孤独の達人 

孤独の達人 自己を深める心理学 by 諸富 祥彦

諸富 祥彦 (もろとみ・よしひこ)

1963年福岡県生まれ。
筑波大学人間学類、同大学院博士課程修了後、千葉大学教育学部助教授を経て、明治大学文学部教授。
教育学博士。
日本トランスパーソナル学会会長。
臨床心理士。
日本カウンセリング学会認定カウンセラー。
大学で心理学を教えるかたわら、精力的にカウンセリング活動を続ける…

孤独こそ、
すべての人間に共通の当たり前の真実。

いかに孤独を引き受け、
自分の人生に課された使命をまっとうするか。

目次

はじめに

第1章 一人を自由自在に生きる
三つの孤独
「孤独」という言葉の否定的意味、肯定的意味
一人の時間なしでは、人は、中心を失ってしまう

第2章 現代人にとって孤独とは
「標準世帯」という幻想–二人に一人が独身である時代に向って
「普通幻想」から自分を解き放て
孤独に対するポジとネガが拮抗する現在

第3章 「一人」を生きる能力
未婚と独身が当たり前の時代に必要な能力
結婚願望を持たない若者たち
大規模調査「シングルで幸せになれるのか」

第4章 自分らしく生きることができない苦しみ
未熟な人というのは万能感にあふれた人
ほどよいあきらめ、ほどよい向上心
成熟とは、理解を求めないこと

第5章 もしかすると私も「プチ愛着障害」?
心の土台はいかにして形成されるか
回避型の愛着障害
脱抑制型の愛着障害

第6章 単独者として生きよ –深く流れる「ひとり時間」を楽しむための孤独の理論
キルケゴールによる「単独者」の提唱
単独者として生きる条件
深層の時間を生きる

第7章 孤独の条件
①他者からの承認を求めないこと
②「わかり合える人とだけ、わかり合えればいい」と覚悟を決めること
③他者との比較において生きるのをやめよ

第8章 マイスペース、マイタイム
カウンセリングとは「自分の内側と、深くつながり直す時間」
「マイスペース」を持つ

第9章 フォーカシング –自分の内側と深くつながる方法
フォーカシングとは
「自分の内側とのつき合い方」は四つある
フォーカシングの第一段階:「心の一時停止ボタン」を押す

第10章 孤独の達人
哲学者の孤独
孤独が生んだニーチェの哲学
恋人を突き放すために本を書いたキルケゴール

おわりに

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MEMO

孤独の達人

◆人間、結局、
1人で生まれ、
1人で生き、
1人で死んでいく。

誰からも完全に理解されることなど、
ありはしない。

1人でかまわない。

誰からも理解されなくてもかまわない。

そもそも、
「誰かに理解してもらいたい」などという
甘ったれた期待を抱いているから、
それが満たされないと落ち込むのである。

孤独を引き受ける決意をすると、
逆に自分がいかに多くのものたちに囲まれ、
つながっているかを感じる。

孤独こそ、
人間の幸福にとって不可欠の要素である

  • 孤独は創造性を育み、和気藹々(あいあい)はそれを消滅させる
  • 他の人間と1時間一緒にいれば、その倍の時間は1人でいる必要がある

by グレン・グールド

孤独に強い人は、
自分に価値があることを知っている

人から承認してもらえるかどうかは、
自己価値感を得る上で不可欠なものではないはず。

人から認められても、
認められなくても、
自分に価値があるということはわかっている。

むしろ、
自分で自分のことを承認できるかどうかのほうが、
はるかに重要なんだという心の状態を持っている。

このことこそ、
孤独に強い人
になるための第一歩である。

◆マズローの欲求5段階説

人間は段階を踏んで欲求を満たしていくもので、
次第に高次の要求を求めるようになる。

問題は、第4段階の承認欲求と、第5段階の自己実現の欲求。

今多くの日本人は、
他者からの承認欲求が満たされずに右往左往し、
自分が苦しめられている。

それで、SNSなどで「いいね」を欲しがる。

本来ならば、
他人から満たされるより、
自分の人間としての尊厳を満たすことのほうが大事なはず。

人から評価されなくても、
自分で評価できる(自分でよしと思える)ならば、
それでよし。

本来あるべきこのような心の状態にシフトすることを、
現代人の多くは肥大化した承認欲求によって
妨げられている。

◆高齢者が人間関係で悩まないための3つのアドバイス

  1. 高齢者になったら、生活環境を変えないこと。
  2. 真に信頼のおける友を持つこと。
    本当に仲のいい友人を、数少なく持つこと。
  3. 一人暮らし人に求めずにすむ。
    これが、一人暮らしの高齢者が穏やかな
    気持ちで毎日を過ごせるコツ。

