感情として現れる。

感情の出どころがどこかにあるはずだ。

▶自己認識力を高めるテクニック

  1. 自分の感情を「いい」か「悪い」かで見ない
  2. 感情の波及効果を観察する
  3. 居心地の悪さに慣れる
  4. 感情を身体で感じる
  5. あなたの感情ボタンを押す人やものを知る
  6. 鷹の目で自分を見る
  7. 感情を日誌につける
  8. 悪い気分に左右されない
  9. いい気分にも左右されない
  10. 立ち止まって「なぜそう感じるのか?」と自問する
  11. 自分の価値観に立ち返る
  12. 自分自身を振り返る
  13. 本や映画や音楽の中に自分の感情を見つける
  14. フィードバックを求める
  15. ストレスのかかったときの自分を知る

◆EQの4つのスキル

・個人的なスキル▶自己認識・自己管理
・社会的なスキル▶社会的認識・人間関係管理

◆あらゆる職種において、
成果の58%はEQによって生み出されている。

職場で成果を出せるかどうかは
EQによって決まると言ってよい。

リーダーシップと個人の成功の
原動力になっているのもEQだ。

◆人間は感情の生き物で、
私達の脳は、
まず感情に反応するようにできている。

このことは、
どうすることもできない。

しかし、
感情のあとの思考をコントロールすることはできるし、
感情にどう反応するかも、
心の動きに気づいている限りは
コントロールすることはできるし、
感情にどう反応するかも、
心の動きに気づいている限りは
自分でコントロールできる。

◆人生の中で湧き上がる感情は
さまざまな言葉で表現されるが、
核となるのは次の5つの感情だ。

・幸せ
・悲しみ
・怒り
・恐れ
・恥

私達は人生のほとんどすべての出来事に
感情的に反応する。

こうした複雑な心の動きがはっきりと
表に出ることもあれば、
そうでないこともある。

◆私達の3分の2は感情に支配されていて、
心の動きを把握して自分の味方につけることが
できていない。

学校では、
心の動きを認識し、
それを理解するためのスキルは教えてくれない。

難題に出くわしたときに
心をコントロールする技術を身につけている人は
ほとんどいない。

知識だけでは、
優れた判断はできない。

自分を知り、
必要なときに心の動きをコントロール
することができてはじめて、
優れた判断ができる。

◆EQ向上の第一歩はまず、
オンラインで
「エモーショナル・インテリジェンス・アプレーザル」
テストを受けることだ。

このテストの結果を出発点と考える。

そうすれば、
EQについて学ぶうちに、
どれほどEQが上がるかを測ることができる。

EQを測ることで、
単なる理論や印象だけでない学びが得られる。

EQスコアの分布を見れば、
どのEQスキルを向上させたらいいかがわかるし、
どのテクニックを使ったらそこに到達できるかもわかる。

◆IQレベルが最も高い人達が、
平均的なIQの人達よりも成功している確立は20%だったのに、
平均的なIQの人達が
IQレベルの最も高い人より成功している確立は70%だった。

この不思議な現象を見て、
IQこそ成功の要因だという
昔からの思い込みが大きく揺らいだ。

科学者たちは、
IQとは別の成功の要因があるに違いないと気づいた。

そして長年の研究といくつもの実験を経て、
心の知能指数(EQ)こそが決定的な要因だと突き止めた。

◆理性を司る脳の部位(脳の前方)は、
大脳辺縁系が感情を「感じて」しまうことを抑えられないが、
理性と感情はお互いに影響し合い、
常にコミュニケーションを取り合っている。

この、脳の中の感情と理性のコミュニケーションから、
「心の知能指数(EQ)」が生み出される。

◆日々の生活の中で、
感情をうまく扱うことは人間にとって非常に重要だ。

なぜか?

脳は感情に支配されやすい構造になっているからだ。

◆EQとは何なのか、
また人生の中でEQをどのように管理したらいいかを理解すれば、
これまで蓄積してきた知識や教育や経験の
すべてが活用できるようになる。

◆EQが生活の中で実践できていない理由は2つある。

ひとつは、
EQへの理解不足だ。

EQをカリスマ性や社交性だと勘違いしている人は多い。

もうひとつは、
EQが育つものだとは考えられていないことだ。

EQは生まれながらの気質だと思われている。

◆現在、自己改善と言えば、
知識や経験や知能や教育を
高めることだと思われている。

私達が他者の感情はもちろんのこと、
自分の感情も十分に理解できていて、
自分の感情が毎日の生活にどう影響しているかを
すでに理解できているなら、
知識や経験を高めることに意味がある。

◆頭がよくて高い教育を受けたはずの人がなかなかうまくいかず、
明らかにスキルや才能で劣る人が大成功を収める。

なぜか?

それはEQ(心の知能指数)に関係がある。

IQや経験と比べて、
心の知能指数はわかりにくいし、
測りにくい。

もちろん、
履歴書を見てもわからない。

しかし、
その力は否定できない。

◆トップエリートの90%はEQ(*)が高く、
人生の目的を達成するには、
IQよりEQのほうが2倍も重要である。

※Emotional Intelligence(心の知能指数)

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