医者が教える食事術2 実践バイブル 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70 by 牧田 善二
牧田 善二(まきた・ぜんじ)
AGE牧田クリニック院長。
糖尿病専門医。医学博士。
1979年、北海道大学医学部卒業。
ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで、糖尿病合併症の原因として注目されているAGEの研究を約5年間行う。
1996年より北海道大学医学部講師。
2000年より久留米大学医学部教授。
2003年より、糖尿病をはじめとする生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開業し、延べ20万人以上の患者を診ている…
健康に必要なのは嘘を見抜ける「知性」だ!
最新エビデンス満載!
研究×臨床×データで導くDNAにそった最強の食事法…
目次
◆はじめに
・その食べ方は本当に正しいのか?
・「正しい」という根拠の不確かさ
・食品メーカーが隠したい不都合な真実
・米食を否定すると日本人はなぜ感情的になるのか
・健康のために「食のリテラシー」が必要になった
・研究×臨床×データで導く医学的に正しい食事
・食事から検査・治療までの実践法を1冊に完全網羅
◆序章
偽エビデンスにダマされない!
「食の正しさ」の正体
――生化学×臨床データ×医学エビデンスで食の知識をアップデートする
◆第1章
都市伝説を正しく見抜く!
食の嘘16
――医学的に正しい「食の授業」
◆第2章
人体の仕組みが教える
「三大栄養素」の上手な摂り方
――体にとって最も自然な食べ方とは?
◆第3章
人間のDNAにそった
食材別の食べ方【実践編】
――何をどう食べれば健康になれるのか?
◆第4章
肥満・老化・病気にならない
究極の体の整え方
――血糖値コントロールから始める健やかな体づくり
◆5章
最新医療と上手に付き合い
100歳まで生きる方法
――知っているだけで長生きできる健康の最前線
◆おわりに

MEMO
医者が教える食事術2
◆認知症の予防には…
イチョウ葉エキスが効果があると言われている。
ためしに、
イチョウ葉エキスを飲んで
「VSRAD解析※」をしてもらう。
※海馬の萎縮土を調べる。
数値が0~1なら認知症の心配はない。
◆間違っても、
「病気とは闘わずに受け入れろ」といった
風潮には与(くみ)しないこと。
◆長生きに最も必要なものは「知性」である
健康で長生きするために大事なのは、
持って生まれた体よりもむしろ「知性」である。
仕事で成功するよりも、
お金持ちになるよりも、
健康で長生きすることが一番大事である。
◆早期発見なら「がん」「心筋梗塞」「脳卒中」はほぼ防げる
そのためには、次の検査を毎年欠かさず受ける。
- 胸部と腹部のCT検査
CTで輪切りにして撮影することで、甲状腺がん、肺がん、肝臓がん、膵臓がん、肝臓がん、膀胱がんなど、多くの代表的ながんを早期発見できる。 - 胃と大腸の内視鏡検査
これらの消化器は、その粘膜を直接見ることで、がんの早期発見が可能になる。大腸の内視鏡検査に抵抗がある人は、最近できた簡単な大腸CT検査もある。 - 脳のMRI検査
脳の血管に動脈瘤が見つかったら、そこに内科的にコイルを詰める処置をすることで破裂(出血)を防ぐことができる。自覚症状のない小さな脳梗塞が見つかった人は、将来、重篤(じゅうとく)な脳梗塞を起こすリクスがある。でも、血栓を抑える薬で、それを予防することができる。
◆白米好きは海藻から「マグネシウム」を摂る
1日のマグネシウム摂取量が増加するに従い、
2型糖尿病の発症率が下がる。
