積極的考え方の力 by ノーマン・ヴィンセント・ピール
著者について:
牧師。
1932年から引退までの50年以上、ニューヨークにあるマーブル協同教会の牧師を務めた。
1952年に出版した「積極的考え方の力」が米国で大ベストセラーに。
この本は41か国語が翻訳され、全世界で2000万部、60年間読まれている。
ラジオやテレビ番組のホスト、週刊誌「ガイドポスト」を主宰、人々の精神に多大な影響を与えた。93年12月24日、クリスマスイブに逝去。95年の生涯を閉じた。
「ポジティブ・シンキング」はここから始まった!
デール・カーネギー、ナポレオン・ヒルと並ぶ自己啓発の御三家。
人生には“運”というものもあるのかもしれない。
しかし一方で、
こうした運をコントロールし、
左右できる「心構え」や「原則」もある。
問題を追い払う方法を学ぶ、
精神が問題に屈するのを拒む、
考え方を通じ、積極的な力を手に入れる。
これらを実践すれば、
あらゆる問題を乗り越えることができる…
目次
1)自分自身を信じる
2)心を安らぎで満たす
3)常にエネルギーを保つ
4)祈りの力を活かす
5)どうしたら幸福になれるか
6)怒りや苛立ちを忘れる
7)いかにベストを尽くすか
8)敗北にめげない
9)不安に打ち勝つ
10)問題を解決する
11)信仰は治療の力になる
12)活力を取り戻す
13)自分を変える考え方
14)どうしたらリラックスできるか
15)人に好かれるには
16)心を痛めたときの処方箋
17)いかに神の力を求めるか
MEMO
◆思想が生涯をつくる
あなたは、将来、自分は失敗して不幸になるかもしれないと
考えることもできるし、
成功して幸福になると考えることもできる。
あなたの人生は、外部の条件や環境だけによって決定されるのではなく、
習慣的にあなたの心を占めている考えによって決定される。
偉大な哲人、マルクス・アウレリウスは
「人間の生涯は、その人の思想によって作りだされる」
と言ったが、この言葉をよく覚えてほしい。
偉大な賢人、エマーソンは、
「1日じゅう頭の中にあるものが、その人の本体である」
と断言している。
また、有名な心理学者は、
「人間の性質の中には、
その人がそうなるだろうと習慣的に考えるとおりになっていく
強い傾向がある」と言っている。
物事を積極的に考えれば、
積極的な結果をもたらす力をあなたは発揮できるようになる。
積極的な考え方をすれば、
積極的な結果に都合のいい環境が身辺に整う。
これと反対に、ネガティブな考え方をすれば、
消極的な結果をもたらしやすい雰囲気を身辺につくることになる。
だからこそ、環境を変えるには、まずその考え方を変えなければならない。
不満な環境に受動的に甘んじていないで、
このようであって欲しいという環境を心の思い描く。
このイメージを持ち続け、それを細部までしっかりと心に描き、
その実現を堅く信して、努力するなら、
心のイメージは積極的な考え方を強め、
あなたの願いは実際にかなえられる。
この法則を簡潔に言ううと、
ネガティブな立場で考えるなら消極的な結果した得られず、
ポジティブな立場で考えるなら積極的な結果を達成できるということだ。
一言でいえば「信じなさい、そうすれば成功する」ということだ。
潜在意識の中で創造したイメージは、
それを絶えず確認しながら、勤勉かつ効率よく働けば、
必ず実現される。
この創造的なプロセスを簡単にいえば、
心にありありと思い描けば、
やがて実現するということだ。
◆潜在意識とは
潜在意識というのはいつでも変化を嫌うものなので、
「そのようなことは信じるな」とあなたに
ささやくかも知れない。
しかし、潜在意識はある意味でこの世で最大の嘘つきだ。
あなたが自分の才能を誤解しているのに同調して、
ネガティブな気持ちをあなたに送り返すからだ。
潜在意識の中にネガティブな態度を作り上げると、
潜在意識もこの間違った状態のままで
いいといった反応を返すようになる。
だから、まず潜在意識に向かってこう言うこと。
「私はできると信じるぞ、
それが可能だと断言するぞ」
こうして潜在意識に積極的に言い聞かせれば、
自然に確信が持てるようになる。
なぜなら、今やあなたは潜在意識に対して積極的な考えを与え、
それを育てているからだ、