◆同居の家族数と満足度の関係を調べると、
最も満足度の高いのは一人暮らしの世帯。

最低なのが二人暮し。

この間に三人以上の家族が入る。

この結果によると、
必ずしも誰かとの同居がいいというわけでもない。

同居者がいると、
悩みも生じる。

悩みの出所はすべて、
家族の人間関係。

そう考えると、
一人暮らしには悩む要素がないことに…

◆孤独の12ヶ条

  1. 他者からの承認を求めないこと
    他者からの承認がなくとも、確かな揺るぎない自己価値観を保つことができること。承認欲求を求めるということは、他者からの視線に縛られて生きる、ということ。承認欲求に別れを告げることができるかどうか。それが生き方の大きな分水嶺になる。
  2. 「分り合える人とだけ、分かり合えればいい」と覚悟を決めること
    嫌われる勇気を持つ。分かり合える人とだけ、分かり合えればいいと思えること。人から嫌われても平気な自分を確立すること。
  3. 他者との比較において生きるのをやめよ
    人間の自己喪失の最大の原因は、生きるものさしが「他者との比較のものさし」になっていること。人と比べて勝った負けた。年収が多いか少ないか。学歴が上か下か。このようなものさしで生きている限り、単独者として生きることはできない。
  4. 自分の人生の主人公であれ
    自らの人生の主となり、自分の人生を自己選択すること。幼少期に身につけた「他者の期待に応える」という生き方に別れを告げて、自分で自分の生き方を選び直す。「自分の生きたいあり方」を自分で再選択する。
  5. 今ここを生きよ
    過去への囚われを思いめぐらせたり、未来への空想で日々を生きるのをやめること。
  6. 過去の人生のパターンに別れを告げよ
  7. 長期的な人生設計を立てすぎない
    「とりあえず目先の3年」に全力投球する生き方をせよ。大きな成功を収めた人の中で、成功した要因が…「計画的努力によるものではなく」「たまたま偶然によるもの」だと思っている人が8割もいる。成功している人とは、「人生でたまたま運ばれてくる偶然の出来事や縁に心を開いた人」「オープンマインドな姿勢を持った人」である。
  8. 「自分の内側」と深くつながって生きていくこと。人生の午後は、外的達成よりも、内面に目を向けよ
    おおまかに言うと、40歳くらいで人生の「正午」を迎える。人生の「午前(40歳まで)」は、外的な達成が中心になる。そして、人生の「午後(40歳以降)」は、内面に意識を向けるようになる。
  9. 明日、死す者のように生きよ
    死はいつ到来するかわからないということを自覚した上で、日々悔いの残らないように生きること。人はいつ死ぬかわからないのだから、何でも先延ばしするのではなく、思いついたときに即行動すること。
  10. 「いのちが私している」という自覚
    この世で人間として生きている、といいうこと自体、奇跡である。自分は今、
    「奇跡の瞬間」を生きているのだという自覚を持って、日々、一瞬一瞬心を込めて生きる。
  11. 魂のミッションを生きよ
    「自分の人生に与えられた使命」をまっとうすることに心を尽くせ。質のいい人生を生きるためには、1人の時間、1人になって自分の内側と深くつながる時間を持つことが不可欠。人生で幸福な人とそうでない人の大きな分かれ目は、「我を忘れて日々没頭できるような何か」=これが自分の「人生の使命」だと思える何かを見つけられるかどうかにある。それが生業でできていれば本当に理想的な人生と言える。
  12. 他者と深く交流して生きる
    他者と深く交流する時間を持つこと。深く語り合い、深く聴き合うことが、自分の内側と深くつながって生きるための王道である。

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