幸福の意外な正体

幸福の意外な正体 ~なぜ私たちは「幸せ」を求めるのか by ダニエル ネトル

ダニエル・ネトル

英国ニューカッスル大学生物心理学部進化・行動調査グループの心理学助教授。
2004年まではオープンユニバーシティー心理学部および生物科学部を担当。
ロンドン大学ユニバーシティーカレッジにて博士号取得。
そのときのテーマは言語だったが、最近は人間の思想、行動、文化について幅広い関心を持ち、すべての分野で進化論的立場をとっている。
現在の研究テーマは性格、感情、性差、精神障害など…

収入と幸福感との相関など、
誰しもが抱える「どうすれば幸せになれるのか」という悩みに迫る!!

目次

本書を読んでいただく前に―目からウロコの幸福学 金森重樹
はじめに― なぜ私たちは「幸せ」を求めるのか
第1章 幸せって、何だろう? 幸福の定義について考えてみる
「幸福」について追究してみよう
何が「幸せ」をもたらすか
3つのレベルで幸福を区別する
心理的ウェルビーイングについて
喜びの感情プログラム
幸せは「比較」に左右される
満足度は正しく測れるのか

第2章 人生は喜びに、満ちている? あなたが幸せになれない理由
この世界は苦悩の連続か
自分を幸せだと思っている人々
自分を不幸に見せたい人はいない
将来の満足度を予測する
不幸とは無縁の社会は存在するか
つねに不満の余地は残されている

第3章 幸せな人って、どんな人? ウェルビーイングの基盤
人生に何を望むか
幸福度の自己評価と健康の関係
女性と男性では、その幸福感は違う
お金があれば幸せになれるのか
人生は自分で管理する
どんな幸せも「あたりまえ」になっていく
その国に生まれて幸せか
結婚生活が幸福感におよぼす影響
慣れないことが幸福度を下げる
位置心理学から見た幸せの思い込み
幸せになれる道を選んだはずが……

第4章 性格で、幸福度は決まる? 日常の変化をどう受け入れるか
幸せの感じ方は遺伝する
性格は二つの特徴に分けられる
幸せを感じやすい人の性格
性格が生活を変えていく
性格と幸せの関係を検証する

第5章 不幸せは、脳の仕業? 落ち込んだ気分を変える方法
幸せになれる薬
脳への刺激を管理する
快感をつかさどるメカニズム
セロトニンのシステムを理解する
右脳、左脳のバランスを調整する
性格は遺伝子に左右される

第6章 感情は、コントロールできる? ネガティブな状態から抜け出そう
幸福度を変えることは可能なのか
認知行動療法で気持ちを切り替える
ポジティブな感情を増やすトレーニング
マインドフルネス瞑想のススメ

第7章 人は今より、幸せに生きられる? 矛盾をはらむ幸福の心理を解明する
幸せのために何をすべきか
快感と欲望の思い込みを捨てる
求める社会が理想郷とは限らない
幸不幸を決めるのは、その人自身
幸福感は変わっていく
あなた自身の幸福を手に入れる

幸福の意外な正体

幸福の意外な正体

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MEMO

幸福の意外な正体

◆幸せとは蝶のようなもの

つかまえようとすると、
手の届かないところへ飛んでいってしまうが、
こちらが腰をおろしてじっとしていれば、
そっと羽を休めに来てくれる

◆過当競争から身を引き、
真に機能的なコミュニティーを探し求め、
浪費を見直し、
あえてシンプルな生活を選ぶ人が徐々に増えている。

◆今日では書籍、雑誌、テレビ、動画などを通して、
76億人の人口の世界で最も美しい人々、
最も才能のある人々、
最も成功している人々が、
つねに目に入るようになった。

