大きな嘘の木の下で

大きな嘘の木の下で ~僕がOWNDAYSを経営しながら考えていた10のウソ by 田中 修治

田中 修治

OWNDAYS株式会社代表取締役社長。
20歳の頃から起業家として活動。

2008年に巨額の債務超過に陥り破綻寸前だったメガネの製造販売を手がける株式会社オンデーズに対して、個人で70%の第三者割当増資を引き受け同社の筆頭株主となり、同時に代表取締役社長に就任。

2013年にはOWNDAYS SINGAPORE PTE.LTD.、2014年にはOWNDAYS TAIWAN LTD.を設立。

2020年3月現在、12か国340店舗を展開し、独自の経営手法により、事業拡大と成長を続けている…

何故、
世の中でこれほど「成功にまつわる本」が
売れるのだろうか?

それは読んでも成功なんてしないからだ…

“立派な大人”の言うことの
99パーセントは真っ赤な嘘だ!

目次

1 幸福論のウソ
2 お金論のウソ
3 仕事論のウソ
4 成功論のウソ
5 人生論のウソ
6 経営論のウソ

大きな嘘の木の下で
大きな嘘の木の下で

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MEMO

大きな樫の木の下で」という動揺(歌)があるが
本書のタイトルはふざけていて
大きな嘘の木の下で」というタイトルだ。

世の中には成功本をけなして売る本があるが
本書もその部類にはいるが…
著者の言っていることは本質を語っている。

大きな嘘の木の下で

◆目的と手段はどちらもその行為に
どこまで行っても終わりがないので
「とても似ている」。

そして、この似ているのが企業経営にとっては大問題であり、
多くの経営者が道を間違えて、
企業を倒産させてしまう原因となる「癌」でもある。

あくまでも目的に向かう為の、
ひとつの手段であったはずなのに、
いつしかその手段に囚われてしまい、
気づけば本来の目的を失い、
手段が目的化されてしまうケースは枚挙にいとまがない。

ざっくり言えば
これが「失敗の本質」である。

この目的と手段を履き違えて
道を誤ってしまう現象は時を越えて今もなお、
あちこちで起き続けている。

たとえば、
コロナショックで
「業績が悪化したので社員を大量にリストラします」。

これなどは、
その典型である。

社員をリストラしてまで
守った事業(企業)に何の意味があるのか。

業績が悪化したとき、
社員のリストラや減給が頭の中を支配し始めたら、
この「手段が目的化する」という失敗の本質に
気づいてリストラを思い留まってほしい。

事業が伸び悩み、
利益が出ないのなら、
リストラすべきは社員じゃなくて、
事業の方なのではないか?

経営者のやるべきことは、
儲かりそうな別の事業をすることではないのか。

◆百考は一行にしかず

100回聞くよりも1回見ろ。

100回見るよりも1回考えろ、
そして100回考えるよりも1回行動しろ。

それくらい、
全ての中で「行動」することが
一番重要なのだ。

行動した奴が一番強い。

多くの人がセミナーに通ったり、
本を読んだり、
勉強したりしているが
学んだだけでは何も変わらない。

結局、行動に移した奴が勝つ。

「行動しろ」というメッセージは
多くの人が伝えている。

これだけ言っても、
やらない人はやらない。

◆人に期待するのをやめる

社員に期待しない。

取引先に期待しない。

家族にも期待しない。

人に期待することをやめると、
精神的にとても楽になる。

肩の力を抜いて、
人に期待しない生き方をすると、
日常の些細なことでも、
とても嬉しくなれるし、
感謝の気持ちもたくさん生まれる。

あなたの期待が、
全てを破壊しているのだ。

◆プロの仕事とは、
万全な準備をして、
仮定や想定をいくつも重ねながら、
何度も確認し、
あらゆる可能性とリスクを考慮した上で、
「絶対に失敗しない覚悟」を持ち、
本気で取り込まなければならない。

「仕事をうまくいかせる」為には、
そういう「本気」の努力が必要になる。

◆プロとしてお金をもらう以上は、
仕事に取り組む際に、
最初から「失敗してもいい」
「うまくいかなくてもしょうがない」なんて、
絶対に考えてはいけない。

最初から「失敗してもいい」などと
考えながら取り組んだら、
そんな仕事は大抵、失敗する。

◆今の日本には、
「とにかく楽な方に逃げてしまえばいい」
といった空気がある。

日本人全体がどんどん「過保護」に
なっているような気がする。

◆自分の内側と深く対峙して、
自分なりの譲れない「判断の基準」を
しっかりと持つ。

そうすれば、
迷うことはないし、
自分の思うような豊かな人生を
手に入れられる可能性は
間違いなく大きくなる。

◆人が選択に意味があると
思ってしまうのはなぜか?

それは…

「自分は選択を間違えただけで、
努力が足りなかったせいじゃない」
と思いたいからだ。

では選択に悩んだときは、
何を基準に選ぶべきか?

「迷わず面白いと思う方を選べ」

これにつきる。

◆人生における選択の先には、
どちらにも天国と地獄が待っている。

結局は、自分が選択した道が間違いじゃなかったと
思えるかどうかは、
そのあと、どう行動したかが大事だし、
その選択が正解になるのも
間違いになるのも、
自分の行動の結果でしかない。

◆夢とか目標なんていうものは
毎日を頑張って、
魂を振り絞って精一杯生きた人にだけ、
ある日突然、
神様が与えてくれるご褒美みたいなものだ。

◆社会に出てから肝心なのは
「本気」で挑むことだ。

人に頼らず自分の足で立つということ。

寝る間も惜しんで、
1秒も無駄にしないで
全身全霊で取り組めば、
「できるようになりたいこと」は、
実現する。

◆大事なのは、
自分を「信じる」こと、
そして「行動」を止めないこと。

ただそれだけだ。

◆周りから応援されようが応援されまいが、
自分の成功には何の関係もない。

どこまで行っても、
あなたの人生は、
あなたが自分の力で歩んできた結果でしかないのだ。

◆全てのことに対して最初から、
「できない」「無理だ」と決めつけるのは、
本当はただ傷つきたくないだけだ。

◆あなたが新しい「行動」を起こすのを
阻んでいる大きな原因が、
もうひとつある。

何か?

