かばんはハンカチの上に置きなさい by 川田 修
プルデンシャル生命保険株式会社エグゼクティブ・ライフプランナー。
全国約2000人中の1位のPT(President’s Trophy)を達成した
川田 修さんの著書です。
トップ営業がやっている小さなルール!
難しいことはせず、背伸びもせず、
「ちょっとだけ違うこと」を徹底する!
その積み重ねで、
面倒くさがりの人でもトップセールスになれる!
今すぐできる56の「ちょっと違う」こと。
一見普通でもちょっと違う、
トップ営業の考え方とやり方を、
あますことなく伝授…
目次
1章 相手目線で、ちょっと違うことをやる(土足で家に上がる営業/私たちは、「お客様」ではない ほか)
2章 「ちょっと違うこと」から気づく、大事なこと(テクニックは、人真似から始まる/真似の先に、大きな変化がある ほか)
3章 営業マン・ウーマンは弱いものである―自分の弱さを認めるということ(「夢」を本音で書き出すと、一歩前進できる/仕事に打ち込むために、家族と別居する ほか)
4章 そんな私も新人でした。営業現場で一から学ぶこと(新人時代だから持てる武器/出直しは「後日」ではなく「翌日」に ほか)
5章 営業とは、お客様と物語を作る仕事である(営業マニュアルに込められた、本当の意味/営業とお客様の頭の中は、こんなにも違う ほか)
MEMO
◆一生の「職」とは?
営業という仕事は、
「物事を相手の目線で考える」
究極の仕事である。
また、人を相手にする、
まさに人間にしかできない仕事である。
そこに人がいて、
サービスが発生すれば、
何にでも生かせる仕事である。
人と人が関係してくる仕事であれば、
どこでも生かせる職業スキル、
それが「営業」という仕事である。
そういう意味では、
営業は究極の「手に職」である。
◆3つの力
営業がものを売るためには
3つの力が必要である。
1) 商品力
2) 営業力
3) 人間力
◆お金ではなく、喜んでもらうことをモチベーションにする
お金をモチベーション
にするのは限界がある。
でも、人に喜んでもらったり、
感動してもらうことには限界がない。
◆ラク(楽)と楽しいの違い!
ラクとは、つらいことから逃げて得られるもの。
一方の、楽しいとは、
つらいことを乗り越えてこそ、
得られるものである。
◆お客様は、商品と一緒に空気も買う
ここで言う「空気」とは、
会社の企業理念や、お客様に対する営業の気遣いや思いやり、
仕事に対する理念、その人の人生観や価値観を指す。
◆テクニックは人真似から始まる
できる人は、誰かから教えてもらったり、
盗んだりして結果を出している。
それでうまっくいったら、
そのことを周りの誰かに今度はあなたが
伝えてあげればいい。
それで恩返しが十分できている。
◆できる営業マンは常に基準値を超えることを意識している
人間というのは、あるラインを超えた瞬間、
その人に興味を持つ。
ある一定のレベルを超えると、
お客様は「この人、ちょっと違うな」
と興味を持つ。
そういう基準ラインを、
お客様が持っている。
お客様はさまざまな営業を受けながら、
自然とその基準ラインができている。
その基準ライン以下の営業は、
特に印象に残らず、
すぐに忘れられてしまう。
ではその差はどのくらいかというと、
実はとっても小さい。
ただその基準値をほんの少しでも
超えることができれば、
相手に興味を持ってもらえる。
たとえばその基準値レベルを「10」としたとき、
レベル10以下では、「10」も「5」も一緒にされてしまう。
相手の印象に残らないという点では、
レベル10もレベル5も同じである。
できる営業マンは、
たった「1」の差を積み上げて、
いつもレベル11以上の営業を目指す。
そう考えて、「とことん」極めようとする。
ただし、基準ラインをレベル10としたとき、
レベル20が必要かというとそうではない。
レベル11あれば十分である。
◆あなたのライバルは誰か?
営業マンのライバルは、
お客様とつき合いのある
(これからあるであろう)、
すべての営業の人たちである。
多くの営業マンは、
どうしても一方通行の仕事をしてしまう。
自分目線で考え、
「お客様と自分」という1対1の関係でしか、
自分の仕事をとらえていない。
しかし、お客様は、
あなただけと合うわけではない。
お客様目線で考えれば、
お客様と営業は、
「1対1」ではなく、
「1対多(n)」の関係。
さまざまな営業という職種の人が周りにいる。
そんな大勢の営業の中で、
どうすれば自分だけが頭ひとつ抜け出して、
お客様に「この人は違うな」
「この人から買いたい」と思っていただけるか?
そう考えると、どんな些細なことも、
想像し、考え、実践していこうと思えるはず。
これができる営業マンの考え方である。
◆スーツは自分が主ではなく、お客様を主に考える
仕事上の服装は自分が主ではなく、
あくまでお客様を主に考える。
お客様に視点を置くというのは、
お客様に険悪感を持たれずに
好感を持ってもらう服装をすること。
その服装自体が、
お客様を尊重していることの表れである。
営業マンの服装は、
白のシャツに紺とグレーのスーツが
基本である。
◆お辞儀にこそ、こだわる!
あなたは、どのくらいお辞儀について
こだわっているか?
軽い会釈だけで帰っていく人。
歩きながらお辞儀をし、
結果、斜めにお辞儀をする人。
きちんと立って深々をお辞儀をして、
「今日は、どうもありがとうございました」
と落ち着いて挨拶する人。
できる営業マンは、
相手との別れ際、
「どうもありがとうございました」
と言って、その方に正対して、
上半身をほぼ垂直に深く曲げて、
相手より長い時間お辞儀をする。
相手が頭を上げた時点で、
まだお辞儀をしている営業マンを見たとき、
より鮮明に印象に残る。
正対していなければいけないし、
深く、長くなければいけない。
時間にすれば、わずか2、3秒の差である。
その小さな違いが大切である。
できる営業マンは「お辞儀」にこだわる。
◆営業マンは「お客様」ではない
お客さまの自宅にお邪魔した帰りに、
靴べらを使って靴を履く。
靴を脱ぐようなオフィスでも同様である。
営業マン、社会人のマナーとして当然である。
といっても、できる営業マンは、
お客様の靴べらは使わない。
スーツのポケットの中に
携帯用の靴べらを入れておいて、
それを使う。
なぜか?
理由はシンプル。
お客様の家のものを使うのは、
その家に来た「お客様」がすること。
営業マンは訪問者であっても
「お客様」ではない。
だから、お客様のものは使用しない。
靴べらで、
お客様の「心」を掴む。
◆土足で家に上がる営業マン
外で電話をかけるときに
カバンを「地べた」に置いたりする。
電車やカフェの中で
カバンを足元に置いたり、
ときにはトイレなどで
床に置いたりする。
それは靴で歩いている場所である。
あちこち、
歩きまわったカバンを、
お客様の家の中に持って入るというのは、
靴を脱がずに土足で家の中に入るのと
同じである。
そんな人が自分の家に営業に来たら
どう思うか?
お客様の家を訪問するときは、
ハンカチを玄関で取り出し、
それを自分の座るそばに敷き、
その上にカバンを置く。
「そんなことをしなくてもいいですよ」
というお客がほとんどである。
この言葉は、
「そんなことまでする営業マンは、
今までうちに来たことがない」
という意味である。
お客様も気持ちよく、
自分自身も、
営業マンとして一目おかれる。