つまり、
自分がいかに特別なことをやっても、
それ以上にうまくやれる人が必ずどこかにいるということだ。

◆満足感とは、
そこに至るために乗り越えなければならない
数々の障害が基盤になっているのだから、
近道をしてしまっては、
その魅力も色あせる。

だから、逆説的ではあるが、
深い満足感を得たいと思うなら、
失敗や挫折の可能性もすべて受け入れる必要がある。

幸せが意味を持つためには、
不幸せの可能性を認めなければならない。

◆私たちは、
長時間労働を自ら進んで引き受けて昇給や昇進を得ようとするが、
結局は何の快感も得られないことが多い。

所得や物的所有をあきらめるかわりに、
友人と過ごし、趣味に打ち込むほうが
どれほど楽しめることか。

だがほとんどの人はそうはしない。

◆幸せのパラドックス

幸せそのものを追求しようとすると、
かえってそれを遠ざけてしまい、
逆に何か別のことを追求すれば、
はからずも幸せを引き寄せることがある。

◆もともと幸せな人のほうが結婚する割合も高く、
結婚生活も長続きすると考えたほうが、
結婚生活自体が喜びをもたらすと考えるよりも、
自然なのではないか。

◆満足度に影響するのは絶対的な富ではなく、
相対的な富である。

◆幸せを得るのに必要な条件をそろえるのは、
並大抵のことではない。

なぜか?

私たちの欲するものと
実際に手にできるものとの間には、
天と地ほどの開きがあるからだ。

◆奇妙な事実!

  • 人は今より将来の自分のほうが幸せなはずと信じているが、実際にそうなる人はほとんどいない
  • 社会が裕福になったからといって、人々がより幸せになるわけではない
  • 将来の出来事がいかに自分の幸福を左右するかについて、人は常に間違った認識を持っている

◆重さの変化は同じ2グラムの差であっても、
最初に持っているおもりの重さによって感じ方が違う。

お金の増加は10万円という客観的な数値(購買力)で測ることができるが、
それは誰にとっても同じ感じ方(金銭感覚)であるわけではなく、
保有する資産が大きければ小さなお金の増加を嬉しいと思うことはない。

コロナで国民全員に10万円が給付されたが、
保有する資産によって喜び方(ありがたさ)が違う。

◆幸福感が頭打ちにもかかわらず、
なんとか生活満足度を1単位でも増加させるべく
膨大な時間を使って高い所得を得ようと奮闘するよりも、
むしろ限りある命を浪費しないことのほうが大切なのかも。

つまり、
生活できる最低限の収入が確保できたら、
収入(お金)よりも自由に使える時間を確保することを
優先した方が幸福なのかも。

◆生活満足度に所得が与える効果は永遠に続くわけではなく、
収穫逓減を示している。

要するに、ある一定水準以上に所得が達した場合、
それ以上は生活満足度が上がらない。

◆主観的幸福は、一人当たりのGDP(収入)だけでなく、
地理的・文化的・国人気質的な影響もある。

◆一人当たりのGDPが「0」から「約160万円」くらいまでの間は、
収入が増加すると、急速に主観的幸福が増加する。

◆個人の消費活動はその収入に左右されるだけでなく、
周囲の人間と張り合おうとすることによっても影響を受ける。

◆人はお金持ちになりたいのではなく、
他人よりお金持ちでいたいだけだ!

大金持ちより小金持ちの方が幸せなのかも知れない…

◆イースタリン・パラドックス

  • 一国の一時点での所得と幸福度には正の関係が見られる
  • 国際比較では所得と幸福度に関係があるとしても一国内の所得と幸福度ほど強くない
  • 一国の時系列で見ると、国全体が豊かになっても幸福度は変わらない
  • 所得がある一定水準以上に上がると幸福度との相関が見られなくなる

◆「幸福」についてすでにわかっていること

  • 私たちは別の「何か」と比較しないと幸福を判断できない
  • どんな幸福も、時間が経つと「当たり前」になってしまう
  • 女性のほうが幸せも不幸も大きく感じる
  • 幸福の感じ方は、遺伝によってある程度決まってくる
  • 幸せにつながるポジティブな感情はトレーニングできる

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