嫌われる勇気(岸見 一郎, 古賀 史健)
本書は哲学者の岸見一郎さんと、フリーランスライターの古賀史健さんの共著です。哲人と青年の対話形式の物語になっています。欧米で絶大な支持を得ているアドラー心理学は、「どうすれば人は幸せに生きることができるか」という哲学的な問いに、きわめてシンプルかつ具体的に答えています。
幸せになるということは、他人から「嫌われる勇気」を持つということです。八方美人のように皆んなから好かれようと思うと不幸になります。たとえば、10人の人がいるとしたら、そのうち1人はどんなことがあってもあなたを批判します。
あなたを嫌ってくるし、こちらもその人のことを好きになれません。そして10人のうち2人は、互いにすべてを受け入れ合える親友になれます。残りの7人は、どちらでもない人々です。このとき、あなたを嫌う1人に注目するのか。
それともあなたのことが大好きな2人にフォーカスをあてるのか。あるいは、その他大勢である7人に注目するのか。人生の調和を欠いた人は、嫌いな1人だけを見て「世界」を判断してしまうのです。
- アドラーの教え- その1
- アドラーの教え- その2
- アドラーの教え- その3
- アドラーの教え- その4
- アドラーの教え- その5
- アドラーの教え- その6
- アドラーの教え- その7
- アドラーの教え- その8
- アドラーの教え- その9
- アドラーの教え- その10
- アドラーの教え- その11
- アドラーの教え- その12
- アドラーの教え- その13
目次
序
第1夜 トラウマを否定せよ
第2夜 対人関係がすべてである
第3夜 他者の課題を切り捨てる
第4夜 あなたの居場所はどこにあるか
第5夜 幸福に生きる条件とは
アドラー名言集
- 人生が困難なのではない。あなたが人生を困難にしているのだ。人生はきわめてシンプルである
- 人は過去に縛られているわけではない。あなたの描く未来があなたを規定しているのだ。過去の原因は「解説」になっても「解決」にはならないだろう
- 健全な人は、相手を変えようとせず自分が変わる。不健全な人は、相手を操作し、変えようとする
- 自分だけでなく、仲間の利益を大切にすること。受け取るよりも多く、相手に与えること。これが幸福になる唯一の道である
- 人生には3つの課題がある。「仕事の課題」、「交友の課題」、「愛の課題」。そして後の方になるほど解決が難しくなる
- 重要なことは人が何を持って生まれたかではなく、与えられたものをどう使いこなすかである
- すべての悩みは対人関係の課題である。仙人のような世捨て人でさえも、実は他人目を気にしているのだ
- 行動に問題がるとしても、その背後にある動機や目的は、必ずや「善」である
- 悲しいから涙を流すのではない。相手を責め、同情や注目を引くために泣いているのだ
- 「よくできたね」とほめるのではない。「ありがとう、助かったよ」と感謝を伝えるのだ。感謝される喜びを体験すれば、自ら進んで貢献を繰り返すだろう
- 判断に迷ったときは、より大きな集団の利益を優先することだ。自分よりも仲間たち。仲間たちよりも社会全体。そうすれば判断を間違うことはないだろう
- カッときて自分を見失い怒鳴ったのではない。相手を支配するために、怒りという感情を創り出し利用したのだ
- 苦しみから抜け出す方法はたった一つ。他の人を喜ばせることだ。「自分に何ができるか」を考え、それを実行すればよい
- 究極的には、われわれの人生において対人関係以外の問題はないように見える
- 世話好きな人は、単に優しい人なのではない。相手を自分に依存させ、自分が重要な人物であることを実感したいのだ
- もっとも重要な問いは「どこから」ではなくて「どこへ」である
- 楽観的であれ。過去を悔やむのではなく、未来を不安視するのでもなく、今現在の「ここ」だけを見るのだ
- 人の心理は物理学と違う。問題の原因を指摘しても、勇気を奪うだけ。解決法と可能性に集中すべきだ
- 「自分は役立っている」と実感するのに、相手から感謝されることや、ほめられることは不要である。貢献感は「自己満足」でいいのだ
- 「やる気がなくなった」のではない。「やる気をなくす」という決断を自分でしただけだ。「変われない」のではない。「変わらない」という決断を自分でしているだけだ
- 誰かが始めなければならない。他の人が協力的ではないとしても、それはあなたには関係がない。私の助言はこうだ。あなたが始めるべきだ。他の人が協力的であるかどうかなど考えることなく
- 遺伝の問題はそれほど重要ではない。重要なことは、何を遺伝したかということではなく、幼い頃に遺伝として与えられたものをどう使うかということである
- できない自分を責めている限り、永遠に幸せになれないだろう。今の自分を認める勇気を持つ者だけが、本当に強い人間になれるのだ
アルフレッド・アドラーとは
オーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家。
フロイトおよびユングと並んで現代のパソナリティ理論や心理療法を確立した一人。
アドラーについては、初期の頃のフロイトとの関わりについて誤解があるが、アドラーはフロイトの共同研究者であり、1911年にはフロイトのグループとは完全に決別し、個人心理(アドラー心理学)を創始した。
動画
アドラー「人生の意味の心理学」
思わず感動する「アルフレッドアドラー」名言集
武田鉄矢 今朝の三枚おろし、テーマ『アドラー心理学入門』8日間まとめ
普通であることの勇気!
普通である勇気のないものは
すぐ特別になろうとする。
特別になれないものは
必ず悪くなろうとする。
彼はそれで安直な成功と優越を
手に入れるのである。
他人からの言葉によく耳を済ませ…
特に親子関係では課題の分離が
大事になる。
ただし、課題の分離は入り口である…
人間関係は「縦」の関係ではなく
「横」の関係を築くべきである。