貝や海藻にマグネシウムが多く含まれる。
また、色の濃い野菜、豆類、卵、キノコ類もマグネシウムが豊富。
身近でマグネシウムが豊富な食べ物
- 野菜類
しその葉(71)、ほうれん草(69)、ゴボウ(54) - 大豆製品
油揚げ(130)、納豆(100)、がんもどき(98) - 海藻類(乾燥)
あおさ(3200)★、わかめ(1300)★、ひじき(620) - 魚介類
するめいか(170)、あさり(100)、いくら(95) - 木の実、種子類
ゴマ(360)★、アーモンド(270)★、落花生(200)
◆ご飯をたくさん食べれば、
血液中にブドウ糖が溢れ、
つまりは血糖値が高くなり、
健康を著しく害する。
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◆コーヒーは1日4~5杯飲む
ポリフェノールに一種「クロロゲン酸」に強い抗酸化作用があるので
健康によいとされている。
砂糖は入れずにブラックで飲むこと。
飲みすぎに注意すること。
1日4~5杯を目安にする。
◆果物は「空腹時」に食べない
ジュースにしたりせずに、
丸のまま食べる。
また、空腹で食べないこと。
アボガドは野菜ではなく果実。
アボガドは炭水化物をほとんど含まないため、
糖質制限によい。
◆小腹が空いたら30グラムのナッツを食べる
無塩のものを選ぶこと。
カビに注意すること。
ピーナッツはあまりおすすめできない。
◆大豆はとにかく最強食材
大豆には、各種ビタミンや食物繊維のほか、
イソフラボン、レシチン、サポニンなどの抗酸化物質が豊富に含まれている。
◆バターは「グラスフェッドバター」おすすめ!
放牧され牧草だけを食べて育った牛の乳からつくられたもの。
◆キノコは丁寧に洗わない
ビタミンDがとくに豊富。
◆血圧が心配なら海藻を1日1パック食べる
モズク、メカブで手軽にカリウム、マグネシウムを摂取する。
◆脇役野菜のパセリも残さず食べる。
大根は煮たりしないで「おろしで食べるのが一番」。
しかも、おろしたてであることが大事。
食べる直前におろすこと。
◆迷ったら「アブラナ科の野菜」を食べる
ブロッコリー、カリフラワー、カブ、キャベツ、白菜、クレソン、チンゲンサイなど…
◆葉物野菜と果菜は「毎日」食べる
葉物野菜:ほうれん草、小松菜など…
果菜:トマト、ナス、キュウリ、オクラなど…
◆野菜は1日350グラムを食べる
◆卵は「ちゃんと食べる」ほうがいい
◆カルシウムを摂るなら牛乳より「小魚」
◆「青魚」を毎日を食べる
EPAやDHAは、
ときにサバ、アジ、サンマなど青魚に豊富に含まれている。
1日に青魚を50グラム(サンマ1/2が目安)食べる。
ちなみに、サンマ1尾約120グラム。
◆魚と鶏肉を交互に、
牛肉は月に1度のご馳走とする
理想的なローテーション
日 月 火 水 木 金 土
魚 鶏 魚 鶏 魚 鶏 豚
魚 鶏 魚 鶏 魚 鶏 豚
魚 鶏 魚 鶏 魚 鶏 牛
鶏:鶏肉、豚:豚肉、牛:牛肉
◆肉はできるだけ「鶏」を食べる
牛肉と加工肉は大腸がんの原因と考えていい
◆寿命は遺伝より食事と生活習慣で決まる
▶内因子への好影響
鶏肉
▶外因子への好影響
魚、果物・野菜、適量のアルコール、教育・収入、運動
▶内因子・外因子に共通の影響
- インスリンと血糖値の上昇は悪影響を与える
- 慢性の炎症は悪影響を与える
- 肥満は悪影響を与える
- 中性脂肪の上昇は悪影響を与える
- 高血圧は悪影響を与える
- HDL(善玉)コレステロールは好影響を与える
◆心筋梗塞や脳卒中を減らすために
日本人はもっと肉を食べる必要がある。
◆人種を問わず、
人間にとって炭水化物の摂り過ぎは命を縮め、
脂肪を摂ることで長生きしている。
◆三大栄養素