言い換えれば、潜在意識に対して真理を語っているのだ。
やがて潜在意識は、あなたに真理を送り返すようになる。
◆エジソンの生活習慣に学ぶ
発明の天才として有名なトーマス・エジソンの
習慣や性格について、夫人はこう語っている。
何時間も研究したあと、
研究所から戻り、
寝椅子に横たわるのが
エンジンの習慣だった。
彼はそうやって子どものように
自然に眠りにつき、
何事にも煩わせられない深い睡眠によって
完全に休息をとった。
3、4時間、ときには5時間寝て、
完全に元気を回復し、
すっきりと眼をさましてから
再び仕事に行くのが常だった。
つまりエジソンは、
自然と完全に調和していたのだ。
エジソンには、
何ひとつ忘念もなければ、
心身の不調和も心の葛藤もなく、
罪悪感も不安の感情もなかった。
彼は眠る必要があるまで働いた。
そして、ぐっすり寝て、
起きて、また自分の仕事に戻る。
彼の力の源は、
感情のコントール、
完全に心身を休める才能にあった。
◆明確な目標を定める
何かを到達するには当然、
どこへ行こうとしているかを知ることが重要だ。
終点がどこか分かって、
初めて終点に行く着くことができる。
夢を実現することもできるし、
行こうとしている場所にも行き着ける。
多くの人が失敗しているのは、
どこへ行きたいのか、
何がしたいのか、
ぼんやとした考えしか持っていないためである。
目標がないのに終点に着くことは不可能だ。
◆最善を尽くすとは
その目標に全身全霊を投じるということである。
人々が人生において敗北するのは、
才能が欠けているというよりも、
全身全霊を打ち込む姿勢に欠けているからだ。
成功することを本気で期待していないのだ。
心がそこに集中されず、
自分を完全にその中に投じていない。
人生で成功する秘訣は、
あなたの中にあるものを完全に解放して、
それを仕事なり計画していることに
すべて投じることだ。
今やっているものが何であろうと、
それに対して全力を投入する。
人生は、
自己のすべてを与える人を
拒むことはできない。
◆成功するために大事なこと
何か新しいことを始めるとき、
それが成功するかどうかは、
本人が成功を信じるかどうかにかかっている。
成功するために一番大事なことは、
「信じる」ということである。
これが、何事にも成功するための
基本的な要素となる。
◆不幸な人が幸福になれる習慣とは?
自分自身で不幸になっている人が意外と多い。
これは気の毒なことである。
そうでなくても、
私たちは幸福を奪おうとする外部の敵から
常に狙われているのに、
自分自身で不幸になっているのはバカげたことである。
自ら不幸になるという考え方は、
ネガティブな感情を習慣的に持っているからである。
不幸は、怨恨(えんこん)や悪意や憎悪を
心に刻みつけることによってさらに増える。
そして自ら不幸を作り出すことで、
心配や苦労もさらに増える。
では、どのようにしたら不幸の代わりに
幸福を作り出すことができるのか?
それは幸福であることを習慣にすることである。
幸福の習慣を身につければ、
日々を楽しむことができるようになる。
幸福の習慣から、幸福な生活が生まれる。
幸福の習慣は、
物事の考え方で身につけられる。
まず、幸福な考えのリストを作り、
毎日数回、それを思い浮かべる。
不幸な考えが心に入ってきたら、
即座に止めて、意識的に追い出す。
そして、幸福な考えと入れ替える。
◆敗北感を抱いているなら…
静かに座ってペンと紙をとり、
リストを作ってみるとよい。
敵対するものではなく、
味方するもののリストをつくる。
自分の資産を心の中にありありと思い浮かべ、
それを確認し、あなたの考えをその上に引きつけておく。
そうすれば、どんな困難が起ころうとも、
必ず立ち上がることができる。
◆事実よりも大切な心構え
心構えは事実よりもはるかに重要である。
◆自信を深めるには
確信に満ちたイメージを
自分の心に刻みつけること効果的だ。
もし不安と劣等感にとりつかれているなら、
それはネガティブなイメージが長期間あなたの
考え方を支配してきたからだ。
これを打ち破るには、
別のもっと積極的なイメージを
心に植えつけなければならない。
これは、確固たるイメージを繰り返し
繰り返し暗示することによって完成されていく。