それは…

「自意識過剰」だ!

ほとんどの人は
自意識過剰だ。

自意識過剰が
成功の邪魔をする。

他人の目を恐れ、
自意識過剰になるということは、
同時に自分に秘められた無限大の
可能性を潰すことだ。

◆同じ毎日を繰り返してしまうのは、
その生活が安心だからだ。

でもそれは自分の意思ではなく
人間の本能でしかない。

それを繰り返していくと、
コロナショックのような
人生の大事なタイミングでも、
新しいことができなくなる。

変化できずに、
取るに足りないリスクすらも
取れなくなってしまう。

◆人間は歳をとればとるほど変化を嫌うようになる。

だから意図的に違うことをして、
毎日の生活に無理にでも変化を起こさないと、
どんどん新しいことができなくなってしまう。

年齢を重ねると筋肉も固まるが、
それ以上に心が固まってしまうのだ。

◆世の中に溢れる無数の成功本やビジネス本の類は、
長々といろんな考え方や実例を挙げてはいるが、
結局「行動しろ」の一言、
「行動した奴が勝つ」と言っているだけだ。

それ以上でもそれ以下でもない。

行動すれば人生のほとんどのことは
思いどおりにいくのだ。

「たったそれだけか?」
と思うかもしれないが、
「たったそれだけ」なのだ。

◆みんな、
勝ち方ばかり研究するから勝てないのだ。

勝つ為には負け戦を研究しないといけない。

強い軍隊はまけ戦を研究している。

みんな勝った方ばかり研究して
再現しようとするから負けるのだ。

◆成功法は、
前提条件によってまるっきり変わる。

だから
「こういう風にやったら売れました」
という事例をいくら真似てもムダが多い。

自分の性格に合った、
自分なりの方法を自分自身で
見つけていくしかない。

成功を学ぶことよりも大切なことは
「失敗するパターン」学ぶべきだ。

だから一番多くの時間を割いて
学ぶべきは、
とにかく「他人の起こした失敗」なのだ。

たとえば、
帝国データバンクの
「倒産情報」などがおすすめだ。

倒産情報―業種別・崩壊シグナルのすべて
https://www.amazon.co.jp/dp/4062107341/

◆なぜ成功にまつわる本が売れるのか?

それは…

いくら成功本を読んでも
成功などしないからだ。

いくら成功の為の方法論が語られても、
その成功の土台にある、
それぞれの前提条件がまるっきり違うから、
自分(あなた)にそのまま当てはめられることなんて
ほとんどない。

つまり、
成功体験の共有には
あまり効果がない。

◆いざという時に
自分を助けてくれるのは
「お金」ではなく「信頼」

いざという時に、
本当に自分を助けてくれるのは、
お金ではなくて、
その時までに培った自分の価値と、
その価値を必要としてくれる
沢山の人たちの信頼関係だ。

◆幸せは「自分だけ」のものだが、
不幸は「近親者」にも影響を及ぼす。

近親者の幸せは共に味わえないが、
近親者の不幸は、
自分にも大きな経済的な影響が及ぶ。

つまり、
不幸は飛び火する。

それも近親者の数だけ…

◆お金は、
きちんと正しい努力さえすれば、
いくらも増やすことができる。

お金を増やす為に必要なお金が、
今手元にないのであれば、
借りてきてお金が貯まるまでの「時間」を短縮すればいい。

一番大事なのは
お金よりも「時間」だ。

これは、
実にシンプルなことだ。

◆いい借金と悪い借金

「お金を増やす為」にお金を借りるのは、
いい借金だ。

お金を増やすために借金するのは、
投資だからいい借金。

投資としてならば、
借りてもいい。

悪い借金というのは
「使うお金を補う為」にお金を借りることだ。

◆時間こそ限りある資源であり
人生で何ものにも代えがたい大切なものだ。

お金は「手に入れて失い、
失ってもまた手に入れられる」。

しかし、時間は
「ただ失うこと」しかできない。

◆「幸せ」という言葉は「状態」を表すものではなく、
瞬間、瞬間に感じる「感情」を表すものだ。

さらに、
幸せというのは「相対的」なものでより感じやすくなるという、
厄介な側面を持つ。

幸せや不幸せという「感情」は、
すぐ隣にいる誰かと比べた時に感じやすい。

この考え方の性質(たち)が悪いのは、
自分の人生にやり場のない憤りや不満を抱えている人は、
そのうち、
常に自分よりも悪い境遇の「誰かの不幸」を探し回るようになる。

その考え方が過熱すると、
今度は自分の幸せを実感するために、
逆に他人を不幸にしようとしてしまう人すらいる。

それでは、
何を基準にして、
人生を生きたら良いのか?

それは…

「幸せ」ではなく、
「豊かさ」を基準に考えればよい。

◆仕事をしていく上で何を「幸せ」と感じるかは
100人いれば100通りの形がある。

それだけじゃない。

何によって幸せを感じることができるかは、
その人の人生の時期、
成長のステージによっても、
常にコロコロと変化するものだ。

投稿者: book reviews

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