あたりまえを疑え

あたりまえを疑え by 澤 円

澤 円(さわ まどか)

マイクロソフト業務執行役員 テクノロジーセンター・センター長
1969年生まれ、千葉県出身。立教大学経済学部卒業後、生命保険会社のIT子会社を経て、97年にマイクロソフト(現日本マイクロソフト)に入社。情報共有系コンサルタント、プリセールスSE、競合対策専門営業チームマネージャー、クラウドプラットフォーム営業本部本部長などを歴任し、2011年、マイクロソフトテクノロジーセンター・センター長に就任。18年より業務執行役員。

世間で言われる「あたりまえ」とされる常識や正解を探すのではなく、あなただけの真の人生を探す旅へ

目次

CHAPTER01 時間・タスクを疑う
「時間」はもっとも貴重なリソース
出社時間を守っても利益は出ない
膨大なタスクを効率的にこなす3つの原則
無意味なことから「逃げる」のも大切な選択肢
どんな場所でも生きていける力のつけ方
良質なアウトプットを生み出す方法 etc…

CHAPTER02 ルール・慣例を疑う
押しつけられるルールや慣例はすべて疑う
「同調圧力」を感じたらその場を去る
なぜ女性はおっさんに邪魔されるのか?
「風あたりが強い」のは最前線にいる証
「正解」を探さなければすぐに行動できる
時代に取り残されないためのアップデート思考 etc…

CHAPTER03 コミュニケーションを疑う
「これがほしかった! 」を仕組み化したアマゾン
聞き手がハッピーになることだけを考える
プレゼンは聞き手への「プレゼント」
「伝わる」スライドをつくる3つのコツ
顧客の「共通感覚」に訴えかける
専門知識よりも、「多くの人に伝える力」を意識する etc…

CHAPTER04 マネジメントを疑う
部下のモチベーションが上がらない理由
過去の成功体験を疑うマネジメント術
失敗を成功に変えるキーワードは「可視化」
「What」と「How」に集中する
デキるマネージャーは「自責」で考える
ハラスメントする側にならないための視点 etc…

CHAPTER05 自分自身を疑う
良い人脈は「ギブファースト」でつくれる
ユニークな掛け合わせのオリジナリティー
「いつ」と決めると人生を動かせる
精神的な保険になる「複業」のすすめ
ライフワークは「信念」、実現する手段が「仕事」
これからの時代に必要な資質は「未来志向」 etc…

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MEMO

あたりまえを疑え

◆「他の人よりも得意なこと」を3つ掛け合わせる

「他の人に絶対に負けないこと」と考えても、
なかなか先には進めない。

世の中には、
自分よりうまくできる人なんて山ほどいる。

でも、「他の人よりも得意なこと」ならどうか?

一つひとつは絶対的に得意なものではない。

ただこれが3つ掛け合わされると、
とてもユニークなものに変わる。

そして、
この3つを掛け合わせたオリジナリティは、
すべてあなたの一次情報になる。

◆「どうせ無理」をなくしたい!

「もう若くない」
「やったって意味がない」
「もう無理なんじゃないか」
「こんなものできるわけがない」

「大人」になった僕たちは、
あらゆる言葉や表現を使って、
毎日何度も繰り返して、
「どうせ無理」だと全力で自分に言い聞かせている。

そんな「どうせ無理」をなくしたい。

するとなにが起こるのか?

未来の可能性が開ける。

諦めたことを覚えた大人に
時間を使うのは、
もう無駄なのかもしれない。

諦め方を知ってしまうと楽になる。

なぜなら思考を停止できるから。

思考することは苦しい。

大人になるにつれてたくさんの失敗や挫折を経験した僕たちは、
やがて諦め方を身につける。

自分の身を守るために。

あるいは自分をなぐさめるために。

そうして気づかないうちに自分の可能性に蓋をして、
考えることをやめていく。

でも考えることをやめると、
どうなるか?

あたりまえを疑わなくなる。

そしてあたりまえを疑わなくなった大人たちは、
どんなことをするかといえば、
諦めることを子どもたちに強制する。

「いつまで夢を見ているんだ。現実を見ろ!」

「そんなことでは食っていけないよ」

「学歴がないと生きていけないぞ」

「社会は甘くないんだよ!」

そのようにして自分たちと同じように、
思考停止した人間を社会に増やしていく。

これが、
「同調圧力」の正体である。

諦めることを覚えた大人は
せめて子どもたちに対して
「どうせ無理」ということは
絶対言わないで欲しい。

◆時代に取り残されないためのアップデート思考

自分の得意なことをアップデートしていけることは、
強い武器になる。

そのためには、まず大前提として
「自分はなにができるのか」
「自分はなにに興味を持っているのか」
「どれほどそれに夢中なのか」
といったことを紙に書き出し、
しっかりと言語化しておく。