- 糖質(炭水化物):エネルギー源
炭水化物は減らす▶普通に暮らしていたら糖質過剰になる。
糖質は、肥満・糖尿病・ガン・心筋梗塞・脳卒中・アルツハイマー病など
あらゆる生活習慣病のもととなる。
炭水化物は消化されるのに2-3時間かかる。 - 脂質:細胞膜の構成成分
脂質はもっと摂ってOK。
脂質は消化されるのに7-8時間かかる。 - タンパク質:筋肉・骨をつくる
タンパク質は再利用されるため、
絶えず食べなくても筋肉は保たれる。
タンパク質は消化されるのに4-5時間かかる。
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◆食のウソ16選
- 低脂肪は体にいい▶太る原因は脂肪ではない
肉を食べたほうが長生きする - 1日に30品目を食べる▶厚労省の基準もすでに撤回されている
- 甘酒や漬物は体にいい▶科学的根拠はまだ不十分で大量摂取は逆効果
- 薄口醤油なら塩分が控えめ▶表示を見れば薄口のほうが塩分多めとわかる
- 飲みやすい酢を健康のために飲む▶口当たりのよさは砂糖や添加物のおかげ
- 血液をアルカリ性いする食べ物がいい▶「酸性に傾いている」なんて真っ赤なウソ
尿のpHについては、ある程度、食べたものの影響を受ける。
痛風の人にアルカリ性食品が勧められるのはそのため。 - バランスのいい食事が大事▶バランスよく食べると肥満へ直結する
頭脳労働には甘いものが必要というのは誤解 - チョコレートやナッツはニキビの原因▶脂を食べると顔が脂っぽくなるというのは都市伝説
ニキビや吹き出物に悩んだら、糖質を減らすのが一番 - ○○はXXに効く▶海藻を食べてもふさふさにならない
貧血を治したいなら、ほうれん草より肉を食べるべき。
ニンニクは豚肉などと一緒に食べてこそ効果が期待できる。 - 和食は健康食▶和食は糖質と塩分を過剰摂取するメニューが多い
- 牛乳は体にいい飲み物▶がんや糖尿病のリスクが指摘されている
牛乳自体が悪いというよりも、その牛がどうやって育てられているか、
あるいは、その牛乳がどうやって製品化されているかが問題。 - ラクトアイスなら健康的▶油でつくられたアイスクリームとはまったくの別物
コーヒーに入れる「フレッシュ」はミルクではない。
植物油脂と水に乳化剤という添加物を入れたもの。 - スーパーフードはスーパーだ▶栄養価がとくに高い食材は身近にいくらでもある
- 漢方薬や天然由来の成分は安全だ▶深刻な副作用が発生しているものがある
- ダイエットすると筋肉が落ちる▶筋肉はダイエットくらいでは落ちない
エネルギーを使う順番は決まっている。
・食べた糖質からブドウ糖を酸素と反応させてATPというエネルギーを産出
・ブドウ糖がなくなると果糖や乳糖が使われる
・それもなくなると筋肉や肝臓に蓄えられていたグリコーゲンが使われる
・グリコーゲンが尽きると、ようやく脂肪が使われる
・これらがすべてなくなってはじめて筋肉をエネルギーに変える - 人間ドックは受けているので大丈夫▶旧来の人間ドックは発見できないことだらけ
胃のバリウム検査や肺のレントゲン、便潜血検査などでは、ほとんど早期発見はできない。
◆医学界で影響力のある論文
論文もどの医学誌に載ったかで信頼度が変わってくる:
- NEW ENGLAND JOURNAL OF MEDICINE 332
- The LANCET
◆現代人の肥満の原因は
脂質ではなく糖質の摂り過ぎである。
◆巨大食品メーカーがつくりたいのは、
消費者が「もっと食べたい」と感じ、
何度でも買ってくれる商品。
そしれ彼らは、
それを「繰り返し買わずにいられなくなる」
ための科学的加工を施している。
なかでも、
最も簡単で効果が高いのが
糖質をたくさん使うこと。