大人のための読書の全技術 by 齋藤 孝
東京大学法学部卒業。
同大大学院教育学研究科学校教育学専攻博士課程等を経て、明治大学文学部教授。
教育学、身体論、コミュニケーション論が専門の齋藤 孝教授の著書です。
読書の達人になろう!
他人の10倍速く読み、
100倍深く理解するために!
社会人が読んでおくべき
50冊の必読リスト付き!
読書スピードを
自在にギアチェンジしながら、
要約できるレベルで理解できるようになる…
目次
序章 社会人にこそ、読書術が必要な理由
第1章 読書のライフスタイルを確立する
第2章 読書の量を増やす―速読の全技術
第3章 読書の質を上げる―精読の全技術
第4章 読書の幅を広げる―本選びの全技術
第5章 読書を武器にする―アウトプットの全技術
終章 社会人が読んでおくべき五〇冊リスト
MEMO
◆社会人が読んでおくべき18冊!
・知の逆転
・宇宙は何でできているのか
・面白いほどよくわかる!心理学の本
・代表的日本人
・学問のすゝめ
・論語と算盤
・カーネギー自伝
・フランクリン自伝
・古代エジプトのうんちく図鑑
・商家の家訓 経営者の熱きこころざし
・経営者の条件(ドラッカー名著集1)
・マネー・ボール
・発想法
・ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪
・少子高齢化 もうひとつの格差のゆくえ
・決断力
・売る力 心をつかむ仕事術
・松下幸之助の金言365
◆本を自分なりに咀嚼する
どんなにすばらしい本に出会ったとしても、
自分の全部を明け渡すのではなく、
その本に詰まっているエッセンスを自分なりに咀嚼し、
自分の内に取り込む。
できるだけ多くの情報を自分の中に流し込んで、
自分がフィルターになって、
残ったものを自分のものにしていけばよい。
そして多読するうちに、
自分に何を残せばよいのかが分るようになる。
◆コピペの弊害!
コピペ(コピー&ペースト)というのは、
ただ単にインターネットの中の情報をつなぎあわせるだけである。
まったく自分の頭を使わない。
その結果、本物の知識が蓄積されることはない。
自分で作成した文章なのに、
自分の頭にも入っていないという状態になってしまう。
だからこそ読書が大事になる。
余談だが、テレビもよくない。
テレビは人間の思考を停止させる。
だから、賢い人はテレビを見ない。
◆賢い人と愚かな人の違い
人間の世界を見渡してみると、
賢い人も愚かな人もいる。
貧しい人も、金持ちもいる。
また、社会的地位の高い人も、低い人もいる。
こうした雲泥の差と呼ぶべき違いは、
どうしてできるのか。
その理由は非常にはっきりいている。
実語教という本に、
「人は学ばなければ、智はない。
智のないものは愚かな人である」
と書かれている。
つまり、賢い人と愚かな人との違いは、
学ぶか学ばないかによってできるものである。
◆サーチライト方式(キーワード方式)
キーワードを探しながら読んでいくというのも速読につながる。
本を読む前に自分の中で、あらかじめ大事なキーワードを
5個か6個決めておく。
そして本を手にしたら、まずカバーの袖の部分とか、
要約している部分などを見て、キーワードを探す。
この段階で、ざっと本の概要もつかむ。
さらに、本文をパラパラ読みしながら、
見つけたキーワードに丸をつける。
その中でも大事だと思うところのページ上の端を折っておく。
これを「犬の耳(dog ear)」と呼ぶ。
まあまあ大事だなあと思うところは、
ページ下の端を折るなどの工夫をする。
そうしておけば、後でゆっくり読み返す必要があるとき、
道しるべになる。
◆2割読書法
全体の2割を読むだけで本全体の概要をつかむ手法を「2割読書法」と呼ぶ。
たとえば、200ページの本であれば、
2割の40ページ程度を読んで、全体の概要をつかむ。
その際、連続した40ページを読むわけではない。
必要と思われるところを、
2~3ページずつピックアップして、飛ばし読みする。
それでも本の全体像を把握することは可能である。
◆逆算読書法
たとえば、本(新書)の中で大事なところはどこにあるか?
第1章に一番大事な所を書くことはまずない。
第1章は「今まで皆さんこうお考えでしょう」といったところから入る。
第2章で「それで今までの学説はこうです」といった内容に触れる。
そして、肝の部分を書き始めるのは第3、第4章からで、
自分が一番言いたい結論は最後の章にまとめるのが一般的である。
それなら、何も最初から読む必要はない。
すべてを要約している最後の結論から読めばいい。
このように本を逆から読む方法を、「逆算読書法」と呼ぶ。
◆5分で新書を要約する!
まずはタイトルを確認して、
次に帯、カバー袖の文章に目を通す。
その後、目次や小見出しをサーッと目を通す。
これで、本全体のおおよその要旨をつかめる。
これなら、2、3分もかからない。
その上で、本の要点だと目星をつけた箇所に目を通し、
パラパラとページをめくって、
周辺情報を加えて全体を補強する。
そうすれば、新書なら1冊5分程度で要約することができる。
◆速読には2種類ある
1)目を速く動かしていく方法
2)必要な部分だけをピックアップして、
そこを集中的に読む方法。
そして速読の達人は、
この2つの技術をうまく組み合わせて活用している。
◆読書量を増やすには
まず、自分がたくさん読みたい分野の本を、
集中的に何冊か読んでみる。
そうすると、その分野の知識が効率的に蓄積され、
6~7冊読み終わったころには、
もう8割以上のことが理解できる状態になる。
この状態になると、
はじめて手に取った本でも2割だけ理解すれば
いいことになる。
そうして、あっという間に読破できるようになる。
◆速読+精読
読書するには、速読と精読、
両方の重要性がましている。
◆読書して得た知識を受け売りするのではなく、
しっかり自分の頭で考えなければダメ!
◆読書が習慣化している人とは
1週間のうちに2、3冊新しい本にチャレンジしているという人は、
読書が習慣化しているというレベルに達したことになる。
まだ、このレベルに達していない人は、
毎朝1時間、出かける前に読書することを習慣にしてほしい。
そうすれば、1週間に1冊、年間52冊読める。