そして、それらを少しでもいいので行動に移し、
高速で成長させ続ける。

◆ざっくりした言葉を使わない

「いつも」「みんな」「たくさん」といった感覚的な言葉をよく使う人は、
「わたしは、仕事ができない人間です」と言っているようなもの。

どうとでも意味がとれる言葉を使っていては、
ビジネスで正確は現状認識ができるわけもなく、
問題解決に至ることもない。

「デキる人」はどんな場面でも具体的だ。

データを意識した状態で考えるクセがついているので、
話す言葉も曖昧さがない。

◆自分が最高のスピードを出せる状態にするには、
まずボトルネックを知り、
それをどう改善するかがポイントになる。

そこで重要となるのが、
自分の仕事のスピードを把握すること。

自分のスピードを測るためには、
仕事の中身をすべて棚卸しする必要がある。

そして、
すべてのタスクについて
「どのくらいの時間で完成するのか」を順に測る。

◆タスクを効率的にこなす3つの原則

  1. できるタスクとできないタスクを理解している
    できるタスクは自分でやるが、自分がやるとかえって時間がかかるタスクは、迷わずアウトソーシングする。具体的には、得意な人にやってもらったり、ツールを使って自動化する。
  2. やると決めたひとつのタスクに集中している
    ひとつのタスクに集中して取り組むと、スピードが上がり作業にかかる時間が短くなる。
  3. タスクにかかるスピードを把握している
    タスクにかかる時間を把握しておくと、急用が入っても予定を調整しやすい。

◆結果を出せるビジネスパーソンに共通しているのは、
「未来思考」を持っていることだ。

「時間はなんのためにあるか」と考え、
未来を良くするために使うところに
思考を持っていかなければいけない。

あなたの働き方を変えるために必要なことは、
高額なツールを買うことでも
コンサルタントに頼ることでもなく、
こんなマインドセットを持つこと。

◆外資系の企業と比較して日本企業と企業に欠けているのは
「時間は借りものだ」という概念。

欧米の企業では、
1時間の予定の会議が45分で終わったとすると、
「15 minutes back to you」と言って会議を解散する。

つまり、「1時間借りていたけど45分で終わったから、
15分返すね」ということ。

この「返す」という表現が、
時間に対する考え方を端的に示している。

このような時間の概念を持てるかどうかが重要となる。

◆自分の働く価値を再定義するには、
「ゼロを1にする」ために仕事にどれだけの時間が割けるかを
突き詰めることがきっかけになる。

「ゼロを1にする」というこは、
この世にまだないなにか新しいものを生み出すこと。

そのためには、必然的に「考える」時間を確保しなければならない。

「ゼロを1にする」には、
3つのフェーズにわけて、
「考える」時間を定義して確保する。

  1. ひとりの時間をつくり、自分で考えを熟成させる
  2. ディスカッションで、多様な人たちと考えを交換する
  3. 信頼できる誰かに話しながら、考えを構築・検証する

◆業務の効率だけを考えれば、
全社員が同じ時刻に出社する必然性はない。

なのに、なぜみんなが朝9時にいかなくてはならないのか?

結局のところ、こんな理由だったりする。

「不公平になる」

「現場は早く出ているのだら、
本社や本部もそうするべきだ」という考え方。

現場はみんなが同じ出社時間である必然性はあるかもしれない。

しかし、本社や本部の社員にはなんの関係もなければ、
必然性もない。

なのに、本社や本部の社員も現場に合わせて朝9時出社する。

こうした会社がなぜ多いかというと、
心のどこかに「現場は早くから働いていて悪いから、
それに合わせよう」という日本人特有の気質があるからではないか。

◆「仕事のはじまりの時間に厳しく、
終わりの時間にゆるい」のは、
日本企業特有のマインドセット。

朝は数分遅刻しただけでガミガミ怒られるのに、
夜は数時間残っていても、
怒られるどころか「がんばってるな!」と褒められることさえある。

でも、よく考えてみると、
それぞれ部署ごとにやることが違うのに、
朝9時に全社員が揃って出社しても1円にもならない。

また、だらだらと残業して生産性が高まるとは思えない。

そうした意味のないルールや時間の考え方を、
いまこそ一人ひとりが疑わなければならない。

◆「なにか引っかるな・・・」
「どうしてこうなるのだろう?」
そんな世間の「あたりまえ」に対して疑問を持ったとき、
あなたはすでにおおいなる成長への一歩を踏み出している。

「あたりまえ」に対して疑問を持つ

一歩前へ進んだと考える

◆「やりたいことが見つからない」と悩んでいても、
扉は勝手に開いてくれない。

むしろいまの時代は、
小さなアクションをたくさん起こしながら、
「やりたいこと探し」を楽しむくらいの
身軽な姿勢でいるのが良い。

◆恐ろしいことに、
「~だから無理」と思った瞬間、
そこがゴールになってしまう。

そこで大切になるのが、
そんな思い込みを捨てて
「どうすればできるのだろうか?」
と考えること。

なぜなら、
思考は行動に直結するから。

これまで「あたりまえ」と思っていた
思考のクセを根本から疑い、
自分の頭で考えることができるようになれば、
一歩前へと進んでいける。

◆常識に縛られたら、
思考は停止する。

投稿者: book reviews

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