トロント最高の医師が教える世界最新の太らないカラダ by ジェイソン・ファン(Jason Fung)
ジェイソン・ファン(Jason Fung)
1973年生まれ。医学博士。
カナダのトロントで育ち、トロント大学医学部を卒業。同大学の研修医を経たのち、カリフォルニア大学ロサンゼルス校にて腎臓専門医の研修を修了。
2型糖尿病と肥満に特化した独自の治療を行う「インテンシブ・ダイエタリー・マネジメント・プログラム(集中的な食事管理プログラム)」を開発。
クリニックでは、薬物療法ではなく、食生活の改善というシンプルだが効果的な方法に力を入れている。
減量と2型糖尿病の治癒を目的として、治療のためのファスティングを臨床現場に取り入れた第一人者。
目次
第1部 肥満の真実
1章 ダイエットの黒歴史
2章 残酷な真実
第2部 「カロリー制限」という幻想
3章 「食料量は関係ない」と断言できる
4章 運動神話
5章 過食のパラドックス
第3部 世界最新の肥満理論
6章 研究の成就
7章 「インスリン」が肥満ホルモン
8章 イライラするたび体重増加
9章 「低炭水化物ダイエット」の真相
10章 肥満ホルモンの「蛇口」を今すぐ閉める
第4部 社会的肥満
11章 大手食品の思惑
12章 「所得が低い」と太る
13章 ビッグ・チャイルド現象
第5部 トロント最高の医師がやらない「太る食事」
14章 甘い罠
15章 「ダイエット飲料」は肥大ドリンク
16章 「食物繊維」は絶対に摂ってほしい
17章 「たんぱく質」への過剰期待
18章 「脂肪」が体を変える
第6部 医師が教える「太らないカラダ」の作り方
19章 「食べても太らない食べ物」を食べる
現時点で疫学上「最も信頼できる」5ステップ▶完璧な減量
ステップ1:「添加糖の摂取」を減らす
ステップ2:「精製された穀物の摂取」を減らす
ステップ3:「たんぱく質の摂取」を減らす
ステップ4:「いい脂肪」をもっと食べる
ステップ5:「食物繊維」をもっと食べる
20章 世界最先端の医学分析を集約した太らない食事術

MEMO
世界最新の太らないカラダ
ダイエットの秘訣…
食事を「断糖高脂質」に切り替えて
ファスティング(断食▶1日1食)にする!
◆ファスティング中に空腹感を抑えるのに役立つ天然食品は…
- 水
グラス1杯の水を飲むことから1日を始める。水分を十分に摂っていれば、空腹感も抑えられる。 - 緑茶
抗酸化物質とポリフェノールが豊富に含まれていて、ダイエットする人の強い味方だ。強力な抗酸化物質は、代謝を活発にし、体重を減らしてくれる。 - シナモン
シナモンは胃内容排泄を遅くすることがわかっており、空腹感を抑えるのに役立つ。紅茶やコーヒーの風味づけに、シナモンを加えてみる。 - コーヒー
コーヒーはカフェイン入の水よりも、空腹感を抑える効果が高い。加えて健康にもよい。
コーヒーに含まれるカフェインは代謝量を上げ、脂肪をさらに燃やす効果がある。 - チアシード
チアシードには、水溶性植物繊維とオメガ3脂肪酸が豊富に含まれている。30分ほど液体に浸せば、水分を吸収してジェル状になり、食欲を抑える効果がある。乾燥した状態で食べてもいいし、ジェル状にしたりプリンにしたりして食べてもいい。
◆24時間のファスティング(断食)をするには、
「1日目の夕食(昼食でも朝食でもいい)から
次の夕食(昼食または朝食)までのファスティング」
をしなければならない。
つまり、
ファスティングの日は朝食、昼食、間食を摂らないで、
1回だけ食事をする(夕食)ということだ。
◆太らない食事とは何か?
と考えるときに注意しなければならない点は、
ひとつではなく、ふたつある。
- 何を食べたらいいか
これは簡単なガイドラインに従えばいい。つまり、精製された穀物や砂糖の摂取を控えること。タンパク質の摂取を控え、天然の脂質の摂取を増やすこと。植物繊維や酢といった、予防因子となる食べ物を多く摂取すること。加工されていない、天然の「本物の食べ物」だけを食べること。 - いつ食べたらいいか
「インスリンが分泌される時間」と「インスリンが分泌されない時間」とのバランスをとること。つまり、食事をする時間とファスティング(断食)の時間のバランスをとることが大切になってくる。
◆ほとんどのダイエット法は、
インスリンの分泌を促す食べ物の摂取を制限するものだが、
インスリン抵抗性の問題についてはいっさい取り組んでいない。
だから、
始めこそ体重が減るものの、
インスリン抵抗性のせいでインスリン値も体重の設定値も高いままになる。
◆食べる「間隔」が長ければ長いほどいい
ダイエットを成功させるためには、
インスリン抵抗性を招く「サイクル」を断ち切らなくてはならない。
では、
どうやったらできるのか?
インスリン抵抗性が発現すると、
それに対する無条件反射としてインスリンの分泌量が増え、
それがさらに抵抗性を強める原因となる。
こうしたインスリン抵抗性のサイクルを断ち切るためには、
インスリン値がとても低くなる時間を繰り返しつくらなければならない。
適切な食べ物を食べていれば、
高いインスリン値を招くことはわかっているが、
それだけではインスリン値をもっと低くするには不十分だ。
どんな食べ物もインスリン値を上げるのだとすれば、
インスリン値を下げるには「まったく食べない」という方法しかない。
つまり、
一言でいえば「ファスティング(断食)」という方法だ。
ここでいうファスティングとは、
インスリン抵抗性を断ち切って体重を減らすためのもので、
24時間から36時間のファスティングを「間欠的」に行うものを指す。
間欠的ファスティングは
とてつもなく有益な減量法であることがわかっている。
◆適切な物を食べているだけでは、
私たちはまだ肥満という問題の片面にしか対処していないことになる。
体重を減らしてそれを維持するには、
2段階のプロセスが必要だ。
インスリン値が高くなるのには、
2つの大きな要因がある。
ひとつは、
食べる物が何かということ…
もうひとつの要因は、
インスリン抵抗性という長期的な問題だ。
これには、
「食べるタイミング」がかかわってくる。
◆3大栄養素の太らない摂り方
- 炭水化物:減らす
▶加工品(精製されたもの)は減らす
▶天然の炭水化物(野菜など)は摂ってOK
▶キヌア、チアシード、豆類など「食物繊維を含む炭水化物」はお勧め - タンパク質:減らす
▶食物摂取量全体の20~30%に抑える
▶食事代わりになる「代替品」には手を出さない - 脂質:増やす
▶「天然の脂肪」が含まれた食品を多く摂る(ヴァージンオリーブ油、ナッツ、乳製品、アボカドなど)
▶動物性脂質も過度に恐れる必要はない
◆「完璧なタイミング」で食べ、最速で、確実に、最もやせるには…
体重を減らすためには、
次の5つの基本的なステップを踏むことが必要だ。
- 「添加糖」の摂取を控える
- 「精製された穀物」の摂取量を減らす
- 「タンパク質」の摂取量を減らす
- 「いい脂肪」の摂取量を増やす
- 「植物繊維と酢」の摂取量を増やす
◆ステップ5:「食物繊維」をもっと食べる
食事から摂る植物繊維には体重を減らす効果がある。
ただし、天然の食品そのものには多くの植物繊維が含まれているが、
加工の過程で取り除かれてしまうことが多い。
果物、ベリー類、野菜、全糖穀物、アマ、豆類、ナッツ類は本来、高繊維食だ。
◆ステップ4:「いい脂肪」をもっと食べる
3つの主要栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質)のうち、
脂質はインスリンの分泌を促す効果がもっとも低い。
脂質を摂るときには、
「天然の脂質」が多く含まれているものを選ぶこと。
◆ステップ3:「たんぱく質の摂取」を減らす
タンパク質を食事から抜くことはできないし、
完全に抜いてはいけない。
だが、食事に含まれるタンパク質の量を、
総摂取カロリーの20~30%に抑えるのはいいことだ。
◆ステップ2:「精製された穀物の摂取」を減らす
白い小麦粉などの精製された穀物は、
ほかのどの食べ物よりインスリンの多量分泌を促す。
炭水化物は、
天然のものを、丸ごと、
加工されていない状態で摂るべきだ。
枝豆は、1食あたり9グラムの食物繊維と11グラムのタンパク質を含んでいるのでお勧めだ。
◆ステップ1:「添加糖の摂取」を減らす
砂糖はインスリンの分泌を刺激するが、
それ以上に厄介なことがある。
砂糖は特に太りやすいが、
それは砂糖がインスリン値をすぐに、
しかも長時間にわたって上昇させる働きがあるからだ。
砂糖や人工甘味料はインスリン抵抗性の直接的な原因となるので、
ほかのものより太りやすい。
なので添加糖は、
どんなダイエットにおいても真っ先に制限されるべきもののひとつだ。
- 「デザート」を変える
新鮮な季節の果物、ナッツ類、チーズを少し食べる - 「間食」をやめる
常に食べるのを止める - 「朝食」は食べても食べなくてもいい
朝食は、「1日のなかで最も大切な食事」ではなく、「単なる食事」と考える。朝食に何かを食べたくなったら「ヨーグルト」や「卵」にする。卵は加齢黄斑変性や白内障といった目のトラブルを防いでくれる。 - 「炭酸水」を飲む
いちばんいいのは「水」や「炭酸水」だ。コーヒーには「2型糖尿病の予防効果」がある。1日に飲むコーヒーが6杯まではこの効果がある。また、コーヒーは、神経系の病気であるアルツハイマー病、パーキンソン病、肝硬変、肝がんなどの疾患の予防にもなると考えられている。
◆現時点で疫学上「最も信頼できる」5ステップ▶完璧な減量
ステップ1:「添加糖の摂取」を減らす
ステップ2:「精製された穀物の摂取」を減らす
ステップ3:「たんぱく質の摂取」を減らす
ステップ4:「いい脂肪」をもっと食べる
ステップ5:「食物繊維」をもっと食べる
◆インスリンの量を抑えて肥満を解消するための「食事リスト」には、
「糖類」や「精製された穀物の摂取量を減らすこと、
「タンパク質」を過剰に摂取しないこと、
そしてカラダにいいとされる「脂質」や「食物繊維」を摂ることなどが含まれる。
間欠的に食事を抜くことも、
肥満を解消するのに有効だ。
◆肥満の対処法や予防法、
インスリン抵抗性やインスリンの過剰分泌といった症状への
対処法として最も効果が期待できるのは、
インスリン抵抗性から起こる疾患である
2型糖尿病の治療に用いられるのと同じ、
「低炭水化物・高脂質の食事」である。
◆体重を減らしたい肥満の人にとって高脂質の食事は、
少なくとも昔から言われている食事療法よりもずっと効果的である。