MIND OVER MONEY 193の心理研究でわかったお金に支配されない13の真実 – クラウディア・ハモンド
クラウディア・ハモンド (CLAUDIA HAMMOND)
作家であり、キャスターであり、心理学者。
BBC ラジオ4で心理学をテーマに語り、『All in the Mind』『Mind Changers』では司会を務める。
これまでに『Emotional rollercoaster』『TIME WARPED』の2冊の著書があり、邦訳もされている『TIME WARPED』(『脳の中の時間旅行』インターシフト刊)は英国心理学会2013 年ブックアワード(ポピュラーサイエンス部門)を受賞した。
その他、過去に英国心理学会Public Engagement & Media 賞、Mind’s Making a Difference 賞、性格・社会心理学会Media Achievement 賞、英国神経科学協会Public Understanding of Neuroscience 賞を受賞するなど、多数の受賞歴もある…
なぜ、人は金額が大きくなると勘定が大雑把になり、貧乏になるとより損をしやすく、お金があるほどケチになるのか?
心の不合理を知り、お金に強くなる!英国の人気心理学者が、心理学、神経科学、行動経済学など、あらゆる角度から解き明かす。
目次
Chapter1 人とお金の関係はいつから始まるのか?
Chapter2 お金への愛着について
Chapter3 心の会計と銀行の会計
Chapter4 一度つかんだら離さないワケ
Chapter5 価格に適正はあるか?
Chapter6 お金でやる気は引き出せる?
Chapter7 賞金とお礼
Chapter8 お金はいくらあっても困らない?
Chapter9 貧困がもたらすもの
Chapter10 お金のダークサイド
Chapter11 お金と善意と幸福と
Chapter12 お金が貯まる心の持ち方
Chapter13 お金を使う喜び

MEMO
お金に支配されない13の真実
- なぜ、
良い人生を送りたいならお金はモノではなく経験に使うのが正解で、最高級のイタリア産生ハムを買うのがあなたち贅沢ではなく、自分の時給は知らないに越したことはないのか? - なぜ、
貯蓄が苦手な人は口座を1つにした方がよく、ドイツ語を話せばお金が貯まるかもしれず、ブタの貯金箱がマラリア予防に一役買っているのか? - なぜ、
寄付をすると(税金を払うでもいい)幸福度が上がり、寄付を募る時は見た目ぱっとしない子供の写真を使うに限るのか? - なぜ、
お金持ちはタイタニック号の救命ボートに真っ先に飛び乗り、金儲けに長けている人は競争心に強く、お金のためなら(それが大金なら)人は嘘をついてしまうのか? - なぜ、
貧しいとIQが下がることがあり、しかもお金にまつわる判断を誤りやすく、失敗したとしても同情すらされないのか? - なぜ、
金銭感覚が似ている夫婦は幸せで、お金が十分あっても十分でないと思う人が多く、常にモノやカネを欲しがる人は幸福度が低いのか? - なぜ、
やる気を引き出すにはお金より褒め言葉の方が効き目があり、友人の好意にお金でむくいるのは間違いで、サッカーのイングランド代表はいつもPK戦で負けるのか? - なぜ、
お金が惜しても通勤客が終電を追いかけ、子供のテストの点数に賞金を出しても効果はまちまちで、わずかなお金がドラッグや煙草依存症脱出の足がかりになるのか? - なぜ、
人は必要以上に払いたがることがあり、店頭では「中間価格」に注意しなければならず、
交渉相手に先に金額提示させてはいけないのか? - なぜ、
得するのが好きな以上に損をするのが嫌いな人が多く、プエルトリコのサルを観察すると、金融危機が理解でき、毎週同じ番号の宝くじを買うのが間違いであるのか? - なぜ、
値段がかさむほど金払いが大雑把になり、出費を抑えるのに心の出納袋の活用がお勧めできて、格安航空が心得違いであることに気づけないのか? - なぜ、
人は見慣れた通貨をこよなく愛し、機嫌が悪い時はボラれにくく、支払いはカードより現金が無難であるのか? - なぜ、
人はお金そのものに惹き寄せられ、お金が破損されると不快になり、お金を数えると死の恐怖が和らぐのか?
◆お金とつかあう21のヒント
- 仕事は今の方が楽しいけれど昇進を目指すというなら、むきになって頑張りすぎる前に
次のことを思い出す。稼ぎが増えて幸福度が上がることはあるけれど、必ずそうなるとは限らない。 - 時給で働く人は、仕事とは別のもっと楽しい何かの活動に誘われた時、いくらの損になるのか計算してはいけない。楽しそうだと思ったら、誘いに乗ろう。
- ミリオネアになったとしたら、お金で買える最高のものに飛びつくのは間違い。そうすると日々の楽しみが比較のうえで色褪せて見える。であれば、小さな楽しみをたくさん買う方がいい。また、一番楽しいことに集中すれば、人生をより楽しみやすくなる。
- お金を使うことで幸せになりたいなら、モノではなく経験を買う。もしモノを買いたいなら、いい経験につながるモノを買うこと。
- 貯蓄口座を開くなら最果ての地で開く。オンラインでいつでもアクセスできるとしても、
お金は遠くにあるような気がするだろう。そうなると、貯金を崩す可能性が低くなる。 - 貯金上手になりたいなら、心機一転するでけでは何も変わらない。行動パターンは変わらないことを認識して、別のアプローチを試してみる方がいい。
- 慈善団体の資金集めを企画するなら、もっと心理学の研究に目を向けて、自力で復興に励む姿を前面に打ち出すよう心がけるべき。
- お金持ちからお金を引き出したなら、直接の寄付をお願いする。一種の投資になるとほのめかすのは間違いで、寄付額を下げてしまう恐れがある。
- 寂しい時、物質主義に走ってお金で心の穴を埋めようとしても少しも幸福にはならないが、ささやかな贅沢を楽しむことで幸福を感じることならある。
- 子供の絵を見て、こんなに上手な絵は見たことがないなどと言ってはいけない。それよりも、頑張りや取り組み方を褒める方がいい。
- インセンティブで子供の成績を上げたいなら、具体的な課題を達成することにお金を払い、課題のやり方を明確にする。単に良い成績にお金を出すのは間違い。
- 交渉時は、相手より先に金額を提示することで、アンカーを設定しておくとよい。ただしどの辺が妥当かさっぱり見当がつかない時はその限りではない。
- 割引がパーセント(%)で表示されている時は、ちゃんと計算して金額を把握する。決して相対思考にだまされてはいけない。
- 何かを買いに店に入って選択肢が3つある時、高い方の値段を見て中間を選ぶのは間違い。また、自分が欲しいものよりサイズが大きくて洒落た品があっても見なかったことにするか、買う前に自宅にそれを置いたところを想像してみることだ。
- フリーマッケットや何かの屋台を出す時は、看板に「少しの時間を使ってください」と書く。そうすればお客の適正価格の認識が変わり、売上も上がるはずだ。
- 食べ放題のビュッフェは料金が高い方を選ぶ。価格が身体的な感覚の認識を変え、食べすぎた気もしない。
- 頭痛が本当に辛いなら、痛み止めは割高なブランド薬を買う。安いジェネリックと成分は同じと分かっていても、そっちの方が実際に効き目が早いことがある。
- 売りたい品の希望価格を設定する時は、それが自分の持ち物でなかったらと想像してみることが必要だ。
- 宝くじを毎週同じ番号を選んで買ってはいけない。損失回避に囚われ永遠に買うのを止められない。
- クレジットカードで何かを買う時、ATMで同じ金額を引き出すところを想像する。そして、キャッシュで支払ってもいいと思える時だけカードで支払うようにする。
- 人は死を思うとき、お金を使うことより持っていることで慰めらる。
◆お金をぼったくるのは
「他人」ではなく
「自分の心」だった!