日本でいちばん大切にしたい会社 by 坂本 光司
坂本 光司
福井県立大学教授・静岡文化芸術大学教授等を経て2008年4月より法政大学大学院政策創造研究科(地域づくり大学院)教授及び法政大学大学院イノベーションマネジメント研究科(MBA)客員教授。
他に、国、県、市町や商工会議所等団体の審議会や委員会の委員を多数兼務。専門は中小企業経営論・地域経済論・産業論…
なぜこの会社には、
4000人もの学生が入社を希望するのか?
なぜこの会社は、
48年間も増収増益を続けられたのか?
なぜこの会社の話を聞いて、
人は涙を流すのか?
6000社のフィールドワークで見出した「日本一」価値ある企業…
目次
第1部 会社は誰のために?
▶「わかっていない」経営者が増えている!
▶会社経営とは「五人に対する使命と責任」を果たすための活動
▶業績ではなく継続する会社をめざして
▶業績や成長は継続するための手段にすぎない
▶社員は利益だけを求めているわけではない
▶「多くの人を満足させる」こと。それが会社の使命
▶経営がうまくいかない理由は内側にある
▶中小企業にしかできないことがある
▶日本で大切にしたい会社を増やそう
▶続けていくことの大切さ
第2部 日本でいちばん大切にしたい会社たち
▶障害者の方々がほめられ、役立ち、必要とされる場をつくりたい-日本理化学工業株式会社
▶「社員の幸せのための経営」「戦わない経営」を貫き、四八年間増収増益-伊那食品工業株式会社
▶「人を支える」会社には、日本中から社員が集まり、世界中からお客様が訪ねてくる-中村ブレイス株式会社
▶地域に生き、人と人、心と心を結ぶ経営を貫いていく-株式会社柳月
▶「あなたのお客でほんとうによかった」と言われる、光り輝く果物店-杉山フルーツ

MEMO
日本でいちばん大切にしたい会社
◆企業経営の第一主義は、
社員とその家族の幸福を追求し、
実現すること。
社員と、その社員が最も大切にしている家族を
路頭に迷わせてはいけない。
だからこそ、
継続させなければならない。
会社の第一使命は、
業績を上げることでも成長させることでもない。
「まず業績ありき」ではなく、
継続させるために、
業績や成長が必要なのだ。
◆景気は与えるられるものではなく創るもの!
お客様が喉から手がでるほど欲しい商品を創り、
提案すればいい。
それを創り、
売る会社の規模が大きかろうが小さかろうが、
あるいはその商品がハイテクだろうがローテクだろうが、
お客様には関係ない。
◆業績や成長は継続するための手段にすぎない
経営でいちばん大切なのは「継続」。
会社を継続させること。
これが、企業の社会的使命である。
◆業績ではなく継続する会社を目指す
正しい決断をし続けていくには、
ブレない正しい視点を持つことが大切。
会社が今やっていること、
これからやろうとしていることについて、
「儲かるか儲からないか」とか、
「他社に勝つか負けるか」といった視点ではなく、
それが人間として「正しいか正しくないか」
「どんな判断をすることが社員のため・お客様のため・地域社会のためになるのか」
といった、会社が持っていなければならない
正義感や倫理観に立って決断する。
そのうえで、
「その決断にやましいところがないか」
を考えなければならない。
◆会社経営とは「5人に対する使命と責任」を果たす活動のこと!
- 社員とその家族を幸せにする
- 外注先・下請企業の社員を幸せにする
- 顧客を幸せにする
- 地域社会を幸せにし活性化させる
- 自然に生まれる株主の幸せ
◆会社は経営者や株主のものではない
その大小にかかわらず、
従業員やその家族、
顧客や地域社会など、
その企業に直接かかわる
すべての人々のものである。