「目的思考」で学びが変わる

「目的思考」で学びが変わる—千代田区立麹町中学校長・工藤勇一の挑戦 by 多田慎介

工藤勇一(くどう・ゆういち)

千代田区立麹町中学校校長。
1960年山形県鶴岡市生まれ。
東京理科大学卒。

山形県・東京都の中学校教諭、新宿区教育委員会指導課長などを経て、2014年4月より現職。
現在は安倍首相の私的諮問機関である「教育再生実行会議」の委員をはじめ、経産省「EdTech委員」、産官学の有志が集う「教育長・校長プラットフォーム」発起人など多数の公職についている。

定期テストや宿題を廃止し、
固定担任制をやめて全員が担任になる「全員担任制」を導入。

既成概念を打ち破り、
ビジネス的な手法をも大胆に導入して、
公立中学としては画期的な改革を次々と行っている。

目次

第1章 世の中まんざらでもない。結構大人って素敵だ!
・「話を聞きなさい」なんて指導は、本当は間違っている
・教育現場にはびこる「目的と手段の履き違え」
・対立は悪じゃない、無理に仲良くしなくたっていい ほか

第2章 行政まで動かした改革者の横顔
・少年鑑別所に収容された生徒との再会
・校則に関するやり取り自体が「時間の無駄」
・教育委員会の都合は最後に考えよう ほか

第3章「 自律」の力を身につけた生徒たち
・社会に出たら、何もかも指示されるなんてことはない
・決まりごとを否定していくことで、より良いものが生まれる
・修学旅行を変えたら、大人顔負けの「企画とプレゼン」が生まれた ほか

第4章 保護者も、学校を変えられる
・親や先生の言うことばかり聞くようなら、危機感を持ったほうがいい
・子どもに劣等感を持たせてはいけない
・「学びの機会」を奪わないために ほか

[特別対談]

●青野慶久氏(サイボウズ株式会社 代表取締役社長)
・「組織の中で我慢しなさい」という教育はもういらない
●木村泰子氏(大阪市立大空小学校 初代校長)
・人の心なんて教育できるものではない

「目的思考」で学びが変わる

「目的思考」で学びが変わる

Amazonに移動する…

MEMO

「目的思考」で学びが変わる

◆生徒が親や先生の言うことばかり聞くようなら、
危機感を持ったほうがいい

宿題を出さず、
定期テストも廃止し、
さらに従来の常識だった固定担任制もなくした。

しかし、
生徒が現実に向き合わなければならないのは、
従来型の受験制度であり、
偏差値であり、
そのために「勉強」することを強要される。

今の子どもに必要なのは
「自由に起業したり、
転職したりできる力」である。

ところが学校教育では、
相変わらず忍耐や礼節、協調といった
「組織の歯車の一部となって働くための力」
ばかりが重視されている。

これらはもちろん大切だが、
優先すべきことが変わった。

◆校則に関するやり取り自体が「時間のムダ」

学校は自由じゃなくて、
規則がある。

規則は人によって捉え方が違う。

厳しいと思う人もいれば、
甘いと思う人もいる。

そうした
「感じ方の違い」
を話してもキリがない。

「礼儀や規律、服装などが大事じゃない」
ということではない。

世の中に出れば、
それが大事な場所で働かなくてはならないことがある。

しかし、
礼儀や服装などの見た目のマナーを優先するあまり、
その枠に入れない人を排除してしまい、
幸せを得る力とか、
人の役に立つ喜びとか、
ともに学ぶことで得る教育そのものの価値を失ってはいけない。

◆千代田区麹町中学校では、
従来の常識を覆す大きな改革が次々と実行されている。

そのひとつが「定期テストの廃止」だ。

中間テストと期末テストが廃止されたのだ。

代わりに、
年3回だった「実力テスト」が5回に増えた。

さらに、
授業の進捗度合いに応じて教科ごとの
「単元テスト」が高い頻度で課されるようになった。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする