その幸運は偶然ではないんです! by J.D.クランボルツ, A.S.レヴィン
ラッケンメイヤー,ナサニエル
スタンフォード大学教育学・心理学教授。アメリカ心理学会およびアメリカ科学振興協会フェロー。キャリアカウンセリング理論の先駆者として、キャリア開発評価、行動科学的カウンセリング、カウンセリング手法に関する著作がある。カウンセリング心理学の分野での貢献に対して、アメリカ心理学会より権威あるLeona Tyler Award(1990年)を、また、the Distinguished Professional Contributions to Knowledge Award(2002年)を受ける
レヴィン,A.S.
カリフォルニア州立大学カウンセラー教育教授。スタンフォード大学キャリア開発センターとMBAキャリアセンターのアシスタント・ディレクター、また、同大学教育学部の講師を歴任
転機を活かして人生を変えた人たちのほんの少しの勇気。
心理学者・キャリアカウンセラーが読み解いた45人の心の準備…
目次
第1章 想定外の出来事を最大限に活用する
第2章 選択肢はいつでもオープンマインドに
第3章 目を覚ませ! 夢が現実になる前に
第4章 結果が見えなくてもやってみる
第5章 どんどん間違えよう
第6章 行動を起こして自分の運をつくりだす
第7章 まず仕事に就いてそれからスキルを学ぶ
第8章 内なる壁を克服する

MEMO
その幸運は偶然ではないんです!
◆キャリアを考えるときに重要なこと9選!
- 将来何になるか、決める必要はない
その時々で目標はつくってもよいが、目標はあなたの成長や学習、環境の変化に伴って常に変化する可能性がある。常にオープンマインドにしておく。 - 想定外の出来事があなたのキャリアに影響を及ぼすことは避けられない
想定外の出来事が起こったときにはいつでもそれを利用できるように常に注意を怠らないでいる。 - 現実は、あなたが考える以上の選択肢を提供してくれるかもしれない
夢を追求するときは、夢を見つつ、しっかり目を開けておくということを忘れない。 - いろいろな活動に参加して、好きなこと・嫌いなことを発見する
どんな活動にも積極的に取り組んで、ベストを尽くす。 - 間違いを犯し、失敗を経験する
間違いや失敗は重要な経験となり、それが予想以上によい結果に結びつくこともある。 - 想定外の幸運な出来事をつくりだそう
人の手伝いをしたり、組織に所属したり、講座を受講したり、友達や見知らぬ人と話をしてみたり、本や雑誌を読んだり…つまりは、積極的に人生を送ることで、想定外の幸運な出来事をつくりだすことができる。 - どんな経験も学びへの道
新しい仕事は常に新しい学びの経験。その仕事に就く前に、仕事のやり方を知っている必要はない。 - 仕事以外でも満足感を得られる活動に携わる
雇用されていなくても、そのような活動を通じて、従来とは異なる方法で、他者に貢献することができる。人生の後半では、それはむしろ老後への健全なアプローチである。 - 内面的な障害を克服するために、新しい考えや経験にオープンであり続ける
人生を豊かで満足感のあるものにする考え方や行動を取り入れる。成功とは、たどり着いた地位よりも、むしろ成功を目指して克服してきた困難で測るべきだ。
◆「偶然を活用してチャンスをつかむ」という考え方は、
勝者の勲章のためにあるのではない。
「普通の人たち」が
オープンマインドを持ち、
自分の変化・成長のためにアクセルを踏み、
不確実な状況や偶然的に起こる事態に対して準備を行い、
とりあえず行動を起こしてみる。
◆従来のキャリア理論は、
目標を定め、
自分や周囲の状況をきっちりと理解し、
それに対して自分のスキルアップや知識向上の計画を策定し、
それを粛々とこなしていくことが重要とされた。
ところが、
自分の会社や仕事を取り巻く環境をきっちり分析し、
自分のキャリアを用意周到に準備するという分析型で
成功している人はそれほど多くない。
むしろ、
キャリア開発の成功例の多くは、
変化の中にあるチャンスを
自らのものにしたというもの。
自分にとって重要と思われる変化の芽をチャンスにとらえ、
自ら積極的にそのチャンスを取りにいき、
チャンスをものにするために
自分のネットワークを活用し、
チャンスを自分で広げていくという行動のほうが、
キャリア開発の実績においてはより現実的である。
◆あなたは、
今後一切キャリアに関する
意思決定をしないでほしい。
なぜか?
「キャリアの意思決定」とは
ひとつの職業へ永遠に
かかわり続けることと解釈することができる。
しかし、
あなた自身も、
あなたを取り巻く環境も
常に変化しているときに、
ただひとつの道に
人生を捧げようとすることはバカげている。
自分の将来を今決めるよりも、
積極的にチャンスを模索しながら、
オープンマインドでいるほうがずっとよい。